HALF AND HALF JOURNAL
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新潟中越地震 10月23日午後5時56分発生 土砂崩れ天然ダムによる浸水被害を見て ☆山古志村の土砂崩れの現場映像は13日まで放映されなかった。これは被害を大きくした原因を知られてはまずいという配慮から政治的な圧力がかかっていたのではないか、と疑わせる。土砂崩れが天然ダムを作り、集落を水没させかけたという例はないはずだ。長雨で山の地盤が緩んでいたとはいえ、無謀な林道建設や砂防ダム、森林管理、アスファルト舗装の一般道路建設などの事業が土砂崩れと天然ダム生成の条件を作っていたかもしれない。自然のメカニズムを十分計算に入れていれば、被害は小さかっただろう。しかし、13日にTBSのインターネット・ニュースで現場を束の間見ただけで、それに関する分析的な報道もないので、確かなことは分からない。〈こんなことって、あるのか?〉と首を傾げるばかり。そうそう、窮屈な既製服が裂けたようなものかな?自民党政権の日本列島改造論の結末じゃないかな? ☆ |
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2004.11.7 橋も線路も鉄橋も駅もない!!! ☆10月30日の奥阿仁行きは、阿仁町の観光パンフレットの地図を頼りに動き回った。5万分の1の地図を下敷きにしたものなので、十分役に立った。撮影が終わってから、国土地理院発行の地図を100円で買うことができて撮影地点をチェックすると、こんな奇妙な欠陥にぶつかった。 □比立内の幸屋大橋がない。 □秋田内陸線が比立内駅から角館方向に向かって小倉のトンネルまで破線で記され、トンネルの直前に位置する奥あに駅の記号がない。
秋田内陸縦貫鉄道(正式名称)のHPによれば、松葉〜比立内間の新線区間は昭和60年10月から日本鉄道建設公団により工事が着手され、平成元年3月までに工事が完成、同年4月1日に待望の全線開通となった。幸屋大橋は平成元年3月に竣工した。.地図の修正作成は前年である。したがって、破線の区間は工事中という意味らしい。しかし、完成から16年経ってもなお地図に描き入れられていない。無理もない、仕方がない、普通だ、と思う人がいるだろうか? 秋田県庁にはいるが。 しかし、何はともあれ、11月4日製作責任のある国土地理院に質問書を送信してみた。この欠陥は国土地理院平成元年発行5万分の1地図と昭和62年発行2万5千分の1地図のどちらでも同じで、理由を知りたい、と。それから、ハイテクノロジーを使えば3年に一度くらいの割で地図を更新することができるのではないか? 国土地理院 東北地方測量部 松崎清治 11月5日回答(一部省略) ご指摘の幸屋大橋、奥阿仁駅の記号の抜けにつきましては、平成14年度阿仁町全域について修正し数値データとしては訂正しておりますが、紙地図としては刊行にいたっておりません。大変ご迷惑をかけております。 数値データはあるが、ただ紙地図の製作発行は遅れているという。その理由を信じるには、地図作成と印刷を請負う業者の怠慢も手伝って、と付けたしてもらわないといけない。規則がいい加減なのか?…闇の圧力があったのか?…それとも?…文書書き換えと同じくらい深刻な疑問である。言うまでもなく地図は、使用する人間の安全を左右するからだ。 地図の不正確な記号の例は他にもある。特に自動車道路でない道に多い。インターネットで手軽に国土地理院に近づける時代だから、地図の不正確さに気づいた人は小さな親切心を起こして報告するべきだ。 ☆ 奥阿仁の情勢を知りたい |
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2004.8.22 六ヶ所村再処理施設のウラン試験中止要求 ☆自然環境保護団体グリーンピースの呼びかけに答えて、8月10日青森県知事三村伸吾宛にウラン試験中止を求めるメイルを送った。リヴァー・ユートピアは、環境モニタリングの厳しい基準による検査と誠実な実行を要求する。壊滅的なプルトニウムを生産する核燃料廃棄物再処理工場の建設に反対である。 ウラン試験の危険さなどについては、専門的な記述があるグリーンピースのHPを読んでほしい。 |
Updated 2004.7.24 大館市HPは電算情報室が作成 ☆6月3日大館市のHPで5月31日の小坂製錬の砒素流出事故に関する情報を得ようとすると、なかった。それで、こんな疑問を送信した。 1 何課がHP制作を担当しているのか、外部に委託しているのか? このメイルは、歩いて10分の市役所に21日に届いた。なぜかと言うと、送信文の中にHHJのメイル・アドレスが記入されているのがアウトルック・エクスプレスの定義あるいは送信条件に合わなかったからである。返信は、小坂町役場と対照的にその日のうちに送られてきた。 企画部電算情報室情報システム係(担当佐藤信博)によれば、〈外部委託は行っておりません。各課からの掲載依頼により、電算情報室職員が各ページの作成を行っております。〉〈制作費はございません。なお、個別の案件についてどうするかなどは、担当課の判断となっております。〉 HPへの情報掲載は各課の自由である。インターネットに要する費用は、まだ確認していないが、電算費の項目に含まれているらしい。 ☆ |
