ロンドンバス1・・・飲食店
赤い2階建てバスは、ロンドンバスとも呼ばれ、その名の通りロンドンの象徴ともいうべき存在でした。しかし、環境問題、バリアフリーへの対応、開放デッキの危険性などから2005年をもって定期運用を終了しました。これより前から、外観的に特徴があり、誰もが乗ってみたくなる赤い2階建てバスは、日本にも中古車が輸入されていました。日本の法律上、そのままで車両として運行するのは難しいことから、主に飲食店としての活用例が多いようです。
ここでは、そんなロンドンバスの数々を眺めてみます。いずれもオーナーの愛着を感じます。
なお、このページ以外にも、用途や状態別に、下記のページにロンドンバスを掲載しています。
このページ以外のロンドンバス掲載ページ
飲食店
バイカーズカフェ
撮影:岡山市(2022.7.30)
AECリージェントⅢ(1950年製)
岡山県の国道沿いでバイクで来る人を対象にしたカフェになっているロンドンバス。茶色に塗り替えられています。
元は両備バスが1978年に輸入したもので、Pモール藤田を経て2019年にここに移転開業しました。
今も、バイクで来た皆さんが大勢、バスの1階や2階、バスの外の椅子などで、思い思いに飲食を楽しんでいます。
カフェレストラン・バー「ダブルデッカー」
撮影:ちょご姉様(北谷町 2008.1)
AECリージェントⅢ
撮影:ちょご姉様(北谷町 2008.1)
沖縄県でレストランの一部として使用されているロンドンバス。夜はカフェバーになります。車両は店の裏側にあるようですが、東シナ海の夕陽が望める客席としてお店のシンボルになっています。座席も海側にのみ設置されているようです。
ナンバーは残されていませんが、方向幕には「リバプール」の文字が見えます。
山のはちみつ屋
撮影:仙北市(2019.7.21)
AECルートマスターRM
撮影:仙北市(2019.7.21)
田沢湖畔のはちみつ屋さん・お菓子工房で、無料休憩所となっているロンドンバス。どこかでお店として使われる予定だったものの実現せず、放置されていたものを引き取ったとの経緯が車内に書かれています。2007年から使用されています。
車内は、2階がテーブル付の向かい合わせシート、1階がロングシートと外向きのカウンター席になっていて、お店で買ったものを食べられるようになっています。写真は1階席。
ロンドンバス・キッチン
撮影:大田区(2019.8.16)
AECルートマスターRML(1967年製)
撮影:大田区(2019.8.16)
2019年に新しくオープンしたロンドンバスの洋食屋さん。1階が厨房で、2階が客席になっています。
廉価なランチと貸切も出来るディナー営業があり、厳選された肉を使用した洋風の肉料理が自慢と書いてあります。
車両は車長が長いルートマスターRMLで、英国で公共用バスで使用後、北アイルランドの民間ブライダルバスとして使用していたそうです。正面のナンバーはSMK659Fで、側面には北アイルランド時代のものと思われる表記がそのまま残されています。
車検を取得しており、日本のナンバープレートもついていますが、現在は固定店舗として使用中です。将来的にはイベントやケイタリングへの使用も想定しているようで、活躍が期待されます。
フード・ガレージ
撮影:近江八幡市(2018.11.15)
AECルートマスターRM
地元の和洋菓子メーカーたねやグループが展開する商業施設「ラコリーナ近江八幡」のフードガレージと称する販売セクションに置かれたロンドンバス。ここは、修理工場をモチーフにした洋菓子販売エリアで、ロンドンバスではマカロンなどが売られているようです。
隣りにはフィアット500、その奥にはシトロエン・Hトラックがショップになって置かれています。なので、この塗装の剥げたロンドンバスも、修理中というコンセプトなので、完成形なのです。
正面下部のナンバープレートはCUV1316、行き先表示には「OXFORD CIRCUS」と書かれています。
カフェ・ペニーレーン
