2009年沢の救助訓練

6月13-14日

L:F川さん、SL:K林さん、メンバー:Ta田さん、自分、I井さん、M井さん、F浦さん、S野さん、Y口さん、Y和さん、N井さん

 5月にあった都岳連の講習を受講して、教わったことを講師として説明するよう、鈴蘭の会の人から言われたんですけど、そもそも話すの苦手だし(だから書いているのかも)、すずらんの沢救助は2回目で要領がわかっていないし、都岳連は岩なのに対しすずらんは沢で微妙に状況が違うし…。
 とりあえず、無事終わりました。他の皆さんに助けていただきながら、なんとかなりました。これで次回につながります。

6月13日
天気:晴れ時々曇り(もしくは曇り時々晴れ)
7:05 立川駅発→8:28 奥多摩駅着
            8:36 奥多摩駅発→9:05 東日原(バス停)着
9:35 岳稜岩着

岳稜岩到着

10:00 救助訓練開始
(基本ロープワーク、エイト管での仮固定、ディスタンスブレーキ)

救助訓練開始
・クレムヘイストノット:クレムへイストで上に上がろうとする場合、左の簡略図のように
1.末端を5cm(かなり適当)ほど出しておく。
2.スリングの結び目は、一番下より少し位置をずらす。
 以上の状態で上から巻きつけていき、末端を上の輪に通す。

・オートブロックノット:クレイムヘイストと同じ要領で巻きつけていき、出ているスリングの長さが同じぐらいにする。両端をカラビナで留める。
・エイト管での仮固定:さて実演、「単なるエイト管での仮固定だから、都岳連の講習ででやったように、管付ヌンチャクでする必要はないな、エイト管をハーネスに(単に管付カラビナでかける)通常のタイプの方がわかりやすいだろう」などと考えて、通常タイプでやったら、そっちの方は久しぶりの挑戦で、2−3年前の自分に戻っていました。少し手間がかかりますが、管付ヌンチャクで、仮固定の説明をしていればよかったです。K林さんに、補足していただきました。都岳連講習で教わったことを全く生かせず、やっぱり人に教えるのは難しいです。詳しくは都岳連の講習を受けたページへ

訓練の風景(1)
訓練の風景(2)

・ムンターミュール(ムンターヒッチで懸垂下降をしている時、仮固定する方法)、そもそもムンターミュール以前にその基になるムンターヒッチが都岳連講習の時(一月前)ようやく右手のみ、マスター。そして、都岳連講習後、試行錯誤の末、ようやく左手でのムンターヒッチをマスター(たいてい本に出ているのは右手の方法、それを裏から透かして見るという手段で会得)。実際、
 ムンターミュールができる→ムンターヒッチを使った懸垂下降ができる
ことが前提なのですが、ムンターヒッチは自宅で会得できましたけど、「ムンターヒッチを使った懸垂下降」は自宅で会得するのはだいぶ難しいです。まったくできないことはないですけど、岩場の方が断然理解しやすいです。
 以下は、今回の訓練で教わりました。ムンターヒッチを使った懸垂下降では、どちらの手を使って懸垂下降をするか? で方法が異なります。

どちらの手を使って懸垂下降をするか?
実際にはこんな感じ
 右手で懸垂下降
 (ムンターヒッチ)

 上の模式図のように、なります。要はロープが管付カラビナの管に触れなければ良いのです。左手で懸垂下降をするとき、ロープは左側に持って来てそれが管に当たるとスムーズな動きができないしロープが摩耗します。そのため、ムンターヒッチを使って懸垂下降をするときは、その人がどちらの手で懸垂下降をしているかによって異なります。で、ムンターミュールというのはムンターヒッチをしている時に仮固定する方法で

ムンターミュールの方法

上写真「ムンターミュールの方法」のように、(1)ムンターヒッチを使って、下降しているところで、ロープを自分の前に持ってきて、輪を作ります(ここまで写真)。(2)左下にぶら下がっているロープを、メインロープの上から右に作った輪の中に入れます。(3)できた結び目をを引っ張って、できあがりです。
・ディスタンスブレーキ:岩場を移動してディスタンスブレーキの訓練です。本来なら、事故者を設定して訓練するのですが、今回は時間の都合もあり、「透明事故者」で代用しました。個人的には、新しく学習したこと特になし、なのでもし何かあれば都岳連の時の記録をどうぞ

ディスタンスブレーキ
ディスタンスブレーキ

12:30 昼食・タープ設営

タープの設営
?????

