ここは、とある学園の教室。
生徒達は、今日から来るという新任の先生の登場を待っています。
「先生」と聞いて、あなたはどんな先生を思い浮かべますか?
金八先生、安西先生、ルナ先生・・・
日本には、過去に様々な偉大な先生が存在してきました。
そして、2003年秋、偉大な先生の歴史に、新たな名前が刻まれます。
その先生の名は・・・
小倉優子先生
優子先生を知らない非国民は、まさかいないとは思いますが、一応説明。
これは、日曜日の早朝4時30分から大絶賛放送中の、
「みごろ!たべごろ!デンセンマン」のワンコーナー
小倉優子が教師役を演じる、小倉学園優子先生のコーナーです。
「みごろ!たべごろ!デンセンマン!」がどんな番組かというと、
槍を持った小学生の大群がサラリーマンを追い掛け回したり、
なぞなぞに答えられない人を徹底的に罵倒したり、
ペットボトルの蓋を開けるために、車でペットボトルを轢き潰したりと、
幼児向け番組だと思って間違ってみてしまった子供達に、
間違いなく、なんらかのトラウマを残すであろう楽しい番組です。
ちなみに優子先生の出番は、中年の合唱団が、ただひたすらダジャレを繰り返す
「ダジャレ交響曲」の後、4時50分辺りからです。
「起立、きをつけ、礼」
朝の挨拶の号令をしたのは、クラス委員の桜木さんです。
そういえば、この形式の挨拶、もう何年もしていないなあ・・・
さて、いよいよ、優子先生の挨拶です。
最初の挨拶で、その先生に対する印象が決まってしまいます。
生徒達になめられないためにも、ココは一つガツンと言ってください、優子先生!
「んと、今日から新任で参りました、小倉優子と言います、
んと、初めての先生なので、あの〜まだまだわかんないことがありますけど
一生懸命に頑張ります、とりあえずみんな優しくしてね♪」
うわぁ・・・
マズイです。こんな挨拶をしたら、生徒達が引いてしまう。
ホラ、心配したとおり生徒達の反応は・・・
「わぁー!!」(拍手)
「わ〜ありがとうございます」
何だお前ら。
こんな先生が担任になったら、自分の進路が不安になると思うのですが・・・
大歓迎に満足げな優子先生に、クラス委員の桜木さんが質問します。
「ハイ、先生」
「あ、ハイ、桜木さん」
「このクラス男の子はいないんですか?」
もっともな質問です、女5人のクラスなんて、卒業Rじゃあるまいし。
「そうなの、男の子はみんな風邪でお休みなのです」
ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!!!!
その割には、初めから机が5人分しか用意していないのはどういうことでしょうか。
おそらく、今後も男子生徒が出席することはないと思われます。
優子先生のクラスの生徒達です。
桜木睦子は以前、伊集院光がテレ東で深夜にやっていた、今はなき「ゲームブレーク」に
出演していたので知っていますが、他の4人の生徒は知りませんでした。
ていうか、5人全員の名前を知っている人がいたら、100%変態です。
そして、いよいよ授業の開始です。
「それでは1時間目始めます」
1時間目は国語
「犬も歩けば○○○」
「みなさんには、この○○○という新しいことわざを考えて欲しいのです」
ああ、なるほど、ようやくこのコーナーの趣旨を理解しました。
要するに、大喜利のコーナーだ。優子先生が円楽という訳だな。
優子先生=円楽?
激しく不安なんですが。
そんな僕の不安をよそに、ポスト円楽はノリノリです。
「それでは、用意、はじめ」
(授業開始のポーズ)
・・・考え中
「犬も歩けば○○○・・・」
僕も雑誌に色々ネタを投稿した経験からわかりますが、
これは、ベタにいくか、シュールにいくか、なかなか難しい。
簡単そうに見えて、実はかなりの難問ですよ、これは。
「ハイ!」
「ハイ、北見さん」
トップバッターは北見さん
大喜利において最初に手を挙げる人は重要です。
その人の回答によって、今後の回答の流れが決まってしまいます。
しかも、このクラスはまだ生徒のポジションが決まっていません。
この回答の出来によって、笑点における北見さんのポジションが決まります。
木久蔵になるのか、歌丸になるのか、楽太郎になるのか、こん平になるのか、ピンクになるのか。
北見さんの回答は!?
「犬も歩けばベロニャ―ン」
( ゚д゚)ポカーン
絶句する優子先生
天然では、国内最強を誇る優子先生をも沈黙させる北見さん。
どうやら、我々の知らないところに、まだまだ知られざる逸材が眠っていたようです。
これが、最近の十代の発想なのでしょうか、ジェネレーションギャップを痛感しました。
さすがの優子先生も聞き返さざるをえません。
「北見さん・・・もっかいお願いします」
どこの世界に「犬も歩けばベロニャ―ン」と答える人がいるのでしょうか。
何かの間違いではないでしょうか、いや間違いに決まってます。
今度こそ、正しい回答を頼む、北見さん!
