私と言う名の変奏曲 | 連城三紀彦 | ★★★★★★★★☆☆ |
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天体議会 | 長野まゆみ | ★★★★★★★★☆☆ |
夢幻戦記8 | 栗本薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
かなえられない恋のために | 山本文緒 | ★★★★★★☆☆☆☆ |
伝われ、愛 | 中島みゆき | ★★★★★★★☆☆☆ |
恋愛王 | 鴻上尚史 | ★★★★★★☆☆☆☆ |
修羅 | 栗本薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
桜闇 | 篠田真由美 | ★★★★★★★★☆☆ |
巷説百物語 | 京極夏彦 | ★★★★★★★★☆☆ |
鬼流殺生祭 | 貫井徳郎 | ★★★★★★★☆☆☆ |
妖奇切断譜 | 貫井徳郎 | ★★★★★★★☆☆☆ |
南から来た男(上) | 栗本薫 | ★★★★★★★☆☆☆ |
南から来た男(下) | 栗本薫 | ★★★★★★★☆☆☆ |
1月・2月・3月・4月・5月・6月・7月・8月・9月・10月・11月(8冊)・12月
柔らかな頬 | 桐野夏生 | ★★★★★★★☆☆☆ |
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どんどん橋落ちた | 綾辻行人 | ★★★★★★★★☆☆ |
クリスマスに少女は還る | キャロル・オコンネル | ★★★★★★★☆☆☆ |
豹頭王の帰還 | 栗本薫 | ★★★★★★★★★☆ |
ジュリエットの悲鳴 | 有栖川有栖 | ★★★★★★★☆☆☆ |
百器徒然袋 雨 | 京極夏彦 | ★★★★★★★★☆☆ |
象と耳鳴り | 恩田陸 | ★★★★★★★☆☆☆ |
木曜組曲 | 恩田陸 | ★★★★★★★★☆☆ |
1月・2月・3月・4月・5月・6月・7月・8月・9月・10月(8冊)・11月・12月
マレー半島すちゃらか紀行 | ★★★★★★★★☆☆ | |
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朝日のあたる家 | 栗本薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
夢幻戦記7 | 栗本薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
クロスファイア(上) | 宮部みゆき | ★★★★★★★☆☆☆ |
クロスファイア(下) | 宮部みゆき | ★★★★★★★☆☆☆ |
塔の断章 | 乾くるみ | ★★★★★★☆☆☆☆ |
ワインの科学 | 清水健一 | ★★★★★★★☆☆☆ |
頭蓋骨の中の楽園 | 浦賀和宏 | ★★★★★★★☆☆☆ |
1月・2月・3月・4月・5月・6月・7月・8月・9月(11冊)・10月・11月
・12月
匣の中 | 乾くるみ | ★★★★★★★☆☆☆ |
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晴れた日には鏡をわすれて | 五木寛之 | ★★★★★★★☆☆☆ |
家族趣味 | 乃南アサ | ★★★★★★★☆☆☆ |
人形式モナリザ | 森博嗣 | ★★★★★★★☆☆☆ |
蜃気楼の少女 | 栗本薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
夢幻巡礼 | 西澤保彦 | ★★★★★★★☆☆☆ |
盤上の敵 | 北村薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
屍蝋の街 | 我孫子武丸 | ★★★★★★★☆☆☆ |
雪の降る音 | 村山由香 | ★★★★★★★☆☆☆ |
メフィスト9月増刊号 | ★★★★★★★☆☆☆ | |
恋愛びより | 堀田あけみ | ★★★★★★★☆☆☆ |
1月・2月・3月・4月・5月・6月・7月・8月(5冊) ・9月・10月・11月・12月
風の挽歌 | 栗本薫 | ★★★★★★★★★☆ |
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時の鳥籠 | 浦賀和宏 | ★★★★★★★☆☆☆ |
ドッペルゲンガー宮 | 霧舎巧 | ★★★★★★★★☆☆ |
ハサミ男 | 殊能将之 | ★★★★★★★☆☆☆ |
銀の檻を溶かして | 高里椎奈 | ★★★★★★☆☆☆☆ |
1月・2月・3月・4月・5月・6月・7月(11冊)・8月
