乗りかかったバスだから
情熱の赤。しかし、彼らの胸の中にあるのは、単なる情熱ではありません。
怒りとか無念さとか、そして意地が渦巻いていたはずです。
乗りかかった船から降りるわけにはいかない。あ、船じゃなかった、バスだった。この大きな赤いバスからは、もう降りることができないところまで来ていたのです。
ある夏の日に
多分、このWebサイトで、各地で飲食店などに活用されているロンドンバスの写真をご紹介していたからだと思います。
2019年の夏の日、「ルートマスターを探しています」というメールが舞い込みました。
商業施設にルートマスターを置き、飲食設備として活用したいというのです。一旦、その方をAさんとしておきます。
「手放したい、譲ってもいい、輸入している、などの情報がありましたら、お知らせください」という趣旨のメールを見て、私もちょっと思案しました。
確かにロンドンバスの写真はそれなりに撮りましたが、所有者を知っているわけではないし、ましてや、手放したいかどうかまでは分かりません。
一旦、名の知れた中古バスディーラーの存在などをお教えし、それ以上のお力にはなれないであろうことを、Aさんにお伝えしました。
撮影:愛知県(2016.8.27)
ただ、私も一縷の望みをかけて、昭和の車保存会の広報部長・伏見さんに「売却可能なロンドンバスとか知りませんか?」とメールをしたのです。
ことが動き始めてしまったのは、ここからでした。
仙台にロンドンバスがあった
2008年の様子
撮影:牧場主様(仙台市 2008.6.7)
伏見さんからの情報は即座に返ってきました。
「小田原サいうところに、ロンドンバスあるんだよねぇ」
しばらくトンチンカンなやり取りを続けた挙句、
「仙台駅の近くの小田原サいうところに」
ということが分かり、納得がいきました。
このバスです。
以前は、東北新幹線の窓からも見えました。
2017年の様子
撮影:長谷川竜様(仙台市 2017.6.3)
しかし、このバス、東北新幹線の窓から見えなくなったので、撤去されたのだと思っていました。
実際は、隣りに大きなマンションが建設されて、見えにくくなっていたようです。この写真は、マンション建設中。
また、併設されていた「赤バス雑貨店」という建物が取り壊され、ドア側が姿を現していました。
2019年の様子
撮影:伏見正浩様(仙台市 2019.8.10)
伏見さんが現地確認した時の様子です。
こちら側から見ると、そんなに損傷は進んでいないように見えます。
伏見さんは、このバスや土地の所有者を探し当て、譲渡してもらうことが可能かどうか、既に打診を始めていました。
現地視察をしてしまおう
宮城県栗原市で開催される「みんなでしあわせになるまつり」に行くため、その前日に宮城県入りし、伏見さんの案内で、現物を見に行くことにしました。
奇しくもこの前日、Aさんもここを訪れ、伏見さんとともに車両の確認、土地所有者との面会、車両運搬、改造業者との顔合わせなどを終えたとのことです。
撮影:仙台市(2019.9.14)
隣りのマンションは既に完成し、東北新幹線からの眺望を遮っています。
ロンドンバス自体も、風雨にさらされ、退色が進んだほか、外板のパネルが欠損しています。
使われていないものは、段々と劣化してくるのです。
撮影:仙台市(2019.9.14)
運転席窓には「Lite BEER」というネオンサインが残っています。
伏見さんによると、このバスは1986年に喫茶店を開業するため、わざわざイギリスから輸入したそうです。隣りにスーパーハウスを建て、喫茶店を始めたものの、長くは続かず閉店したとのこと。
その時のオーナーは、その後亡くなり、今ではこのロンドンバスを含めて、土地は別の所有者の手に渡っているとのことです。
撮影:仙台市(2019.9.14)
後ろのドアが喫茶店当時の姿を物語ります。
隣りの高層マンションは、かつてキリンビール仙台工場だった場所。伏見さんによると、横の道路がちょっとだけ広いのは、そのための貨物の引き込み線があったからだそうです。