撮影:sakaisuji66613様(伊豆市 2019.1.4)
AECルートマスターRM
伊豆にあるレジャー公園「修善寺虹の郷」のイギリス村に置かれたロンドンバスで、ソフトクリームやクレープを販売し、2階で食べられるようになっています。
「ロムニー鉄道」の「ロムニー駅」の前にあり、ロンドントランスポートを模したバス停標識も立っています。
喫茶&軽食ロンドンバス
撮影:ソルティドッグ様(秋田市 2013.11.2)
AECルートマスターRM
秋田市で喫茶店になっているルートマスターです。行き先表示器にはロンドンから来た「ルートマスター」であることが英語で書かれています。後ろのドアは、細かい窓のドアに改造されているようです。
ボンネット脇にはRM2193と言う車両番号が残ります。
イタリア料理店
撮影:犬山市(2013.1.19)
AECルートマスターRM
イタリアンのお店の奥のほうで、「ディナー&カフェ」と書かれた看板を従えて、車体にイラストの書かれたロンドンバスが控えていました。
バスのサイドにはRM2150の車両番号が入っています。また、前後の登録番号はCUV150Cと書かれています。
カフェ「ロンドンバス」
撮影:伊勢崎市(2006.2.18)
AECルートマスターRM
「ロンドントランスポート」と書かれた2階建てバスを使ったカフェ。ルートマスターと呼ばれるロンドンバスの標準的スタイルに近いですが、後方の乗降口がオープンデッキでなくドアがついています。そのドアの上の表示窓に「PRIVATE」とありますので、自家用バスだった可能性があります。
ロンドンバスカフェ
撮影:糸島市(2014.5.5)
玄界灘を望むサンセットビーチに並ぶ2台のロンドンバス。
ジェラートなどを販売しており、車内で食べることも持ち帰ることも出来ます。
手前の車両は131CLTで、以前は大牟田市にあったもの。当時もカフェとして使われており、表示類も変わっていません。
奥の車両は251CLTで、以前は松山市にあったもの。四国時代の表示が剥がされた跡から、ロンドン時代のものと思われる行き先表示が見えています。
2台とも、2013年に佐賀県基山町でカフェとしてオープンした後、2014年に糸島市に移転しました。
ロンドンバスカフェのスクールバス
撮影:糸島市(2014.5.5)
ミニバード
ロンドンバスカフェの一員であることから、ここでご紹介します。
ルートマスター2台とは道路を挟んで向かい側に置かれており、特に何かに使われているようでもないことから、マスコットとして置かれているのかも知れません。
車番の211が側面窓下に書かれており、CITY SCHOOL DISTRICTの文字も残ります。
横浜市で健康野菜を売っていましたが、2013年の佐賀県基山市でのロンドンバスカフェのオープン時には既にその一員となっており、2014年にやはりこの地に移転してきました。
洋食店 JOY STYLE
撮影:軽井沢町(2009.1.31)
AECルートマスターRML
撮影:farewellsong様(越谷市 2016.2.7)
窓半個分車長が長いルートマスターRMLで、日本国内での活用例が少ない車両です。ボンネット脇にRML2274という車両番号が入ります。
2009年にはホットドッグ店として軽井沢で営業しており、同年末に長野市に移転していましたが、2015年に越谷市に再移転、メニューも増えて洋食店になっている模様です。お店の公式サイトによると、自走可能だそうです。
お店の脇には移動販売車のシトロエンHトラックもありますが、軽井沢時代から寄り添うように存在していました。
カフェ「ルートマスター」
撮影:岐阜市(2007.11.17)
AECルートマスターRML
撮影:各務原市(2020.7.12)
ロンドンから直接もってきたルートマスターを使ったというカフェ。窓半個分長いサイズのルートマスターRMLです。
室内には当時の掲示物や、ロンドンをイメージさせるアクセサリが並んでおり、こだわりを感じました。
ボディサイドにはRML2718の車両番号、ナンバープレートにはSMK718Fと書かれています。