Updated 2004.7.10 長木川の黒い汚れが何か、分析はしない 大館橋の下 ☆5月から長木川の川底が黒く染まるようになった。水はそれほど濁っていないが、何かある物質が川底で化学変化を起こすらしい。5月21日県の北秋田振興局(局長石井護)建設部砂防課が積極的に長木川に調査に来て、HHJは一緒に源流の皆倉橋まで行った。川底が黒く汚れていない場所はなかった。滝のように流れの速い箇所では黒い物質が撹拌されて、透明度が全然なかった。排気ガスによる大気汚染の眺めと似ているので、おそらく硫黄化合物や窒素化合物が混じっているのではないか、と担当者にHHJの意見を伝えておいた。 7月9日、鷹巣町にある北秋田振興局に電話で問い合わせると、 早川寛―化学的に問題がないということで、分析はしない。 HHJ―結論はどこが出したのか? 早川―こちらで。建設部で。 HHJ―黒い沈殿物は減らない。今まで見たこともない泡も流れて来る。住民は安心できない。 早川―他に苦情はない。 HHJ―建設部や振興局に水質汚濁の専門家がいるのか? 早川―分析調査する予算がない。 上司が電話に出た。大館橋の下で比較的きれいな石を拾った人である。 松井昇主任―小坂製錬所の砒素流出事故では県が補助予算を使って調査した。長木川は、こちらで分析調査するかどうか、検討する。 HHJ―県庁本課には、事実を伝えてあるか? 松井主任―いや。 国際情勢がどうだろうと、こんな調子である。 ☆ |
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Updated 2004.7.15 長木川の水質検査 ☆7月13日 北秋田地域振興局建設部砂防課から連絡が入った。 長木川の水質検査を実施する。 場所: 大館橋,大茂内沢(合流地点),茂内屋敷 スケジュール:
8月の渇水期と10月の増水期の2度 分析: 専門業者に委託 |
Updated 2004.9.28 長木川の汚濁調査結果 ☆北秋田地域振興局河川砂防課 早川寛 電話で 9月24日 ―分析化学センター(秋田市)の分析結果によれば、全体として特に問題はない。基準値を上回ったのが一つだけあった。大腸菌が基準値の2倍。県と全国の水準と変わらない。夏場は増える。 東橋、水沢橋: 基準値の分類A
サンプル100mlあたり1000mpn 大館橋: 基準値の分類B
サンプル100mlあたり5000mpn 川底の黒い汚れについては、〈大腸菌が原因ではない。来年の6月梅雨前に前に再調査する予定です。〉 一般的にそうなるのはどういうケースが考えられるか、回答を求めると、27日返答があった。〈分析化学センターに聞いたが、確定的なことは言えない。藻類の可能性がある。春先に暖かくなって日当たりがよいと、上流で藻類が発生する。家庭排水が減ったのが原因。(つまり、有害物質が減少したということだ。)〉 悪い現象ではない、と言っているように受け取れる。しかし、藻類の採取分析はしなかった。 ☆ |
Updated 2004.6.3 RD撮影レポート 木越川 ☆5月12日、降り続いた雨が止み、2年ぶりに木越川に向けてサイクリングした。水源から米代川まで撮影して約17分の長さなので、四季の情景も入れて最小限30分のドキュメンタリーにしようと思って。水源地帯に行ってみると、植林した杉の林と湿地にゼンマイやワラビが伸びていた。前に来たときは地元の人が採ったものを撮影したが、今度は生えているのを撮影した。ゼンマイという植物に対する認識と想像を、撮影した。概念を超えたゼンマイのイメージについては、仮面に関する エセーがいつか説明するだろう。そう考えていたが、偶然ゼンマイの茎の傷口に黄金色の滴が垂れているのを見ると、夢のような気がした。これはシャッターを切ると、地面に落ちてしまうほど危うく繊細なイヤリングだった。 ☆ |
Updated 2004.3.16 大館小坂間の自然環境破壊ルート
★日本海沿岸高速道路(日沿道)の大館小坂間ルートは、2003年12月25日の国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)で新直轄方式で建設することに決定した。北鹿新聞から引用すると、新直轄方式とは国と都道府県の負担で採算性が低い区間に無料道路を建設することである。建設費の4分の3を国が負担、4分の1を県などが負担する。ルートが通る大館市と小坂町もその一部を負担するのか、はっきりしない。国が勝手に決めた全国的なプロジェクトに自治体が追従的に乏しい金を使うことには、反対である。住民は建設計画の情報を得ようとしても、出先機関の尊大さが改善されないかぎり困難だ。 大館小坂間ルートは、14.5kmと短い。しかし、この区間は始めと終わりを除けば山と渓流で、したがって、ルートの75%がトンネル(5か所)と橋(7か所)だ。最長トンネル、2.9km。最長橋梁、500m。苦難と危険の連続工事である。自然を考えると、実際はもっと危ない。 1
前に注意を喚起したが、この地域の山は小坂鉱山が排出した亜硫酸ガスによる汚染で地盤がクラッカーのように脆弱である。長木ダム建設計画が挫折した要因の一つは、それだった。ダムの漏水を防止するには、庭の池を造るようにセメントミルク注入工事をしなければならない。その費用だけで50億円増える。 2
長木川の東橋から大茂内沢にかけて活断層が走っている。 そのうえ、地下水の変化が予測できないので、川の環境と周辺のエコシステムと井戸水にどんな悪影響がでるか、正確に描けない。 環境影響評価準備書によれば、大気汚染、騒音、土壌汚染、植物、動物、どの項目でも〈環境への影響はほとんどない〉ということである。土壌汚染については、こんな風に安全無事の歌を歌っている。〈トンネル及び切り土工事等によって発生する土砂は、一部降雨等の水分の供給及び周辺の空気との接触によって、重金属を含む水が流出する可能性があることから、不透水シートによる工法・コンクリート被覆と不透水シートとの併用工法等の適切な処理をします。また、工事後に重金属で汚染された排水については中和処理等の適切な処理を行い、排出するために影響はないと考えられます。〉それで灌漑用水は大丈夫なのだろうか?
