ここは私(とも)が読んだ本とその作者名と10段階評価だよ

お勧めの本があれば御手紙ください.なくても必ず返事書きますのでMail下さい.
よければここにのっている本の感想なんかも…
あまり周りに読書の趣味が合う人が少ないので
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1996年に読んだ本
1997年に読んだ本

読書の目次に


全179冊?
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月(8冊)

夢幻戦記 5 栗本 薫 ★★★★★★★★☆☆
モーツアルトは子守唄を歌わない 森雅裕 ★★★★★★★☆☆☆
心をとろかすような 宮部みゆき ★★★★★★★☆☆☆
名探偵に薔薇を 城平 京 ★★★★★★★★☆☆
東京下町殺人暮色 宮部みゆき ★★★★★★★☆☆☆
亜智一郎の恐慌 泡坂妻夫 ★★★★★★★☆☆☆
スワロウ・テイル 岩井俊二 ★★★★★★★★☆☆
月曜日の水玉模様 加納朋子 ★★★★★★★★☆☆



月曜日の水玉模様 ★★★★★★★★☆☆

恋愛も少し絡んでいる話なのであるが,話がほんわかしすぎと言うか幼すぎると言った面があり,私には物足りない点があるのだが,そこは加納朋子の話のうまさ(とひいき目)でカバーである.キャリアウーマンでも無いごく普通のOLが日常のちょっとした事件をリサーチ会社の頼り無さそうで実はきれものの男と共に解決する話.


スワロウ・テイル ★★★★★★★★☆☆

前から見たいと思っていた映画の原作である.架空の話ではあるのだが,近未来に実際あってもおかしくないようなストーリーを,グリコ,アゲハ,ヒョウ,リンなどが貧しいながらも繰り広げて行くイェンタウンで繰り広げて行く話である.特別に笑えたり,泣けたりする話ではないが,何か引き付けられるものがある.これが岩井俊二の魅力ってやつか?ビデオも見なくては..


亜智一郎の恐慌 ★★★★★★★☆☆☆

この作家の有名作,亜愛一郎の先祖の話である.時代は江戸.主人公亜智一郎は愛一郎と同じように,普段はとぼけた所しか無いように見えるが,事件に対する推理力だけは大したものである.頼りない仲間のともに幕府に関する大きな事件も,日常の小さな事件も解決して行く.


東京下町殺人暮色 ★★★★★★★☆☆☆

警察の父を持つ子供が主人公である.離婚のため母は居ないが家政婦がおり,変わりつつある下町に引っ越してきてそこで事件に出会う.警察の立場として事件を追う父と,偶然巻き込まれて行く子供とが最後でクロスする.事件自体は宮部さんにしてはもう一つ.が登場人物の画家篠田東吾がやけに印象的であった.


名探偵に薔薇を ★★★★★★★★☆☆

友達に少し昔に薦められた本.新人による作品でこれがデビュー作である.題名の通り名探偵を書こうと言う気持ちは良く伝わって来る.こういうのは私的に好みであることもあてか,ネタ的にはもう一つな所もあるが,全般的には面白い.しかしこのネタを一作目に持って来るのはどうなんだろう?もう少しキャラクターが馴染んでからの方がより面白かった気がする.まぁ次作にも期待です.


心をとろかすような ★★★★★★★☆☆☆

パーフェクトブルーの続編で,元警察犬のマサの一人称で書かれる作品で,それをとりまく蓮見探偵事務所が遭遇する5つの事件をまとめた短篇集である.宮部さん得意のさりげなく心温まる話の中に人生のほろ苦さが混じっている話だが,私にはちょっとほんわかムードが強すぎるかな.そういう話が好きな人には良いかも.一番好きな話は「白い騎士は歌う」です.これが一番ほろ苦いかな.


モーツアルトは子守唄を歌わない ★★★★★★★★☆☆

モーツァルトの死の真相をベートーベン,ツェルニー,シューベルトが解くと言うシチュエーションは面白いと思うのだが,それだけ.乱歩賞受賞作品らしいが,謎は今一つ,ただ文章はうまいと思う.しかし音符による暗号って結構あるがあれを解こうと思いながら読む人っているのだろうか?


夢幻戦記 5 ★★★★★★★★☆☆

途中間延びして面白くなくなって来たなぁと思っていたシリーズがテンポ良さを取り戻しまた面白くなって来た.どんどんSF色は濃くなって行くがそれはそれで面白い.栗本さんの他のシリーズとの繋がりも所々で見えたりしてファンにはそこがまた嬉しい所でもある.話の進み具合からして予想より長く続きそうだが,面白くさえあればそれで満足である.


1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月(15冊)・12月

地下鉄に乗って 浅田次郎 ★★★★★★★★☆☆
二つの塔(下) J.J.R.トールキン ★★★★★★☆☆☆☆
魔界水滸伝4 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
名探偵水乃紗杜瑠の大冒険 二階堂黎人 ★★★★★★★☆☆☆
スコッチゲーム 西澤保彦 ★★★★★★★★☆☆
ロココ町 島田雅彦 ★★★★★★★☆☆☆
灰色の砦 篠田真由美 ★★★★★★★★☆☆
由仁葉は或る日 美唄清斗 ★★★★★★☆☆☆☆
駆ける少年 鷺沢萌 ★★★★★★★☆☆☆
人体模型の夜 中島らも ★★★★★★★☆☆☆
御手洗潔のメロディ 島田荘司 ★★★★★★★☆☆☆
氷舞 大沢在昌 ★★★★★★★☆☆☆
魔界水滸伝5 栗本薫 ★★★★★★☆☆☆☆
魔界水滸伝6 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
おとうと 幸田文 ★★★★★★☆☆☆☆



おとうと ★★★★★★☆☆☆☆

もっと読もうと思い,実際読みたいのだがなかなか読めない純文学である.全てがいってない家庭の中で弟の面倒を愛情を込めていく姉の話.しかし弟は姉の気持ちに反して,くずれた生活を送り病にもかかってしまう.淡々と書いているようでもの悲しい雰囲気が伝わって来るような気が.


氷舞 ★★★★★★★☆☆☆

出るの遅いくせにやっと刊行においついた新宿鮫シリーズ第6巻.今回には事件以外にも鮫島と晶との関係にも変化がありそちらもなかなか興味をもって読めた.ストーリーとしては漫画に出来そうで実際同じような漫画も知っているのだがたまにはこうハードボイルドっぽいのも良いですよね.


人体模型の夜 ★★★★★★★☆☆☆

身体の一部についてかかれたホラー短篇集.しかしらもさんの文章にしては今一つ面白みを感じれないし怖くもない.「耳飢え」なんてのは一応ひっくり返してはあるのだけど,良くある話でネタが先にわかってしまう.まぁ,でもじわじわと来る怖さと言うのが本当の怖さなのでホラーで短篇集というのは難しいと思う.


駆ける少年 ★★★★★★★☆☆☆

恋愛でも青春ともまた違ったタイプの短篇集です.一番良かったのは,「痩せた背中」です.父親の死により父親と愛人のことを考えはじめ,父親の気持ちが始めて理解できるといった話.泉鏡花文学賞受賞作品らしいが他には,どんな作品が貰っているのだろう?僕には縁の無いタイプの分野なんだろうか.


由仁葉は或る日 ★★★★★★☆☆☆☆

少し前に読んだ作品と同じように作者本人が盲人だからかこれも盲人を主人公とした話で,主人公どころか登場人物の名前全員が盲人でありその世界をかいま見るような気持ちにはさせてくれる.読んだ後の後味は悪く,話としては好きなタイプではない.


