平成25年12月(師走)の短歌
この朝何か良きことありそうな微かに揺れてしくらめん開く
(このあした なにかよきこと ありそうな かすかにゆれて しくらめんひらく)
花もぎて叱られたるは幼き日八つ手の花のつんつんと咲く
(はなもぎて しかられたるは おさなきひ やつでのはなの つんつんとさく)
ゆくりなく轟く雷に背を押されたどる家路の日暮れを早む
(ゆくりなく とどろくらいに せをおされ たどるいえじの ひぐれをはやむ)
時雨降る日は穏やかに犬といて編みかけ置きしセーター仕上げぬ
満身の力集めて登りたり垂直に立つフリークライミング
抑揚のなき声ナビに案内され吾にも買えた亀田への切符
起きがけに見たりし夢は遠き日の確かに吾なり 半分の虹
今月は偶然にもハンドタオルのセットを三組もいただいた。いづれも、ふかふかした肌触りも良く、色柄もすてきというメーカー品である。思案の結果、二枚の角をギャザーを入れながら縫い合わせ、タオルかけから落ちないようにリボンを縫い付け結ぶことにした。待合室のトイレにかけてみたら「かわいいね」などと言われわれながらグッドアイディアなどと満足している。
仕立物にて育てくれたる母なりき形見の指ぬき吾の指に温し
(したてものにて そだてくれたる ははなりき かたみのゆびぬき あのゆびにぬくし)
ボタン付けでも、繕い物でも針を持つときは決まって指ぬきをする。それは母から受け継いだもの。その指ぬきは、今になって私の指にしっくりして温かささえ感じさせてくれるのである。
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