・9月・10月・11月・12月
ペンギンスタイル | さかざきちはる | ★★★★★★★☆☆☆ |
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ペンギンごころ | さかざきちはる | ★★★★★★★☆☆☆ |
隕石誘拐 | 鯨統一郎 | ★★★★★★☆☆☆☆ |
ヴィラ・マグノリアの殺人 | 若竹七海 | ★★★★★★★☆☆☆ |
深夜特急1 | 沢木耕太郎 | ★★★★★★★★☆☆ |
深夜特急2 | 沢木耕太郎 | ★★★★★★☆☆☆☆ |
深夜特急3 | 沢木耕太郎 | ★★★★★★★☆☆☆ |
深夜特急4 | 沢木耕太郎 | ★★★★★★☆☆☆☆ |
深夜特急5 | 沢木耕太郎 | ★★★★★★★☆☆☆ |
百鬼夜行 陰 | 京極夏彦 | ★★★★★★★★☆☆ |
タナトスゲーム | 栗本薫 | ★★★★★★★★★☆ |
1月・2月・3月・4月・5月・6月(10冊)・7月・8月
・9月・10月
・11月・12月
双頭の悪魔 | 有栖川有栖 | ★★★★★★★★★☆ |
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名探偵の肖像 | 二階堂黎人 | ★★★★★★★★☆☆ |
放浪探偵と七つの殺人 | 歌野正午 | ★★★★★★★★☆☆ |
黒太子の秘密 | 栗本薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
メフィスト5月増刊号 | ★★★★★★★☆☆☆ | |
パイナップルの彼方 | 山本文緒 | ★★★★★★★☆☆☆ |
バトル・ロワイアル | 高見広春 | ★★★★★★★★★☆ |
そして二人だけになった | 森博嗣 | ★★★★★★★★☆☆ |
涙流れるままに(上) | 島田荘司 | ★★★★★★★☆☆☆ |
涙流れるままに(下) | 島田荘司 | ★★★★★★★★☆☆ |
ライオンの飼い方 | ★★★★★★★☆☆☆ | |
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ハーメルンになく笛 | 藤木稟 | ★★★★★★★★☆☆ |
ゴールデンドロップ | 堀田あけみ | ★★★★★★★☆☆☆ |
記憶の果て | 浦賀和宏 | ★★★★★★★★☆☆ |
法月綸太郎の新冒険 | 法月綸太郎 | ★★★★★★★★☆☆ |
黒猫の三角 | 森博嗣 | ★★★★★★★☆☆☆ |
きらきら星をあげよう | 山本文緒 | ★★★★★★★☆☆☆ |
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ナイフが町に降ってくる | 西澤保彦 | ★★★★★★★☆☆☆ |
鷹とイリス | 栗本薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
森博嗣のミステリィ工作室 | ★★★★★★★☆☆☆ | |
夢幻戦記 | 栗本薫 | ★★★★★★★☆☆☆ |
墨染の桜 | 栗本薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
光の帝国 | 恩田陸 | ★★★★★★★★☆☆ |
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眠れるラプンツェル | 山本文緒 | ★★★★★★★★☆☆ |
過ぎる十七の春 | 小野不由美 | ★★★★★★★☆☆☆ |
私が海に還えるまで | 内田春菊 | ★★★★★★★☆☆☆ |
恋文 | 連城三紀彦 | ★★★★★★★★★☆ |
推理小説作家だと思ってたらこういう作品も書くんですね,この作家.短篇集でどの作品も良いんだけどなかでも表題の恋文は最高.世間的に考えるとおかしいのかも知れませんが,郷子,将一,絵津子,3人3様の気持ちが本当に良く分かるし自分も実際いけないorおかしいと分かっていてそのような行動をおかす可能性がある.でも最後はハッピーエンドで終わって欲しかったなぁ.
ファザーファッカーの続編.主人公が年齢的にも精神的にも成長した分強くなったので前作より私の好みである.従うだけだった主人公が世間と言うものをわかりはじめ少しずつ狡猾に生き始める.最後までそういう話で,実際にノンフィクション混じりなんだから仕方無いのかも知れませんが,当りきたりの話になってしまいますがこの様な主人公が心から信じられて最後まで裏切らない人物の登場を願ったが最後まで出なかった.本当の所,内田さんの現在の世界感はどうなんだろう?