灰色の砦 ★★★★★★★★☆☆

この建築探偵シリーズはネット上で勧めれたのだけど,謎ときの観点からすると,物足りない部分があるのだけどキャラクターが良い分,物語としては面白い.とくにこの作品は,主人公が学生時代に下宿していたときの話で学生物好きな私としては楽しく読めた.


ロココ町 ★★★★★★★☆☆☆

面白く感じ無いわけではないのだけど,この手の話にはちょっとついて行けないかな?と感じさせられる.一見普通の町なのだがその町ではみんなが遺伝子に忠実に生きていると言った話.そこに居る人はそれが常識と感じる.しかし,廻りから見るとそれは非常識..うーん,もう少し問い詰めて考えると面白い問題なんだろうけど,今の所,本にそういうものを求めていないのでここではパス.


スコッチ・ゲーム★★★★★★★★☆☆

タカチの高校時代の話で,学生ものに弱い私なのにさらに論理的展開がなされていて非常に気に入った.このシリーズも買い集めるかなぁ?読めば読む程に,このシリーズの登場人物に愛着が湧いて来るように,タカチの同姓の恋人を絡めた話などで人物の紹介がなされていく.それが紹介調でなく物語の中でうまく表現されているのも良い.


名探偵水乃紗杜瑠の大冒険 ★★★★★★★☆☆☆

う〜む.こういっちゃなんだがこのシリーズはそんなに好きじゃない.おまけに私があまり好きでない短編集.そんでもって全てが有名作のパロディである.しかし,4つのうち元ネタとなる作品2つも読んでないんだよな.さて,どれが一番面白いということもなく,どれも普通の作品だとしか言いようが無い.


地下鉄に乗って ★★★★★★★★☆☆

親とうまく行っていない中年のオトコが過去を旅するうちに、親の内面を知るという,まぁありがちな設定ながらなかなか読ませる作品である.浅田二郎は友達に紹介されて読むようになった作家でこの作品もそうなのだが読んだ後のホロ苦さらしき感じが何とも言えず良い.


1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月(16冊)11月12月

有限の微小とパン 森博嗣 ★★★★★★★☆☆☆
ユラニア最後の日 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
夢幻戦記 4 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
東京ナイトメア 田中芳樹 ★★★★★★☆☆☆☆
水の眠り 灰の夢 桐野夏生 ★★★★★★★☆☆☆
RIKO 柴田よしき ★★★★★★★☆☆☆
黒い家 貴志祐介 ★★★★★★★☆☆☆
テニスボーイの憂鬱 村上龍 ★★★★★★★☆☆☆
問う女 中島みゆき ★★★★★★★☆☆☆
中島みゆきのお時間拝借 中島みゆき ★★★★★★★☆☆☆
エル 清涼院流水 ★★★★★★★☆☆☆
海神の晩餐 若竹七海 ★★★★★★★☆☆☆
あなたが欲しい 唯川恵 ★★★★★★★☆☆☆
鳥人計画 東野圭吾 ★★★★★★★☆☆☆
初恋よ,さよならのキスをしよう 樋口有介 ★★★★★★★★☆☆
時鐘館の殺人 今邑彩 ★★★★★★★☆☆☆



時鐘館の殺人 ★★★★★★★☆☆☆

名前にひかれて借りたのだが,予想に反して短編集で,短編は他の有名作のパロディと言った形.良かったのはミステリではなく,ホラーだった「恋人よ」かな.ノスタルジィっぽい「あの子はだあれ」もなかなか.しかし,表題作は私にはもうひとつ,最後にひねっているつもりがひねり切れてないような印象を受けました.


初恋よ,さよならのキスをしよう ★★★★★★★★☆☆

これも恋愛小説だと思って借りたのだが予想に反してそんなに恋愛でもなかった.というか推理小説ですね.でも雰囲気が僕の好きな感じなんだよな.卒業して以来会ってなかった高校の同級生に会ったと思ったらその人はそれからすぐ後に死ぬ.その事件について主人公は調べ始めるといった話.初恋の人と恋に行かずその人が死にその姪と恋に走ると言うのが変わっているがそれもまた良い.シリーズ物らしいので他のも読まなくては.


鳥人計画 ★★★★★★★☆☆☆

スキーのジャンプ競技を巡る推理小説であるともに,次第に無理な発達をしていくスポーツ科学にたいする警鐘でもある.最後にちょっとしたドンデンガエシモあり期待に反しない作品であった.犯人はすぐに分かるのだけど動機や殺害方法が最後まで分からないことプラス犯人が自分を密告した相手を推理するという話


あなたが欲しい ★★★★★★★☆☆☆

恥ずかしくなるような題名だが,ちょっと恋愛小説を読みたいような気分だったので借りてみた.でも,期待していたハッピーエンドじゃなかったんだよなぁ..登場人物それぞれがそれぞれに対して嫌な事がある.しかしひかれる部分ももっている.まぁ,人間ってそんなものですけど,やっぱり小説の中ぐらいは最後はハッピーエンドを求めてしまいますね.


海神の晩餐 ★★★★★★★☆☆☆

船の中での事件なのだが,その事件にはタイタニック号とともに消えた未発表原稿が関わって来る.ということでちょっと遅いがこれもタイムリーか?(ってこれ言い始めると全ての作品がタイムリーになりそうだな.まぁ若竹七海にしてはこの評価だが作中作の形を取っており,好きな話ではある.ただ登場人物がもうひとつ平凡かな.


エル ★★★★★★★☆☆☆

買うのをやめてしまった清涼院流水ですが,これは意外と読める作品であったというか読みやすいというかストーリーがしっかり分かった.また変わった試みがされてあり本の奇数章(正確には違うが)だけよんでも話が伝わる.まぁ凝りすぎてない所が私にはあったのであろう.でもカイジが出てなかったらもっと楽しめたろうにね.おなじジャンケンを取り扱ってあっちの方が上だからなぁ.


中島みゆきのお時間拝借 ★★★★★★★☆☆☆

みゆきさんがパーソナリティーをしていたラジオ放送を本にした物だが,みゆきさんがテレビにほとんど出ず,その声を聞ける数少ない場であったが既に終了.私は知らない期間が長かったのでほとんど聞いてないが,歌と違ってみゆきさんのノー天気(といったら失礼かな?)さが伝わって来ます.


問う女 ★★★★★★★☆☆☆

みゆきさんの夜会の本版である.ラジオのDJ綾瀬まりあの話なんですが2/2もそうでしたが,なぜか全般に渡ってもの悲しさが流れながらも強さもある.みゆきさんの歌そのものですね.これを読んでなおさら夜会に行きたくなったのだが,岡山からじゃそう簡単には行けないんだよなぁ..


テニスボーイの憂鬱 ★★★★★★★☆☆☆

友達のMailに関する発言によりちょっと再読してみようと思い,借りて来た.うーん記憶よりえらい性描写がありますね.こんなのおれ中学のころ読んでたのか?村上春樹さんはどこが面白いのかうまく説明できないけど読んでいる作家の一人です.しかし表現は好きなんですね,「もし何か他人に対して出来ることがあるとすれば, シャンパンのようにキラキラと輝いてる自分をみせてやることだけだ」だなんて良いじゃないですか.


黒い家 ★★★★★★★☆☆☆

これも最近縁があるホラー作品である.これは結構怖いですね.評判はそのリング,パラサイトイヴの方が高いかも知れませんが,これもその世界では高く評価されています.前の2作と違い,実際身の回りにあるような怖さ.保険金殺人という点でこれも今タイムリーかもしれない.


RIKO ★★★★★★★☆☆☆

先月読んだ天使に見捨てられた夜をちょっと思い出すような作品だった.タイムリーだったのか,タイミング悪かったのか?この作品も調査する側にも同姓愛,不倫等少し裏がある.最後には一応ひねりもあり,愛に飢えていた主人公は最後は自立して強く生きていこうとする.前述の作品もそうですが女のハードボイルドっていった所でしょうか?これもシリーズものらしくまだ出ているらしいので機会があれば次のも読むでしょう.


