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奄美大島〜福岡&唐津(1)
                                                      JAN. 2006

奄美の海

 奄美大島は,鹿児島の南南西約380kmの海上にある面積719.88ku,周囲461kmの佐渡に次いで2番目に大きな島嶼である。
 美しいサンゴ礁がひろがる北部,亜熱帯性常緑広葉樹林が広がる中南部の森,そこから流れ出る大小の川,島を取り巻く黒潮の海。奄美の自然は極めてユニークで多様性に富んでいると言われている。
 美しい自然をもとめて,島の北部笠利崎から名瀬へ,金作原原生林を散策しマングローブ林の北限・住用村を経て瀬戸内町へ。更に宇検村湯湾岳,島の西側東シナ海を望む大和村から空港のある笠利町へと島をほぼ一周するコースを3日間で巡る強行軍であった。

◆2006年1月11日(水)
■天候

出発時 午前 午後 夕方
曇り 晴れ 晴れ 晴れ 曇り 曇り
東京 奄美空港 笠利町 笠利町
龍郷町
名瀬市 名瀬市

行程

 自宅06:40→<山手線&東京モノレール>→07:40羽田空港第1ターミナル→<JAL1953>→10:45奄美空港→あやまる岬11:30→笠利崎灯台12:30→14:00奄美紬村→15:30奄美自然観察の森→16:50名瀬市

 孫の顔を久しぶりに見んと,バースデー割引航空券を利用して福岡に出かけることにした。
ついでに,冬でも比較的暖かい奄美大島を一周することにもした。
 奄美は,33年前に,仕事で2〜3ヶ月滞在したことがあるが,”空港から現地に直行”を繰り返したのみで何処も見ていないので,自然豊な森を散策したり,美しい海岸を眺めたいと足を伸ばした次第である

  うわあ〜 暖っかい!

 10時45分,コバルトブルーのコーラルリーフに囲まれた奄美空港に到着。
 空港近くの地元レンタカー会社で,ワンリッターカー(トヨタヴィッツ)を借りて,さっそく島の北に向かう。         レンタカー 3日間で13,500円
 奄美はやはり黒潮の流れの南側に位置しているので物凄く暖かい。
朝,家を出るとき着ていた防寒コートとセーターを脱ぎ捨てシャツ2枚で十分だ! 走り出して間もなく,エヤーコンを入れたくなるくらいの車内温度となる。後で分かったんだが,今日から全国的に気温が高くなったようだ。

 15分くらいで
あやまる岬へ。
 太平洋に面した高台で,眼下にエメラルドグリーンのサンゴリーフに砕ける波,遠くに
喜界島が霞んで見える。
奄美十景と云われている景勝地で,あやまる荘という国民宿舎が昨年10月まであった。今は廃業してガランとした建物が侘しく残っている(実は,ここに宿泊しようと何度もメールを送信するも無しのつぶて,電話をかけたところ「この電話は,現在使われていません」 げっつ!つぶれてしまったかと納得した宿舎である)。

 島の最北端の
笠利崎に向かう。
岬の先端の高台に
笠利崎灯台がある。
かなり急な階段・坂道を登る。斜面にはツワブキ・スミレ・名前の分からない黄色の花などなどがいっぱい咲いているのを眺めながら10分ぐらいでたどり着く。
 絶景!絶景!360度のパノラマが広がる,内300°くらいが水平線で,まさしく地球が丸いというのが実感できる。天気が良ければ北方にトカラ列島が見えるはずと目を凝らすがそれらしき島影は発見できない。
 案内板に寄れば,この灯台は1962.3.31に設置されたと云う,わたしが学生生活を終えた日である。お互いよく頑張ってるね!

 急坂は,下りのほうが危ない。ちょうど昨年の今頃,大分県臼杵磨崖佛の下り階段でスリップして,しばらく足首の痛みが消えなかったことを思い出しながら慎重に下る。
 車道に出てすこし戻った海岸べりに
夢をかなえるカメさんという像が鎮座する小公園風の場所がある。
浦島太郎の竜宮伝説は,元をたどればこの笠利町に伝わる、”ネリヤカナヤ伝説”からきているそうだ。
亀さんの手足をさわると色んな願いごとがかなう(右足に触れると長寿,首に触ると金持ち,尻尾に触れると子宝・・・・)そうだ。
 笠利崎灯台

 さて,次は西海岸周りで大島紬村〜奄美自然観察の森を経て今晩の宿をとってある名瀬市を目指す。
 

奄美自然観察の森から見た笠利湾

 県道に出て右折の筈なのに,カーナビは左折を指示する。ショートカットでもあるのかとこれに従うも,しばらく進んでもそのような道は無く,これでは空港に戻ってしまうので意を決してUターン。
これが正解であった。
 笠利半島の西海岸は,笠利湾,赤尾木湾(奄美クレーター),龍郷湾など湾入を繰り返す眺めの良いリアス式海岸線である。
 赤尾木湾は,隕石の落下によって出来た湾であるといわれている,「いや,学問的に証明されていない」という人もいるが,付近には「星窪」という地名があり,太古に大空から地表に星屑が舞い降りて足跡を残した場所,それが「星窪」という地名として残っている。なんとファンタジックなことか! わたしはクレーター説を信じる。
  奄美クレーター

