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中国雲南省梅里雪山,香格里拉(シャングリラ)撮影旅行記 

        2008.10.19~26   旅行形態:パックツアー  

 前々から行って見たいと思っていた中国雲南省の奥地,チベットとの境界に鎮座するチベット族から神の山として崇められている梅里雪山の撮影ツアーに参加した。

 実は本年春に行く計画を立てたのだが,チベット騒動があり今回やっと実現したものである。いわゆる観光ツアーではないので,名勝旧跡を訪ねることの無い旅ではあるが,黄葉と白雪に彩られた山々を愉しむことが出来た。

 メンバーは18人(女性2),いずれも山岳写真好きのベテランばかり,大きなカメラザックに重たい機材を満載しての参加である。私には始めて見る様な高価なカメラを持った人も数人,83歳の高齢の方が一人で参加するなど誠に恐れ入ったつわものばかりである。でも同じ趣味同士,直ぐに仲良くなりいろいろと教わりながらあっという間の8日間でした。


日 付 行    程 撮影場所ほか 宿泊地・ホテル
10/19(日)  成田発09:50 Q NH0923 広州着13:25
 広州発17:10 Q MU5736 昆明着19:20
出発 昆明
錦江湾大酒店
10/20(月)  昆明発07:00 Q MU5933 香格里拉着08:00 
 空港   ホテル着09:40
 旧市街
 依良(いら)草原
香格里拉
観光酒店
10/21(火)  香格里拉滞在  属都湖&碧塔海 香格里拉
観光酒店
10/22(水)  香格里拉発07:30  徳欽着18:30  納帕(なぱ)海
 金沙江峡谷
 白馬雪山の黄葉・黄葉
 梅里雪山夕景
 
 
徳欽(飛来寺)
神山大酒店
10/23(木)  徳欽滞在  梅里雪山朝焼け
 メコン峡谷
 梅里雪山夕景
徳欽(飛来寺)
神山大酒店
10/24(金)  徳欽滞在  梅里雪山朝焼け
 白馬雪山 
徳欽(飛来寺)
神山大酒店
10/25(土)  徳欽発09:00  香格里拉着18:20
 香格里拉発21:45 Q MU5936 昆明着22:40
 賀龍橋
 岡曲川渓谷
昆明
錦江湾大酒店
10/26(日)  昆明発08:00 Q MU5731 広州着09:50
 広州発15:10 Q NH0924 成田着20:00
帰国

― 成田~昆明~シャングリラへ ―

 成田空港での集合は午前7時50分。朝一番の京成スカイライナー(日暮里発06:35)でなんとか間に合う。
フライトはANA B767-300(座席数214),およそ60%くらいの搭乗率である。
九州北部→五島列島→東シナ海北部→寧波付近(ここまでは昔の後期遣唐使船とほぼ同じルート)で進路を南西に変えて広州へ。
 国内線(中国東方航空)に乗り継いで昆明へ。
 26年前に広州と昆明を訪れたことがあるが,当時の様子はひとかけらも残っていない。旧広州空港はいまや市街地の中,ビル群に変り滑走路は道路となっているとか。昆明空港は往時は畑の中の2,3階建ての小さなターミナルであったが,いまや空港を出たらすぐ市街地となっている。朝から晩まで旅客でごった返している超繁忙空港と化している。5,6年後には市街地から80km離れて新空港に移るそうだ。

 夕食は機内食で済ましたし,明日の出発もまた早朝なので早めに就寝。

       
26年前とすっかり面目一新した広州空港ターミナル       朝早くから混雑する昆明空港出発ロビー

翌朝は5時起床,5時半ホテル発。
朝食はサンドウイッチ・みかん・ミネラルウォーターのお弁当,空港までの10分間でパクつく。
 まだ6時前だと言うのに昆明空港出発ロビーは人でいっぱい,こんなに早くみんな何処へ行くんだろうか?
飛行機は,B737-700(130人乗り)ほぼ満席で予定時刻より10分も早くスタート。
昆明から800km西北のシャングリラ空港(正式には迪慶(ディチェン)空港と呼ぶらしい)に着いたのが7時50分。
ここは標高3276m,気温は,4~5℃という話ではあったが,そんなに寒くは感じない。手元の温度計は14.5℃を示していた。でも,人の吐く息は白い。