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R奥羽線 長木川源流 トンネル5 ▼ 4 3 東北ハイウェイ 釈迦池 2 1 大茂内沢 オリジナル; 環境影響評価準備書 大茂内沢に行ってみよう! 起点に近い集落商人留(あきひとどめ)での建設工事を見る |
Updated 2004.3.14 産業廃棄物最終処分場の今 ☆長木川の支流で使用されていた産廃埋立て処分場がその後どうなったか、流域で暮らす市民には不安な環境汚染の一つだ。生活環境文化部にその点について質問すると、名前を明らかにしない環境整備課長から回答が送られてきた。 1 支根仮(刈)沢にある産廃処分場の使用期間について 当該地には、管理型最終処分場及び安定型最終処分場の二つがあります。管理型最終処分場は昭和55年から、安定型最終処分場は昭和60年から、共に平成10年まで使用されておりました。 2 水質汚濁に関する監視体制について 最終処分場からの排水については、北秋田地域振興局福祉環境部(大館保健所)が水質調査を実施しており、基準を満足しております。 また、下流の長木川にある東橋と餅田橋で、水質監視が行われておりますが、水質環境基準を達成しております。
担当:秋田県生活環境文化部環境整備課
産業廃棄物班 水質汚濁の監視について言えば、大館市民特にHHJ愛読者は大館保健所の行動に対して疑念と不信を持っている。日替わり定食のように北秋田地域振興局福祉環境部と標識を変えようが、内部の汚濁は昔のままだろう。生き残れる市民は保健所の挙動に気をつける。 水質監視を実施している場所は米代川合流地点に近い餅田橋と市街地の入り口にある東橋で、そう距離が離れていては無意味である。 ☆ 産廃埋立て処分場と下流の様子を見てみる |
Updated 2004.2.21 鶏、抗生物質、 鳥インフルエンザ、エトセトラ ★鶏は寒さに弱いので、風通しのよい鶏小屋では風邪を引く鶏が多い。病気の予防のために抗生物質を与えるが、しかし、関東地方の大手養鶏業愛鶏園経営者はこう話す〔1〕。〈今どき抗生物質を使っているようでは、養鶏業者は経営が成り立ちませんよ。抗生物質を与えるのはコストがかかりますから。〉〈ワクチンも開発されていますから、もう抗生物質は必要ありません。〉 寒い地方でも本当にその通りなのか?大館市の環境生活課と農林課に聞いてみると、市内の養鶏業者が抗生物質を鶏に与えているかどうかは把握していないし、調査もしていない、ということだ。アクビウィルスの市役所である。広報で最近コンポスト・センターが生産する堆肥の安全性を大々的に宣伝したけれども、相変わらずいい加減だ。 鶏の飼育で一番怖いのは、中国やアジア各地域その他で猛威を振るっている鳥インフルエンザである。〈この病気は、渡り鳥にもうつる。もし香港などで渡り鳥に移り、日本の鶏舎に舞い降りて鶏と接触したら〉〈だから、遮断された鶏舎が必要なのだ〉と愛鶏園経営者。北秋田地方の鶏はどんな境遇か、心配になってきた。 1 環境goo もう振り回されない 食べ物神話
; 松永和紀(サイエンスライター) 大館市に関するもっと詳しい記事 |
Updated 2004.2.19 甘酒婆という化け物は何を語るか? ☆年代豊凶録におもしろい記事がある。 天保4年(1843)の夏、世に名高い甘酒婆という化け物が越後の国よりこの地方に横行して、人の家に入ると、甘酒はあるか、と問い、それに答えた者は即座に悶死するということである。化け物の魔除けには札を張れば、入らないという。この甘酒婆は小繋(二ツ井町)辺りまで来て、非常に騒々しく取り沙汰されているようだ。右の札を赤い紙に書いて張るという。ご城下ならびに大館は赤紙が売り切れたという。その札とは、 甘酒はありません。唐辛子があります。 亭主は留守。家の者は皆つんぼ。 右の通り書き付けたところ、その後役所より厳しい回文が来て、剥ぎ取るように命令されたので、剥ぎ取ったというである。聞いた話では、それは上様を誹謗する落書きだとのことで恐れ入った。 ☆甘酒婆という化け物は、米代川ドキュメンタリー撮影レポートと エセー 《仮面について》が明らかにした起源から見れば、鉱山や製錬所から流出して川を白濁させる有害物質のメタフォール(隠喩)であって、白い消石灰や白っぽい凝灰岩の屑などの流出だったと考えられるが、一般的に鉱害による水質汚染の象徴である。この化け物が越後より来るとは、鹿角地方に伝わるトンボ伝説に福井を故郷とする継体天皇が登場することと無関係ではないだろう。 このおかしな流言は、佐竹藩の阿仁鉱山か南部藩の尾去沢鉱山から有害物質が流出した事件を農民と民衆が不安に怯えながら口々に伝え広めている状況を想像させる。〈上様〉とは普通徳川幕府の将軍のことだが、藩主を意味することもあったか?いずれにしても、統治者が魔除けの張札を禁止したのは地域住民の迷信と妄想を止めさせるためだと思う人は愚か者にすぎない。 ☆ 原文を見る |
