会津駒ケ岳(下ノ沢)(9月11-12日)

参加者:リーダーI井さん、S尾さん、Y本さん、T田T


      S尾さんからいただいた写真

 今年の6月に下ノ沢に行った時は、雪が上流のほうに多く残っていて、水量も多く、撤退を余儀なくされました。今回は再度チャレンジ、リベンジの山行です。

9月10日
21:55 東京発→23:35 上河内SA

9月11日 
 天気:曇り時々晴れ

0:40 横川パーキング
 前回泊まった「道の駅田島」のすぐ近くです。前回の所よりも車の往来がなく、静かでした。ここで仮眠を取ります。一応トイレはついています。
6:00 起床
7:00 出発→8:00 駒ケ岳登山口(竜門ノ滝)着
 いよいよです。ちょっと緊張しました。ここから、沢の格好をして、出発です。忘れ物なし。
8:30 駒ケ岳登山口(竜門ノ滝)発
 前回は、竜門ノ滝展望台から、滝のほうに向かうというルートをとったのですが、今回は展望台には行かずに、竜門ノ滝下段はすぐ右をまき、上段は高巻くというルートをとりました。下段は巻きやすいことと、展望台から滝を巻こうとすると、前回のように滝の真下に下りてしまう場合があることを考えると、この方法でよかったと思います。それでも、上段の高巻きは結構きつく息が切れました。まだ、高巻きは経験が浅く、ついていくだけで精一杯です。そして、下りは懸垂下降です。もうそろそろ慣れてもいいはずなのですが、知識としてはもうあるのですが、どうも現場になると…。じつに歯切れが悪いです。後、今回懸垂下降の途中で草木に行く手をさえぎられ、左手でロープを持ち、右手で草木を払うということをしてしまった、基礎なんだからしっかりしないと。後、下降が終わった時、少しばかり不安定な場所で、エイト管をはずすのに戸惑ってしまった。
9:45 竜門ノ滝通過
 ここで一休み、「この場所記憶にある。思い出した、思い出した、ここ通った。」懐かしいです。前回ほど水量がないので、今回は竜門ノ滝の後、二俣まで高巻きはナシです。少し横を巻くことはありましたが、ザイルを出すような所もなく、テンポよくスイスイ進めました。この日はI井さんのすぐ後を着いていけました。



11:00 第1ゴルジュ通過
 水温は腰までつかると、寒いですが、くるぶしを超えるくらいではなんともなく、ちょうどいいです。もっと寒いかと思っていたら、案外暑かったので、水に浸からなくてもいいところで、水に入ったりもしました。
 「ここら辺は前回だとまだ、雪の下に埋まっていただろうな」などと考えながら進む。第1ゴルジュの出口にある15mの滝はそれほど難しくなかったのか、記憶に残っていません。

11:15 二俣(この日のテン場)
 第1ゴルジュを通過してから、ちょっと歩くと二俣です。考えていたよりもかなり早く着きました。二俣はビバーク適地と思ってくると、そうでもないと思うし、ビバークには適さないと思ってくると、良いところといった感じでしょう。焚き火に使う木材は大量にあります。草が生い茂っているし、岩はごろごろしてます。4人用テントを張るのにちょうど良い、草を刈り払われた場所がありました。といっても、来年になれば、又誰かが、草を刈りはらねばダメでしょうが。


               二俣                          テント設営

 テントを設営して、昼食を済ませた後、焚き火用のマキを集めに行きます。川原には流木がたくさんあり、それをのこぎりで切り分けて運びます。マキを集めたら、いきなり大きな木に火をつけずに、小枝や燃えやすい紙につけてから、徐々に大きな木へと火がつくようにします。このとき、うちわがあると、便利なようです。


       のこぎりで流木を切る                     マキに火をつける

 さて、焚き火つくりにひと段落したところ、I井さんは、上流のほうへ、イワナを釣りに行きました。山でこういう生活をするのも、またいいものです。1〜2時間した後、I井さんが見事人数分(4匹! しかもみな超20センチ級)を釣り上げて戻ってきました。すばらしい。


        釣りに行くI井さん                        釣った魚をさばく

 釣った魚はさばいて、枝に刺し、塩をまぶし、ゆっくりと焚き火の上で焼きます。イワナは夕食の時に、一人一匹ずつ食べました、おいしかったです。贅沢な時間。そういえば、今回、蚊、アブなど虫はいませんでした。


           イワナを焼く

9月12日
天気:晴れのち曇り
 夜、トイレのため、外に出たら星がとてもきれいでした。
5:00 起床
 外に出ると快晴と言っていいほどの天気。
6:35 出発
 二俣を出発してしばらくは、滝などなく穏やかな道が続きます。そして、出発してから30分後ぐらいだったでしょうか、第2のゴルジュに入ります。自分の記憶が確かなら、第2ゴルジュに難しい滝が2本あります。第3のゴルジュかもしれない。順番もあやふやです。
 次にあったのは、確か8mぐらいの滝です。左からへつることもできなくはないですが、勇気を出して、滝の水を3秒くらいかぶれば、へつる必要はなくなります。I井さんはへつりましたが、S尾さんが滝の下を行く(水をかぶる)のを見て、自分も滝の下を行きました。すぐに乾きましたし、水をかぶったのはそれほどでもないです。水をかぶった後、一息つけるテラスがあります、2人くらい入れる広さです。その滝は少し左側から登るのですが、出だしのところが難しいということで、今回初めてのザイル登りです。