 ― シャングリラ旧市街,依拉(いら)草原の夕景,朝霧の属都湖,碧塔海の黄葉 ―

 シャングリラは,迪慶(てっけい)チベット族自治州の州都で,以前は中甸と称していた。1993年にイギリスの小説家ジェームス・ヒルトンの作品「失われた地平線」に登場するシャングリラの四つの特徴(雪山と渓谷・神秘的な寺院・美しい湖水と森林・美しい草原)と一致することや,中甸を表す古チベット語の意味がシャングリラの意味と同様なことから,2002年,香格里拉(シャングリラ)と改められた。

 まだ時間が早いのでホテルにチェックインは出来ない。専用バス(45人乗り,一人ニ席を使ってゆったり出来る)で,古城の撮影へ。
「古城」といっても殆んどが,麗江にある古城を真似て造られた商店を中心とする街路である。新市街側の入り口の駐車場でバスを降り,400年前の明時代の民家を見学しながら古城の中心「四方街」,更に東に向かって進み古城を抜けたところに大きなマニ車がある大沸寺というお寺が見えるところまで行く。このマニ車は,直径10m,高さ20mもあって世界一の大きさだという。ここで時間切れ,引き返す。


シャングリラ旧市街  

09:40 ホテルチェックイン
ちょっと休んで,2階の会議室でこれからの撮影地を案内して呉れる現地写真家「呉」さんからスライドを使っての撮影ポイントのレクチャーを受ける。呉さんの撮った梅里雪山の美しい写真を見せられて期待に胸を膨らませる。

 午後は,夕刻4時まで休憩。
今日から6日間,標高3300~3400mの地に滞在し,最高4300mの峠にも立つので高山病対策を怠ってはならない。夕刻まで各自部屋で過ごし高地順応の時間を持つ。

 16時からバスでシャングリラ草原へ出かけ,日没まで放牧風景,納帕(ナパ)海湖畔の農家などを撮影。

香格里拉の市街を出外れて途中,雲南省最大のチベット寺院である「松讃林寺」が望まれる。そこでさっそくバスを停めて道端から撮影。伽藍の金色の屋根が燦然と輝いている。小説「失われた地平線」の主人公が初めてシャングリ・ラのラマ教寺院を目にした光景もこんなものだったろうかと想像しながらファインダーを覗く。


 
ナパ海湖畔の農家               農家の子供達


松讃林寺遠望(450mm望遠で)

 翌日(10/21) 

早朝6時15分ホテル発,霧の属都湖へ。
高山病症状が現われた女性一人はホテルで休養。
6時20分,街はまだ眠っている,人っ子一人歩いていない。と思いきや町の一角にリヤカーや背負子に野菜類を満載したおばさん達がたむろしていた。近在から運び込んで朝市でも開くのだろうか?

 およそ30分ほどで,普達措(ふだっそ)県立公園の入り口に到着。
通常は8時の開門だが,湖面を被う霧を撮影せんと特別に早く開いてもらい,公園内のシャトルバスも待機してもらうことにしたあったいうが,なんとゲートの鍵を預かる係りが来ていなくて結局30分も待たされた。
 8時 属都湖入り口バス停に到着。
標高3600m,外気温2.5℃。手袋を持ってきてよかった。
霧の摩周湖ならぬ霧の属都湖。自分らも霧の中に入ってしまっていてなかなか好いシャッターチャンスに恵まれない。9時30分頃まで粘ったが諦めて上流へ向かう。
湖畔の木道を,2.7km歩いて次のバス停で11時集合。霧の撮影地点で時間を喰ってしまったので,手持ちでシャッターを切りながら急いで集合場所へ。ぎりぎり集合時刻に間に合う。

   
紅葉と幻想的な霧に被われる属都湖                     木道を行く観光客が大勢

 再びシャトルバスに乗車して標高3740mの峠を越えて弥里塘(みりたん)サービスセンターのレストランで昼食。
13時発のバスでおよそ6km離れた碧塔海へ。
ここから湖畔の木道を4.7kmほど歩くことになる。歩き始めたらバス道と離れているので最後まで歩き通さねばならない。ここで17人中7人がバスで湖畔木道の終点に先に行って待っていることを選択。木道は多少のi上り下りがあり標高の高いところを行くので,その方が安全かも知れない。私は躊躇することなく歩くことにする。
 13:20出発,17時までに集合すれば良いとのことなので5kmを3時間40分かけて歩けばよいので,急ぐことは無い。キラキラと輝く水面,紅葉・黄葉,放牧馬などを撮影しながらゆっくりと散策。