Updated 2003.12.22 大館南バイパス上空に漂う排気ガス オゾンは有害物質! ★8月のヨーロッパは、多数の都市がオゾンに悩まされた〔1〕。オゾンは地球の生物を太陽の危険な紫外線から守ってくれるのじゃなかったか、とリヴァー・ユートピアはフランスからのニュースに驚き、〈環境goo〉のサイトで調べてみた。 オゾン層は地上10〜50Kmの大気圏にあり、約20Km付近が最大濃度になっている。オゾンは酸素原子基3個が結合してできた気体。成層圏内に上昇した酸素分子が上空の紫外線のエネルギーを受けて2個の酸素原子に分かれ、単独になった酸素分子と別の酸素分子とが結合しオゾンとなる。 しかし、有害さについては全然触れていない。そこで、市立図書館に行き、小学館の世界大百科事典を開くと、 オゾンはこれらの天然物の構造研究や上水道の殺菌、廃水処理、香料の合成、脱臭などに用いられる。その強い酸化力によって生体にも種々の作用をし、猛毒である。敏感な人は0.02ppmで特異なにおいを感じ、0.2~0.3ppmで粘膜が刺激され、視力障害を起こし、0.6ppm以上では呼吸器に刺激症状があらわれる。大気中に排出された窒素酸化物は紫外線により分解し、オゾンが発生する。 大気中に炭化水素が存在すると、この反応は進みやすくなることが知られている。光化学オキシダントの大部分はオゾンであり、その他有機過酸化物等の発生も加わって大気汚染の原因となっている。 大気汚染のオゾンとは、光化学オキシダントのことだった。この聞きなれた物質は〈環境goo〉によれば、 自動車や工場から排出された窒素酸化物や炭化水素類などの一次汚染物質が、太陽光線中の紫外線を受けて光化学反応を起こして発生する物質。夏など日射量が強く、高温・無風などの条件が重なったとき、光化学オキシダントやPAN(パーオキシアセチルナイトレート)等の濃度が局所的に高くなったものを、光化学スモッグと呼ぶ。光化学オキシダントは高濃度だと目やのどの粘膜を強く刺激するなどの直接的な健康被害を引き起こす。 秋田県の光化学オキシダント状況は?---秋田県環境白書(平成14版) 秋田市など3市に設置している5局の一般環境大気測定局で測定。各測定局の昼間(5~20時)の1時間値の最高値は0.089~0.099ppmの範囲、環境基準の0.06ppmを超過した日数は37~54日、超過時間数は229~364時間、全測定局で環境基準を達成していない。 1時間値の最高値は県大気汚染緊急時措置要領に定める光化学スモッグ警報の発令基準(0.12ppm)は下回っている。 秋田市など3市とは、秋田市、男鹿市、能代市である。大館市は秋田市に次いで人口が多く、乱立するスーパー・マーケットと東北ハイウェイへのアクセスのために自動車の往来が激しい。比内町と田代町も同様である。しかし、大館盆地の住民は光化学オキシダントが生命を脅かす濃度に達しているかどうか、リアルタイムに知ることができない。風邪の症状が現われたり目を痛めても、それが原因だと言うのが難しい。 ★ 1
AFP, Le Monde |
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Updated 2004.1.18 オゾン測定局設置の要望書送付 ■リヴァー・ユートピアは去年の暮れ24日秋田県生活文化部宛に上記の記事を添えて北秋田地域にオゾン測定局設置を要望するメイルを送った。さらに、それに協力するよう求めるメイルを大館市・田代町・鷹巣町に送った。比内町のHPにはメイル受信プログラムがないので、後日送付する。 |
Updated 2004.2.7 オゾン測定について あの秋田県庁から住民思いの回答 1月21日 秋田県生活環境文化部環境政策課大気班 12月24日付けの「大館市と周辺地域にオゾン測定局設置を求める」にお答えします。 ★このe-メイルによる回答によれば、県の環境白書と違って秋田市にはオゾン測定局がない。能代市と男鹿市に設置する理由は、自動車の交通量とは関係がないことが分かる。大気汚染の常時監視の目的が〈環境基準の適否判断や緊急時対策等の基礎資料を得る〉ことであれば、排気ガスの多い他の都市でオゾン濃度の状況を観測しないのは公正でない。客観的なデータを集めて住民の健康と自然の生命を本当に守れるプランを立てるには、政治と経済関係者らの人間無視主義を排除して、それから有害物質の除去を考えるべきである。リヴァー・ユートピアは、大気汚染に対する彼らのいい加減な姿勢に刺激的な悪意を感じないではいられない。彼らが本気で自然環境保護に取り組むなら、測定器を積んだ移動車を各地域に定期的に走らせるとか、児童でも読み取れるようなリアルタイムのグラフをHPに載せるとか、知恵をしぼるはずである。 ★ |
Updated 2003.12.5 小雪沢四十八滝の砂防ダム事業について *大館市が市民向けに作成する事業概要パンフレットより 秋田県の実施事業年度 H.13~H.17 総事業費: 7億6千万円 2号堰堤工事: L(長さ)=30.6m
H(高さ)=10.5m 補償工事: 付替え道路 *国土交通省河川局HPより 小雪沢---〈災害弱者施設保全〉が目的の砂防堰堤工事 H.16完成 ☆施設というのは、大館市の温泉保養施設〈四十八滝〉のことである。長木川ドキュメンタリー撮影のときは川に落ちる滝の水を撮影しただけで、上流には行かなかった。管理人に滝の名の由来などを聞いてみると、〈分からない〉の連発だった。美しい渓流を撮影できなかったのは、残念だ。 事業費は、堰の建設に7分の1ぐらいだろう。林道の付け替え道路は、かなり危険な急斜面を削り取っている。
小雪沢の川に行ってみたい |
大明神川
☆小坂町へ行く途中自然の立像群が視界に入る。大明神岩と言われているが、その近くにある集落の橋の向こうは、何となく気に入っている眺めなので、いつも橋の上でタバコを吸って休む。風景が秋らしく色づいた頃、11月2日暇つぶしに少し谷間に入ってみると、小川がひっそり流れて長木川に注いでいた。合流点が見えないのだった。悪かったな、と思って、水源まで散歩することにした。魚が泳いでいるかわいらしい流れは、ペットに似ている。周囲の木の葉は、地味な色彩の柔らかな毛布のような触感があった。空き地が想像力を刺激した。水源は林道に断ち切られていた。水流を通すためのスチール製の管がない。 Photo; :源流域の雑木林 ドキュメンタリーのページ |