 トンネルを抜けて屋入という集落にある”けいはんひさ倉”で昼食をとらんとするも,本日休業。あまりお腹もすいていないので,車の中で小休止しがてら,お茶とせんべいで昼食代わりとする。
 
 再びトンネルを引き返して右折し,
大島紬村を見学する。            入場料 500円
 案内人がついて工房を見学することが出来る。
 最初は染め工程の工房。
真っ白な絹糸を,まずシャリンバイの煮出し液で染色する。わたしは,シャリンバイの実を潰した液で染色するものとばかり思っていたが,材を煮出すなんて知らなかった。シャリンバイはタンニンを多く含んでいて,絹糸が褐色に色づく。20回ほどシャリンバイで染めた後,泥田の中でジャブジャブジャブと泥染めする。奄美の土壌は,熱帯性土壌で粒子が細かく,鉄分を多く含んでいるためシャリンバイで染めた褐色が定着し黒色になるという。
シャリンバイで染めては泥で定着させる作業を,延々と繰り返してようやく黒く柔らかい絹糸ができあがる。

 次は,織る工程。
案内人が詳しく説明してくれるが,よく理解できない。縦糸を絹糸・横糸を木綿糸で緩く織って布の状態にして染色をして,またばらして再び織る・・・・・・・・これも何回も繰り返すらしい。実に複雑な製作工程と膨大な手間暇をかけて出来上がる。よって高価であるということだけは確かに分かった。

 最後にショップ連れて行かれる。
妻は嬉々として展示品(実は商品)を見回っているが,わたしは,ざっと見渡して,土産品を並べた別室で,奄美の植物図鑑(南方社発行
「琉球弧 野山の花」 3,045円)を買い求め,パラパラめくりながら休憩。 しばらくすると,妻がやってきて「夏までお金貸してくれない?」ときた。わたしのカードで大島紬を買いたいらしい。ちょっと待ってくれよ!既に百万円もした大島紬の着物を一まい持っているのに,また買うつもりかいな。やめとけ やめとけ!年金生活者らしくしたらどうなんだい。
 渋々あきらめたようだ,紬で造った小銭入れでチョン!
 奄美大島紬村

 
奄美自然観察の森へは,龍郷町役場のある”浦”のT字路を右折して北上,10kmほど行った所から急カーブの連続する山道に入る。尾根上に出たところに駐車場がありゲートはすぐそば。                入場料 無料
 夕暮れが近くなって時間的余裕もなくなってきたので,”パノラマ砦”まで行ってすぐ引き返す。入り口に”森の館”という管理人事務所兼資料館がある。
 もう少し早い時間でかつ時間的余裕があれば,奄美固有種のルリカケスやアカヒゲなどを観察できるとの事であるが今回は断念。 
 奄美自然観察の森

 今日の宿,名瀬市のトロピカルホテル(
宿泊費朝食付き二名JAL割引で13,000円)に明るいうちに到着。シャワーを浴びて一休みしてから町中に出かけ夕食。
 事前に調べておいた島料理と黒糖焼酎,島唄のライブが聴けるという”新穂花”という店を目指す。
ホテルから15分ほど,途中,学校帰りの女子中学生のグループに道を聞いたが直ぐ分かった。
 本日の晩餐は,わたしの誕生日祝いを兼ねているので,妻のおごり!
 まず生ビールで乾杯!料理は一金?千円の島料理コース。 メニューは,

刺身
豚味噌
ハンダマの生春巻き
煮物
アオサのだしまき卵
自家製豆腐
イギス
島らっきょとハンダマの天婦羅
ニガウリの味噌炒め
ミニ鶏飯
(追加)ハンダマの入った海んちゅうサラダ

 鶏飯は,アツアツのご飯の上に鶏肉や錦糸卵・椎茸・沢庵・ねぎ・のり・島みかんの皮などの具を載せ,鶏ガラで採った濃厚なスープをたっぷりかけていただく。藩政時代の薩摩の役人をもてなした料理として,古くから伝わる伝統的な奄美の郷土料理である。

 ヘルシーで美味しかった〜

刺身・豚味噌・ハンダマの春巻き・アオサのだしまき卵・ニガウリの味噌炒め 島らっきょとハンダマの天婦羅 鶏飯

今日,見た花と木

?(あやまる岬) アダン(あやまる岬) アリモリソウ(奄美自然観察の森) ?(大島紬村)
?(奄美自然観察の森) マンゴー(大島紬村) パパイヤ(龍郷町 屋入) ルリミノキ(奄美自然観察の森)
   
スミレ(笠利崎灯台) ツワブキ(笠利崎灯台)  ソテツ(龍郷町)  
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