旅行者のためのチベット事情 '07
観光時期&ビザ
5000mを越える高地を除き,1年を通して旅行できる。秋(9月中旬〜10月上旬)がべストシーズン。快晴の日が多く,空の青が一層映え,風景を楽しむには最高の季節。ただし朝晩はかなり冷え込む。秋に次ぐおすすめシーズンは春(4月下旬〜5月),
ヒマラヤの山々を目にするチャンスが多い。日が陰った時や日没後は防寒具は必携。夏(6月〜9月上旬)は,気温の面からは最も快適な季節だが,雨季となるので山などの風景を楽しみたい方には不向き。
外国人がチベット自治区に入域するためには,自治区旅游局発給の「入域許可証」が必要である。
チベットへの行き方
以前は,青海省の首都西寧に北京または上海経由で飛びゴルムドまで列車で行き,それから青蔵公路をバスでラサへ。または北京,上海,成都などから空路ラサへというのが一般的であった。
これからは2006年7月に客車運航を開始した青海チベット鉄道(通称天空列車)を往路・復路のいずれかに利用する方法が世界最高所を通る列車に乗るという体験も出来て最も人気のルートとなるであろう。
列車は北京,重慶,蘭州,西寧,成都とラサを結ぶ便があるが,車窓からチベット高原の風景を楽しむのが目的であればゴルムド〜ラサ間を乗車するのがもっとも効率的である。
地形・地理
面積は日本の3.2倍。ヒマラヤ山脈の北にある。
北は崑崙山脈(新疆ウイグル自治区と接する),北東はタンラ山脈(青海省と接する)東は長江の上流である金沙江(四川省と接する),南東は南北横断山脈群(雲南省と接する),南はヒマラヤ山脈(ミャンマー・インド・ブータン・ネパールと接する)西はパミール高原に接し世界の屋根と呼ばれている。
ほとんどが海抜4500mを超える酸素の希薄な高地,中央部は遊牧民のみの住む高原,東北部は黄河の流れる大草原地帯,東部は気候も穏やかな森林地帯,西部には聖地カイラス山がある。
自然
動物が多い。ヤク,キャン(チベットノロバ),ナキウサギ,ゴワ(チベットガゼル),チルー(チベットカモシカ),オオカミ,ユキヒョウ,パンダ,様々な渡り鳥など。花はヒマラヤン・ブルー・ポピーが有名。
日本との時差
−1時間
治安
それほど心配ない。
しかし観光地ではスリや置き引きには当然気をつけなければならない。旅行者にとって命の次に大切なパスポートについては,常に身につける方法をわたしはとっている。
チベットのキーワード
タルチョ |
五色の祈りの旗で、赤=火、黄=地、青=水、白=雲、緑=木を表す。経文が印刷してある。 |
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ルンタ |
風の馬。タルチョの旗に経文とともに馬の絵が印刷してある。風にはためくと仏の教えを広めると言われている。ルン=風 タ=馬。 |
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タルポチェ |
巡礼路に立つ天と地をつなぐ象徴的な柱。五色の旗タルチョが巻きつけられている。柱は毎年正月に建て替えられ,真っすぐ立てば吉,ゆがむと凶。 |
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チョルテン |
仏舎利。高僧の遺物を納めた塔のこと。 |
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ツァツァ |
泥で作った小さな仏像。道端に供えてある。 |
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タンカ |
タンカ(Thanka)は、チベット文化圏で作られる布に描かれた宗教画。チベットでは「タングゥー」と呼ばれていたよう。
西チベットでは、ふつう白亜と動物の膠によって地塗りされた綿織物に描かれ掛け軸のように表装されて飾られる。顔料は鉱物からのものと草木から作られた染料が使われた。
タンカは、一般に寺院や屋内の祭壇に掛けられ,信仰として祈りの時に使われる。大きいタンカは,例年のセレモニーの時にタンカ台や岩斜面に広げられる。 |
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マニ車 |
軸先についた回転軸の中に真言を印刷した紙が封じられていて1回まわせば1回お経を読んだことになる。携帯用から寺院の固定型まであります。風力・水力によって回るマニ車もある。