工場閉鎖後、「キリンスポーツせんだい」という複合スポーツ施設が作られ、バブル時代の宮城県民の憩いの場となりました。ロンドンバスの喫茶店は、そんな客層を見込んでいたのでしょう。
撮影:仙台市(2019.9.14)
しかし、8月に伏見さんが現地確認した時にはなかった看板が・・・。
実はこの土地にマンションが建つそうです。着工は11月15日なので、それまでにロンドンバスを搬出しなければなりません。
「ギリギリのタイミングでしたよ。ラッキーって言うしかないです」
伏見さんも興奮気味です。
撮影:仙台市(2019.9.14)
運搬方法を考える
国道までの道路が狭い
撮影:海和隆樹様(2019.10.24)
撮影:海和隆樹様(2019.10.24)
これまでも色々なバスを運搬してきましたが、今回のバスはちょっと違います。
なにせ、日本の道路交通法と無関係な高さなのです。
ロンドンバスの高さは4.4m。日本の道路交通法では、高さは3.8m以内とする必要があり、2014年の規制緩和で、例外措置として4.1mまで可能な個所ができたという状態です。
このロンドンバスを移動するには、特殊車両通行許可申請をする必要があります。
伏見さんは、国道に出てしまえば大きな問題はないと考えますが、それまでに難関があります。この写真は、ロンドンバスが置いてある場所にいちばん近い丁字路。大型車がすれ違えない程度の広さの道路です。また、道路上には電線もあります。
バスを上下に切り離して運ぶ案
それなら、バスを上下に切り離してしまい、運搬後に再び連結させよう。Aさんはそう思いつきます。
Aさんはこの方法が最良の手段ではないかと考え、現地確認の際には、地元の鉄工屋さんも同行させるという力の入れようでした。
この方法なら、全高4.4mの問題はクリアできます。
Aさんは、Webからこの車両の骨格の状態が分かる画像まで探し出し、切断は可能ではないかと言います。
このまま牽引してくれる業者が見つからない
一方、伏見さんは、このまま運搬し、宮城県内の車両工場で長距離運搬に耐えられる修繕を施し、期限までにAさんの商業施設に運ぶ方が割安なのではと考えます。
実は、商業施設のオープン日も決まっており、長期間にわたる大修繕は難しいという事情もあったのです。
しかし、運搬ルートが長距離になる上、高さ制限をクリアしなければならないという条件から、仙台市内のレッカー業者にはすべて断られてしまいました。
上下切断で行くしかないのか
与えられた時間も少なく、レッカー移動も難しい。この状況に困った伏見さんは、桂田興業の桂田社長に助けを求めます。
佐藤工業の沼倉専務とともに現地を確認した桂田さんは、「引っ張るのが駄目なら、ぶった切るしかないでしょ」と答えました。
撮影:伏見正浩様(仙台市 2019.10.23)
上下分割する場合、作業は現地で行うため、道路側に足場パイプと養生ネットを組んで飛散物と騒音対策をします。
外板はアルミパネルで、細い鉄フレームと木骨にリベットと木ネジで止めるという接合方法だったので、外板を痛めないように、リベットとネジを切断するだけで分割できそうなのです。
2階はそのままではフレームが弱いため、内部に支保工を組み補強します。そうすれば、切断後の吊り上げや運搬時の崩壊を防ぐことが出来そうです。
桂田興業の出番
画像はイメージです
伏見さんから発注を受けた桂田興業は、重機屋など関係する業者を取りまとめながら、算段を進めます。
作業自体もそうですが、準備や見積もり、関連業者との調整などにも時間がかかり、本来の仕事を断ってまで、期限の迫った「大仕事」に備えます。
準備から養生、運搬、諸手続きなどを含めて、恐らく500万円くらいはかかるだろう、というのがこれだけの大物を動かす費用です。
Aさんが2回目の現地確認に来た際に、金額と作業内容の説明をしました。
ところが・・・
事態は急変した
所有者の方ともこのロンドンバスを譲渡してもらえるよう話がまとまり、運搬方法の見通しもほぼついて、あとは決行日を決めるというところまで来ていました。
