最近、とくに理由もなく、中島みゆきの「時代」を繰り返して聴いている。何か理由があるのかもしれないが、自分でも気づいていない。
「時代」にはいくつものバージョンがある。手持ちの音楽ライブラリから「時代」を数えてみる。
本人編
- 私の声が聞こえますか (1976):ギターとコーラスのみ
- 中島みゆき ザ・ベスト (1986):管楽器のイントロ。編曲:船山基紀。
- 時代-Time goes around- (1993):「世界歌謡祭」での紹介と数小節の歌唱あり。編曲:瀬尾一三、ストリングス・アレンジ:デヴィッド・キャンベル
- 栄光のポプコン 総集編 (1997):ピアノのイントロ。
- ポプコン・バラード・コレクション (2004):ピアノのイントロ。上と同じ。
- 大吟醸 (2002):ピアノのイントロ。上と同じのようだがボリュームが大きい
- 十二単 (2013):2010-11のライブ・バージョン。歌い出しはア・カペラ。
カバー編
- 研ナオコ (1978)、研ナオコBEST
- 夏川りみ 、歌さがし(2007)
- 大橋純子、Terra (2007)
- 徳永英明、VOCALIST (2005)
- 薬師丸ひろ子、歌物語 (1988)
- 薬師丸ひろ子、SENTENCE ~セ・ン・テ・ン・ス~ (New Remix Version)(1989)
- 桑田佳祐:昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦 (DVD)(2009)
おそらく一番知られているのは最初にシングルで発売されたバージョン。『ザ・ベスト』に収録されている。
私が好きなのはデビュー・アルバム『私の声が聞こえますか』のバージョン。編曲はギターだけで、歌い方もやさしい。後半の本人が乗せたコーラスがいい。この歌は歌の世界が壮大だから、大袈裟なオーケストラよりも、かえってシンプルな編曲が似合うと思う。
カバーで好きなのは薬師丸ひろ子。透き通った歌声には原曲とは違う静謐な雰囲気がある。
「時代」の魅力は何だろうか。
歌の世界が普遍的であることが第一。適度に抽象的で、悲しみの歌にも聴こえるし、慰めにも励ましにも聴こえる。聴こえ方はその時の気分による。
メロディは中島みゆき作品に多い四拍子の三連譜。作曲の面でも彼女の原点と言える。
コード進行も複雑ではない。いろいろなバージョンを続けて聴いても飽きのこない簡潔なメロディもこの曲の魅力の一つ。
あるいは、いま、何度でも繰り返し聴きたい気分になっているのかもしれない。そういう気分になっている理由はわからない。
寒くなってきたので心が北国の歌を欲していることは確かではある。