7月9日・10日にお参りすると四万五千回分になるという浅草寺の”四万五千日”というのと似たような発想だ。 |
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コルラ |
巡礼者は聖なるもののまわりを早朝と日没の2回,手に手にマニ車をまわしながら,「オンマニペネフム」と真言を唱えつつ時計回りにまわる。これをチベット語でコルラという。 |
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キャンチャ
(五体投地) |
まず直立して,合掌した掌を額,喉,胸の順につけて,その後大地に五体を投げ出す。仏教の礼拝の仕方でいちばん丁寧なのが五体投地の礼拝です。五体とは,「両ひじと両ひざと頭」の五カ所を地につけることを意味する。コルラの際,熱心な人は全身を地に投げ出して身の丈の長さだけ尺取虫のように進む歩行法をチャックルと云う。空気の薄い青海湖畔の道路でこの荒行を長距離にわたって行っているのを見た。 |
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鳥葬 |
チベットで一般的に行われている遺体処理法で死体を刻んで禿鷲などの鳥類に食べさせる。魂の抜け出た遺体を“天へと送り届ける”ための手段として行われており,鳥葬という訳語よりは天葬あるいは空葬(sky burial)と呼ぶほうがより本来の意義に近い。チベット人の葬り方には,火葬・鳥葬・水葬・および土葬の4種類がある。火葬は高徳の人のみに用いられる,何故なら燃料は大変貴重だし高徳の人は燃やしても悪臭が無く天の神も嫌がらないから。水葬はお金の無い貧乏人用。特別の高僧の場合は,ミイラとして仏像の中に祀り込むことがある。
2006年西蔵自治区当局は鳥葬について,撮影や報道を禁ずる条例を公布して伝統文化を保護することになった。 チベットには約1000箇所の鳥葬用石台があるが、関係者以外による撮影や見物、及び鳥葬用石台近くの採石など開発行為も禁じた。
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ツァンパ |
チベット族の主食。チベット高原は,高地(&寒冷)にあるため大麦(チンコー)の生育が早い。そのためか,チベット族の庶民の食事は,大麦を炒って挽いた粉《ツァンパ》が主食になる。皮の袋の中で,粉と栄養価の高いバター茶をこねて団子状(おにぎり)にして食べたり粉のまま食べたりする。スープに溶かして、濃厚なポタージュスープのようにして食すことも少なくない。遊牧生活をしているチベット人は,粉にしたものを羊の皮袋に入れて保存・携行している。
日本の麦焦がしとほぼ同じもの。 |
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トゥクパ |
チベット風チーズ入り汁うどん。チベット族の代表的な料理のひとつ。肉(豚・牛・ヤクのいづれか)・チベタン・チーズ,ジャガ芋,大根など根野菜が少しとネギ,ニンニク,生姜,山椒などが入っている。トマトが入ることもある。麺は,丸麺・平麺・太麺・細麺などが色々ある。
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食事・水
旅行者の食事は,中国四川料理が主流のようだ。スパイス・油を多用している。肉はヤク・羊が多い。魚は川魚がたまに出るくらいで,あまりも出回っていない。ヤクのヨーグルトは美味である。
水道水は当然の如く飲めない。ミネラルウォーターはあちこちで売っているので入手は簡単。
携行品
- 夏場の必携品は,サングラス・帽子・日焼け止め。雨季でも日中は紫外線がかなり強いの。またたくまに日焼けする。薄手の長袖かつUVカット加工したシャツが望ましい。峠を越えるときは風を通さないジャンパーなど。血行を好くするために,締め付ける服装は避けたほうがよい。
- 粉末のスポーツドリンク・カロリーメイト・ポカリスェット・カルピス粉末をミネラルウォーターに溶かして飲む。高山病対策にこれらの入った水分をこまめに取ることが有効。
- ウェット・ティッシュイ,ポケットティッシュ。(青空トイレ用)
- 懐中電灯・換えの電池。ホテルでの停電や,寺院内部の観光にあると便利。ほとんどの寺院の内部は暗い!停電に備えてわたしはマッチとローソクを持参したが,今回の旅行地域では必要なかった。西部や東南部地域に足を伸ばす場合は必需品となるかもしれない。