そんな10月上旬のある日、Aさんから衝撃的な報告が。
「法的な理由があり、ロンドンバスを商業施設に設置することが出来なくなりました」
無報酬でここまで段取りをつけてきたのは何だったのか・・・。
関係者一同、言葉を失います。
「所有者にはこれを引き取ることを約束してしまったし、運搬については、関係する業者さんたちに協力依頼をしてしまったし、今更キャンセルなんてできっこない」
伏見さんは悩みます。
「自分達だけなら“オワッター”で済む話だけど、業者さんを巻き込んでしまったら、そうはいかないでしょう」
俺たちだけで運び出そう
これまで段取りを組んできたメンバーは、ロンドンバスを前に思案します。
時間的な猶予もない中、これまで色々やりくりを考えてきて愛着さえ湧いてしまったこのバスを、そのまま潰すのも忍びないという思いです。
そして・・・
「乗りかかった船だ。後戻りはできないだろう」
そう考え、バスを活用する見通しはないまま、このロンドンバスを運び出すことを決意しました。
もちろん、バスを上下2分割するなどの大作業はできません。しかし、桂田興業での作業経験から、自社ヤードまでの行程であれば、この高さを牽引することは可能だとの判断をしたのです。
決めてしまうと、その後の行動が早いのが彼らです。
10月24日を決行の日と決め、事前準備を始めます。
レッカー移動に当たり、ブレーキの張り付きがないか確認し、2日間に分けてブレーキの固着解除作業を実施。
車内の整理も早めに済ませてしまいます。
20年前の雑誌で紹介されていた
前日の準備もほぼ終わり、下河原さんが後片付けをしていたところ、不意に旅人が現われました。このロンドンバスでお茶でも飲んで行こうと思ったようです。
その方が持っていたのが1990年代に日地出版で発行された「マップちゃん」シリーズ。このロンドンバスが、お洒落なレストランとして紹介されています。どうやら「ドラゴン・ボール」という店名だったようです。
運び出す前日だった・・・というより、閉店していたことに旅人の方はがっかりして帰って行ったそうです。
決行の日
レッカー車登場
撮影:海和隆樹様(仙台市 2019.10.24)
当初、ロンドンバスに三角バー(トウバー)を取り付けて牽引する方法を検討し、平泉運輸の阿部社長に確認したところ、牽引に必要なピントルフックがないため不可能との回答です。何を牽引するのかを聞かれましたが、ロンドンバスだと言えば断られると思い「4.4m」とだけ答えたところ、「その高さならロンドンバスでねえか?あれならリーフかフレームにアンダーリフトかけれるから、フロントタイヤ外して地面ギリギリに下げれば、うちのレッカーでそのまま牽けるぞ」とまさかの返答。
「なぜロンドンバスなんか?」と阿部社長に聞かれ、これまでの経緯を話すと、「よしわかった。但し先導と後尾はそっちで付けろよ」
「ところで銭は誰出すんだ? お前出すのか? ならなんぼでもやったる(笑)」
ご近所さんも別れを惜しむ
撮影:伏見正浩様(仙台市 2019.10.24)
何かが始まるのを予感してか、老夫婦が姿を見せました。
30年ほど前、このロンドンバスの喫茶店でお茶したことがあるということで、別れを惜しんで写真を撮りに来たのです。「このバスは小田原の名物だ」
静かにたたずんでいたバスも、地元ではなくてはならない風景の一つだったのです。
海和隆樹様(2019.10.24)
海和隆樹様(2019.10.24)
海和隆樹様(2019.10.24)
牽引車に接続した後、前輪を外します。
最前線で活躍する迷彩服の男性は、タカラ重車輌の丸山さん。
11:15 敷地から引き出す
海和隆樹様(2019.10.24)
海和隆樹様(2019.10.24)
海和隆樹様(2019.10.24)
撮影:伏見正浩様(仙台市 2019.10.24)
牽引車がロンドンバスを引き出します。
大きく反対側の歩道に乗り上げる形で道路の位置まで引き出し、一旦まっすぐにして停車。そこから本格的な出発に向けて呼吸を整えます。
11:30 出航!