水の眠り 灰の夢 ★★★★★★☆☆☆☆

前に読んだ作品の主人公ミロの父親の話.爆弾魔草加次郎の事件は実際あった話でそれを元にして書いているが,話的には実際あった所と作った話つなぎ目が全く分からないようにうまくできていた.ミロの過去も明らかにされていて,ファンにはたまらない作品だろうなと思う.


東京ナイトメア ★★★★★★☆☆☆☆

前作,魔天楼に続いてドラ避けお涼シリーズなのに,前回は文庫,今回は新書というのはどういうこと?前作の時も思っていたのだが,田中芳樹の書くキャラクターが嫌いではない,いやむしろ好きなのである.この作品も主人公もそれを取り巻く登場人物も好きなのだがストーリーが面白くない.警察ものでしかもSFチックなので何でもありで,そのままひねりもなくドタバタで終わる.うーん読みやすくて気軽に読めるのだけどねぇ.


ユラニア最後の日 ★★★★★★★☆☆☆

イシュトヴァーンの戦いに明けくれる姿ばかり書かれているのかな?と思ったらそうでもなく,ケイロニアの渋い人達(ハゾス,アキレウス)の会話があってなかなか良かった.しかしユリウスがケイロニアに現れたことから,今後の話の中心がどの国になるのかまたわからなくなってきた.ケイロニア?それともグイン達が向かうモンゴール?それともやはりパロ?でも,結局この3国の話が進んで行くんでしょうね.


有限の微小とパン ★★★★★★★★☆☆

シリーズ最終作品という期待が大きすぎたのか,ちょっと期待外れ.犀川先生の哲学めいた発言等は相変わらず活かしているのだけど事件そのものは今一つ.例の人もなんだか初登場の時よりも馬鹿になってしまってるし.天才ぶりが良かったのに.萌絵も途中で恋に落ちて馬鹿になったという気がしたけどこの人までか?まぁ文章の読みやすさは今まで通りで良い感じだったのですけどね.ということで新シリーズに期待.


1月2月3月4月5月6月7月8月9月(14冊)10月11月12月

邪馬台国はどこですか? 鯨 統一郎 ★★★★★★★★☆☆
にんげん動物園 中島 梓 ★★★★★★★★☆☆
僕を殺した女 北川歩美 ★★★★★★★★☆☆
合わせ鏡の迷宮 愛川晶 美唄清斗 ★★★★★★☆☆☆☆
ビンゴ 西村健 ★★★★★★☆☆☆☆
天使に見捨てられた夜 桐野夏生 ★★★★★★★☆☆☆
模造人格 北川歩美 ★★★★★★★☆☆☆
人狼城の恐怖 第四部 二階堂黎人 ★★★★★★★★☆☆
実況中死 西澤保彦 ★★★★★★★★☆☆
ホータン最後の戦い 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
六番目の小夜子 恩田陸 ★★★★★★★★★☆
眠り姫 ダニエル・キイス ★★★★★★★★☆☆
塗仏の宴 宴の始末 京極夏彦 ★★★★★★★★☆☆
幻色江戸ごよみ 宮部みゆき ★★★★★★★★☆☆


幻色江戸ごよみ ★★★★★★★★☆☆

暦に沿って十二の物語が綴られていますが相変わらず江戸の人々の悲哀をわびさびを交えて書かれる人情話を書かせるとうまくてホロリとさせられるところがあります.一番好きなのは「庄助の夜着」か「紙吹雪」かな.前者はこういう悲しい恋愛物に私が弱いだけかも知れません.


塗仏の宴 宴の始末 ★★★★★★★★☆☆

人狼城に比べて待ちくたびれたという感は余り無いが,読んでいて自分が忘れてる部分が多いことを再認識.しかし読み返すのも大変だしなぁ..活字中毒には持ってこいの作品です.この人の作品読んでると凄く疲れる気がするのだけど読むのはやめられない.そして読んだ後の達成感.


眠り姫 ★★★★★★★★☆☆

突然眠ってしまうといった睡眠障害にかかった主人公.その娘とボーイフレンドは彼が眠っている間に殺される.主人公は眠ったまま二人を殺したのは夫だと証言をするが...催眠術など相変わらず精神に関する部分を主題として物語を綴られて行く.友達にあげるために買ったのだが自分で先に読んでしまった(笑)久しぶりの?キイスの新作ですが相変わらず読ませてくれます.最後はシドニィシェルダンっぽくなってしまったのがちょっと残念かな.


六番目の小夜子 ★★★★★★★★★☆

友達に教えられ以前から読みたいと思ってた作品が再刊され迷わず購入したがその期待に違わず大当りでした.ホラー小説といった感じはそうせず,学校を描いた青春小説といった感じかな.この人の書く小説の世界感がいいです.


ホータン最後の戦い ★★★★★★★★☆☆

やっとこさシルヴィア救出劇が一段落.それにしても長かった.途中外伝はゲーム小説のように軽くなりすぎた部分もあり,ちょっと気に入らないのだがここのところの栗本さんの執筆スピードには驚かされる物がある.


実況中死 ★★★★★★★★☆☆

神麻嗣子シリーズだけどおもしろいよ,やっぱり西澤さん.こんどは他人の視覚と聴覚がときどき繋がってしまうという能力のお話.デコーダー,ソウル,ボディなんて単語も話を読んでるとなんとなくだが理解できる.それにしても保科って良い目にあいすぎな気がするのだが..しかしこれぐらいの微妙な恋愛話嫌いじゃないです.予想通りだったけどひねりもあって...


人狼城の恐怖 第四部 ★★★★★★★★☆☆

これほど待ち構えてた作品はそう無いぞ.というほど待ちこがれた作品.2冊かかってあれ程の事件を盛り上げておいてその解決をどのようにするのかと思ったらいつも通りあっさりと解決しちゃった.うーんでもこれを書くのにあれだけの枚数が必要か?といわれると...うーんやっぱり必要な気もします.しかしそれを読む方とすると私みたい活字中毒はよしとしても,きついんじゃないかな?とりあえず世界最長の新本格という立場は確立なんでしょう.でも新本格という立場が確立してないような..あんまり良いこと書いてませんがスケールはでかいし面白いですよ.


模造人格 ★★★★★★★☆☆☆

私は誰?をテーマにした作品なんだけど,主人公以外も怪しい.誰もが狂気を持っているというのはわからなくもないのだけど,どれを信じて良いのやらって感じで安心して読めるナレーターの部分が無いのです.この作家にはちょっと期待しているだけにきつい評価かも知れませんけどね.書こうとしているテーマは面白そうなのだけど,それを消化仕切れてないといった感じがしてなりません.もう少し読みやすい文章を書いて欲しいなぁって,私が読解力が無さ過ぎるだけかも知れませんが...


天使に見捨てられた夜 ★★★★★★★☆☆☆

桐野さんが書かれる女性はみんな強いわけではない,いやむしろ弱みを皆抱えているのだが,しかし強く行きようと,輝こうと努力しているそこに良さがあるのだろうけど,でもなんとなく嫌いなのにつき合ってしまうといった気持ちが理解できない分OUTより評価は下だった.ミロという探偵がシリーズ物だとわかったのでもう少し読んでみようとは思うが父親も村善を主人公とした方が主人公に共感でき私に向きそうである.