また、側面にロゴが残されている通り、英国時代の所属は、ARRIVA(アリーバ)ロンドンです。
岐阜市内では2007年に一旦閉店したものの、各務原市内で再度営業しています。
カフェ
撮影:東京都(2024.2.17)
AECルートマスターRML(1966年製)
東京タワーの下に置かれたロンドンバス。2022年にカフェとして置かれていた記録がありますが、今は隣りのキッチンカーのイートインスペースとして使われています。日本のナンバープレート付なので、現役車。反対側には非常口も増設されています。
ボンネット脇にはRML2486、英国ナンバープレートはJJD486D。
(情報提供:sakaisuji66613様)
カレーとラーメンの店「ロデッカ」
撮影:一宮市(2013.1.19)
ブリストル・ロデッカ(1959年製)
あっさりラーメンとカレーのお店になったロンドンバス。店名も車名と同じロデッカです。後ろのほうで建物とつながっていますが、バスそのものも客席となっています。行き先表示器には、現在の場所を示す文字が書かれたりしています。
ナンバーは501BTAです。
(注1)
「secret base JO-9, CAFE」
撮影:河合町(2024.1.17)
ブリストル・ロデッカ・BVW(1964年製)
2022年1月にオープンしたカフェで、2017年には軽井沢のスキー場に置かれていたもの。その時は、英国ウェスタン・ナショナルの緑色のままでしたが、赤く塗り替えられ、ロンドントランスポートの文字も入れられています。
店名は秘密基地というような意味で、「JO-9」は「ジョーナイン」と読むようです。
ナンバープレートにはAUO514Bと書いてあります。
にしよりひろばYORIMICHI
撮影:畦道ノスタルヂィ様(福岡県 2024.8.14)
ブリストル・ロデッカ
撮影:畦道ノスタルヂィ様(福岡県 2024.8.14)
西依建設が作る地域ひろばに置かれたロンドンバスは、カフェになる予定だそうです。写真はまだオープン前。
側面のBOD29Cはイギリス時代からの番号のようですが、前面の「JPN 244R」は日本と西依(にしより)を表しているようです。また、前面方向幕にもこの広場の名前が英語で書かれていますので、日本で作られたもの。
バスの脇には広告看板にも凝った駅名票もあり「かみたかば駅」と書かれています。
たこ焼き・明石焼き「ロンドンバス」
撮影:三木市(2007.11.21)
レイランド・アトランティアンPDR
たこ焼き・明石焼きのショップですが、どうやら閉店になったようです。
日本でよく見られるロンドンバスに比べると新しいボディで、ドアが4枚折り戸になっており、オープンデッキではありません。またエンジンは後部にあります。
ナンバープレートにはFUS166Lと書かれています。
その後も、このままの状態で置かれている模様です。
洋食店
撮影:岡山市(2016.11.23)
レイランド・アトランティアンAN68C/2R
バイパス沿いの洋食店となっているロンドンバス。日本で活用されている車両としては珍しい1970年代のスタイルです。出入口は前に1ヵ所で4枚折り戸。エンジンは後部にあるタイプです。
2階が客席になっているほか、外側にも屋外席が用意されています。
ナンバープレートはGHG350W。
英国では、ブラックプール・トランスポートの所属でした。
「SUN CAFE」
撮影:八女市(2024.3.22)
ダイムラーCVG6
廃車体となっていたものが、2022年末にお洒落なカフェとして蘇っていました。
奥の黒い建物がカフェで、テイクアウトしたものをバスの中で食べられるようになっています。
日本では唯一の香港出身のダイムラーで、中央にドアを増設した2ドア車、かつロングサイズ。香港で使用されていたので、実際は赤1色になったことはないようです。
過去の物件
カフェテリア
撮影:のむ様(ひたちなか市 2008)
AECルートマスターRM
