5.オマケ。 「急がないと、急がないと庶務課が――!!」 「少佐、そんなエレベーターなんて使ってたら間に合いませんよ、階段で!」 「こっちです! こっちが近道なんです! 時間ギリギリでも部屋の中に入っちゃいさえすればこっちのもんなんですから! て言うかなんかガタガタ言われたら深井大尉にプレゼントくれた人呼んで、ちょっと待ってもらえばいいんですよホラそのためにこの人連れてきたんだし!」 「雪風ぇぇぇぇ……」 FAF特殊戦の出撃管理担当者以下数名が人気の無い廊下を爆走している。 そのうち一人はどうみても生気のない感じで、いかにも無理矢理引きずられてるようにしか見えなくて、そして何だかイッちゃってる風にも見受けられたが、そんな事を気にする者は周囲にはいない。 庶務課を目指して一行は進む。 「おれの今後の生活費がかかっている……! 頼む庶務課よ、今しばらくオープンザドア!」 「今日の少佐性格ヘンですよ? なんか別人」 「しっ桂城少尉! それ言っちゃ駄目!」 「雪風ぇぇぇぇ……!」 軍人として鍛え上げられた恐ろしいまでのスピードで、その集団は廊下をひた走った。 人気の無い道を走り、角を曲がり、そして―― 「あ」 「えっ?」 「ええっ?嘘っ!!」 「うわ―――! じゅ、准将―――??!」 ――見てはならないものを、目撃するハメになる。 寿命が縮みすぎて慰謝料どころではなくなったとは、後にブッカー少佐が語った事である。 終わり。 |