カメレオンファクトリー
 パフォーマンスプーリーの装着


< 能書き >
各社外メーカーから発売されている、アドレス110用の社外プーリーは
デイトナから発売されている以外は、その殆どが純正を加工した物でした。

今まで、カメレオンファクトリー(以降カメファク)から発売されていた物も
やはり純正加工品でした。

今回、カメファクからリニューアルされて新発売となったプーリーは
完全新設計。

外形も見るからに大きく、カメファクオリジナルという事から
転動面の違いによる、加速特性の違いも期待できます。

このプーリーキットは、アドレス110の駆動系の設計上の問題で
セルギアを取り外さないと本来の100%の性能を生かせないという事もあり、
常時使用とは行かないと思われますが、

最高速ステージ等の極地的な使用には使えるのでは?  と、
購入してみる事にしました。


< 目 的 >

純正加工とは違う、完全オリジナル設計により
純正とは異なる、加速感、最高速を得る為に装着です。


< チョイス >

      <   チョイス   >

今回、私がチョイスしたのはコレ。

カメレオンファクトリー製 ・パフォーマンスプーリーキットです。



商品内容は、
・プーリー本体
・専用ランププレート(バックプレート)
・専用スライドピース
・専用クラッチスプリング
・ウェイトローラー(当方計測 18.3g)
・スペシャルグリース(写真には写っていません)
です。

< 内 容 >

      <   観察 1   >

先ずは一番興味を引く、プーリー本体から観察してみましょう。

ノーマルと違うのは、大きくなった外径と、WRの転動面。

転動面は、ノーマルと違い、距離が長く、
そして、心なしか傾斜がなだらかです。
(ノーマルと同じWR設定だと、変速回転数が落ちると思います)

