カメレオンファクトリー
 パフォーマンスプーリー番外編
       
低速強化時の罠!?


< 能書き >

さて、当HPの車体でも、最高速の向上を実現してくれたカメのプーリーですが、
巷では、高速域の伸びは凄いけど、発進加速は一段とマッタリになるんだよな〜
という噂で持ちきり?です。

私の体感も同じで、どうにかならない物か?と思い、組み込んだ駆動系を見ていると、
ベルトが完全に落とし込まれていない事がわかりました。

そこで、ボスにワッシャーを組み込んだところ、発進加速は良くなったのですが、
最高速が129〜130km/hあたりまで落ちてしまい・・・・

他の社外プーリーを圧倒する最高速コソが生命線のカメプーリー。
肝心な最高速が落ちてしまっては、その価値は半減以下です。

低速を強化して何故最高速がおちてしまったのか?
組み込んだ駆動系をじっくりみると、その罠が見えて来たのでした・・・。


< 目 的 >
発進加速を良くした為に低下してしまった最高速の原因を考え、
対策を施します。
(対策と言うほどの事でもないですが・・・)


< チョイス >

      <   チョイス   >
もちろん、チョイスしたのは
カメレオンファクトリー製 ・パフォーマンスプーリーキットです。


< 内 容 >

      <   観  察   >
今回の注目点は、このボスの突き出し量です。
頂点計測では純正のランププレートを使用して13.8mmでしたが、
実際の有効的な数値は13.3mm程度と思われます。
(頂点がカットされていて平面になっている為)



試しに、カメファクのベルト(ほぼ新品)を当ててみました。

簡易的に見るだけでも、ベルトの腹の面とボスの面が
合っていません。

      <   観  察   >

簡易的だと、あまり現実的ではないので、
エンジンO/H時に外して保管してあったクランクシャフトを使い
実際に駆動系に組み込まれると、どの様な状態なのかを
見てみることにしました。



まずは、そのまま追加部品(シムワッシャー)無しで
フェイスタッチの状態。
(フェイスとプーリーの頂点が接触して、
 プライマリー側の変速機としては最大変速の状態)




少し見難いですが、きちんとローラーは
プーリー外側いっぱいまで出て来て、
ランププレートを押しています。


      <   観  察   >

そこで、プーリーを変速ゼロの位置まで戻し、
先ほどのカメのベルト挟み込んでみました。

やはり、ボスとベルトの間に隙間が出来てしまっています。
コレでは、Loギアになりきっていないので、
その分、発進加速が鈍くなってしまいます。

ミッション車でいうと、2速発進みたいな状態です。



そこで、ベルトの落とし込みを増やす為にワッシャーを追加します。
写真のワッシャーは0.5mmと1mmです。

かなり隙間が大きいので、まずは思い切って1mmから。


かなりボスとベルトの距離が近くなりましたが
まだワッシャーを追加できそうです。



更に、0.5mm追加。
すこし力をいれてベルト押し込むと
ボスにタッチするので良い感じです。

実際の車体に組み込む際も、ベルトが新しくて太い状態だと
1.3〜1.5mm程度のシムを追加しますので、
整合性は取れてそうです。

ここで、注意事項が一つ。
ワッシャーを追加する事で、フェイスから外側の部品が
全体的に外側へオフセットしてしまうのですが、
キックギアが常時ケース側の部品に干渉してしまう場合があります。

その場合、キックギアとフェイスに間にあるワッシャーを
薄いものに交換したりして帳尻を合わせる必要があります。

      <   観  察   >

今度はシムを追加した状態でベルトを外し、
フェイスタッチの状態までプーリーを動かしてみました。

が!

なんと!