山田川
☆山田川の撮影は、7月18日JR奥羽線の川口鉄橋から開始した。線路の近くに山積みされた廃車と水田地帯の取水ポンプが汚れた水を汲み上げる様子など。米代川合流地点まで広がる水田はコンクリートの水路と化した山田川の《欲求不満》で浸水の危険度が高い。合流地点は、米代川から眺めると、テーブル上の岩礁が多く、近代化以前の風光明媚さをわずかに忍ばせる。今はフィッシングをする人たちが4WDを岸に並べている。 その辺りは大館盆地の出入口と言える地形で、米代川ドキュメンタリー第2部の撮影がなかなか始められなかったとき、難民の気分でパスポート発行のアイディアを書いた。それから、自転車で田代町へ抜けるときの酸素呼吸ルートになった。比立内川、早口川、木越川に行った。山田川はそのたびに越えるが、ドキュメンタリーを作る気になったのは岩瀬川上流の山瀬ダムに行くために山沿いを回ったとき、山田集落の入り口で〈ニンギョ様〉と呼ばれる土俗的な魔除け人形がウィンクしたからである。長木川流域に特有な人形だが、山田集落のそれはべらぼう凧と同じく男と女があり、しかも、起源をよく反映している。男の目はアーモンド型で、女の顔の配色は黒・白・赤。これはカナダのヴァンクーヴァー島に住んでいたクワキウトル族のクウェクウェ仮面と同じ配色で、仮面が銅製錬のプロセスから創造されたものであるという仮説を証明する重要な要素だった。住民を〈風邪〉で苦しめたのは二酸化硫黄(亜硫酸ガス SO2)だったが、自動車の排気ガスが襲う時勢だから、魔除け人形は相変わらず役人や議員よりも頼りにされている。 山田の連続放火事件は、数年前地域住民を恐怖と疑心暗鬼に駆り立てた。大胆不敵な放火狂の正体は明らかでない。マッチ・ポンプの疑念が残り火のように消えないのは、警察と消防署の怠慢さに対する憤りである。今度初めて集落の中に入ったが、住宅は丘の斜面に密集している。砦のようだな、と思った。外部からの侵害を警戒するためだろうが、目撃されないように悪運を祈って連続的に放火するのは難しい条件ではないか?この放火狂は計画的なテロリストでなければならない〔1〕。 水源地帯に行くと、灌漑用の池と地図に載っていない林道が2本あった。池はエメラルド・グリーンの水面に緑が映り、神秘的だった。林道工事の際に切り倒されて放置された木が美感を傷つけた。杉の沢にある一軒家の老人に聞くと、その林道は花岡と岩瀬に通じるもので地元の農業関係者と土建業者が知っているだけだ。現地に行けば分かるとおり、利用者がいるような道路ではない。札束をかき集めるための公共事業だろう。 池の裏から水源の森に入った。小川が流れている庭園、という感じの場所だが、それほど歩かないうちに藪が深くなって立ち往生した。長靴で沢を昇らなければ、水源までは行けないだろう。 ☆ 1 この放火狂は、自宅近くで6月29日起きた八幡神社放火容疑で2005年7月12日秋田県警と大館警察署に逮捕された。犯行を認めたという。 Photo; 山田集落の外れ ドキュメンタリーのページ |
犀川 ☆森合と中野の間の犀川は山に狭められている。アスファルト舗装の立派な道路が走るが、川の流れは背の高い笹や雑草に隠されて、水辺には簡単に近づけそうで近づけない。それで、漁業権設定の看板が立つ場所の堰堤付近の流れと草を踏み固めた小道の突き当たりにある流れしか撮影できなかった。対岸の低い山の麓に行くルートはないようだ。10月21日の撮影は、比内地方の古の中心都市である独鈷を抜けて、草の小道の対岸をめざした。住宅地からそう遠くないが、辿り着けるかどうか、心配しながら行くと、保育園児の行列がにぎやかに林の中から流れてきた。しかし、山の麓に向かう堤防の草道は途中で消え、以前気がつかなかった堰堤があったので、それを撮影した。魚道は水が流れていない。 炭谷川との合流地点の手前にはキノコ栽培のハウスがあった。その周辺は杉木立に囲まれた自然の広場の趣があるが、そのフィーリングを映像でうまく出すのは難しい。 独鈷の河川敷公園はありきたりで、おもしろくなかった。大日堂と杉林一帯は以前撮影したので、歴史案内の標識にしたがって古い道を回ってみた。しかし、高台の向こう側の小川に出てしまった。地図を見たら、味噌内だった。狐に化かされたような思い。独鈷(とっこ)は十狐とも綴ったという説明書きは、なるほど嘘ではない。 Photo; 中野付近 ドキュメンタリーのページ |
Updated 2003.11.5 餌釣農民の政治論 ☆10月21日、犀川の撮影のために扇田に向かい、餌釣地域の農道で一休みしていると、ジャケットを着た老人が声をかけた。稲の出来具合はどうですか、と聞いた。〈30パーセント少ないな。〉長雨のせいではなく、7月の低温が原因だった。〈17度以下だった。稲は穂を出すときだが、17度より下がれば、先のほうが伸びない。〉と言って、干してある稲束の先をつまんで見せた。〈実はこういう風に先のところにはつかない。〉 ―補償金が出るでしょう? ―ああ、共済金が出る。 しかし、補償制度の仕組みが決して農家に有利でないことを打ち明けた。一年間減反するという条件がある。自民党はずるいな、とぼくは言った。農民は不安そうに選挙の話をした。 ―菅直人の民主党に小沢一郎の自由党が合流した。土井たか子の社民党を加えて、自民党に代わらなければいけない。これからは、二つの党が交代で政治をやるようにしなければ、駄目だ。 まったく、民主党が社民党と組まないのは残念なことだ。理由は明らかでないが、表向きは憲法改正に対するスタンスの違いが響いているのか?老人は共産党への期待感も付け足したが、リヴァー・ユートピア代表はあっさり否定した。〈現場のことを知ろうとしない。〉 ぼくは楽観的に2大政党制を支持するつもりはない。政権交代はせめてもの慰めだろう、と思うだけである。 |
