ウランバートル市内および近郊散策
もともとの予定では,ウランバートルに一度帰ってから出直す予定だったフスタイ国立公園訪問を,昨日済ませてしまったおかげで,これからの行程に大分余裕が出来た。おかげで,一日をたっぷり完全休養日とするなど,残り4日間をゆっくりと愉しむことが出来た。
(9/04)
今日は市内見学。
09:00 ホテル発。
先ず,スフバートル広場に出かける。
1921年のモンゴル革命で中国清朝からの独立に貢献したスフバートルの像がある国会議事堂前の大きな広場である。相変わらずたくさんの人が待ち合わせや散歩などで憩のひとときを過ごしている。民族衣装デールを着た75歳になるというおばあさんに声をかけると,友達を待っているところで,「,たくさんの友達が間もなく来るはずなんだけど」という。皆が集まったところで,写真を撮りたいと思ったが,なかなか現れない。残念ながら先を急ぐこととした。
広場の東隣りにあり,二月ほど前総選挙のゴタゴタで焼き討ちに遭った人民革命党本部ビルを遠望(右の写真)。
E君は,仕事がらみの用件の為,日本の建設業者の事務所前で下車。
次は ウランバートル第四火力発電所の見学
JICAのシニア海外ボランティアとして,発電所改修に伴う資機材調達を指導・援助している佐藤氏の案内で発電所構内を見学。モンゴルの電力事情,低所得者のために電力料金を異常なほど低く設定していること,設備の減価償却をしていないので将来大きな問題となる,発電量は50万kwで,従業員は1400人,日本でこの程度の規模の火力発電所では300人~400人程度であること,冷却水は地下水を利用していることなどの話をしてくれた。
見学後,従業員食堂で昼食をいただく。
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6機のタービンと4機の発電機を操作する司令室 |
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発電機建屋内 |
ガンダン寺
ウランバートル中心街の西のはずれにある。
正式名称はガンダン・テグチンレン寺院。
1838年第5代活仏によって建立されたチベット仏教寺院。観音堂には高さ25mの巨大な観音像がある。
入場料:2500トルグル(250円),写真撮影:5$。
ナントール市場
市内東部,鉄道線路沿いにあるモンゴル最大のザハ。
日用品や小さな家具,衣料品,革製品,食料品の店がびっしりと並んでいる。
すりやひったくりが集団で狙ってくるというので,お金は一切所持しないで,カメラも上着の内側に隠し持って入場。ゲートを入った途端,なんとなくヤバイ雰囲気をひしひしと感じる。高級カメラを構えて写真を撮るのが憚れる。
屋内にある食料品売り場で写真を数枚撮っていたら,ポリスに捕まった。
駐在所ボックスみたいなところに連れていかれる。通訳のセレンゲさんが駆けつけてくれ何で捕まったのか分かった。屋内食料品売り場では写真撮影禁止となっている,罰金5000トルグル(500円)を支払えと言っていると。「スリが多いというので,財布は置いてきたので,今,一銭も持ち合わせていない」と応えると,なんと無罪放免してくれた。非常に紳士的態度のポリスであった,こちらも恐縮して何度も頭を下げて退散。
一旦ホテルに帰着。
日本風呂にゆっくり入り休憩後,市内南部にある「パレスホテル」屋上からの夕陽撮影に出かける。
厚い雲が邪魔して不発。
20:00 市内中心部ある「金の豚」というラーメン屋さんで夕食。
佐藤さん,N,E,わたし,セレンゲさん(ガイド),ドライバー,ゲレル嬢,ガナ氏(Eの知り合い)の8人で和気藹々として餃子を摘まみにしてビールで乾杯。これが実質的なお別れ会となった。
(9/05)
5時前に起床し, 第四発電所近くのトーラ川河岸から朝陽撮影をするというので,ホテル玄関へ。霧雨が降っているので,私はパスして再度ベッドでひと眠り。N君一人で出かけて行った(E君は最初からパス)。
案の定撮影予定地に着いた頃には本降りとなってしまったという。わたしが正解であった,しかしNはなんと熱心なのだろうか,この態度は見習わなければいけないだろう。
09:00 ホテル発
09:25 ダンバダルジャーの日本人墓地跡
市中心部から10kmほど,市内を見おろす丘の上に比較的大きな日本人墓地があった。現在その跡地には慰霊碑と記念堂が建てられている。一昨年の訪モの際にも参拝したが,今回もN君たっての希望での再訪問となる。記念堂には,厳冬の地で強制労働に従事し亡くなっていった旧日本軍兵士など合わせて1597名の名前を記した銘版が掲げられている。日本人墓地はモンゴル国内16箇所に分散していたが厚生省により遺骨が収集されたと言う。主な墓地所在地と収集遺骨数は下記の通りである。
ダムバダルジャー(835人),ホジプラン(252人),スフバートル(198人),バルーンハラ(96人)・・・・・
11:45 ナライハ石炭鉱山跡
ナライハはウランバートルから南東へ50kmほどにある町である。周囲を丘陵性の山地に囲まれた盆地である。この地域の地質は白亜紀の湖成層からなり,泥岩と礫岩に挟まれた石炭が採掘されている。