ビンゴ ★★★★★★☆☆☆☆

私がこれまで読んできた中には無い作品ですがそれでも先が読めるというかどんでんがえしを楽しむのではなく,最後までのスピードあふれるアクションを楽しむべき作品なのでしょう.お約束といった場面が多いのでそれを楽しめるかどうかにこの作品の評価はわかれそう.私は今一つでした.


合わせ鏡の迷宮 ★★★★★★☆☆☆☆

それぞれ個人の作品とエッセイに加え合作とともりだくさんな内容なのだが,面白いと思ったのは合作の作品くらいであった.愛川さんの方の短篇はもう一息っていう気はするのだが面白いとまでは言い切れない.登場人物としては活きていいるので,シリーズでもう何作か続きを書いてもらえると本当の評価ができると思うのですけど..って鮎川哲也賞受賞者に失礼な言い方ですね.


僕を殺した女 ★★★★★★★★☆☆

目が冷めると男の記憶があるのに身体は女,しかも5年の月日が経っている.ってことからSFなのかなとおもったけどどうやらそうではない解決法に結びつけられている.どんどんスピードアップして行くストーリーにおいて行かれ気味だったが,その解決策には納得.これがデビュー作だというのには驚き,今後期待できるかな?


にんげん動物園 ★★★★★★★★☆☆

はるか昔に新聞連載されていたエッセイ集で,動物にまつわる話なのであるが,梓さんのいい加減なところが良く出ていて中には普通じゃ絶対出て来ないアメリカシロヒトリや,ベンジョ虫,きょんは,おろか,ぬえ,雪男まで出てきます.エッセイは気楽に書いたように思わせるのが一番良いそうですが本当にそんな感じがする作品で,気楽に読めました.私の日記もそうなるといいのだけど.


邪馬台国はどこですか? ★★★★★★★★☆☆

友達の先輩が編集に関わられたとかで勧められたのですが,歴史好きのミステリー好きの私にはなかなか面白い話でした.滑稽無法な歴史上のおかしな話をもっともらしく説明して行き最後にはそれが正しいかのような結論を導き出す.私の様な知識の無いものにはそれが本当なのか?と思ってしまうんですけど,本当にそういう学説も全部あるんですかね?


1月2月3月4月5月6月7月8月(16冊)9月10月11月12月

血族神話 和田はつ子 ★★★★★★★★☆☆
銀かんざしのかげり 川田弥一郎 ★★★★★★★★☆☆
夢幻戦記3 栗本 薫 ★★★★★★★☆☆☆
レダ1 栗本 薫 ★★★★★★★☆☆☆
レダ2 栗本 薫 ★★★★★★★☆☆☆
レダ3 栗本 薫 ★★★★★★★★☆☆
二つの塔(上) J.J.R.トールキン ★★★★★★☆☆☆☆
月の影 影の海(上) 小野 不由美 ★★★★★★★☆☆☆
月の影 影の海(下) 小野 不由美 ★★★★★★★☆☆☆
風の海 迷宮の岸(上) 小野 不由美 ★★★★★★★★☆☆
風の海 迷宮の岸(下) 小野 不由美 ★★★★★★★★☆☆
東の海神 西の滄海 小野 不由美 ★★★★★★★★☆☆
風の万里 黎明の空(上) 小野 不由美 ★★★★★★★☆☆☆
風の万里 黎明の空(下) 小野 不由美 ★★★★★★★★☆☆
図南の翼 小野 不由美 ★★★★★★★★★☆
理由 宮部みゆき ★★★★★★★★☆☆


理由 ★★★★★★★★☆☆

新聞連載されていた作品といったこともあってちょっとぷつぷつ話が切れるような印象はあるが久しぶりに読んだ宮部さんの新刊ということもあって面白く読めました.競売物件というもしかしたら関わることがあるかも知れないけど,日常あんまり触れることは無いものを主題に話は進み,いろんな人から見た事件のありさまといった風に書かれている.最後のドンデンガエシというのでは無いのだが,全編を通して何故事件は起こったのか,誰が犯人なのかについて最初は思いもつかなかった結末を迎えることになる


図南の翼 ★★★★★★★★★☆

商人の子に産まれながらも,荒れる国に嫌気がさし自分が王になって国を変えれると信じこんで行動する女の子が王になるために行動していく話.自分勝手な考え方も持っているのだが,色々学習しながら正義?いや王道というもについて考えていく.うーんこれで一応今出ているものは全て読んだ子とになるんですが,十二国記は基本的には成長物語ですね.で,ドラマみたい要素もある.これは始めのうちに不幸がてんこもりで後はハッピーエンドといった意味でですが..


風の万里 黎明の空 ★★★★★★★★☆☆

王になりながらもうまく国を治められなくて悩む王,良い王でなかったため反乱にあい王の座を追われた王の娘,親に捨てられ一人で苦労しながらも生きていくがそんな世の中と恨む子,三人の女の子の成長物語である.その三人はいろんなことに巻き込まれながら成長していき最後にはお互いの事情を認識し,自分の甘さを思い知るというお話.


東の海神 西の滄海 ★★★★★★★★☆☆

歴史上で言うと若い頃の信長のような破天荒な王とそれに仕えるこれまた常識外れな所のある麒麟の話.王はめちゃくちゃな行動をとるのではあるが,その裏では実は物事をしっかり考え,また優しさを持ち合わせているために苦難に巻き込まれることになる.途中うまく行き過ぎのきらいはあるが最終的にはハッピーエンド.キャラ的には結構好きなキャラです.


風の海 迷宮の岸 ★★★★★★★★☆☆

十二国記は王とそれに仕える麒麟にまつわる話なんだが,名前の通り12国ありそれぞれに麒麟と王がいる,ってことはいつになれば書き終わるんだが,果てしなく続きそうな予感を残しつつ読み続ける.今回は麒麟が主人公.この麒麟が責任は感じているのだが,自分に自信が無いため,王を選ぶのに非常に悩む話.それが成長していく過程が描かれている.


月の影 影の海 ★★★★★★★☆☆☆

前々からみんが勧められていた十二国記をまとめ読みしてみました.で,最初がこれ.悪いんだけどみんなが勧める程には面白く感じられなかった.女の子が異世界につれていかれそこでは王様になるとごく普通の異世界での冒険ファンタジーと言う感じがしたのですが,これは僕にとっては単に十二国記の世界に慣れるための説明と言うか序章に過ぎなかったんですね.2冊かかって序章と言うのも長すぎる気がしますけど...


レダ ★★★★★★★★☆☆

最近の作品が気に入らないからと言うわけでもないですけど栗本さんの結構昔のSF長作.好きな人が多いだけはあって良い作品です,様々なテーマが絡んでいて考えさせられながらも,犬のファンが死んだ所では泣いてしまいました.再読だと言うのに..


夢幻戦記3 ★★★★★★★☆☆☆

これもシリーズ物で読み始めたから読んではいるものの,最近どうも御大がパワー不足と言うか,パワーがありすぎなのか,多作に走りすぎて文体が軽くなってしまっているような気がします.それが読みやすくて良いと言う人もいるのでしょうけどどうも僕にはあわない.このシリーズも全6巻予定なので後半分ですが,話に中身が無い気がするけどちゃんと終わるのだろうか?


銀かんざしのかげり ★★★★★★★★☆☆

時代もの苦手なはずの私でも結構面白く読めました.主人公は江戸時代のの監察医と言った職業の人物.銀のかんざしから毒殺かどうかを調べる事からの表題である.最後にストーリー的ひねりがあって,ちょっとびっくりしながらも面白かった.でも時代ものって本当に悪い人あんまり出てきませんよね.悪者にもどこか良い所が見えかくれしている


血族神話 ★★★★★★★★☆☆

韓国人,財閥等,生まれついての血に付きまとわれ,生きて行く登場人物達.全く気にしてないようにみえる人程,心のすみで何か引っかかるものがある血族.良きにつけ悪きにつけ,生まれてから死ぬまで付きまとうものなのだから,現代ではそう問題になることは昔に比べると少ないのであろうが,良く考えなく点はならない問題である.


