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大日岳 その1日目(山行第3日目)

2012年07月25日 

7月25日(水) 3:30起床、もたもたと準備。
浄土山での体力残り具合を判断して、大日岳に進むか一の越しからダムに下山するか、を決めることとする。
4時発を目指すが出発前に出入り口で主人に会う。名簿を見た奥さんから、再訪していることは判っていたのだそう。昨秋の礼を言って5〜6分ほど立ち話。写真を見つつ、4羽の雷鳥の話、リンネ草の話、黒部湖周遊道の整備状況・・・・。

4:10出発。今年は雪解けが遅く、開花はまだとの小桜を探しつつ・・・・結局見つけられず。
五色ガ原の縁あたりまでくると南の山々が稜線にさえぎられて見えなくなってくる。適当なところで朝食兼日出を伺う。が、後立山の山の向こうで期待できず。例の団体にも抜かれたので早々に出発。
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5:20ザラ峠着、去年の嵐が嘘のような眺め。団体を抜き、一人先登する。

けっこうな急坂をひたすら登る。時にはハシゴも。幾つかのノッコシをへて6:15やっと獅子岳のピークに着く。
眼下に平乃小屋の半島が見え、下界は晴れて良そう。しかし、五色ヶ原は半分以上ガスの中に。空には低く?雲がたなびき、その下に遠く白山が見える。太陽が雲に隠されたのか景色はモノトーンになる。
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15分ほど一休みしているとあの団体が到着したので出発。ここからの鞍部には日影に大文字草、日向にハクサンイチゲ、シナノキンバイなどちょっとしたお花畑。

その先にある雪渓トラバース道は良く踏まれていて、アイゼン無しでもすべり落ちる危険は無い。もっとも今日はまだだれも歩いていないので、いちおうステップを切りながら進む。
この雪渓は滑っても下の方が緩やかになっていて何とか止まりそう・・・・・などと考えつつ7:12東南尾根の乗越に着く。
が、その先にある雪渓は途中まで目印のロープがあるが、その先はやや急でかなり下まですべってゆけそうな感じ。慎重に進む。この雪渓の最後はジグザグの急登になっていたが、雪渓をはずれ、横のザレ場に降りて直登してようやく東尾根の乗越についた。7:28
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写真左:7:13東南尾根の乗越から見る これから登り初め  写真右:7:28登り終えた東尾根の乗越から俯瞰。最右端にジグザグの踏み跡あり

ここから鬼岳北側の斜面に下る。ここにも花がいろいろ。最低鞍部には雪渓も。
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昆虫と同名の花も居たりして・・・・・・。 写真上:タデの仲間、ミヤマクワガタ、タカネヤハズハハコ
写真下:ダイモンジソウ、ツガザクラ&タカネヤハズハハコ&キバナノコマノツメの群落、キバナノコマノツメ

次は龍王岳の登り。「昨秋の風景やいかに?」とさがしさがし登るが判らない。
8:15頃、浄土山がみえる所まで来てしまったので、そこに荷物を置いてもと来た道を戻る。ほぼ10分以上下り、8:30ようやくそれらしき岩陰を見つける。最低鞍部から5分ほど上がった地点。昨秋、ガスと雪で道が判らず間違えた所まで戻ってしまった。去年と同じアングルを探しているうちに団体に抜かれる。

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岩の形と雪の付き方からそれと分かる。夏写真の中央やや右手にある赤ペンキが、秋写真には雪に隠されてほんの一部のみしか見えないし、右手にある岩山も秋写真にはシルエットとしてかろうじて見える。

8:45判断の分かれ目、浄土山に着くと雨が降り始める。当初浄土山から真っ直ぐ室堂に向かって1−2分進んでみたものの、天気は期待薄と判断して引き返し、一の越しからダムに下ることに。山頂直下、今山行最大の雄雷鳥にであう。しばし撮影後、下山。
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11枚撮影して、まともなのはたったの2枚。なんとも動き回るやつ。

9:20一の越しまで下ると下界は晴れていそう。結局30分ロスしたが、いい天気の室堂に着く10:10。
大日岳に向かうことにして小屋にTEL。「泊まれるけどTVクルー14名がはいるので少し窮屈」とのこと。「では今日室堂泊するので、明日泊は可?」と問うと「いや、なんとかするからおいで下さい。たぶん途中でクルーを追い抜くでしょう」とのことで決行決定。

大日岳と地獄谷が俯瞰できる広場で餌補給。この地獄谷、ガスの濃度が高くなったので立入禁止中。雪渓の色もクリーム色に染まり、這い松も秋の色に色づいて・・・・・・ではなくて枯れ上がっている。
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仰ぎみれば、奥大日への稜線上に7−8人の団体が進んでいるのが見える。あそこまで約1時間ぐらいの距離か。
下り道がすこぶる歩きにくいため、スキー場になった雪渓上を選んで下る。
11:10キャンプ場を通過、ここから登りに。少し進めば今度は雪渓上の階段登り。結構急。11:50稜線の分岐に着く。
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写真左:乗越からの立山とキャンプ場、  写真中:雪渓上部からキャンプ場を、   写真右:11:54 みやまりんどう

快適な稜線歩きと思ったが、結構な上下が続く。道も着け替わっているようで写真を撮る余裕もなくあえぎあえぎ進む。やっと奥大日への斜面登りに入る。降りてきた娘が、「山頂にいたらTVクルーがきたのでみな退散した」のだとか。