- 石鹸・シャンプー,タオル。ホテルに備え付けてなかったり,あっても品質が悪いことあり。
- カイロ,ホカロンなど。地方のホテルには暖房設備が無い。標高の高い場所など夜間冷え込んだ時重宝する。
気候
ラサの5〜9月の最高気温は19℃〜22.5℃と言われているが,実際は30℃を超えることがしばしば。日中は日差しがかなり強いが,夏でも朝晩かなり冷え込むことがあり,一日の気温差が激しい。標高によって気温が変化し,峠など強い風が吹くところでは,体感温度が10℃くらい低くなるので要注意。
雨季は6〜9月,乾期は10〜5月。全体的に高原性気候で乾燥しているが雨季には突然風が舞ってスコールに見舞われることがしばしばある。
天空列車(青蔵鉄道)
2006年7月に開通した青蔵鉄道は,いま人気絶頂で切符を取るのが大変なくらいである。5072mの峠を越え,青く輝く聖なる湖や7000m級の白雪を頂く峰々,優雅に遊ぶ野生動物の姿を間じかに眺めながらラサに到着できる。人呼んで「天空列車」。
2007年6月時点での運行状況は下記の通りである。,@北京西〜ラサ,A成都〜ラサ,B重慶〜ラサ,C蘭州〜ラサ,D青寧〜ラサ,E広州〜ラサ,F上海〜ラサ(Dは青寧にてCに増結する列車らしい)7路線である。@は毎日,その他は隔日往復運行されている。
- 北京西〜西安〜ラサ 毎日運行 所要48時間(硬座389元、軟臥1,262元)
- T27次 北京西 21:30発 → ラサ 2日後20:58着
- T28次 ラサ 8:00発 → 北京西 2日後8:00着
- 成都〜ラサ 隔日運行 所要49時間
- T22/3次 成都 18:18発 → ラサ 2日後18:28着
- T24/1次 ラサ 9:05発 → 成都 2日後9:55着
- 重慶〜ラサ 隔日運行 所要49時間
- T222/3次 重慶 19:20発 → ラサ 2日後18:28着
- T224/1次 ラサ 9:05発 → 重慶 2日後9:55着
- 蘭州〜ラサ 隔日運行 所要30時間
- K917次 蘭州 16:45発 → ラサ 翌日22:30着
- K918次 ラサ 9:32発 → 蘭州 翌日15:45着
- 西寧〜ラサ 隔日運行 所要27時間
- K917次 西寧 20:07発 → ラサ 翌日22:30着
- K918次 ラサ 9:32発 → 西寧 翌日12:19着
- 上海〜西安〜ラサ 隔日運行
- T164次 上海 16:11発 → ラサ 2日後19:50着
- T165次 ラサ 8:32発 → 上海 2日後13:45着
- 広州〜西安〜ラサ 隔日運行
- T264/5次 広州 10:29発 → ラサ 2日後19:50着
- T263/6次 ラサ 8:32発 → 広州 2日後19:37着
通常は15両編成。軟臥車(定員32人)が2両,硬臥車(54人および70人)が8両,硬座車(98人)が4両,食堂車(44席)が1両である,うち2両は乗務員の休憩・仮眠用に使用されることがあるようだ。ゴルムド〜ラサ間は,米GE社製の高地仕様高馬力ディーゼル機関車三重連で運転される。
わたし達は,硬臥車に乗車したが,1コンパートメントに向かい合わせの3段ベッド6人部屋だ,大きな荷物は,最下段ベッドの下にもぐりこませるとか,デッキに置くことも出来るがスペースがやや不足気味に感じた。
各部屋にポットがおいてあり,給湯器から幾らでも御湯が補給できるので,御茶・コーヒーなど温かい飲み物がいつでも飲める。・ワンカップラーメンももちろんOK。
要所要所で中国語,英語,チベット語で沿線の風景など観光案内アナウンスが流れる。また各車両に1名ずつ乗車している車掌が「次は○▲が見えますよ〜」とか教えに来てくれる。大変親切である。
通路および各部屋に2箇所の酸素供給栓があり,事前に車掌から吸入器具を貰っておけば随時酸素を吸うことが出来る。
車内は飛行機と同様に気密性が保たれ,気圧調節がなされていると聞いていたが,何故か,わたしの高度計は最高高度4994m(気圧563Hpa)を記録していた。ということは,気圧調節はほとんど行われていないか,一時的に機密性が完全でなかったのかもしれない。通路がわの一部の窓は上部に仕切られた小さな窓があり,開閉できるらしい。乗客の一人がこれを少し開けていたのでこれが原因かもしれない。
タクシー