1月2月3月4月5月6月7月(22冊)8月9月10月11月12月

青い色の短篇集 片岡義男 ★★★★★★★☆☆☆
透き通ったタマゴ 篠崎未知佳 ★★★★★★★☆☆☆
少年の憂うつ 少女の微熱 谷村志穂 ★★★★★★★☆☆☆
連鎖 真保祐一 ★★★★★★★☆☆☆
さよならの殺人1980 太田忠司 ★★★★★★★☆☆☆
数奇にして模型 森博嗣 ★★★★★★★☆☆☆
仮面山荘殺人事件 東野圭吾 ★★★★★★★☆☆☆
あずさの元禄繁盛記 中島梓 ★★★★★★☆☆☆☆
火星の大統領カーター 栗本薫 ★★★★★★☆☆☆☆
赤い激流 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
シンデレラ症候群 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
セイレーン 栗本薫 ★★★★★★☆☆☆☆
魔界水滸伝1 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
魔界水滸伝2 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
魔界水滸伝3 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
ターン 北村薫 ★★★★★★★★★☆
密通 和田はつ子 ★★★★★★★☆☆☆
赤い病院の惨劇 河田弥一郎 ★★★★★★★☆☆☆
船上にて 若竹七海 ★★★★★★★☆☆☆
放課後の記憶 森真紗子 ★★★★★★★★☆☆
いざ言問はむ都鳥 沢木喬 ★★★★★★★☆☆☆
硝子のドレス 北川歩美 ★★★★★★★☆☆☆


硝子のドレス ★★★★★★★☆☆☆

綺麗になりたい,やせたいという女性の病的な思いが事件に結び付いていきます.最後には無理なダイエットが悪いという結論で終わるのなら良いのですが,最後も登場人物の吐くようなダイエットの場面によって話は終わります.女性の心理とは実際もこうなのかも知れませんが恐ろしいものなり.


いざ言問はむ都鳥 ★★★★★★★☆☆☆

森さんと同じように大学の研究室を舞台となっているのですが,もっと密接に事件とその研究室とが関わって行き,植物生理学というものも関わって行く.食物については何も知りませんがそれでも十分に楽しめますし,登場人物も魅力的です.他の作品をみないのですがもっと書いて欲しいと思わせる作家さんです.


放課後の記憶 ★★★★★★★★☆☆

作品の舞台が凄く好み.先生がむかし受け持ったクラスで起きた事件が気になり,その真相を知る為に,先生をやめ過去の生徒達に会い話して行き,その生徒達の現在,巻き込まれている別の事件とともに少しずつ過去の事件の真相が明らかになって行く.僕もこういう舞台で作品を書きたくなるような気分でした.(絶対書けないので書きませんけど)


船上にて ★★★★★★★☆☆☆

短篇集ということもあってか,この作家にしては僕にとってはもうひとつ.青春のほろ苦さとかが書くのがうまい作家だと私はこの著者を理解しているのですが,この中にはそういう作品は少ないです.中では「時間」あたりは僕の個人的に好きなタイプの作品かな.


赤い病院の惨劇☆★★★★★★★☆☆☆

著者が現役の医者と言うこともあり,病院の内部等の描写が詳しく書かれて,トリックにも一部医学が使われてたりもします.それにしても女子寮と言うのは事件を起こしやすい環境なんでしょうか?よく推理小説の舞台に使われますが男子寮で事件というのは聞いたことが無いなぁ.


密通 ★★★★★★★☆☆☆

知り合いに薦められた和田はつ子さんなんですが,これはちょっと私のイメージにあいませんでしたねぇ.すいませんm(__)m.サイコホラーという分野が私に向かないだけなのか,恐いと言うより気持ち悪いと言うのが先に来てしまって..うぬーもう何冊かは読んでみるつもりです.


ターン ★★★★★★★★★☆

3部作のうちの2作目,1作目のスキップはそんなに好きじゃなかったので2作目を読むのはこんなに遅くなってしまったのですがこれはなかなか良かったです.同じ一日が何度も繰り返される話.よく想像する話ですがそれがうまくまとめられています.その場その場の選択が何度もできるのならって誰もが思うことですが,その一日が何もなかったようにもとに戻ってしまうと言うのは恐ろしいものがあります.さらに他に人がいないとなると...


赤い激流 ★★★★★★★★☆☆

グインサーガ61巻.外伝を含めるともう物凄い勢いで流れて行く栗本さんの作品.洪水のようにイメージが頭にあふれ書かなければ止まらない状態なのかと勝手にイメージしている.で,この巻なんですが,主要登場人物がもういかにもといった悪い方悪い方へと流れて行ってしまう.しかし本人はその自分の考えの変化に気づかず廻りばかりが気苦労し苦悩する.


火星の大統領カーター
シンデレラ症候群
セイレーン
魔界水滸伝1〜2

ここらへんは前に図書館で借りて読んだものを古本屋で買って,再読と言う形なので,感想はお休みさせて頂きます.でも魔界水滸伝やっぱおもしろい.


あずさの元禄繁盛記 ★★★★★★☆☆☆☆

中島梓さんか元禄時代のことを井原西鶴を中心に綴っているエッセイ.まぁ,僕にとってはあんまりおもしろくも何ともない作品.文学歴史には興味はあるんだけどその人物にはあんまり興味無いのね.でもとりあえず中島さんの書かれた文章と言うことで読む.まぁ,全くおもしろくなかった訳じゃないです.新聞連載されていたものなので読みやすいし


仮面山荘殺人事件 ★★★★★★★☆☆☆

このネタ誰もが考えるようなネタだよなと思ったら後書きでも他の作家さんがそんな事書いていた.しかしそのネタが途中で見破れても面白い所が流石といえる.強盗に人質にとられた中でその強盗とは関係なく殺人が起こる.でも,ちょっと強盗が馬鹿すぎ.


数奇にして模型 ★★★★★★★☆☆☆

森さんの作品にしちゃ厚めでしかも私的にはひねりが無かったのでちょっと残念.おもしろくない訳じゃないし好きな脇キャラが一杯でて来て嬉しかったんだけど話本来のおもしろさはこんなもんですな.まぁ,次回でこのシリーズ最終回と言うことで主人公達の仲もどうなることやらという気持ちを抱かせつつ..


さよならの殺人1980 ★★★★★★★☆☆☆

過去の事件について話を聞くその話している人も話を聞いている人も実際その事件に関わりがあってという良くあるパターンの話.まぁちょっとした引っかけもあって本格と呼べるかな.読みやすくてなかなか面白いけどネタは単純.1980年をジョンレノンが死んだ年として特別に扱ったり事件も学生闘争が関わっていたりするがそれを実際知らない俺にはちょっと良く分からない.


連鎖 ★★★★★★★☆☆☆

ホワイトアウトで味を占めて真保さんを読んでみる.食品検査官(食品Gメン)というあまり人が取り上げないような職業の人を主人公として話は進んで行く.ちょっと話が複雑になるきらいはあるが流石江戸川乱歩賞だけあって,退屈させない物がある.


少年の憂うつ 少女の微熱 ★★★★★★★☆☆☆

やっぱりこう言うのは若い女性が読むものだなとしみじみ思う.とおもったらポポロに連載されてたみたいね.小説はそれを読むのに適した性,年齢っていうのがあってそれを外してしまうとよい作品もその良さが十分に伝わって来ないということがあると思う.でも最初の図書館は遠いは嫌いじゃないタイプの短篇でした.