14:00 訓練再開
(介助懸垂、搬送法、振分救助)
・介助懸垂:事故者と救助者のみしかいなく、事故者が多少動けるとき、岩場を下降する方法。(1)救助者は懸垂下降の体制を取る(2)救助者はディスタンスブレーキと同じく、ディジーチェインをセット(ない場合はスリングでも可)(3)エイト管と管付カラビナの間にオートブロックをセット(4)事故者にディジーチェインをセット(5)救助者は事故者の後ろに回り、片方の手で事故者のハーネスをつかみ、もう片方の手でオートブロックを調節しながら岩場を下降

エイト管と管付カラビナの間にオートブロックをセット

・搬送法:道具がない時、ほんの少し事故者を移動する方法として、ドラッグ法、吊り上げ法、ヒューマンチェイン法を確認。道具がある時の方法として、雨具を使用した方法、ザックを使用した方法を確認。
 雨具を使用した搬送法:上の雨具のポケットにスリンゲなど詰め物をしておく、雨具の上と下をシートベンド(だったと思います)で結ぶ。雨具の右手と右足、左手と左足を、(方法は構わず)結びます。それに、事故者がどうにかこうにか入って、救助者は背負います。

道具がない時の方法のうちの一つ:ドラッグ法
雨具を使用した搬送法:雨具の上と下をシートベンド(だったと思います)で結ぶ。
ザックを使用した搬送法:左写真のようにザックを逆さにしたものに事故者が入り、それを救助者が背負います。

・振分救助:介助懸垂のときよりも、さらに事故者の状態が悪く、背負って岩場を下降しなければならない時に行われる。今回、事故者を運ぶ方法としてザックを使用した搬送法が用いられました。(1)事故者がザックを逆さにしたものに入る(2)救助者は懸垂下降の体制を取る(3)救助者は、ディジーチェインをセット(ない場合はスリングでも可、この時の長さは1:1ぐらいが良いよう)(4)エイト管と管付カラビナの間にオートブロックをセット(5)事故者にディジーチェインをセット(6)救助者は事故者の後ろに回り事故者を背負い、片方の手でオートブロックを調節しながら岩場を下降
 (6)の背負う時、周囲に手が空いている人がいれば肩を貸すなどして救助者が事故者を持ち上げやすいようにする。作業的には上記なんですけど、人を背負って下りるのはつらい。一つ一つ確認しながら下りるのですけど、ちょっとでも迷うと周囲の人から、「ディジーチェインに体重がのっていない、もっと後ろに、後傾に」「足のスタンスを広くして」など、指摘が入る。オートブロックを使用した下降には慣れていない上に、人を背負っているので、ちょっと進んだところで、自分の左肩が痛くなって、ハイそれまでよ。

振分救助

16:45 訓練終了
 今回夕食を担当。何を作っていいかわからなかったので、以前カレーと同じくらいよく作った、豚汁を作りました。なんとかなりました。

焚き火写真(1)
焚き火写真(2)


6月14日 曇り

焚き火写真(3)

7:30 訓練開始
(ライジングシステム、前日の復習、渡渉訓練)
・ライジングシステム:1.右下「ライジングシステム」の1のように、支点にタイブロックをかけます(左下写真)。タイブロックは向きがあるので、間違っていないかきちんと確認します。2.右下「ライジングシステム」の2のように、メインロープにクレムハイストをセットします。この場合、クレムハイストは下から巻いていきます。
 システムが完成したら、ロープを引き上げます。2のクレムハイストの結び目がどんどん上にあがっていくので、最上部まで来たら、手を離して、結び目を下に下げます。タイブロックが効いているので手を離しても大丈夫です。タイブロックがない場合は、クレムハイストで代用できますが、結び目を一々戻すか、結び目が自動的に戻るようにクレムハイストにザックなど重りをつけて…(よくよく考えたら、ザックの重りで戻るようなことで良いのだろうか? その程度の結びの強さで人は持ち上げられるのか。次回への課題です)。

タイブロックをかける ライジングシステム(概念図)

・前日の復習

10:05 一休み


一休み

10:30 訓練再開
・渡渉訓練:ロープに体重をあずけて、川を渡れば、渡りやすい。

ロープなしだとバランスを取るのも大変ですが
 (敢えて挑戦)
まず、M井さんにトップになって川を渡っていただく
ロープを体重に預けることにより楽に渡れる
渡渉訓練

11:30 昼食
12:30 訓練再開
(急斜面での実地訓練:トップが滝で滑落したとして、安全な平地へ運ぶ)
・急斜面での実地訓練:長い距離を、「1.介助懸垂」「2.ザックを使った搬送法+振分救助」で実際に下りてみる。そもそも自分が懸垂下降、「オートブロックを使用した下降」が慣れていないので、そこでつまずいてしまった。その他、岩トレが雨で中止になって、救助訓練の前に外岩で訓練できなかった、というのも理由にあります。Ta田さんは、実にリズミカルにオートブロックで下降していた。
13:45 訓練終了
14:05 岳稜岩発
14:30 東日原バス停着
14:50 東日原バス停発→15:15 奥多摩駅着

戻る