室内壁について

 山、岩、沢、スキーに行くとなると、まる1日必要だが、クライミングジムは3−4時間あればよい、というのも理由の一つ。ほんとに、まる1日外に行くほどの時間はないが、3−4時間くらいの時間が空いているという事が自分は多い。その他、雨の日も便利です。
 いわゆる登山という世界(冬山を除く縦走、ハイキング)というのは基本的に足し算の世界です。足を一歩一歩前に進めていけば、(天気に問題さえなければ)日本の山なら大抵の場所は行けてしまう。頑張った喜びはありますが(風景などを除くと)、工夫した喜びというのはあまりありません。これに対し、クライミングというものは以前手も足も出なかったところが、ちょっと手の位置、足の位置を変えただけで簡単に登れてしまうということがあります。汗をかき一つ一つ歩いて行くのも楽しいけど、「工夫すれば楽に登れる」という世界もまた楽しいです。

 自分の考える室内壁の利点に、例えば縦走(ハイキング)、沢、山スキーに人をさそって、その人がどうしてもついていけなくなった場合、「帰る!」ということはできません。ゲレンデスキーの場合、多少できますが、それでも、「帰る!」から実際に帰るまで相当時間がかかります。しかし、室内壁なら、「帰る!」からすぐ帰れます。

 一口に室内壁とい言ってもその楽しみ方はいろいろあります。一つにボルダリング、一つはロープクライミングです。ボルダリングの中でも、テープ課題、ファイル課題の2種があり、テープ課題の中でも3種(手のみ限定、手足限定、長もの、長ものは少し違うか)があります。ロープクライミングにはトップロープとリードクライミングがあります。
1.ボルダリング
 (1)手のみ限定
 自然の岩ではあり得ませんが、室内壁では「手のみ限定」ということが当たり前のように行われています。手でつかんでいいホールドのみが制限されていて、足はどこにおいても構いません。初心者にはまず、コレ!です。
 (2)手足限定
 「室内壁の簡単なレベルの多く」が基本的に「手のみ限定」でも、自然の岩場ではそんなことはあり得ません。外岩でも通用するためには、やっぱり必要でしょう。「手足限定」というのは、登れなかった割には登り方がわかってしまうと簡単、というのはよくあります。
 (3)長もの
 普通のクライミングが垂直方向に登るのに対し、横移動で距離の長いもの。垂直方向に長いとどうしてもロープクライミングになるが、水平方向ならロープを使わずにも行える。ただ、普通にボルダリングをやっている人と交差することが多く、周囲の状況を見てすることが必要。

長もの(5.9)
 三鷹ジム2011年7月17日
長もの(5.10b・途中まで)
 三鷹ジム2011年9月18日

2.ロープクライミング
 ボルダリングが高さ2−3mの壁を登るのに対し、ロープクライミングは高さ6−8m(?)の壁を登ります。ボルダリングが一人でできるのに対し、トップロープは登る人と、登る人のロープを操作するビレイヤーの二人が必要です。
 (1)トップロープ
 初めからロープが掛っている状態で登ります。初心者はまずこれからです。以下の動画はクライムダウン、再度ロ-プに体重をかけずに下りるのに挑戦したものです(あくまで訓練のためであって、メジャーではないです)。

「T-wall錦糸町・5.7を登ってクライムダウン」 2009年7月25日

 (2)リードクライミング
 ロープがかかっていなく、自分で登りながら途中の支点にロープをかけて行きます。なお、室内でリードクライミングをする場合は、あらかじめヌンチャクがかかっていますが、自然界ではそのようなことは基本的にないです。

T-Wall錦糸町 垂壁リード壁5.9を登る(You Tube・音声なし) 

ランナウト オ−トビレイ 5.7 足自由

 クライミングジムのランナウトには、オ−トビレイという機械がありまして、人の代わり機械がにビレイをしてくれます。オ−トビレイ機につきまして、邪道と思っていた時期も確かにありました。それは、確かに使い方を誤れば、邪道にもなりますが、オ−トビレイ機のみによらず、他の手段(リ−ド、通常のトップロ−プ)もバランス良く行い、使わねばならない時のみ使えば、決して邪道でないと思います。後は、下降はロア−ダウンよりは、クライムダウンしたほうが、オ−トビレイでの良い訓練になると思います。動画では、傾斜が緩いところはクライムダウンし、急な所から、ロア−ダウンしました。
 長い距離のクライミングは「長もの」でもできますが、「長もの」では高度感はありません。

室内壁を初めて体験した時のこと 最終更新:2011年3月27日

戻る