紅葉真っ盛りの碧塔湖畔

16:50 全員集合してシャトルバスで公園出口へ向かう。

 ところで,Mさんが,属都湖の集合地点の休憩所にカメラを置き忘れて来たという。地元のガイド「和」さんが携帯電話で連絡してくれているそうだが,わたしたちは十中八九帰ってはこないだろうと囁きあっていた。ところがところが公園管理センターに届けられているので「当該品かどうかチェックに来なさい」という連絡が入る。
私たちは公園出口のバスの中で暫く待っていると,くだんのMさんが戻ってきたが手には何も持っていない,やっぱり駄目か!と思った。Mさんのカメラに間違いないことが分かったが,担当者が帰ってしまったので品物を受け取ることが出来なかったという。ややこしいことだが,勤務時間を過ぎているので仕方が無い,さてどうやってブツを受け取るか?

 ホテルで夕食中,「和」さんがカメラを引き取って持ってきてくれた!!
おお なんということだろう!私たちが身につけているマナーからは,やや異なることがいくらかあるチベット族ではあるが,かねてから聞いているその誠実さを実感を持って感じた一瞬である。
つい最近,モンゴルでのこと,たった二グループしか泊まっていないツーリストキャンプの食堂で同じようにカメラを置き忘れ,結局戻ってこなかったという事件があったのでなおさら感激した。

 Mさん,余程嬉しかったのだろう。持参の富山の銘酒を皆に振舞ってくれた。めでたしめでたし。
カメラのベテランがカメラを置き忘れるなんて言語道断と思うかもしれないが,これも軽い高山病のせいかもしれない。注意力が大分落ちるらしい,私も昨夕,依拉草原での撮影の際,レンズフードを紛失してしまった,多分ポケットに入れ込んだ心算がしっかり入っていなかったのが原因だと思われる。

 ― シャングリラから徳欽(とくきん,デーチン)へ ―

 10/22 7時起床,7時半朝食
出発まで時間があるので,ホテルの近くを散策する。チベット族は朝が遅いのか人通りはまばら,チベット風のデザインをあしらった建物が多いのが目に付く。10人程度乗車できるミニバスが頻繁に走っている,よく見ていると手をあげて乗車している,どうやらデマンドバスらしい。とても快適な市民生活ぶりが感じられる。

 4日目の今日は香格里拉から徳欽へ移動である。徳欽までは約180km,標高2000mの長江上流の谷から標高4300mの峠越えをする。直行しても6時間ほどかかる旅となる。
 朝 9:00 ホテルを出発。シャングリラの北西8km地点の納帕(ナパ)海で撮影。春~夏にかけての雨季には多くの川から水が流れ込んで湖となり,周囲の緑が濃くなりシャングリラ最大の放牧地となるという。
 
バスは山の中腹を縫って走る,左手に雲南省でただひとつというスキー場が見える。11月~2月しか使えないという,この辺り標高は3400m。
1時間程で,車両給水所でトイレ休憩。雲南省を走る車は峠が多い為,ブレーキを酷使するそのためブレーキ冷却用にところどころに給水所があるのだという。道路は国道214号線。距離標には「1993」とか「1990」とか記されている,運転手の話では青海省西寧からの距離程が表示されていると言う。すべて舗装道路快適なドライブである。
 尼西の先の小集落を過ぎたあたりには,白壁の民家が目立つ,やがて前方の大きな谷のはるか先にちょっとした街並みが見える,多分あそこが「奔子蘭」(ブンツーラ)という町であろう。
 仏塔(チョルテン)が建つ急カーブの崖下に小さな村落が見える。「幸福村」という羨ましい名前の村だそうだ。(帰途,ここで撮影することになる)

 この辺りからぐんぐん高度を下げ,岡曲川の右岸に渡り雲南省シャングリラ県から四川省得栄県に入り,いつの間にか長江の上流である金沙江の左岸(再び雲南省徳欽県)に沿って走る。
 暫くして「賀龍橋」(アーチ橋)を渡り金沙江の右岸側を上流へ向かって走る。少し上流側につり橋があり,この橋を1934~36年にかけての中国共産党紅軍の長征の際,賀龍率いる第二軍が,渡ったことを記念して「賀龍橋」と呼ばれているとのこと。
 金沙江の両岸は石灰岩と粘板岩の大岩壁をなし,灰泥色の濁流が流れ下っている。