ホラー小説.魔性の子でも思ったのだけど,小野さんのホラーは実際あったら怖いと思うのだけど読んでいても全く怖くは感じ無いんですよね.怖さと面白さとはまた別なんですけどねぇ.
主婦である汐美とマンションの隣の部屋に住むルフィオの話.実際こんな主婦が自分の知合いにいたら困るのだけど,小説の中と分かっているから面白く読める不倫の恋愛話.また,その気持ちも一部分からなくもないところが不思議な気持ち.
短篇集なんですが面白いです.常野という土地に住む不思議な能力をもつ一族にまつわる話.柔らかい伝奇小説なんですが,なんだかほろりとさせられる部分があります.一番好きな話は表題の光の帝国.言葉がとても心地よく,一気に作者の世界に引き込まれて行きます.他にSFファンタジーの分野の本を読nむ事は少ないのですが,やっぱりこの作者好きだなぁ..
病院で死ぬということ | 山崎章郎 | ★★★★★★★★★☆ |
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銀の匙 | 中勘助 | ★★★★★★★☆☆☆ |
私が彼を殺した | 東野圭吾 | ★★★★★★★★☆☆ |
ブラックエンジェル | 松尾由美 | ★★★★★★★☆☆☆ |
恋 | 連城三紀彦 | ★★★★★★★★☆☆ |
蔵(上) | 宮尾登美子 | ★★★★★★★☆☆☆ |
蔵(下) | 宮尾登美子 | ★★★★★★★☆☆☆ |
ゴーラの僭王 | 栗本薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
真夏の死 | 三島由紀夫 | ★★★★★★★☆☆☆ |
風葬の教室 | 山田詠美 | ★★★★★★★☆☆☆ |
ファザーファッカー | 内田春菊 | ★★★★★★★☆☆☆ |
タナトスの子供たち | 中島梓 | ★★★★★★★☆☆☆ |
麦酒の家の冒険 | 西澤保彦 | ★★★★★★★★☆☆ |
交歓 | 倉橋由美子 | ★★★★★★★☆☆☆ |
ブラックティー | 山本文緒 | ★★★★★★★☆☆☆ |
カーニバル・イヴ | 清涼院流水 | ★★★★★★★☆☆☆ |
聖母の深き淵 | 柴田よしき | ★★★★★★★★☆☆ |
震える岩 | 宮部みゆき | ★★★★★★★☆☆☆ |
ひめゆりの塔 | 石野径一郎 | ★★★★★★★☆☆☆ |
続 病院で死ぬと言うこと | 山崎章郎 | ★★★★★★★★☆☆ |
続編なんですが相変わらずホスピス医と死を迎える患者の精神に感動です.私はいま何故か家族物がつぼのようで今回も死を迎える患者とその家族や医者達について書かれた所でまたもや涙ぐんでしまいました.実際,私が死ぬ時もこうして恵まれた環境で死ぬことが出来るのか,また私の周りの人が死ぬ時には後悔の残らない様にして上げれるのか?
卒業旅行に沖縄に行くと言うことで行く途中の船の中で読みました.実際ひめゆりの塔ににも行って見て来たのですが小説の中ではヒメユリ部隊の悲惨な最後について書いてあります.可哀相思うとともに,軍部に対する怒り,その時の事情を考えると様々な感情が浮かんで来ますが,考えなければ行けないことは沢山あります.
宮部さんの得意の時代物なんだけど,今回はもう一つな気がした.不思議な力をもつお初シリーズですが,ちょっと怪談っぽい所が多くて怖いと言う感じはあるのですが私の好きなわびさびがあんまり感じられなかった.やっぱり私には宮部さんの短篇の方が合うのだろうか?
RIKOの続編.子供が産まれた緑子はたまには弱さを見せながらも,相変わらずな強さを見せてくれ,今回は守るべきものがあるものの強さを見せてくれた.性にまつわるストーリー等もまたあるのだが読みにくさはないです.ただ実際にはあるわけないと思って感情移入せずに読まないと腹が立つかも知れない.