ノンメーター制。ラサ市内は一律10元であるが,外国人観光客には,この3倍くらいの料金を請求してくるので,乗る際に料金を確かめた方がよい。東南アジアでよく見かけるリキシャ風の三輪車も健在である。
チベット人の暮らし
チベット高原は北緯28°〜38°の間にあり南部は沖縄とほぼ同じ。しかし平均標高が3000〜4000mもあり,かつ内陸であることから冷涼な気候帯に属する地域が多い。西北に行くほど標高が高くなり雨量も少なく荒涼地となり,東南に下るほど草原と森林が現れる。したがって高地では遊牧生活が,低地では農耕生活が営まれる。
遊牧民は”ダグル”(ヤクの毛を織った布を張り綱と支柱でしっかり大地に留めたものでモンゴルの”ゲル”が木組みに羊の毛を張った円形なのと対照的である)と呼ばれるテントに住みヤクを放牧する。最近は政府の政策で徐々に定住化が進んでいると言われている。チベット人はヤクの毛・肉・乳・糞に至るまで無駄なく生活に利用する。
農民は,泥を突き固めたあるいは石を積み上げて造った方形,陸屋根の定住家屋に住み,チンコーと呼ばれる裸麦をつくる。
チベット人の主食は,チンコーを粉にしたものをバター茶で適当な固さまで指でこねあげた”ツァンパ”,主食の付け合せに”トゥクパ”と呼ばれるヤク肉入りうどんや,モモと呼ばれるヤク肉入り餃子など。バター茶は水分補給と体温維持の為一日に何回も飲む。
高山病
チベットを旅する人々の一番の関心事は高山病である!!
何しろ,「ラサ」は標高3650m,ここを基点にして4000m近辺の高地を行ったり来たりするのだから,高山病対策をしっかりしておかなけらばならない。
EU社が配布してくれた高山病についての注意書きをそっくり記すことにする。
高山病とは・・・・・
気圧が低く酸素の少ない環境に体が十分に対応できないために起きる症状です。例えば,標高の高い山に登ったときなど,密封されたナイロン袋などがパンパンに膨れている状態,それに似た状態が体内でも置きやすくなります。体のあらゆる部分が浮腫れやすくなります。頭は頑丈な頭蓋骨で覆われているため,頭痛が生じます。また。むくみによって血管が押されます。細くなった血管では,通常の血液量を全身にまわすため,脈が速くなります。こまめにお手洗いに行きたくなります。身体に上手く酸素や栄養分がまわらないと,だるさを生じます。腸も浮腫みますから,食欲不振を生じることもあります。また,便秘を起こしやすくなります。逆に体の防衛反応から,下痢を生じることもあります。そしてこのような環境変化に適応しようとする体の働きから,発熱してしまうこともあります。
高山病は年齢を問わず誰にでも起こりえる症状です。
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東京から持って行った飴玉の袋が,標高3650mの”ラサ”では,パンパンに膨れあがっていた。人間の身体の中もこんな状態になっていると思うと空恐ろしくなる。 |
高山病を出来るだけ最小限に抑える方法
その1 「走らないこと」
走ることは,身体に酸素とエネルギーをより多く必要としてしまいます。速歩もできるだけ避けた方が良いです。
その2 「深呼吸しましょう」
空気中の酸素濃度も低くなっています。深呼吸することで,たくさんの空気を肺に取り込みましょう。この状況でタバコを吸うことは身体に大きな負担を強いることになります。(ちなみに青蔵鉄道では,ゴルムドーラサ間は禁煙となっている。)
その3 「こまめに水分を取りましょう」
血管が細くなっていることは,血液が流れる道が細くなっていることです。水分をこまめにとって血液の流れを好くしてあげましょう。例えば,同じ1リットルの水分を数時間あけて一気に飲むより,15〜30分おきに少しずつ飲むことがお勧めです。またポカリスエットやアクエリアスといった電解質飲料は,血管に浸透しやすいのでお勧めです。また,お水はH2O,つまり酸素が含まれています。ただしアルコールはお勧めできません。
その4 「頻繁に飴,チョコレートなどを口にしましょう」
エネルギーの源になるのは,酸素だけではありません。血液に糖分も流れています。血液中の糖分も重要です。水分もとりつつ,飴などで血糖値も少し高めるようにしましょう。また高地は乾燥している所も多いですから,口の中を潤わせておく工夫も必要です。
その5 「締め付ける衣類は控えましょう」