☆9月4日、早口から米代川の南に回って岸沿いの林道を通ったが、自転車では厳しい勾配がある。帰りは陽が傾いていたので、疲れないルートを選び、大巻の旧鉱滓輸送管の橋を渡った。幅1mのグリル・ブリッジはスリルだ。綴子川は、中流の田子ヶ沢まで行って撮影を始めた。なだらかな丘が連なる綴子の奥には、ふと心を惹く情景が少なくない。電動車椅子に乗った女の子の話では、水質は以前より悪い。確かにそうだ。原因は、臭気を発する政治汚染が集落に広がったことだろう。 田子ヶ沢の下流域には伝統的な珪藻土(ダイアトマイト)加工工場二つと道路に面した新しい産廃処理場がある。処理施設の建設地選定には住民抑圧の意志を感じないではいられない。 自転車と列車で阿仁合行き ☆9月24日、朝8時自転車で出発して鷹巣町の空港の東を車の有毒ガスに侵されながら走り、米内沢に昼近く到着した。目的地は阿仁前田だったが、桂瀬駅で列車に乗ると、阿仁川の中間に位置する鉱山の町阿仁合まで行きたくなった。内陸縦貫鉄道で阿仁地域を眺めるのは初めてだった。珍しくバカンス気分。阿仁合に到着すると、駅舎のモダンな三角形と駅員の笑顔に迎えられた。 スキー場の行き帰りに最後に通ったのは、10年も昔か?撮影は三両橋と異人館、ゴムボート下りレースのゴール河川公園から開始した。町外れの向山橋から見ると、阿仁川の厳しい源流がやっと予感できた。大岱の橋で撮影を切り上げて米内沢から終点の鷹巣まで内陸線の世話になった。アトリエに帰ったのは夜8時。走行距離は約93kmだった。 |
Updated 2003.8.26
茶色のペンキを塗る理由はどこに? ☆西大館橋の匂欄は、秋田県と市が大館の拙劣な宣伝広告も入れて茶色にした。国道が通る東大館橋の匂欄はつい最近同じ形と色の匂欄に変えられた。高台の旧繁華街には茶色の新しい信号機がいくつか設置された。茶色の塗料は他の公共事業でも目につく。トタン屋根のペンキで一番安い色は赤錆色と茶色である。均一的に暗い色で安く上げて裏金を作った、か? ☆ HHJ VOL.64 1998.10 |
Updated 2003.7.23
橋の勾欄デザインについての謎 リヴァー・ユートピアという川の自然環境保護運動をしている者ですが、ドキュメンタリー制作のために撮影して疑問に思うことがあります。それは、比較的新しい建設の橋に勾欄のデザインの同じものが少なくないということです。 1 現在採用している規格品の種類をイラストか写真入りで教えてください。 2
それらのデザイン製作業者名を教えてください。 回答書 2003.6.8 先日質問ありました高欄の件につきまして回答させていただきます. 比較的新しい建設の橋の高欄のデザインが同じものが多いとのご指摘に関してですが、県では、次の考えで高欄を決定しています。 橋面上には橋梁用防護柵として、歩道部に接する地覆(別紙図面参照)には高欄、車道部に接する地覆には原則として橋梁用防護柵あるいは必要に応じて高欄兼用車両防護柵を設けるものとしています。この橋梁上防護柵も車両の衝突速度によってA、B、C、Sタイプに分かれています。衝突速度は道路の種別によって分かれていて、主要な一般国道60km/h、主要な県道40km/h等となっております。デザインについてですが、各メーカーの違いによって微妙な違いがありますが、衝突速度が同じであまれば(原文のまま)各メーカーともほぼ同じとなっております。特別なデザインを使用しなければならないことを除きましてこの中から選定して使用しています。特別デザインにすれば特別注文になり、割高になりますので、通常であれば市販品の中から選定していることをご理解していただきたいと思います。 担当 :
北秋田地域振興局建設部 企画管理班 成田 メーカーのカタログのコピー(回答書に添付)
それじゃ、このフォルムはどんなコンセプトから作られたものか、と憤りながら疑惑のスキャナーにかけていると、三つ縦に並んだ各地域の橋の勾欄の断面図が道端に佇むお地蔵さんの姿に見えてきた。お地蔵さんがモデルなら安全祈願のために結構な形じゃないか、という匿名の作者の一声で決定されたのか?お地蔵さんが闇の中でぬっと視界に現われると、粗暴な運転を抑制する効果が出るかもしれない。請負業者からバックリベートをより多く取れるというご利益も、確かにあるだろう。しかし、環境サイン問題を追いかけているHHJにとって、これは黙認できない呪術的な記号である。 |
撮影レポート 引欠川 Hikkake river
下流 ★4月16日、引欠川下流の寺崎橋から撮影を始めた。集落の外れにあるブロックのサイロが珍しい。近くの白い鳥居の神社や板戸川の合流地点、本宮の河岸段丘。杉沢川の合流するところは川底の石が他より赤いが、流れの屈曲する地帯の風景には情緒が漂う。右岸の土手道が崖にぶつかったので、5月11日左岸の水田地帯に回った。杉沢の集落を流れる小川を見ていると、農作業に出かける男の人が話しかけてきた。上流に見える小さな神社についてたずねると、昔は5月5日の縁日に店が立ったということだ。草八幡神社はかさぶたを取る霊力があると信じられ、鎌を木に刺したものだ。〈鉱山があったんですか?