買うのはやめてしまったけど読むのはまだやめ切れない清涼院流水.まぁ,エルもこの作品も19ボックスよりはずっと良い気がする.まぁ推理小説っていうよりはやっぱり同人誌向けのキャラクター作品っといった感想は抜け切らないのだけど,まぁそれはそれ最初からそう思ってよめばなかなか楽しい.次作も図書館かどっかで見つけて読むでしょう.
これも友達のお勧め.恋愛作家って聞いたような気がするのですが,これはちがってブラックな話.ちょっとした軽犯罪を扱った短篇集なんですがどれも綺麗に落ちているのが素晴らしい.でも気持ちは分かったりしてちょっと怖かったりする.一番良かったのは「寿」かな.まぁこんなことがあったら困るけどこんな新郎になれるものならなりたい.軽くてすぐ読める本でした.
これも友達のお勧め品.うーん,これって前作があったりするのでしょうか?最初そんな感じを抱きました.調べてみると..ありそう.全部読まなきゃだめかなぁ?説明口調が無くどんどん話が進んで行くので最初世界に入りにくかったのですが無理して読み進めて行くとあまりその感じも気にならなくなりました.わからないままなんですがなんだかふわふわした気持ちになり読み続けて行きました.何を中心に書くというわけでもなくなんか不思議な感じの小説です.
西澤さんのタックシリーズの本.順番通り読んでないのでめちゃくちゃになってますが,友達が一番良いと言ってたのでかなり期待して読んだのですがやっぱり良かった.ある事件に関して,4人がいろんな推理を繰り広げて行くのですが,まぁ,途中の推理もありえ無いことが多く,最終的な結論も今一つインパクトは弱いと言う欠点もありますけどちょっと8の殺人を思い出したりした.もう一つのシリーズのように恋愛関連を書いてくれると私的には嬉しいのだけど,面白く書くのは非常に難しそう.
中島梓(栗本薫)が書くやおい論.いや,栗本薫を読む限りやおいは外せないし,しかもこれほどはまっている人が多いものを理解できないのは悔しいのということもあって,ちょっと勉強してみようと思う気持ちになり読んでみました.で,その結果,中島さんの思うやおい論の一部は理解できたような気がします.過剰適応,癒し,その他諸々含めて勉強になったような..これで本当に理解できたとはとても言えないのでしょうけどその一歩としては良いかな.
友達に薦められたのだが,うーん....痛いなぁこの小説.始め読んだ時は主人公の弱さにちょっと腹だたしいものを覚えたのだが,これが一部実話混じりだと言う噂を聞き,それならば仕方ないとも考えた.フィクションなら,反抗して強い所を見せて欲しいのだが,実際問題となるとあの年齢の子がそう簡単に親から離れられるとは思えない.自分が普通いや普通以上の家庭環境で育ったことに感謝する.難しいですね,こういう問題に対して感想を書くのは...
思春期の少女を描いた短篇が二つ入っています.表題の作品はいじめをえがいたものなんですが,主人公の杏の強さによって救われるような気がしてきます.杏の媚びることなく正々堂々とした生き方は素晴らしいです.詠美さんの作品が女子校生とかに人気が高いのが分かるような気がします.余談だがこの本字が大きすぎる,もっと長い文章を読みたくなります.内容には全く文句はないのですけど..
面白くないわけじゃないけどやっぱり三島って読みにくい気がします.それでもこれは短篇集だからまだ読みやすかった.なんだか続きを考えさせられるショートショートのような雰囲気があり.サーカス,真夏の死,花火辺りは良い作品だなぁという印象を受ける.三島らしさよいうのはこういうものを言うのだろうか?潮騒で上がり,金閣寺でさがりまたこれで上がった三島の評価である.
グインサーガ64巻.イシュトこのまま突き進んでいっちゃうの?カメロンもなんだか素直に従って力になるだけで悪い方向に向かって行くのを全然止めようとしないし...やっぱイシュト自分で対抗しようとしなければ変われないんだろうか..このままグラチウスの傀儡となるのには惜しすぎるキャラクターだと思うのだが..それぐらいでないとゴーラはパロ,ケイロニアと対抗できないのか..