国営ひたち海浜公園の中のショップ・カフェとして置かれていたルートマスター。クレープなどを購入し、2階で食べられるようになっていたようです。
撮影者によると、エンジンはあったものの、ナンバーなどを知る手掛かりはなく、翌年には姿を消していたとのこと。
カフェ(廃業) AECルートマスターRM
撮影:伊東市(2011.5.14)
伊豆高原でお洒落なサンドイッチショップに併設されたカフェとして使われていたロンドンバスです。これまでにも複数のお店を経験していますが、撮影時点では再び休業となり、売り物件となっていました。伊豆のリゾートに存在する名物ショップとしては最適な立地に思えますが、外野の思い通りにはならないようです。
正面グリル下の登録番号は248CLTで、ボンネット脇の車両番号はRM1248です。
(ストリートビューによると、2015年2月時点で撤去済み)
ロンドン・カフェ
撮影:波佐見町(2018.10.16)
AECルートマスターRM
カフェの別棟として使われているロンドンバス。1階が調理場で、2階が客席になっています。
2011年からハウステンボスのホテルでカフェとして使われていたものをそのまま移動してきたようです。外装デザインは、なるべくロンドンに近い状態ということで、水戸岡鋭治氏監修とのこと。
また、説明書きによると、元々はロンドンのBIG BUS社で使われていたそうです。
正面下部のナンバープレートはLDS236A、ボンネット脇にはRM236と書かれています。
(2019年に島根県に移動)
カフェ&パブ
撮影:松山市(2010.5.8)
AECルートマスターRM
松山市の中心街でカフェ&パブに生まれ変わったロンドンバス。ロンドントランスポートのマークをうまくアレンジした看板を従えて、テイクアウト用の木製のデッキや自転車などの小物を配置した小洒落た店舗になっています。ロンドンバスというのは、こういう異国的空間を作れる貴重なアイテムでもあります。
正面グリル下の登録番号は251CLTで、ボンネット脇の車両番号はRM1251です。
(その後移転し、2013年には佐賀県基山町、2014年には福岡県糸島市でカフェになっています。)
ロンドン・バス・カフェ
撮影:旅男K様(大牟田市 2010.1.10)
AECルートマスターRM
イートインとテイクアウトの両方に対応するカフェ。1階側面がテイクアウト用に改造されています。背が高いため、転倒防止の柱によって屋根が固定されています。運転席には大きなぬいぐるみが座っています。
フロントグリル下の登録番号は131CLT。
(その後移転し、2013年には佐賀県基山町、2014年には福岡県糸島市でカフェになっています。)
カフェ「ロンドンバス」
撮影:那須塩原市(2006.5.13)
レイランド・タイタンPD2
撮影:那須塩原市(2006.5.13)
ロンドンの2階建てバスを使ったカフェ。奥にカフェの建物があり、車両のほうは看板代わりのようです。
日本の道路運送車両法等に準拠した非常口が2階の左側と1階の右側に増設されています。車体には「自家用」の文字もあり、自家用で使用されていた期間があるようです。
かつて横浜市のバンドホテル前に置かれていたことがありますが、その時は非常口はありませんでした。
正面グリル下にはKYY770の登録番号が入っています。
元はロンドン・トランスポートの所属で、ハーパーブラザーズに移籍しています。
(情報はありませんが、撤去済みと思われます)
スキー場の「Forest Cafe」
撮影:軽井沢町(2017.3.11)
ブリストル・ロデッカ・BVW(1964年製)
軽井沢プリンスホテルスキー場の駐車場に置かれたブリティッシュ・グリーンのロンドンバス。2015年9月から置かれているようです。
ハンバーガーやクレープなどを販売するカフェとして使われています。
ドアは前側にあり、4枚折り戸が開いています。正面のグリル下のナンバープレートにはAUO514Bと書いてあります。
英国時代は、ウェスタン・ナショナルの所属で、その時のグリーンのカラーのままです。