以前は大規模に採掘されていたらしいが,1990年代に大規模な爆発事故(おそらくメタン爆発か炭塵爆発であろう?)の後,閉鎖されたという。「1955-57」という銘板の入った建物の瓦礫が残り往時の隆盛さが偲ばれる。現在は,個人的に数人のグループ毎に狸坑方式で鶴嘴とバケツとロープを使って小規模に採掘され家庭暖房用に供給されているようだ。
12:40~13:30 ナライハの町で,ドライバー氏推薦の「バイラック」という食堂で昼食。結構美味しいモンゴル式ランチを食べさせてくれる。1時を過ぎたら満席となった。モンゴルでは午前9時~午後1時,午後2時~6時が就業時間だという。
ナライハからテルレジ方向へ国道A24を25kmばかり行った左手に建築中の巨大な「チンギスハーン像」を見学。今秋オープン予定だというがまだまだ完成しそうも無い。なんでこんな馬鹿でかい銀ピカを造るんだろう?草原の景観が台無しだあ~。
その後,トーラ河畔に沿って写真を撮りながらウランバートル方向へ戻る。既に木々の一部が紅葉し始めていた。
17:20 国立ドラマ劇場
およそ1時間半,民俗舞踊と歌と音楽を楽しむ。(18:00~19:30)
市内中心部にある日本料理レストラン「京都」で,夕食。
食事中,日本人客から「あなた方,すりの被害に遭いませんでしたか? 我々グループ全員がスリに遭ってしまいました! 気をつけてくださいよ」と声をかけてきた。「あなた方は皆からだが大きいからですかねえ」とも云う。いえいえそうじゃありません,私たちが,常に警戒していることを相手が察知して襲ってこないだけですよ!
店の女主人に白タクを拾って貰ってホテル帰着22:30.
(9/06)
今日は,完全休養日。
ゆっくり起床して,ゆっくり朝食。昼前から,日本風呂の浴槽に浸かりサウナに入り,肩&腰のマッサージをして貰う。近くのスーパーに出かけ,ハイネッケンとつまみ,インスタントラーメンを買い込んで,TV(NHKワールド)を見ながらのんびりした一日を過ごす。夕食も一人で独酌。
ほかの二人は,それぞれどこかに出かけて行ったらしい。
(9/07)
ホテルから2kmほどのノミンデパート(旧国営デパート)前まで町の風情を愉しみながら歩く。
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仲良し中学生四人組 |
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ボランティアで町中の清掃をする学生達 |
ホテル前で,Nとゲレル嬢と落ち合い,先ず,ケーキの美味しいという「さくら」というレストランで昼食。
次にメルクリ市場を見学。この市場は食料品が専門で,先日のナントール市場より規模が小さいし,やや高級品を扱っているので,客層が違うのかナントール市場みたいな怖さは感じられない。
今日は,安全の為,コンパチデジカメでの撮影となったが,シャッターを押してから実際に切れるまでのタイムラグがあるので,あまり見栄えのする写真は撮れなかった。
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ゲッ! 羊の頭 どうやって料理するんかな? |
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フルーツ類が豊富に並ぶ |
再びノミンデパートに寄りNの買い物に付き合った後,ホテルに戻る(17:00)
昨日,Nがノミンデパートの前を歩行中にスリに遭った話を聞く。
彼の前を歩いていた3人の男が突然停まり,こちらも停まらざるを得ないので立ち止まったところ,後ろから別の仲間がズボンのポケットに手を突っ込んできた,気付いたNが,バシッとその手を払うと「Sorry」と言って去っていったという。双方とも天晴れかつ沈着な対応だ,敵さんもさるものである。
20:00 ホテルから歩いて数分の場所にある日本レストラン「石庭」で夕食。
メンバーはN,E,私,ゲレル嬢(男友達が待っているとのことで50分だけの付き合い参加),モンゴルで長い間エンジニアリング業務をしているKさん夫妻(奥さんはタイ人)の6人である。
久しぶりの刺身と鮨に舌鼓を打つ。お酒とビールと焼き鳥などのつまみを含んで合わせて1万3千円である,ウランバートルの日本レストランとしては料理内容が一番充実しているが,値段はちと高めである。
これで,今回の旅行行事予定は全部終了。
(9/08) 帰国
06:40 起床
07:00 朝食
08:00 ホテル発
08:30 空港着
出発ロビーが人でいっぱい!
フライト標示板には,「DELAY」の文字が並ぶ。
当地の天候が悪く各便とも大幅に遅れているようだ。6:10発の国内便がまだ出発していない。
TOKYO行きはどうなるんだろうか,一瞬欠航になったらどうしようか?と不安がよぎる,何処で聞いてきたのか3時間遅れになると云う人もいる。
9時過ぎ,「CHECK IN」の表示が点滅する。ウワーッ助かった今日中に家に帰れる~
結局,定刻10:15発が11:20発となり無事モンゴルを離れる。
成田着も同じく1時間遅れの16:55着。
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