5日間の船旅を楽しんだ。父が健在のときは、母と二人でよく船に乗っていた。国内だけでなく、カナダのファリファックスからニューヨークやナイル川の川下りもしていた。
今回は父の代わりに妻と二人で母のお供をした。
飛鳥Ⅱに乗るのは二度目。前回は一泊なので慌ただしかった。今回は時間に余裕があったので、クルーズ船を楽しむべく、寄港地の観光はほどほどにして船内でのんびり過ごした。
船は遠州灘沖へ出て西へ航行。
長旅の楽しみは食事。豪華な夕食はもちろんのこと、素朴な小豆島素麺が美味しかった。
丸一日クルーズして小豆島へ。小豆島といえばオリーブ。本場ギリシアのミノス島と姉妹島関係を結んだ縁でギリシア風の風車がある。郵便ポストもオリーブ色。
島の周囲は水深が浅いので、客船は沖合に停泊し、通船で上陸、帰船した。
二つ目の寄港地は和歌山県日高。安珍・清姫の伝説の道成寺がある。
経済効果を狙って客船の誘致合戦が激しいらしい。港では、地元の野菜や名産品の直売のほか和歌山のゆるキャラが集合して宣伝に励んでいた。
日高の海は碧かった。
船の航跡は美しい。海上では船首にいるより船尾にいて遠ざかる風景を見る方が楽しい。
子どもの頃は乗り物に酔いやすく苦労した。船旅に慣れている母には「波を見るから酔うのよ、遠くを見なさい」と助言されていた。ところが今回の旅では波が穏やかだったので、航行する船があげる水しぶきをじっと見ている時間もあった。
寄港地では曇り空が続いた。母港へ近づくと天候は好転し、みなとみらいのランドマークタワーの横に富士山がはっきり見えた。