多少内部が、白い粉っぽく見えるのは、
付属のグリースは使用せず、スプレータイプのドライグリスを
塗布した為です。


      <   比較 1   >

ノーマルと外径を比較してみました。



左がノーマルです。

・ノーマル外径 : 98mm
・カメファク外径 : 101mm

直径にして3mmの大径化です。


      <   比較 2   >

次はランププレートです。

コチラもオリジナルですが、形状は
初期型(W型)用のランププレートと酷似しています。





上がカメファク、下がノーマル(初期型)です。

若干、初期型よりも、更にフラットなWR転動面の様です。


      <   工程 1   >

早速、取り付けてみました。

上がノーマル、下がカメファクです。



周囲のケースとのクリアランスが小さくなるので、
外径が大きい事が判ります。

取り外しの際に、指が入らずに苦労しそうです。

今更言わずと知れた、交換方法ですが、
作業を参考にする場合はコチラ
  ↓↓↓
 ウエイトローラーの交換


      <   注意 1   >

外径が大きくなる分、ベルトの押し出し量も増加しますので、
セルギアを外さなければなりません。

*外さなくても装着は出来ますが、
 アドレスの持病とも言うべき、ベルトのセンター削れが
 酷くなるようです。

      <   問題 1   >

さて、期待溢れるカメファクプーリーですが、
既に装着され、ある程度の距離を走った方より
当HPのBBSへ貴重な情報を頂けました。

キットに付属しているスライドピース。

どうもコレが「粉砕」してしまうケースがある様です。
*全てが必ず粉砕するとは限りません。



確かに純正と見比べると、若干頼りない樹脂にも見えます・・。

対応策として、純正のスライドピースを使用する案が浮上しましたが
ランププレート側の溝の形状が違う為、
純正のスライドピースを無加工で取り付ける事は不可能でした。



      <   対策 1   >

ところが、諦めるのはまだ早いです。

なんと、純正のランププレート丸ごとなら、装着が可能な事が
判りました。


      <   比較 3   >

ランププレートによる最高速への影響をチェックする為、
走行とは別に、計測も行いました。

比較に使用したランププレートは
後期型用(SK1以降)のプレート。

最大変速時のプーリーの位置は、カメファク、純正共に同じでした。
最高速も特に変化はありません。

大きく違うのは、低速時の状態。

要は、ランププレートが一番落ちた状態なのですが、
ランププレート形状の違いにより、落ち具合が違うのです。

ランププレートが一番落ちた状態で、
プーリーボスの突き出し量を計測してみました。

純正ランプレ : 13.8mm
カメランプレ : 13.4mm

数値から見ても判るように、
純正の方が0.4mm突き出し量が多いです。

何が違うか?と申しますと、よくゼロ発進や、低速の加速性能を
上げる為に、「ボスワッシャー」と言うものを挟むのですが
その状態と同じ事になります。

純正のランププレートを使用することにより、
低速が、若干得意になるという事です。

先にも記述していますが、最大変速時の、プーリーの位置は
違いが無い為、最高速に影響が出ることはありません。




< 注意事項 >
・ウェイトローラーには、装着方向があります。ご注意下さい。
 また、クラッチケースを外す際に、インパクトドライバー等を使用される場合は
 くれぐれも手を叩いてしまわない様にご注意下さい。

・ベルトを駆動させる部部ですので、油脂は滑りの原因となり天敵です。
 プーリー表面への油脂の付着はご注意下さい。

・走行時、常に回転している重要部品です。
 作業は細心の注意を払い、作業漏れ等ないようにご注意下さい。


< 使用する材料 >
・カメレオンファクトリー製 パフォーマンスプーリーキット
        品番 : P308   価格 : 10,290円(税込み)

・純正ランププレート (初期型)
        品番 : 21431−11F00
        品名 : プレート、ムーバブルドライブ
        価格 : 800円前後 (詳細不明)

・純正ランププレート (後期型)
        品番 : 21431−11F03
        品名 : プレート、ムーバブルドライブ
        価格 : 800円前後 (詳細不明)  


< 使用する工具 >

・インパクトドライバー(クラッチケース)
・プラスドライバー
・プーリーロックレンチ(スズキ車用)
・17mmソケットレンチ


< 使用するケミカル >

・KURE(呉工業)製 ドライファストルブ
・パーツクリーナー


< 参考文献 >
・パフォーマンスプーリー取り付け説明書


< インプレ >

今回、このプーリーキットは、キットとは別に
他のパーツと組み合わせてのテストとなりました。

興味がある方は、そちらの装着内容もご参照下さい
  ↓↓↓
 カメレオンファクトリー製軽量パフォーマンスシーブ(ZZ用)の装着

ベルトが短いと、プーリーの変速幅が増えても
意味が無いので、
純正より長い、カメレオンファクトリー製のベルトを装着して
テストを行いました。

先ずは、付属のウェイトローラーをそのまま使用して走行してみました。
結果はボロボロ。

ウチのアドには全く合わない重量です。
重すぎて、パワーバンドに入りません。

変速回転数は6000rpm前後

ウェイトローラーは、デイトナ他、純正サイズの物が使用できるので
特にセッティングには困りません。

純正プーリーと同様のセット、15g×3、14.5g×3で走行してみました。

多少、純正のセットに比べ、重い感じがある物の、
先程とは比べ物にならない位にシャキッと走るよ様になりました。
変速回転数は6600rpm前後。

更に軽くして、14g×3 14.5g×3 へ変更。
ほぼ決まりの感じです。

変速回転数は6800rpm前後


そのままのセットで最高速測定ステージへ向かい
最高速のチェックを行ってみました。

ノーマルプーリー+ノーマルベルト(初期型用)
仕様時の最高速は127km/hです。

更に長いカメベルトを装着して
さて、どの程度伸びるのか・・・・?



自己記録更新の133km/hです。

この+6km/hを、大きいと取るか、少ないと取るかは
個人により意見が別れそうですが、
この速度域での+6km/hは、私は大きいと感じます。

もし最高速バトルにおいて、6km/hの差あったとすると、
止まっている人と、歩いている大人程の速度差ぐらいで
引き離される事になります。
目に見える速度差です。 大きいですよね・・・。

その他、全体的なフィーリングが、マッタリとした感じになります。
ベルトを長い物になっている事もありますが、
レスポンスは余り良いとは言えません。

ランププレートやプーリー転動面ENDの形状違い
から来る物でしょうが、最高速時のエンジンのMAX回転数も
・ノーマルプーリー 8750rpm
・カメプーリー 7800rpm
と 1000rpm近く降下しました。


そして・・・
マッタリとした発進加速をどうにかしようと試みた所に罠が・・・
興味がある方は是非
     ↓↓↓
パフォーマンスプーリー番外編・低速強化時の罠!?