体が浮腫み,血管がおされています。服装は動きやすく,かつ,ゆったりしているものがお勧めです。ガードルの着用はお勧めできません(ブラジャーのホックはいつもより1つ,2つ緩めてください。差し支えなければ,不着用の方が身体への負担は軽くなります)。からだもゆったり,気持ちもゆったりでいきましょう。
高山病が発症する高度は2400m程度からと云われている。わたし達の旅は,宿泊地を青寧2泊(2300m)→チャカ(3100m)→ゴルムド(2800m)→ラサ3泊(3650m)→シガツェ(3900m)と順々に高度を上げていきかつ,途中で,3500〜4000mの高原を長時間バスで走るというそれなりの高地順応をしていった。そのおかげでめまいなどの軽い症状などに見舞われた人が数人出たものの,いわゆる高山病というものには全員が罹らずに楽しい旅行を続けることが出来た。いっきに飛行機でラサに降り立ったら,こうはいかなかったと思う。
「食べる酸素」 とか「飲む酸素」という”薬”?を持参・服用していた方が居られたが,所詮はスポーツドリンクみたいなもので本格的な高山病予防薬とはなり得ないと思われる。日本では,高山病の予防薬とされて用いられている薬に「ダイアモックス」と言うのがあるそうだがお目にかかったことは無い,したがって詳しいことは知らない。
高山病に一番有効なのはなんと行っても,ゆっくりと時間をかけて高度順化することだ。それでもダメなら低地にすぐさま下りなければ命の保証はない。
高山病は酸素欠乏症状であるので,症状が出たら酸素吸入を行うのが望ましいことは言うまでもない。酸素スプレーは,旅行社・ホテルなど何処でも入手できる。
ちなみに,わたしが心がけたことは三つ
@ 水(粉末ポカリスエットを溶かし込んだ)の補給を絶やさない。少しずつ何回も飲む。
A 時々,深い呼吸をする。
B ゆっくり行動する。気持ち的にあせらない。 |
トイレ事情
中国の地方を旅行された方なら,ご存知のトイレット。大都市では,大分改善されてきたようであるが,チベットではそうはいかない。ご存知中国式トイレは以前健在である。数年前までは使用料はせいぜい5角であったが,今回の旅行では1箇所のみ5角のところがあったが,ほとんどは1元と値上がりしていた。
草原を走っている際は,青空トイレオンリーであるから問題なしというか,快適でさえある。
お寺さんや幸運にも町中にトイレがあった場合でも,,それはそれはすさまじいトイレを覚悟しなければならない。このトイレに平気で?入れるようにならなければチベット旅行をする資格は無い。
なお,ホテルや,町中のレストランのトイレは,問題なし。
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西寧タール寺前の公衆トイレ
ここで大もする,溝にはチョロチョロと水が流れてはいる。このトイレは”好い”部類。 |
ラサ デプン寺
一応,”キンカクシ”は付いているが外からまる見え状態。 |
シガツェ シャル寺
下から砂ほこりが舞い上がってくる。 |
中尼公路沿いのトイレ。中の状態はご想像に任せる。 |
中国のトイレ事情を紹介しているサイトには,下記のものがある。
@ 中国トイレ事情
A 中国トイレ事情(2)
B 中国のトイレ事情(3)
参考文献&関連サイト |
参考文献
- 1.「図説 チベット歴史紀行」石濱裕美子著・永橋和雄写真 (河出書房新社) 1800円(税別)
- 2.「地球の歩きかたチベット」(ダイヤモンド・ビッグ社) 1880円(税別)
- 3.「鳥葬の国 秘境ヒマラヤ探検記」川喜多二郎著 (光文社カッパブックス) '59発行
- 4.「チベット 歴史と文化」チレ チュジャ著 池上正治訳 (東方書店) 2200円(税別)
5.「わたしのチベット紀行 智恵と慈悲に生きる人たち」渡辺一枝著 (集英社文庫) 571円(税別)
6.「バター茶をどうぞ」渡辺一枝,クンサン・ハモ著 (文英堂) 2000円(税別)
7.「雲表の国 チベット踏査行」色川大吉著 (小学館ライブラリー) 890円(税別)
8.「天空列車 青蔵鉄道で行くチベット」長岡洋幸 長田幸康著 (潟Cンターナショナル) 1600円(税別)
9.「チベット遠征」S・ヘディン著 金子民雄訳 (中公文庫) '92.9.10発行
チベット関連のホームページ
- オカメインコの森 チベット学への招待
- I LOVE TIBET!
- 中国国家観光局 大阪駐在事務所
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