「犬も歩けばベロニャ―ン」
本気です。
北見さんからは、なんの照れや迷いは感じられません。
彼女が本気で考えた末に思いついた答えが、
「犬も歩けばベロニャ―ン」なのです。
優子先生も思わず苦笑
「どういう意味ですか?」
「犬飼ってるんですけど、ぺろぺろ手をなめてくるんですよ」
(・∀・)!!
意味を理解した優子先生
カワイイ事には目がない優子先生。
先ほどとはうって変わって、北見さんを大絶賛です。
「あ〜すごい素晴らしい」
「犬ですか?」
「北見さん」
「ありがとうございます」
うれしそうな北見さん
「ハイ」
「ハイ、中村さん」
「犬も歩けば2足ほこう」
「どういう意味ですか?」
「あの前に、塾の帰りに犬が二足歩行であるいてたんですよ
それで、飼い主さんと一緒に、駅まで歩いていってたんです」
「えー!」
Σ (゚Д゚;)
すばらしいリアクションの優子先生
「ちなみに何県に、東京都で?何駅辺りで?」
何故か、やたらに詳しく聞く優子先生。
「西荻窪の駅です」
「西荻窪の駅で!」
どうやら、二足歩行で歩く犬は西荻窪にいるらしいです。
それに、中村さんも西荻窪の塾に通っている事が判明。
西荻窪・・・電車で7分ぐらいで行けるので、今度行ってみようかな。
しかし、優子先生は二足歩行で歩く犬の存在を何故か信じようとしません。
「ホントに犬ですか?」
「犬でした」
「他に、犬が歩いてるの見たことある人いますか?」
他の生徒に意見を求める優子先生。
「テレビでならみたことある」
「自転車に乗ってる犬とか」
「ケンケンしてる犬とか」
どうやら、他の生徒もみんな、歩く犬を見たことがあるようです。
こうなったら、優子先生も歩く犬の存在を認めないわけにはいけませんね。
「それは気ぐるみの犬なんですよ」
何故か頑なに歩く犬の存在を否定する優子先生。
歩く犬に何か恨みでもあるんでしょうか。
そんな優子先生に桜木さんが質問します。
「先生は何にも考えてないんですか?」
「もちろん、考えてきましたよ」
「見た〜い!」
歩く犬を散々否定した優子先生の回答は・・・
「犬も歩けばゆうこがペット〜」
うわぁ・・・
またやっちゃったよ、優子先生。
今度こそ、生徒達の反応は寒いものに・・・
「カワイイ〜」
ホント、カワイイなあ。
「犬も歩けるようになれば、だいぶしっかりしてきたということですよね。
物事とかもだいぶわかってると思うので、優子がペットになって、いろいろ教えてもらいたいと思います」
トンデモ理論炸裂です。
どこの世界に、犬に飼われる人間がいるというのでしょうか。
人間の尊厳を根底から覆す意見に、生徒達も納得は出来ないでしょう。
「みなさんわかりましたか」
「はーい!」
みなさんわかったようです。
「それでは今週のクラスの目標を優子先生が考えてきました」
どうやら、優子先生のクラスには、クラス目標があるようです。
まあ、「遅刻をしない」とか、「給食を残さない」とかそんなもんでしょう。
「横断歩道を渡るとき、白い部分だけ歩かない」
何でしょう、このちよちゃんにケンカ売ってるような目標は。
「みなさんわかりましたか」
「はーい!」
「今日休んじゃったクラスのみんなも絶対守るんだぞ!」
どうやら、僕達も守らなければならないようです。
「それではみなさん、さようなら」
放課後・・・
「ふう、今日の授業終わっちゃった」
5分間でこんなに脱力感を味わう授業も、なかなかないと思います。
「あ、そうだ、みんなの風邪が早く直るように、優子先生がおまじないをかけてあげる」
なんと、優子先生がおまじないをかけてくれるそうです。
いったい、どんなおまじないなのかな?ワクワク!
「それじゃあ、いくよ!」
「にゃんころりん」
「にゃんころプー」
「にこにこにゃんころ」
「にゃんころりんこ〜」
石は投げないで下さい。
「どう?元気になった?」
元気になるおまじないのはずですが、元気になるというより、むしろ、
ふしぎなおどりでMP(精神力)が、どんどん吸い取られているような気がします。
「今日は優子先生から宿題です」
「東京都月島もんじゃ焼き屋さん月島小町のメニューの中で
優子先生がいちばーん食べてみたいのは何焼きでしょうか。
理由も書いて送ってきてね。」
知るか。
「それじゃあまた来週、優子先生でした」
1時間目の授業が終了しましたが、いかがだったでしょうか?
夜中に画像をキャプチャーするため、窓の外に音声が漏れてないかビクビクしながら、
「にこにこにゃんころ、にゃんころりんこ〜」を何度も繰り返し聞いているうちに、
深まった一般社会との溝を痛感し、泣きたくなりましたが、なんとか生きています。
ともあれ、まだまだ授業は始まったばかりです。
これからも、優子先生の活躍を伝えたいと思います。
やらなきゃよかった。