最初で最大の難関である丁字路を左折します。大きく右側に膨らみたいところですが、道幅が狭く、また電柱や電線もあるので、ギリギリの動きしかできません。
それでも何とかここをクリアし、しばらく直線道路を進みます。
撮影:海和隆樹様(仙台市 2019.10.24)
11:35 表通りへ
撮影:海和隆樹様(仙台市 2019.10.24)
国道45号線に出ました。
この広さなら安定した走行が可能です。
11:50 国道4号線で東北新幹線をアンダークロス
撮影:海和隆樹様(仙台市 2019.10.24)
国道4号線に入り、東北新幹線をくぐって山崎交差点付近を行く御一行様。
ヘッドライトを点けた先導車と後備車に挟まれて、慎重に走ります。追い抜いてゆくトラックドライバーも視線を奪われます。
12:30 富谷市
撮影:海和隆樹様(富谷市 2019.10.24)
富谷市を通過します。宮城交通のバスを横目に見ながら、国道4号線を北へ向かうところ。
先導車は消防団用の元消防車。現在は丸山さんのサービスカーになっていますが、これは官公庁オークションで入手したもの。低走行、エアコン完備、パートタイム4WD、そして官公庁オークションなので市販相場より安いという魅力満載の車両です。
13:00 大衡村
撮影:伏見正浩様(大衡村 2019.10.24)
出発から1時間半ほど走ったので、タイヤの空気圧をチェックします。空気は半分くらい入っていましたが、スタンディングウェーブ現象で、結構熱をもっていたため、少し入れ足します。タイヤにはヒビも見られたため、慎重に入れて行きます。
13:25 大崎市
撮影:伏見正浩様(大崎市 2019.10.24)
歩道橋の上から、ギリギリの高さで通過するロンドンバスを見下ろします。
信号は5mくらいの高さがあるため、安心して通過できます。しかし、古い歩道橋や鉄道の橋をくぐるときは、意外に低いため、真ん中あたりを通過するよう気を遣ったとのことです。
撮影:伏見正浩様(大崎市 2019.10.24)
撮影:伏見正浩様(大崎市 2019.10.24)
古川市内への分岐付近をゆきます。
こうしてみると、やはりロンドンバスというのは大きいです。
今回、レッカーを運転するのは、F-LINEの小野寺社長です。
13:50 デンソーサービス宮城の駐車場から
撮影:伏見正浩様(大崎市 2019.10.24)
海和さんの元峩々温泉ボンネットバスを整備した自動車工場の前を通過します。
「今度はロンドンバスですか??」
社長さんはじめ従業員の皆さんも、開いた口がふさがらない状態。
「あのバスもレストアお願いしようかな」と呟くと、皆さん金縛りにあっていたそうです。
15:15 栗原市金成
撮影:伏見正浩様(栗原市 2019.10.24)
栗原市の金成付近を通過中。
やはり歩道橋の下をくぐるときは、ギリギリ感があります。
一関と書いた後尾車は、桂田興業の社用車で、桂田社長がハンドルを握ります。
15:40 岩手県一関市
撮影:伏見正浩様(栗原市 2019.10.24)
ようやく・・・というか、なぜか・・・というか、岩手県に入りました。
目的地がどこなのか分かってきました。
16:10 仮の置き場に到着
撮影:桂田康由樹様(岩手県 2019.10.24)
陽が落ちる前に、なんとか仮の置場に到着することができました。
レッカーを外し、前輪を取り付け、桂田さんが預かっている海和さんのボンネットバスと並びます。
撮影:伏見正浩様(岩手県 2019.10.24)
今日の仕事はここまでですが、桂田さんと丸山さんは、暗くなった後も、次の日の準備に励みます。
桂田興業に仮納車
翌日、仮置き場から出発します。
最後のこの部分は、桂田興業単独でホイルローダーなどの重機で牽引する予定でしたが、阿部社長さんがサービスで今日も来てくれました。
撮影:桂田康由樹様(岩手県 2019.10.25)
撮影:桂田康由樹様(岩手県 2019.10.25)
撮影:桂田康由樹様(岩手県 2019.10.25)
今回の最終目的地は、桂田興業の基地、通称「桂田ランド」でした。もちろん、ここが永住地になるわけではなく、次にこのロンドンバスを活用してくれる方が現われるまでの仮置き場です。
最後の難関が入口の電柱です。阿部社長はここまでの予定でしたが、「これなら行ける」と切り返しなしの一発で角を曲がりました。バックミラーと感覚のみで、走りながらアンダーリフトをラジコン操作してクリアしました。見事な職人芸に、一同驚嘆です。
敷地内では、レッカー車から切り離し、ウィンチ牽引に切り替えます。
ここでロンドンバスのハンドルを握っているのが佐藤工業の沼倉専務。そして、左端で見守るのが、ここまでずっとお世話になった平泉運輸の阿部社長です。
あれ? 左端のバスは何でしょう。
撮影:桂田康由樹様(岩手県 2019.10.25)
敷地内で最後に牽引の役目を与えられた機械にも登場してもらいます。
イワフジ工業のT-40ホイールスキッダです。
4輪駆動で、停止したままで車輪の位置を変えられるなど、狭い場所での機動性を発揮します。
もっとも、これは桂田興業の所有物ではなく、預かり物だとか。
撮影:桂田康由樹様(岩手県 2019.10.25)
このロンドンバスの素性
撮影:桂田康由樹様(岩手県 2019.10.25)
撮影:都南村民様(岩手県 2019.10.27)
ロンドンバスといっても、多種多様です。
調べてみると、このバスはイギリス南部の、バーチウッド(Birchwood)〜ウィディントン(Waddington)間の路線で使用されていたようです。現役時代のカラーは、赤ではなく、白と茶色のツートンカラーでした。
1967年製で、ボディはニープセンド車体製だそうです。
前面のエンブレムには「AEC」と書かれています。これがシャーシメーカーで、イギリスの2階建てバスメーカーとしてはトップシェアを誇っていたアソシエード・エクイップメント社です。
そして車名はリージェントXといいます。
撮影:伏見正浩様
床下を覗いてみると、右フロントのタイヤ内側シャーシに、車台番号を確認することができました。
3D2RA1865と読めます。3D2RAが型式でしょうか。
撮影:都南村民様(岩手県 2019.10.27)
後部にある扉を開けると、そこに「USED TICKETS」というボックスが取り付けられていました。
恐らく、降りるときに乗車券をここに入れるのでしょう。
運賃の支払い方法は、信用方式なのかもしれません。
ロンドンバス お譲りします!