別れてすぐの13:14、道上に雷鳥出現。初め牝親1羽、カメラを構えるうちに子供6羽がぞろぞろと現れ砂浴びする始末。「通るからどいて!」と声を掛けても動じない。やむなく、2m上のザレ場をよじ登り、高巻きする。
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写真左:道を通行止めにする雷鳥親子、 写真中:たむろする子供4フレーム外に+2、写真右:2m上のザレ場から俯瞰


13:25奥大日岳三角点(山頂)と奥大日岳最高点との鞍部に当たる稜線に出る。ここから見える山頂にはクルーが見えたがすぐに移動を始めた。13:33誰もいない山頂に着く。周りはガスが巻き、余り見えず。大日岳へ分岐点に戻り、ここで20分ほど休憩・エネルギー補給。
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写真左:鞍部からの奥大日、      写真中:山頂、        写真右:奥大日岳南部から。鎖場あり。山頂は左のピーク
歩きにくいトラバース道を進み、途中で出会った方から「きぬがさ草の群落あり」を聞き、14:18谷間近くにそれを見る。

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14:22 ちょっとした見晴らしに出ると一瞬前方に小屋が見えた。左が中大日岳のピーク、右が目的地の大日岳。
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14:30頃、主役を含むTVクルーの半分に追いつく。道が狭くすぐに追い越せないので道横にある黄花を撮影しつつ時間つぶし。余り問題のない所ではあったが、石がごろごろした所で一人が足を滑らせて尻もち。ハシゴ段を降りた少し先で道を譲ってもらい、先を急ぐ。
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14:44奥大日−中大日の最低鞍部付近でミネ桜と再開。
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その先の登り途中の15:47、クルーの残り半分を追い越し、岩場の急登を斜めに登り(鎖場あり)、緩やかになった所にあと1.5kmの標識と先客2人。この先に七福園があるとのことで先を進むが、まだ早いのかもう遅いのかめぼしい花もなく、白一色に囲まれた風景では少々がっかり。
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写真左:TVクルーの半分と鎖場のあるピーク、 写真中:岩場の急登後の風景、 写真右:花の少ない七福園お花畑

その先の大岩の上は飛んだり跳ねたりして進み(これは楽しい)、小池の脇の木道を歩き、15:30いつの間にか中大日岳に。ここからの下りはほんの少し。6分後には小屋着。
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宿泊手続き後今夜の寝床へ。畳1枚に1人と普通の状況を確保。寝る前に確認すると男性クルーは食堂に布団を敷いて寝たよう。小屋の主人の配慮様々。遅く着いたのかクルーなのか21時過ぎに1名が隣の寝床に入ってきたぐらい。

16:00ナップサックにビールとつまみを入れて大日岳に向かう。約15分後の16:15山頂着。2等三角点の標識有り。ここは測定点では無かったっけ??。
後で調べると測定点は少し小屋寄りのピーク2501m、三角点は2498m。這い松の下らしく明確に2501mを踏んだ訳ではないが一応登頂としよう。

先客2名、60代の看護婦(士)さんと若い目(20代?)の山ガール。
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冷やしたビールを飲みつつ、3人して剣が晴れないかしばし眺める。ときどき晴れかかる・・・が全貌は見えず。16:54夕食が始まるので一度小屋に帰る。山ガールの姉ちゃんは「もう少しねばる。夕食分の食糧が有るし・・・。」とのことで一旦分かれる。

夕食時間に若干遅れて食堂に入る。TVクルーが仕切る食事風景はちょっとちょっと。できるだけ写らないようにと離れた座席を選び、ビールを飲みつつ隣の剣沢小屋発−剣往復−大日小屋着の健脚4人Grpと話す。
ただ、件の主役の真後ろだったようでしっかり撮られてはいた。

17:50頃、外に出ると剣が期待できそう。で、30分待つうちに全貌が見えた。
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アーベントロートを期待しつつ、本日3本目のビールをもって、周りの人に「言ってきます」と再び山頂へ。そこには山ガールがまだいた。西にある雲が3段の隙間に分かれ、一番下が広く、夕焼けの期待大。

まずは前哨戦。18:49〜18:55の毛勝〜剣〜立山。 更に南には五色が原の山々が見える。
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  写真左:毛勝方向、             写真中:剣方向、            写真右:立山方向
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五色が原の山々       写真左:18:54          写真右:19:02 

はたして、よく見えた。剣よりも立山のほうが良く焼けた19:02〜19:03。足元の尾根にかかったガスに夕日があたると何ともいい色合いになる(黒いシルエットは早乙女岳)。
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薄暗くなった中、山ガールを連れて帰る。途中で雪上の下り方、登り方、滑り方を伝授。下り方はOKに。滑り方練習でグリセードが見事に尻セードになっていたりして・・・。看護士には「ちゃんと連れて帰った?」 「Yes。良く焼けたよ」と画像を披露。

その後食堂では「ギターの夕べ」。山頂では飲めなかったビール片手に食堂へ。結構混雑。そのままだと件の人物の間近になりそうなので、ビールを理由に隅っこに潜り込む。贔屓目に書けばやわらかい音、堅めの音をミックスし、独創的なテンポでのアンサンブル・・・・2度も涙する方もいらっしゃる有様。

寝床に引っ込み、明日の予定を検討。朝8:30のバスに乗れば余裕で帰宅できる。就寝は21時。出発は4時。



コースタイム 予定(=山渓 登山手帳2010)、実績(=休み含む)
予定:五色小屋−浄土山−室堂−新室堂乗越−大日小屋=3:40+1:20+1:20+3:40=10:00
実績:五色小屋−浄土山−室堂−新室堂乗越−大日小屋=4:35+1:15+1:15+4:15=11:30(うち休憩2:00)


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