話としては非常に面白く一気に読んでしまえたのですが,ただ主人公の烈が良く言えば意志が強いといえるところが,我儘に思えてしまったのでちょっと辛めの採点です.烈の叔母ぐらいでちょうどというのは障害の無い人間の我儘であり,男の願望なんでしょうかね.でも一色紗英のイメージが強すぎるのかなぁ..これも久しぶりの読んだ時代ものといえるのかな?おしんを思い出してしまいました.
読後感は良くない,いやむしろ悪いのであろう.私がこの話を理解するには早すぎるか,既に遅すぎるのかどちらかであると思うのだけど,しかしこの時期に読めて良かったと思う.うまく言えないのであるが,分からないから面白いというか良かったというような気分なのである.小池真理子の同名の作品にも同じような感想を抱いたような気がする.それが純粋なのかそれともふしだらなものなのかさえ分からないし,やはり恋と言うもは人が理解するのには難しすぎるものなのであろう.
これは広義のミステリなのだろう.現象自体は超現実なのだが,その謎を解明していく上ではミステリと言えるのであろう.古い洋楽の話が一杯出て来てついて行けない所も多かったのですが,まぁ大学生の世界をうまく描けているというか私の希望する書き方の気がする.最後がブッラクなのはちょっと考え様なのだろうけど...
前作,「だれかが彼女を殺した」と同じ仕掛けがしてある.といってもこの仕掛けは作者は書くのに大変苦労するらしいが,何度使われても大歓迎である.しかし,ネタ張れ無しに感想はは非常に書きづらい.とりあえずの結論は得たつもりであるのだが,前作と加えるとまだ確定的な証拠を得たとは言い切れない気がしてならない.よって友達から帰って来たらもう一度検証しなおしてみるつもりではある.
これも,知合いに薦められなければ読むことはなかっただろう本である.紹介されるまで作者の名前も知らなかった.この小説は子供時代の目で見た世界の話を子供の素直な視線でみた子供の世界ということを失わないまま,大人の書く文章でかいた小説である.著者が詩を目指したということ,その文章を夏目漱石が絶賛していることからも心地よい文章である.
友達に薦められた本なのだが,修論で忙しい中どうしても読みたくなって読み始めた.題名のように病院で死を向かえるいろんな人の話なんだか,良かったぁ.面白かったというのではなく,良かったという感想が一番しっくり来ます.暫く,本を読めていなかったせいもあるのでしょうけど.苦しみながら死んで行く人,幸せに死ねる人,様々な人がいるのですが,やはり人が死ぬということは何ともいえぬ気持ちにさせられ,感動あり,考えさせられることありです.自分もいつか死を迎えるとき後悔しない死に方をしたいものです.
蒼穹の昴(上) | 浅田次郎 | ★★★★★★★★☆☆ |
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蒼穹の昴(下) | 浅田次郎 | ★★★★★★★★☆☆ |
地球儀のスライス | 森博嗣 | ★★★★★★☆☆☆☆ |
陀吉尼の紡ぐ糸 | 藤木凛 | ★★★★★★★☆☆☆ |
念力密室! | 西澤保彦 | ★★★★★★★☆☆☆ |
銀色のキーホルダー | 赤川次郎 | ★★★★★★☆☆☆☆ |
崩れる | 貫井徳朗 | ★★★★★★★☆☆☆ |
降魔弓事件 | 太田忠司 | ★★★★★★★☆☆☆ |
誰もわたしを愛さない | 樋口有介 | ★★★★★★★☆☆☆ |
時の潮 | 栗本 薫 | ★★★★★★★★☆☆ |
退廃礼賛 | 島田雅彦 | ★★★★★★★☆☆☆ |
細川ガラシア夫人 | 三浦綾子 | ★★★★★★★☆☆☆ |
三浦さんの作品であるのでキリスト教のかかっているのだが,これは実際の人物に基づいた話で主人公もキリスト教信者なので何の違和感もない.しかしこういう歴史物を読む度に歴史上の人物に対する評価が変わるのだが,題名の細川ガラシアは明智光秀の娘なのであるが,今まで光秀については悪いイメージしか無かったのが,時代背景として仕方無かったのでは?と思わせる結末であった.まぁ,人はそれだけいろんな面を持って,いろんな見方をすると言うことでしょう.