透き通ったタマゴ ★★★★★★★☆☆☆

これは題名にひかれて手にとった作品.短篇集で,全て悩み,不安をもつ人が主人公.こういうのも好んで読む人がいるのだろうか?実際僕が読んでいるのだから読む人は入るだろう.しかしブルーな時に読むとちょっと厳しい作品.でもそんな悩み,不安って誰もが持っていても不思議ではないものだよね.


青い色の短篇集 ★★★★★★★☆☆☆

この作家さんも有名だけど僕は普段読まない作家である.図書館行ったはいいが暑さで頭がぼーっとしていて適当に題名と表紙の装丁だけで選んだ作品がここから3冊続きます.面白いとはあんまり感じ無いのだけど読みやすくすらすら読める.だからこそ,こういうのを読んでる時に本当に本が好きなんだなぁと感じる.中身は曖昧な恋愛小説


1月2月3月4月5月6月(11冊)・7月8月9月10月11月12月

顔にふりかかる雨 桐野夏生 ★★★★★★★☆☆☆
私が捜した少年 二階堂黎人 ★★★★★★★☆☆☆
原罪の庭 篠田真由美 ★★★★★★★☆☆☆
夢魔の四つの扉 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
続・氷点(上) 三浦綾子 ★★★★★★★★☆☆
続・氷点(下) 三浦綾子 ★★★★★★★★☆☆
ホワイトアウト 真保祐一 ★★★★★★★★★☆
歪んだ創世紀 積木鏡介 ★★★★★★★☆☆☆
真・天狼星6 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
3LDK要塞山崎家 太田忠司 ★★★★★★☆☆☆☆
4U 山田詠美 ★★★★★★★☆☆☆
ジャパニーズスマイル 中島みゆき ★★★★★★★☆☆☆


ジャパニーズスマイル ★★★★★★★☆☆☆

滅多に読まないエッセイ集.筆者がこの人のようによっぽど好きな人でない限りは読まないでしょう.エッセイって小説よりもその筆者そのものが書かれている気がして自分の気に入ってる人のものしか手を出しにくい気がしますね.中に自分の歌の題名をオチに使ってたりしてそれが面白かったけどそれだけ,すでに感想でも何でもないな.


4U ★★★★★★★☆☆☆

私にとって,ときどきむしょうに読みたくなるのが詠美さんの作品.特別好きな訳でもないと思うのだけど恋愛小説が読みたくなる時がたまにあってそんなときの一部にてにすることが多い.これは恋愛短篇集.フレーズで読ませる詠美さんらしい作品でした.


3LDK要塞山崎家 ★★★★★★☆☆☆☆

読んでみて,うーんこっちか..って言うのが第一感想.この作家さんは本格を書くとともにドタバタも書かれるのですが,この作品はドタバタの方.でも私は本格が読みたいんだなぁ/田中芳樹の推薦文があったので読んでみたんだけど,そういや田中芳樹もドタバタ書いてたなぁ.ということで単なるヒーローものであっさりしたものが良い人にはいいが私には今一つな作品.


真・天狼星6 ★★★★★★★☆☆☆

月刊書き下ろしで6ヵ月連続発売という今まで無かったような発売形式をとった真・天狼星シリーズもとうとう最終巻.無理して6巻に詰め込んだ風で本は厚くて値段は高い.しかし,途中,中だるみがあって面白く無く感じていたこの物語も最後に来てなかなか面白かった.シリウス,晶,ルシファー三つ巴の対決.うーん中身も濃い濃い.再読の価値あり.しかしこれからの利根と晶の付き合いが気になってしかたない.


歪んだ創世紀 ★★★★★★★☆☆☆

いろんな所でボロ糞に叩かれている気がするメフィスト賞受賞作品.それを覚悟で読んでみたら,思ってた程ひどくは無い.どころかアイデアは良いような気もする.まぁ,誰かが思いついて先に書いててもおかしくないようなネタだったけど,ネタそのものは良いと思う.しかし,それを書く筆力が追い付いてないような...森さんと比べるとどうしたって格下だしなぁ.やろうしていることは西澤さんに近い気もするけど,それも比べるのは西澤さんに悪い.清涼院さん以降メフィスト賞ってアイデア勝負の作品が多すぎるような気もします.誉めようと思ったけどやっぱりそんなに誉める所無いや(笑).


ホワイトアウト ★★★★★★★★★☆

日本最大のダムがテロリストに占拠される,危うく人質になることから逃れたダム職員が一人でテロリストに立ち向かうといった作品.この主人公も暗い過去がありその過去をに後悔しながら生きているのですが,それにしても作品が適度に不幸あり幸運ありでしかも臨場感抜群.始めて真保さんの作品を読んだのですが,久しぶりの大当たりの作品でした.でも,やっぱり冬に読みたかったなぁ.雪のシンシンと降る中に読むのがBESTだったのでしょうねぇ.他の真保さんの作品も是非読まなければいけないという気にさせられた.


続・氷点 ★★★★★★★☆☆☆

やっと読めた氷点の続編,前作が人間の原罪について書かれているのに比べ今回は罪の許しというものについて書かれている.前作と同じように登場人物は全て良い人間のようで心の奥底にはやましい部分を持っている.その罪に対して他の人が許せるかどうか.しかし許すという時点でその人間より高い地位から見下ろしてるような気がして私は好きではない,この作品が嫌いなわけじゃ無くてね.


夢魔の四つの扉 ★★★★★★★★☆☆

やっぱり私はゾディアックよりグインサーガが面白い!と思い直した作品.近頃の栗本さんの作風かどんどん文体が軽くなっているし,しかも内容も塔の1階ずつに敵がいてそれを倒しながら塔を登って行くと言うゲームにでもありそうな展開.しかし,それも嫌いじゃない.グインの最初の頃のような重厚なヒロイックファンタジーも好きだけど..結局好きになってしまえば何でもいいのね>私


原罪の庭 ★★★★★★★☆☆☆

シリーズ5作目にして蒼の過去がやっとあかされる.蒼と京介の出会いをふくめて事件が良く書かれてます.でも,良く考えると僕まだ読んでない作品あるな.しかし今まで読んだ中では一番面白かった.この篠田さんっていうのも知合いに勧められていたけど,知らない人だったので読む機会が無かったけど,安定した面白さを持っていると思います.同じぐらいに森さんとか有名な人が多かった分ちょっと損しているかな?この作品は全体的に暗いイメージが漂っていますが,WHYを主題にした珍しい作品.


私が捜した少年 ★★★★★★★☆☆☆

探偵のキャラクターで,最初なんかだまされているんだろうなとは気づいたんだけどそう来るとは思わなかった,でもそれが短篇で何作も続くとちょっといかしきれてないような...折角あのキャラクターなんだから,身の回りの事件とかももっと書いて欲しかったな.ちょっと惜しいとおもう作品.


