その頃
のびぞう 「ノラざえもん! 大変だ。お父さんとお母さんが大喧嘩してるんだ。このままだと離婚しちゃうよ」
ノラざえもん 「そりゃ大変だ。やっぱりボクが借りたアダルトビデオをお父さんの引き出しに隠しといたのがバレたんだな」
のびぞう 「そんなことしたの? でも今回はそれが原因じゃないんだよ。お父さんが大阪出張のとき、浮気をしたんだよ」
ノラざえもん 「なんてドジなお父さんなんだ。バレるような浮気するなよ」
のびぞう 「しょうがないじゃないか。携帯電話にその彼女からメールが来ちゃったんだ」
ノラざえもん 「それが原因か。よし・・・♣携帯電話のメモリーを消去するマシーン!」
のびぞう 「今さらそんなもの出しても遅いよ!」
ノラざえもん 「そ、そうか。じゃあ・・・♣1980年代にさかのぼって携帯電話を開発されなくするマシーン!」
のびぞう 「携帯電話が開発されなくなると困るよ。大体1980年代にさかのぼれるんなら、昨日にさかのぼってお父さんの浮気を阻止してよ」
ノラざえもん 「しかし、男は生きている限り浮気はするもんなんだよな。どうして君のお母さんはそういうことが分からないんだ?」
のびぞう 「訳知り顔で利いた風な台詞吐いてる暇はないだろ」
ノラざえもん 「それもそうだな。じゃあ・・・♣好きなものが嫌いになっちゃうパウダー!」
のびぞう 「なんかそれに近いもの最近あったな。で、これをどうしろと」
ノラざえもん 「お父さんにかけるんだ。そうすれば、お父さんは浮気の相手が嫌いになるから、もう一生浮気はしないよ」
のびぞう 「でも、お母さんのことまで嫌いになっちゃったらどうしよう」
ノラざえもん 「おお! のびぞう君頭いいな。成長したなあ」
のびぞう 「感心してる場合じゃないだろ! 早く次のもの出してよ」
ノラざえもん 「しかたないな、じゃあ♣奥さん以外の女性が好きじゃなくなるパウダー!」
のびぞう 「なんか似てるけど、まあいいか」
ノラざえもん 「さ、のびぞう君、タイムマシンで昨日に行って、このパウダーをお父さんにかけてくるんだ」
のびぞう 「分かった、行ってくるよ」
ノラざえもん 「やれやれ。お父さんの面倒まで見なきゃいけないとはな」
のびぞう 「ただいま。成功だよ。ホテルに入る直前のお父さん見つけたから、植木の陰からパウダーをかけたら、急にお父さん彼女の腕を振り切って走って逃げたよ」
ノラざえもん 「走って逃げることはないけど、まあ、成功して何よりだよ」
のびぞう 「でも、なんかおかしいなあ? ボク、今まであんなに大好きだったシズミちゃんの事がどうでもよくなって来ちゃったんだよなあ」
ノラざえもん 「のびぞう君、まさかあのパウダー自分にかけたんじゃないだろうね」
のびぞう 「かけたよ。だってボクもシズミちゃんのことを一生愛し続けたかったからね。今はどうでもよくなっちゃったけど」
ノラざえもん 「のびぞう君。あのパウダーは飽くまでも奥さん以外の女性が好きじゃなくなるパウダー!なんだよ。結婚していないキミがかぶると、どんな女性にも興味が湧かなくなってしまうんだよ」
岩手県のバス“その頃”