   
        賀 龍 橋                      金沙江右岸に位置する奔子蘭の町  

12:15 奔子蘭(ホンシラン,ブンツーラ)着。
ここは標高2100m,シャングリラから徳欽に行く中間にある唯一の街である。白壁のチベット様式の建物が目に付く。徳欽までおよそ100km。2階がホテルとなっている食堂で昼食を摂る。標高が低いのか外気温は25.8℃,食堂の道路に面した側は開けっぴろげのテラス風。

 13:00 「奔子蘭」発
九十九折を一気に登り標高2600m。
 13:10 着いたところが,「金沙江第一湾」が見られる場所。
ところが一番眺望の効く所にホテルを建設中。工事現場内の危なっかしい足場板踏んで崖上に出る。眼下300mくらい,長江の上流・金沙江が中央に出っ張った山に突き当たりそれを迂回してほぼ半周して流下していく。崖の上からの眺めは壮大である。
中央に出っ張った山が硬質な岩盤で出来ているのだろうか?地質・地形的に興味ある現象である。
 それにしても来年からは,お金を払ってホテルに泊まるなり,レストランに入るなりしなければ,この絶景を眺めることが出来なくなるだろう。またしても漢民族の儲け至上主義が顔を覗かせる。
 13:45 出発

 14:00 右下にチベット寺院東竹林寺。徳欽まで89kmの標示板あり。
 
 14:30 給水所,トイレ休憩。標高3400m。紅葉が美しい。

ここから道路は石畳舗装に変わる(現在舗装工事中)。
どんどんと高度を上げ,、やがて左側に白馬雪山(白茫雪山)が見えてきた。 白馬と白茫はチベット語のパイマの当て字で蓮の花の意味だという。地図には白茫と記されていることが多いが標識には白馬と書いてある。

 15:30 白馬雪山第一峠,標高4270m(手持ちの高度計による)。
バスから降りて白馬雪山(主峰はジャラジャニ5640m)をカメラに収める。酸素濃度は平地の半分ほど,あまりあちこと歩き回らない方が良い。ここが今日一番の撮影ポイントなのだが,上空が雲に覆われていて,雪山の全貌はしっかりとは見えない。でも手前に広がる唐松の黄葉は見事な眺めである。った。

 16:15 出発 一帯は高原状で,いったん標高が150mくらい下がるが再度登りにかかり右手にギザギザの特異な峰を見せる王冠峰が見える白馬雪山第二峠(標高4292m)。タルチョがはためく今回の旅で一番の高地である。
ここは瀾滄江(メコン河上流)と金沙江(長江上流)の分水嶺である。峠の東側に降った雨は上海から東シナ海に注ぎ,西側に降った雨はベトナムから南シナ海に注ぐ。そんな大地形の境界に立って居ることに感動を覚える。
 金沙江瀾滄江との最短距離は66kmであり更に瀾滄江のわずか19km西側に怒江(サルウィン河上流 ミャンマーのヤンゴン東方でアンダマン海のに注ぐ)が並流している。アジアを代表する三大河川が並行して流れながらも合流しないという世界でも珍しい景観を呈し2003年、「三江並流」として中国29番目の世界自然遺産に登録されてもいる。

 白馬雪山の峠を過ぎると,延々と下りにかかり,直ぐに舗装道路に変わる。

 17:10 標高3700m地点で給水・トイレ休憩。
徳欽の街に入る前に,迎賓台という展望台がある。残念ながら梅里雪山は見えず。この辺りからずっと道路拡幅工事が行われていて時折通行止めにあうが,たいした時間ロスも無く徳欽の街を通過してなお谷を大きく迂回して飛来寺へ。
 18:30 今夜から三晩宿泊するホテル神山大酒店に到着。

 去年までは,梅里雪山の絶好の展望台かつ撮影場所だったという所に,五つ星ホテルを建てるとかで目下基礎工事中である。呉先生もびっくり!ホテルに入る前に,撮影場所をロケハンしておこうと少し先まで歩いて代替撮影地点を確保する。今晩は梅里雪山は,全然見えない。夕焼け撮影は中止してすぐ夕食時間とする。

 夕食中19:40頃,何故か2Fと3Fのみ停電。私の部屋は2F,しかたない風呂の使わずに就寝。
21:40復旧したとの連絡があり,とりあえずカメラのバッテリーを充電しておく。常に予備も含めて余裕をもってバッテリー残量を確保しておかなければならない。デジタルカメラの泣き所である。


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