〉〈太平山にあったな〉橋のそばの民家の洗い場には、呆れたことに米炊きの釜が置かれていた。 太子内(たいしない)の集落で生家の前にあるハチ公像を記念撮影して、川縁に出る。流れが広くなるところに工事用の重機が並び、川の緑がすっかり剥き取られていた。対岸の丘の斜面は人工的な壁に変わっている。あれは何のための工事かと思い、田植えの準備をしている農婦に聞くと、《護岸工事だそうです》ときれいな標準語で答えた。立て看板に県の〈河川改修工事〉とある。 ★5月20日植物が川の眺めを妨げないうちに撮影しようと、糸柄沢の水源地帯に向かった。引欠川の2本の源流のうち銅鉱山があったところだ。標高差があまりないので、弥助集落の奥の立又鉱山跡まで自転車で楽に行ける。露天掘りの麓が道路の終点。黄色が残る渓流の上にはかなり高い砂防ダムが聳え、アカシアの雑木林には道がない。しかし、レンガ造りの用水路の入り口を見つけ、その上に登ると、細道がダムの方に延びていた。斜面が濡れていれば渓流に落下する危険があるが、無事に高層ビルの天辺に出た。ダムの上流部は小さい沼と原っぱで、流れ込む小川は底が黄色く染まっていた。黄泉という古い言葉が視界に重なった。黒焦げの石の集まりが縄文期の墓地のように見えた。人が穴を開けた石ころもあった。水源の山の鉱石採掘場から流れてきたものだろう。錆びたドラム缶もころがっていた。江戸時代から現代までの歴史。しかし、100メートルほど上流に歩き、危険を感じて引き返した。 ダムのすぐ下流に架かる平田橋を渡ると、林道脇にコンクリートの廃墟がある。崖に沿って鉱石運搬用の軌道跡とレールの残骸が浮かぶ。沢にはトンネルと鉄橋のコンクリートの支柱と崩壊した木材が残っている。それは〈船〉の残骸を想い出させた。 約400m下流に架かる三番目の橋には、松とアカシアが2本生えていた。名前を考えてみたが、冗談しか浮かばない。1km下流の立又小学校跡の記念碑で扇田の老人に出会った。説明ボードを修理していた。農業をやってるが、戦後30年間鉱山で働いていたというので、インタヴューした。軌道は選鉱場まで行き、そこからは索道(リフト)が扇田駅まで粗鉱を運んだ。それから貨車で海岸の町八森(発盛)の製錬所に送られた、経営が大日本鉱業だから、尾去沢にではない。 ―索道は、扇田の帰りに生活物資も運んだんだよ。あれさ乗って町に行く人もいたな。 70才を過ぎたという老人は、愉快そうに白人系らしい顔に微笑を絶やさなかった。この人は、〈はせがわ食堂〉のテレビを見た人だな、という気がした。そこで、弥助民話その2。扇田老人は寂しくなると、鉱山跡にドライブして記憶の中の女たちを追いかけるのだった。 ★ |
川に嫌われない政治をしよう HHJ VOL.91 2003.4 ☆大館市を流れる川は大部分が秋田県の管理である。市の管理地域は長木川と支流の源流にすぎないと言っていい。県の活動に注意しないわけには行かない。しかし、市民が選出した県議3人は川の環境保護のためにどんな働きをしているか?自民党の鈴木洋一と新生会の菅原昇は河川を建設業者の遊び場と考えている。社民党の石田寛は鮭の稚魚放流で環境破壊黙認の弁解をする。県議選の新人立候補者に期待をかけたいところだが、民主党の虻川信一も無所属の石垣砂津子も自然環境の保護に関するボキャブラリーがない。リヴァー・ユートピアは極端な自然保護主義がアンチ・ヒューマニズムに傾くのを警戒する。とはいえ、川を汚す恐れの強い旧鉱山町の花岡地区や医療関連工場が集積する二井田地区の産業分布に目を向けると、大館市で自然環境優先の発言さえもしないのは残酷な人間であると言わなければならない。そして、これは歴代の保守政治の鋳型から作り出された観念的で適応の下手な鈍感な生き物なのである。確かに辛い情勢だ。しかし、親は子どものために忍耐しようと自分に言い聞かせても、子どもは誰が子どもなのかと自問するような情勢である。 ☆ |
独善的な、損な、情念主導方式 〜PFI方式による雪沢地区のごみ焼却施設建設 HHJ VOL.90 2003 2 ★長木川上流の雪沢地区に建設予定地が決まった大館周辺広域市町村圏組合のごみ焼却施設は、北鹿新聞によると、下流の新沢・長木地区の反対表明を無視して環境アセスメントが行なわれている。順調なら、8月に建設開始という。2001年10月リヴァー・ユートピアが送った質問書に対する市町村圏組合(石田純造事務局長)の回答は次のとおり。 1
事業実施期間における焼却施設の所有権について ―PFI方式で事業を行なう場合であっても、いくつかの手法があります。〔略〕本広域組合が採用した方式はBOOであり、事業終了まで事業を実施する民間事業者がその所有権を持ちます。 つまり、事業終了後の建物の解体は自治体が負担するということだ。 2
地元自治体が所有権を持たなければ、通常でも事故発生の場合でも事業主体に対する法律的な権限が乏しくなると思うが? ―(PFI方式は)詳細な部分まで契約により定め、公共とSPC(民間事業者)のリスク分担を明確にしており、〔略〕当然にこの契約は法律により保護されるものです。 契約が人権と環境を尊重していなければ、ナンセンスだろう。 3
施設所有権は実施企業と広域組合が協議を行なって決めたのか? ―今回の事業発注は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI推進法)に基づき手続きを行っています。 自治体のイニシアチブが見えない。市民が知りえたのは肝心の焼却炉と灰溶融炉の選択権は事業者(日立造船・丸紅)にあるということだ。
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神田川と面影橋の今
☆早大キャンパスの旧友北川幹雄がHPに写真を載せている。70年代は洗剤とヘドロとゴミの川だったが、染物の水洗いができるほどきれいになったのは? 北川―〈昭和62年に落合下水処理場で高度処理施設(砂ろ過施設)が導入され、平成7年には中野下水処理場が一部稼働したため、透視度やBOD等が改善されてきました。落合下水処理場: 45万m3/日 中野下水処理場: 4.6万m3/日 計 49.6万m3/日〉面影橋について、〈昔のままだと思います。都電が通っている道は拡張され、新目白通りと名付けられました。通り沿いには高層マンションが建ち並び、昔日の面影はなくなっています。昭和57年頃、神田川沿いに遊歩道が整備され、桜の苗木が植えられましたが、その桜も大木となり、近年花見時には桜の名所として賑わっています。〉 ☆ 注 BOD : 生物化学的酸素要求量。微生物が水中の有機物を分解するときに消費する酸素量を数値化したもの。 HHJ VOL.89 2002.12.18 |