顔にふりかかる雨 ★★★★★★★☆☆☆

うーん,主人公ミロは深い過去がありそうで,その過去をチラホラと見せながらも事件は進んでいく.関係ないはずなのに大金と一緒に消えた友人の性で事件に巻き込まれ,ヤクザともにその友人を探すことになる.うーんどっちかいうと前に読んだOUTの方が面白かったです.でも主人公は良く書けてると思うし,そのお父さんもいい味だしてそうな..と思ったらやっぱり続編出ているのね.それも読まなきゃ


1月2月3月4月5月(13冊)・6月7月8月9月10月11月12月

一番初めにあった海 加納朋子 ★★★★★★★★★☆
奇跡島の不思議 二階堂黎人 ★★★★★★★★☆☆
推理短篇六佳撰   ★★★★★★★★☆☆
不安な童話 恩田陸 ★★★★★★★☆☆☆
パワー・オフ 井上夢人 ★★★★★★★★☆☆
アンダーグラウンド 村上春樹 ★★★★★★★★☆☆
友情・愛と死 武者小路実篤 ★★★★★★★★☆☆
銀河鉄道の夜 宮沢賢治 ★★★★★★★☆☆☆
かりかりのぼうしやさん つちだのぶこ ★★★★★★★★☆☆
滅びの風 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
天使の屍 貫井徳郎 ★★★★★★★☆☆☆
バラ迷宮 二階堂黎人 ★★★★★★★☆☆☆
真・天狼星5 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆


バラ迷宮 ★★★★★★★☆☆☆

短篇集.なんだけどやっぱり私は長編の方が好き何だよなぁ.どうも推理短篇だとトリックがありそれを解いてそれで終わりになってしまっている様な気がするのだが..しかし,そのトリックそのものは良く考えられてあり,化学的な知識が必要で,本当にそうなるのか良く分からないままも納得させられてしまう.


・天使の屍 ★★★★★★★☆☆☆

この人の作品嫌いじゃないのだけど,でも,読後感が気持ち悪い.なんだか嫌な気分になってしまう.それを,書けると言うのは文章がうまいとも言えるかも知れない.ということで話としては好きなんですけど全体的な感想としては低め.似ている作品あったよなぁ.それを書くとネタ張れになるから書かない.


・滅びの風 ★★★★★★★☆☆☆

SFは殆ど読まないのですが,栗本さんだから再読までする.うーん,テーマが良いです滅び.実際は滅んでもらったら困るのですが,話の中でならやっぱり魅せられてしまいます.ひかれるものがあるのは私の心が不健康な性でしょうか?それともそれが普通なのでしょうか?だからと言って自分を変える気は全くありませんが.


・かりかりのぼうしやさん ★★★★★★★★☆☆

友達(いや,知合い?師匠でもないし..うーんわからん)の妹さんが書かれた絵本ということで就職試験で東京に行ったついでに,買ってきました.絵本なんて読むのは久しぶりだったのですがなかなか面白かったです.どこが面白かったかいうと絵本なので,全部粗筋書いてしまうことになりネタ張れになってしまうので書きませんが,とりあえず,これで土田さんのファンが確実に一人増えたわけです(笑).


・銀河鉄道の夜 ★★★★★★★☆☆☆

前から読もうと思っていて買ってあったのだけど読めなくてずっと積んであった本.自分でいうのも何だけどこれだけ有名な本を今まで読んでなかったのは珍しい.しかし,この本は..様々な感情や思考が混ざっていてそれを主題としてまた筋が交錯しているような小説なので,例え等が好きな私には会う小説だと思ったのだが,就職試験の行きに読んだのは失敗かなぁ.ジョバンニとカムパネルラの気持ちは今ひとつ汲み取れなかった


・友情・愛と死 ★★★★★★★★☆☆

著者の代表作である中編が2つ載せられているのですが,どちらも愛に敗れる男の話.一方は仲が良く尊敬していた友人に好きになった人をとられる事になり,もう一方は海外旅行にいっている間に病気によって婚約者が死んでいってしまう話.しかし時代背景からかどちらの男も後をおったりせずに強く生きて行き,勉強に励もうという前向きの姿勢が良い.結構有名な著者だが読みやすくもしかするとはまるかも知れない.


・アンダーグラウンド ★★★★★★★★☆☆

地下鉄サリン事件の犠牲者に著者が一人一人インタビューしたその結果の作品.この本を読んで私は衝撃を受けたと言っても言いすぎではありません.またこの本と前後してペルーのテロ事件を歌った中島みゆきの歌も聞いたのですがそれを含めて私はなんて大事な事を忘れやすいのだろうと思ってしまいました.何時までも拘っていても仕方無いことなのかも知れませんが,決して忘れてはいけない事といものが世の中にはあるはずです.被害者の方のほとんどの方はみんな年の性かも知れないとおっしゃられてますが未だに多くの人が後遺症に悩まされてます.オウムが悪いというよりももっと根本的に考え直さなければいけないことなのではと深く感じました.何もできない自分が辛い.


・パワー・オフ ★★★★★★★★☆☆

ループ等最近流行りの人工生命の話に含めても良いと思うコンピュータウィルスの話だがこれの方が先に出ているはずですね.私が情報工学科で知っている分野の話だからかも知れないが,これもすらすらと読める.内容は自ら進化して行くプログラムの話である.もしこんなことが出来れば私達のような研究者になろうとしている人間は将来食いっぱぐれな気もするのだが,しかし実際読んでてあるかも知れないと考えてしまった.専門であるはずの私でさえこう考えてしまうこの分野はまだまだ奥が深そうだ.って私が勉強不足なだけなんでしょうけどね.でも井上さんこれからの世の中で話題になるものを見破る天才じゃなかろうか?


・不安な童話 ★★★★★★★☆☆☆

友達から聞いて気になっている作家の作品.この人の作品はミステリなんだかSFなんだか良く分からないのだけどこの作品はミステリ色が強い気がします.みえないはずのものが見えたりするデジャヴ等私の好きそうなキーワード山盛りですが,今ひとつ星が延びなかったのはこの連休に読みすぎたせいか?ちょっとつかれて来て後半ダレテきました.多分本の性じゃないけどね,時期が悪かったのだと思う


・推理短篇六佳撰 ★★★★★★★★☆☆

創元推理短篇賞にもれた作品のなかから落してしまうには惜しいということで6つ拾いあげた素人の作品なんですが,どれもこれもさすがに良い部分を持っています.最後に選者である北村さんと宮部さんのそれぞれの作品にたいする感想も載っていて二人のファンならそれだけでもちょっと嬉しい.一番好きなのは「崖の記憶」だけどブラックな「瑠璃光寺」も結構好きです.


・奇跡島の不思議 ★★★★★★★★☆☆

どこかで読んだことがあるような?とおもったが,まぁミステリお決まりのクローズドサークルの話だからそう感じたのであろう.作者が論理的なフーダニットに挑戦してみたと書いてあったが,証拠があった訳じゃないけど,なんとなく犯人はすぐに分かってしまった.だって他のやつが犯人じゃ無さ過ぎるのだもの.ちょっとミステリ読んてる人ならすぐばれてしまいそうだが.でもそれとは別に全体に新本格って感じを醸し出してて嫌いじゃないけどね.


・一番初めにあった海 ★★★★★★★★★☆

やっぱりこの作家良いです.なんだか言葉で言い表せないのですが,私のこころにフィットするものがあります.読んでて面白いと言うのじゃないのですが心地よいんですね.どこと無く悲しい雰囲気が漂う中に小さな幸せが浮かぶといった感じ.中編2作が入っているのですがどちらもいい雰囲気で話が進んでいます.なんだか読むとほっとしますね.人の心を書くのがうまいです.北村薫の後を継ぐ作家と呼ばれることもありますが加納さんの方がもっとやさしい雰囲気がでてる気がします.