苦労して引き上げたロンドンバスですが、元々は活用しようというユーザーがいたから手掛けたこと。もし、このバスを活用して何か始めようという方がいれば、喜んでお譲するとのことです。(もっとも、今回の引き上げにかかった費用を含むお値段になるようですが)
日本各地に、商売や地域起こしなどにロンドンバスを活用している例が見られます。
飲食店の場合、1階を厨房に、2階を展望のいい客席にすることが多いようです。英国のバスということで、英会話スクールに使うなどの方法もあります。そんな活用例のいくつかをご覧に入れます。
実例のほとんどは、廃車体は生きている>ロンドンバスに掲載していますので、ご覧ください。
ロンドンバス活用の一例
ロンドンバス・キッチン
大田区(2019.8.16)
カフェ
伊東市(2011.5.14)
イングリッシュ・スクール
堺市(2015.1.24)
観光酒造の休憩所
姫路市(2009.3.1)
はちみつ屋さんの休憩所
仙北市(2019.7.21)
こども病院のシンボル
光市(2017.12.9)
主な登場人物
昭和の車保存会 伏見広報部長
保存会の広報部長。
フットワークの軽さは伝説的で、どんな珍しい掘り出し物も、情報を聞くや否や、仕事にかこつけて現地に向かいます。
今回も、このロンドンバスの所有者や、不動産業者さんなど、様々な関係者を探し出し、続いて調整をこなし、事案をスムーズに進める立役者となりました。
桂田興業 桂田社長
今回、伏見さんからの急な発注を受け、運搬計画から業者発注まですべてを仕切った男です。
桂田興業の業務内容は、各種建設機械、環境機械、林業機械整備、修理及び改造、トラックボデー修理製作、林業、各種土木工事、重量物運搬据付け、特殊車輌運搬など。
タカラ重車輌 丸山さん
タカラ重車輌の丸山代表。
これまでのサルベージにもかかわっていましたが、今回は桂田興業の発注で、当初からこの事案に関わり、元消防車の先導車を運転しました。
タカラ重車輌の業務内容は、特装車製作、建機、農機、修理販売 重量物運搬据付け、各種車輌全国運搬など。桂田興業経由で佐藤工業の重量物の据付け仕事の応援もしています。
佐藤工業 沼倉専務
今回は、桂田興業の求めに応じ、最初から仕事に応じてくれました。桂田さんの所属する消防団の先輩でもあります。
佐藤工業は、クレーン作業・重量運搬物据付け工事を主体とする重量屋さんです。主に変電設備のトランスや冷凍工場の冷凍機などを扱い、数十キロ〜数十トンの設備の据付けや移設等をしている数少ない重量屋さんです。
平泉運輸 阿部社長
桂田興業から無理な大物の運搬依頼を受けたにもかかわらず、ことの経緯を聞いて、快く応じてくれた運送会社の社長さん。
平泉運輸の業務内容は、一般貨物輸送。
レッカー車は社長の趣味で、基本的に内容が面白いとか、知り合いだからとかの仕事以外は受けません。しかし、よそで断ったり難しい内容ほど喜んで引き受けてくれる快(怪?)人物です。
F-LINE 小野寺社長
レッカーや特殊作業をする時の阿部社長の右腕として活躍する人物。今回は仙台から仮置き場までレッカー車を運転しました。
F-LINEの業務内容は、林業全般、重機販売、整備、回送等など。
昭和の車保存会 下河原さん
昭和の車保存会の重鎮。
サルベージの時には、いつもいろんなところで見張り役をする傍ら、高いところに上るのも大好きです。今回はさすがに4.4mの屋根上に上がることはせず、搬出時の生活道路に目を光らせます。
今回のロンドンバス関係者が、行きつけのパチンコ屋さんの常連だったとか。