エッセイ集であり,4章構成で,中年の自分について,旅について,同じ中年の作家について,趣味についてが書かれるのだが,最初の二つが非常に面白い.そこだけならもっと高い評価を上げても良かったのだが,私の無知のため面白くないのでこの評価.特に旅については,ほとんど海外のことなんだけど,単なる観光案内ではなく,実際そこに住んでいる様な路地裏について書かれたり,して私も旅に出たいなぁという気持ちにさせられた.
久しぶりのスカール,リギア登場の巻である.前半は久しぶりと言うこともありこの二人中心で話は進む.しかも今後を大きく左右するような感じである.スカールはナリスとともにこの世界を未来を左右する鍵となる人物だから,さらに注目である.しかしまだまだ疑問布符の残る部分は大きく残され,ちょうど100巻で終わらなくても良いから,全ての謎を解いてから終わって欲しいものである.
こういうのもハードボイルドに入るのだろうか?離婚した後,普段はのらりくらりと暮らしているようにみえ調査についてはキラリとひかる面を持っている主人公.ただ女に関してだけはかなりだらしが無い.と言っても口だけの可能性も高いと言えるのだが..その女に対するかっこ良い発言も照れゆえの発言とも言える.事件は現代の社会を表すような援助交際の話.事件そのものより主人公の発言や人間関係が良い雰囲気を醸し出している.
この人の作品にはガチガチの本格と言ったものもあるがやわらかいものもありこれはその一つ.野上さんと狩野俊介シリーズである.今回はその二人以外の廻りの人やその人達と二人との関係も書かれている部分が多く,そこは興味深い.しかし,主人公が幼い分か私が欲しいものと少し違う気がする,ただ読みやすいのは確かである.
この作家には珍しく短篇集と思ったら初の短篇集らしいです.結婚にまつわるホラーを集めた本.短篇を書くのもこれが初めてらしいけど,あまりそんなことは感じさせない.一番良かったのはやじゃり表題である「崩れる」.これは短篇に思えない程描写が細かく徐々に溜った不満が最後で爆発する恐さが良く伝わる.その他の話には恐いと言うより気持ち悪い話も多く含まれている.
神麻嗣子の超問員シリーズ,これまで書かれた短篇をまとめたという感じで,主人公格の3人の出会い等,詳しい事情が分かりファンなら嬉しい一作.題名の通り,納められているのは全て密室に関する話で西澤さんの作品らしく事件の結末は読者の想像通りに終わることが多いのですが,それよりなぜ犯人はそこに到ったかという展開が面白い.今後3人の関係に進展はあるのでしょうか?
京極さんに似た作風の作家であるが,京極程蘊蓄がつまってないのでさすがに本は京極程は厚くない.そこが,よしわるしと言った所であろう.良い意味ではとっつきやすさがあるが,悪い意味で人物の書き方に物足りないものを感じる.そう思うのも先に京極作品があったからこそであろうけど..というわけで今後のこの人の作品でキャラが生きてくるかどうかに注目です.朱雀十五はうまく書けば良いキャラクターになると思う.
次のシリーズが始まる前の短篇集といった所か,すでに掲載時に読んだものも多くて評価は低い.その中で一番面白かったのは小鳥の恩返しであろうか,爽やかな印象ながら一番ミステリぽかったのでは?それと並んで「僕は秋子に借りがある」も好き,後は「石塔の屋根飾り」辺りが好きな部類.「有限要素魔法」辺りにはついて行けてません.
久しぶりに読んだ実際の歴史に基づいた時代小説である.時代は中国清の終わり辺り.頭の片隅にわずかに残る官臣や科挙等を巡る中国の歴史の裏側が見れたような気持ちになれなかなか嬉しい作品.ヤクザのようなアウトローものだけでなく,こういうのもこの作家書けるんですね.さすが直木賞受賞作家.この作家を教えてくれた友達に感謝である.