蝋梅を観に小金井公園へ。毎年梅は2月に観にいく。蝋梅の見頃は1月下旬。なので2月に行くと花も香りも終わっていることが多い。
今年は早めに行って蝋梅の色香を堪能した。
紅梅と白梅は一分咲き。
よく咲いていたのは紅梅の「鴛鴦」と白梅の「古城の春に似て」
寒緋桜はまだ咲いていなかった。
ベンチに座り、さだまさしのアルバム『帰去来』(1976)から「夕凪」と「童話作家」を聴いた。
そういう季節が巡ってきた。それは頬を打つ風の冷たさとともに伝わってくる。
これからしばらく、さだまさしとオフコースを繰り返し聴く季節になる。
だって私自身がとても嘘つきで
涙を隠しては
笑って過ごしてる
(「童話作家」)
私も40年の間、「涙を隠しては笑って」過ごしてきた。今年は節目の年。悲しみ方もそろそろ変えなければならない。
広大な公園なので蜜ということはないが、多くの家族連れが来ていた。
ベビーカーで眠っている子、ヨチヨチ歩いている子、補助なしの自転車を練習している子、父親とキャッチボールをしている子⋯⋯。どの姿にも見覚えがある。
娘が生まれたときにはこの公園の近くに住んでいた。家族連れを見て懐かしく感じるのはそのせいもある。新緑の季節、ベンチに座って娘の名前を考えた。20年以上前のこと。
ずっと悲しみに沈んで生きてきたわけではない。喜びもあった。幸福を感じた時もあった。でも、すべての出来事とすべての感情はいつも悲しみに包まれていた。
悲しみとともに生きる
私の半生を一言で言い表せば、そう呼ぶこともできる。
帰りは時間をかけて、音楽は聴かずに歩いた。この20年間をなつかしく振り返りながら、この40年間を悲しく思い出しながら帰ってきた。