シムの追加でプーリーの移動量が増えた為にローラーの移動量が
対応しきれなくなり、(ローラーが外壁に当たってしまい)
ランププレートとローラーの間に隙間が出来てしまう
状態になってしまいました。

これでは、実際の走行ではフェイスタッチまで変速しないため、
変速比が落ちてしまい、最高速が低下してしまいます。



ローラーが当たる外側の壁です。



最高速が低下しているのはこの外壁だったと思われます。

      <   加  工   >

原因が判れば後は簡単。
ベルトサンダーと棒やすりを使い、外壁を取っ払い、
ローラー転動面の延長になるように角度を気をつけながら
成型していきます。



加工後、ローラーは更に外側に来れるようになり
変速もバッチリです。


      <   番  外   >

このプーリー、 ローラーの落ち込み側(プーリーの内壁側)
を切削すると、更にローラーが潜り込んで、
ランププレートが深く落ちるので、その分ボスの突き出し量を
増やす事ができます。

低速側はワッシャー追加しなくてもと同じ効果が得られ、
ワッシャーを追加しない分、外側の壁を切削しなくても
フェイスタッチが普通に可能になります。

部品構成的には、ワッシャーがない分シンプルになるので
良いのですが・・・・

実はコレとは別の品物でローラー落とし込みの切削加工をして
使っていた所・・・・・

プーリー中心のボスが通るメタルと、この削った部分の肉厚が
薄すぎる為、強度不足に落ちてしまったようで、

見事にメタルにクラック入って使い物にならなくなって
しまったのでした・・・。

従って、このプーリーは2個目のチャレンジだったのでした・・・・。




< 注意事項 >
・ウェイトローラーには、装着方向があります。ご注意下さい。
 また、クラッチケースを外す際に、インパクトドライバー等を使用される場合は
 くれぐれも手を叩いてしまわない様にご注意下さい。

・ベルトを駆動させる部部ですので、油脂は滑りの原因となり天敵です。
 プーリー表面への油脂の付着はご注意下さい。

・走行時、常に回転している重要部品です。
 作業は細心の注意を払い、作業漏れ等ないようにご注意下さい。

・切削作業を行う際は、手などへの怪我はもとより、
 切子等の飛散物が目に入らないように注意してください。

・ キックギアが常時ケース側の部品に干渉してしまう場合があります。
 エンジン始動前に、駆動系のカバーを装着したら、キックレバーを動かして
 干渉していないか感触を確かめましょ。う
 最初から干渉している場合は、キックギアとフェイスに間にあるワッシャーを
 薄いものに交換したりして帳尻を合わせる必要があります。


< 使用する材料 >

・カメレオンファクトリー製 パフォーマンスプーリーキット
        品番 : P308   価格 : 10,290円(税込み)

・純正ランププレート (初期型)
        品番 : 21431−11F00
        品名 : プレート、ムーバブルドライブ
        価格 : 800円前後 (詳細不明)

・純正ランププレート (後期型)
        品番 : 21431−11F03
        品名 : プレート、ムーバブルドライブ
        価格 : 800円前後 (詳細不明) 

・アド通オリジナルシムワッシャー(マロッシ対応型)
        品番: 1.0 or 0.5 or 0.3
        品名: アド通オリジナルシムワッシャー 16/19
        価格: 1枚/100円


< 使用する工具 >

・インパクトドライバー(クラッチケース)
・プラスドライバー
・プーリーロックレンチ(スズキ車用)
・17mmソケットレンチ
・ベルトサンダー(荒削り)
・棒やすり(成型)
・サンドペーパー#180〜400(仕上げ)


< 使用するケミカル >

・パーツクリーナー


< 参考文献 >

特になし


< インプレ >

この加工により、ばっちり最大変速も戻り、最高速も回復しました。(2005年9月当時)




■2008年1月現在

街乗りでの試験車輌はハイギアを装着していない
機関がノーマル車の為、最高速は120km/h程度となっています。

■ノーマル車 参考セッティング■
・プーリー    : カメファク
・フェイス    : カメファクZZ用
・ランププレート : 純正(初期型)
・ベルト     : カメファク
・トルクカム  : 溝延長+クラッチスペーサー1mm
・センスプ   : グランドアクシス1型純正
・クラッチ    : ノーマル
・WR      : 15g×3 18.5g×3
・セルギア 削除