HHJ Vol.86 2002.7.1
☆二井田工業団地にある工場は、注射針製造のニプロ、菱山製薬、プラスチックホンダなど工業製品部門だが、それらに囲まれて秋田鶏卵食品工業の工場がある。どんな食品を造っているのか聞くと、教えられないという驚くべき秘密主義。二プロ工場で放射線殺菌の事故が起きたら、コバルト60の影響は?金に狂う政治家がいるかぎり、いつでも危険だ。 ☆ |
HHJ
VOL.85 2002.4 コンポスト・センターの問題点 ▲二井田にあるコンポストセンターは大館市の委託事業である。建物の建設は東光鉄工、機械設備はエバラプラント建設が請け負った。平成13年からの運営(運転業務)と社員派遣は、野呂田芳成衆院議員の元秘書が経営する東北ビル管財が行なっている。内緒話だが、エバラプラント建設の社長は大館市長小畑元のいとこ小畑志郎だそうである。 この事業は農協が生ゴミと鶏糞で堆肥を作り、地域の農業に役立てることを目的とする。去年は主にネギとヤマイモの畑作物に利用された。トマトは味が悪くなるから駄目だという。問題は毎年多額の赤字が予想され、大館市がその分を補填することである。初年度の生産物売払い収入と廃棄物堆肥化処理手数料は約530万円、電熱費と人件費その他運用費の大館市負担分が約1300万円。もうひとつの問題点は、環境汚染である。悪臭発生は騒がれたが、石垣昇市議によると、それだけではない。 ―8年で機械が劣化、4,5年で買い替えしなければならない。2億円以上。 それに薬害が発生する。抗生物質入りポーク剤入りの飼料で育った鶏の糞を混ぜるから、それで作った堆肥は薬害を発生させる。土壌改良剤として農地に使用すれば、大気中に散乱したり、水質汚染を引き起こす。そういう前例が他県にある。コンポストセンターは荏原が全国で大館市以外に2件やっているだけ。 ▲ |
HHJ VOL.79 2001.4.14 橋の歩道の基準 ☆大館橋の片側歩道の幅はちょうど3mである。もう50cm広ければ車が飛ばす泥雪をかわせるんだが、と嘆く歩行者は何人もいるだろう。橋の歩道幅はどんな基準で決められるのか?北秋田建設事務所によれば、道路構造令の規定にしたがい地域の歩行者・車椅子・自転車の利用状況を考慮に入れる。最低幅は、車椅子(1.0m×2=2.0m)+照明灯やガードレ−ルなどの路上施設(0.5m)=2.5mか自転車(1.0m)の通行幅を加えた3.5mの2種類ある。それだけの幅があれば通行の安全が保障されるというヒューマニズムに基づいている、とは断言できない。降雪量の多い地域でも同じ計算だ。大館橋の歩道は最低規準にも満たない! 住民の身になって考えていないことは、新設の橋に片側だけの歩道を付ける理由にも滲み出ている。〈歩行者等の道路利用がほとんどないと見込まれる場合には歩道は作りません。/歩道等が必要な場合であっても、自動車交通量や歩行者等交通量、今後の周辺の開発の可能性、前後の歩道の整備状況、歩行者の流れ等を総合的に判断し、両側か片側か決定します。〉この中で分かりづらいのは、歩行者の流れという言い方である。リヴァー・ユートピアの調べでは片側歩道は必ず上流に付けられる。道路からの歩行者の流れを片一方に変えるのは事業者なのである。そして、歩道建設費が半分安く上がるのは明白だが、財政的配慮は構造の決定に全然影響を及ぼさないという。 ☆ |
HHJ Vol.66 1999.2.14 光化学スモッグとは何か? ★光化学スモックが社会問題化したのは、確か1975年頃だったな。この公害は、排気ガス・工場の炭化水素・窒素酸化物が紫外線を受けて光化学反応を起こし、大量のオキシダント(種々の過酸化物の総称)が発生する。環境基準ではオキシダント濃度が1時間平均値0.06ppmだが、はとんど達成できていない。〈最大のオキシダント発生源の自動車の規制がなければ、意味がない。〉〔1〕 原因物質の一つに硫酸ミストとあるが、硫黄酸化物には少し違うようだ。天気のいい日に大気が黄色っぽい真珠色を帯びたら、まもなく呼吸が苦しくなり、歩くのが困難になる。ぼくの場合、横浜の港に面した公園にいたから、それほどの異状はなく、すぐ回復した、のではなかったか??? ……… ★ 1
現代用語の基礎知識 1998年版 |
HHJ
VOL. 58 1997.10.12 スナップ・ショット ■■■ ☆できるだけ四季のさまざまなシーンを入れたいという構想なので、暇を見ては長木川を散歩したり自転車で周遊したりして映像(イマージュ)を切り取っている。ぼくが好きなのは何でもないような情景だ。Half and Halfらしくないと思う人もいるだろうが、それは絵を見たことがない人の誤解だ。始終何をしているかと言えば、目に映るものの相互関係と構図がちょっと駄目だな、悪くないな、といった調子だから。☆ 1997.9.3 ■■■ ☆16日夜10持前、何度も鳴り響いていたサイレンが不意にリヴァー・ポート前で止まったので、カメラを持って外に出ると、栄町バス停の向かいの車庫兼倉庫から白い煙が立ち昇っていた。壁が黒く焦げていた。段ボールが燃え上がったらしいが、原因不明だ。その建物は、大館市の黒い霧と言うべき農地転用問題で市当局の非を認めた監査委員の一人の所有である。古くからの市民で、このことを知らない者はいないだろう。放火という言葉は使わなかったけれど、ぼくは住民との会話でその可能性を示唆した。6月26日の夜と27日の朝の間に、何者かが我が家の裏の車庫に置いてある高級乗用車[1]のリア・ガラスを叩き割った、その事件と共通する背景がある。説明するまでもない。警察は現場検証をしたが、犯人は明らかでない。☆ 1 アトリエ2階を借りている団体の所有物。 ■■■ [省略]
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HHJ VOL.27 1994.4.8 大館橋の不愉快さ
しかし、もう大館橋では自然との融合が難しい。公園の花々を眺めれば、忠犬ハチ公をかたどった花壇ときりたんぽの形をした花壇が純粋な観賞を妨げる。橋の袂には電気メーカーの大広告がある〔1〕。川の上流を見れば、能代本店に拙劣な漫画の看板はないDIY店の鉢巻き大工さんが、〈いらっしゃい〉と言っている。この感性への侮辱は、以前花岡鉱山の鉱滓をパイプで能代の浅内地区に棄てた利己主義への仕返しなのか?ともあれ、場違いな宣伝に良心の呵責を感じないのは、すでに山の自然を破壊した大文字焼きの巨大な看板があるせいでもあるだろう…一人が汚せば、みんな平然と真似をして、無感覚になってゆく。そして、それに気づかない。 ☆ 1 今はない。 続編はもっとおもしろい |