         ビレイするI井さん












  Y本さんからいただいた写真
(左写真:水をかぶったのはこの滝だったと 時間を見ると8:37)
 自分も写真をとったのですが、「写るんです」がちょっと巻けなくなってしまい、現像できるかどうかは工場に持っていってみないとわからない、とのことです。Y本さんに感謝します(後日談:現像はできましたが半分が下の「はるか遠くに会津駒」という写真のように、写真に汚れがついてしまいました。)


(Y本氏写真:下の文章にある中巻きの場所とは違いますが、イメージとして)

 もう一つは2段の滝で、両方あわせて10m前後の滝です。一段めは問題なくこなせましたが、二段目を登ってみると最後のところが難しいとのことで、いろいろ探した結果、一段目を登ったところの左側から巻くのがいいのではないかということになり、S尾さん、I井さんらがルートを捜しに行きました、行けるようです。高巻きというほど距離はないですが、中巻きぐらいです。「笹は3本つかめば大丈夫、下りれるところにきたら、滑ってでもいいから、下りてしまえ」、と言われるが、滑り降りて恐怖心にとりつかれたらと思うと、一歩一歩確実にと行動してしまう。待っているほうにも理由はあるかもしれませんが… とりあえず、休憩です。

       休憩の様子(Y本氏写真)
 休憩の最中、「今日、会津駒は無理だ」ということを聞きました。絶対行けると思っていたのに、残念です。誰が足を引っ張ったかといえば、まあ自分ですが、その時は「青天の霹靂」でした。一人でも、登りたいと、その時は考えていました。
 前日は沢歩きが多かったため、I井さんに着いていけましたが、この日は高巻きで体力を使ってしまい、距離を離されてしまいました。
 第3ゴルジュの終わりのほうの滝でした。巻けるルートはあるのですが、どうもそれが崩壊してしまったらしく、ザイルを出さねばだめでした、最後の部分で取り付く岩がなく、つかみやすい木もなく、どうしようかと迷っていると、「ザイルつけてるんだから、勇気出してやってみろ」と言われ、「それもそうだ」と思い頼りない笹につかまってなんとか通過しました。
10:55 沢登り終了(水枯れる)
 水が枯れたところから、薮こぎが始まりました。「水が枯れた後、草原のようなところを登って登山道に合流だ」と思っていたのですが、ぽつんぽつんと針葉樹が生えている以外は、密生したササ(ネマガリタケ?)薮で、結構きつかったです。途中、I井さんが教えてくれたのですが、倒木にスギヒラタケ(食用?)がびっしりと生えていました。
11:45 登山道合流・休憩

         はるか遠くに会津駒


  登山道合流地点にて Y本氏からいただいた写真(ありがとうございます)

  薮がなくなったところから20mくらい先に登山道と休憩できるところがあります。案外長かった薮こぎも終わりです。かなり遠くに、会津駒ケ岳が見えます。このときは、薮が終わった喜びとまだ、12時にもなっていないことから、「一人でもいいから会津駒に、頂上に行きたい」などと言いたれましたが、「自分でリーダーをして来なさい、また来れるから」というようなことを言われて、納得しました。沢装備を着替えて、休憩をして、記念撮影をして、出発です。
12:20 出発
 確かに眺めの良いところなどなかったと記憶していますが、下へ目指して一直線です。何人の人を追い抜かしたでしょうか? 結局、休憩を一度もせずに下山してしまいました。エアリアからすると、2時間はかかるコースなのに、自分を除いては3人とも定年前後だというのに、恐るべき人たちです。
13:25 車道
13:35 駒ケ岳登山口(竜門ノ滝)着
 テントを乾かしたり、渓流シューズを洗ったり、前回ほど、怖くなかったですが、今回もそれなりにけっこう厳しい山行でした。
14:10 駒ケ岳登山口(竜門ノ滝)発
14:15−14:50 駒ノ湯
18:30 佐野SA出発
 ここで、今回の山行費の清算をしました、2日間で計4000円ちょっとでした(個人の食事代を含まない)、登山教室に比べたら馬鹿みたいに安いです。
20:00 東京駅着
 解散です。この時間に東京駅につくことを考えると、会津駒に登らなかったのは仕方がないかもしれません。


 今回の山行のトラックログ(1日目:緑、2日目(沢登り):薄い青、2日目(薮こぎ):黄、2日目(下り):赤)
 沢で、こんなにきれいなトラックログが取れるとは驚きです。GPSにビニールを2重にして、カメラ用のケースに入れて、あまぶたの中に入れて、その上にザックカバーをかぶせるという状態でしたから。明るい沢だと、トラックログもきれいなようです。

竜門ノ滝登山口 二俣 沢登り終了地点 登山道合流地点
GPSの標高 1033m 1418m 1849m 1974m

S尾さんからいただいた写真・ありがとうございます








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