1月2月3月4月(19冊)・5月6月7月8月9月10月11月12月

塗仏の宴 宴の支度 京極夏彦 ★★★★★★★★☆☆
今はもうない 森博嗣 ★★★★★★★★☆☆
夢幻戦記2 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
斜陽 太宰治 ★★★★★★★☆☆☆
村山由佳 ★★★★★★★☆☆☆
風が吹いたら桶屋がもうかる 井上夢人 ★★★★★★★☆☆☆
朝日のあたる家1 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
朝日のあたる家2 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
朝日のあたる家3 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
氷点 三浦綾子 ★★★★★★★☆☆☆
ガルムの報酬 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
本所深川ふしぎ草紙 宮部みゆき ★★★★★★★★☆☆
魔境遊撃隊 第一部 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
魔境遊撃隊 第二部 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
シルクロードのシ 栗本薫 他 ★★★★★★☆☆☆☆
煙が目にしみる 堀田あけみ ★★★★★★★☆☆☆
ストレート・チェイサー 西澤保彦 ★★★★★★★☆☆☆
唇のすることは 堀田あけみ ★★★★★★☆☆☆☆
十九,二十 原田宗典 ★★★★★★★☆☆☆
真・天狼星4 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆


・真・天狼星4 ★★★★★★★☆☆☆

うーん.なんだかもう勢いだけで買って読んでるような気がする.一度,新・天狼星で書いたものを視点を変えて書きなおすという試みは良いのだとおもうんだけど,なんだかなぁ,今一つ面白みが無い.パワー不足なのかそれとも毎月発刊ということで私が慣れたというか飽きて来たのか.うーぬ.全く面白くないわけでもないし買おうという気にはなるのだし,早く次を出して欲しいと言う気持ちにはなっている.不思議な話だな.


・十九,二十 ★★★★★★★☆☆☆

若者に結構人気がある作家なのでもう一度読んでみようと思い,図書館で見つけ一番増刷されてそうなものを借りて来たのだが,やっぱり私にはあんまりあわないようだ.読みやすいのだけど,単にそれだけという感じがある.共感する所がないんだよなぁ.もっと早い時期に読むべき作家だったのでしょうかねぇ?題名の年代の頃に読んでるともう少し違った感想を抱いていたかも知れません.でも乱読気味の私にはあんまりあわない作家なんだろうか?ちょっと人が面白いと言うものを理解できないと悔しい気分がします.本を読むのにもそれに適した時期と言うものが大切ですよね.


・唇のすることは ★★★★★★☆☆☆☆

私が最近好きになった作家の一人なのだが,今回は根本的にあわなかった.今までの作風と全く違って大人っぽい恋愛と言う感じで,ほんわかとした雰囲気が全く無いのよ.私がこの作家に求めているものは内容と言うよりその雰囲気なので,今後これが続くようだと読まなくなってしまいそうです.


・ストレート・チェイサー ★★★★★★★☆☆☆

同作家にしてはあんまり私の好きな作品ではなかった.登場人物が外人だから名前が覚えにくいというのもあってそれは私個人のせいなのだろうが,ネタがいつも程,奇想天外でなくちょっと分かりやすかったというのがあるのであろう.まぁ,西澤さんの作品は伏線がわざと分かりやすく書いてあってそれが良いという人もいるのでしょうけどね.しかし決してはずれと言えない所がこの作家を私が好きな理由なんでしょうね


・煙が目にしみる ★★★★★★★☆☆☆

同作者の代表作「アイコ16才」の主人公が脇役で出て来る.要領よく生きていくことが出来ない主人公が体育会系の部の中で苦しむという話.私も体育会系の部で中学,高校と6年間暮らして来て嫌なこともありましたがそれ以上に楽しい想い出で一杯でした.これは良い先輩,友達,後輩に恵まれたからでしょうか,それとも要領悪いと思いながらもそれなりに要領良かったのかなぁ.この物語の主人公は苦しみながらもそれに立ち向かっている面があるので好きですね.


・シルクロードのシ ★★★★★★☆☆☆☆

何人かでかいた中国の旅行記の様なもの.漫画ありエッセイあり物語ありで,もりだくさんで当然面白い所と面白くない所が混在しているが中国は憧れの地でもあるので行ってみたい気持ちがなおさら深まる作品でした.しかも当然北京,上海辺りにも行きたいのだが,西域辺りの内部の方に心引かれるものがある.


・魔境遊撃隊 ★★★★★★★☆☆☆

再読のはずだが内容ほとんど覚えてなかったので書いてみる.栗本さんの作品のうち代表的なものを結ぶ鎖となる作品である.内容は冒険ファンタジーかな?前読んだ時はもっと面白かった気がするのだが,今一つ面白みが伝わって来なかった.薫君だけで信はほとんど出てこないし...でも栗本さんの作品ってだけで読んでしまう自分がここにいるんだよなぁ.


・本所深川ふしぎ草紙 ★★★★★★★★☆☆

本所の七不思議をテーマにした短篇集なのだが,これも宮部作品に共通する人の優しさと言うものが自然と滲みでてくる作品である.どの作品も話も面白いのだが,心の琴線に触れる部分があり登場人物の女性の切ない悲しい気持ちが素直に読者に伝わって来て容易に共感してしまう.時代小説が苦手な私にも読める一作です.中でもお薦めは,やっぱり第一話の片葉の芦かな.


・ガルムの報酬 ★★★★★★★☆☆☆

とうとうグインサーガも60巻まで達しました.後40冊の予定.なんだか1巻の頃と全く文体がかわってる気がするのだけど,それも時代の流れと言う物でしょう.最近は栗本さんの書くペースもどんどん上がっていってあっという間に100巻なんていってしまいそうですが,なんだか話の流れが早くなりつつあってちょっと寂しい,やっぱり後世に残る作品となって欲しいから丁寧に書いてもらいたいですね.○○なんか結構主要人物だったはずなのにあっさりお○○○○になるし..登場人物のおりなす模様というものをじっくり見届けたいと思ってます.先はまだ長いはず.


・氷点 ★★★★★★★☆☆☆

友達にすすめられ読んだ作品.多分,再読のはずなんですが読んだのは結構昔で,全然記憶が無かった.評価が難しい作品でした.作品自体は非常に感動もので良い作品だと思うのだけと登場人物が,共感できないというか,嫌いな人間ばかりなんで..好きなのは,あえて言うなら辰子さんぐらいですかね.例に洩れず三浦さんの作品ということでキリスト教の教えに基づいて書かれているのですが好きなセリフ,場面はいくつもあり,あんまり宗教分からない私にも良いなと感じる所は沢山ありました.排他的なものは駄目ですが,良い所は宗教でもなんでも見習わなきゃね.さて,これで続氷点で陽子がどう原罪と戦い生きて行くかが見もの,これも読まなくちゃね.感動しようと思って読めばもっと評価が高かったのでしょうけど,ちょっと読み方失敗したかなぁ.


・朝日のあたる家1,2,3 ★★★★★★★★☆☆

同作家の翼あるものの続編.翼あるものよりも,男同士の友情というか信頼関係の話.ジョニーに全く共感できないがもう一人の主人公トミーには自分がかぶることがある.他人の全てが羨ましく自分に合う人を必死で探そうとあがいている.心根が優しいだけに後から余計に自分が苦しむことになる.最後がもう少しハッピーエンドならばなぁ.終わってるのかと思ったらまだ続きそうなんだもの.


・風が吹いたら桶屋がもうかる ★★★★★★★☆☆☆

超能力で事件を解決するはずの物語.しかし,ほとんど超能力は役にたってない.それが発揮されるまでに,別の奴が全て頭で推理.しかもそれも外れていて,実際はほっといたら事件は解決.解決後に超能力で真相がわかる.というような話.短篇形式ですべてこのように進むのだが読みやすく面白いのはさすが井上さんの作品.だが,ただそれだけ,推理小説に最近ひねりを求めるようになったので,面白いだけじゃこの点数まで.岡嶋の頃ならなんかあったはず(笑).


・翼 ★★★★★★★☆☆☆

友達おすすめの村山さんの作品.これも村山さんが書きたいテーマの一つなんでしょうね.恋愛と自然.うーんネィティヴアメリカンの話は興味あり.色々事件は起こるのだが最終的にはハッピーエンド?でおわったので友達が言う程嫌いじゃなかった.でもただそれだけと言えばそれだけのような気もするので7点.なんとなく中途半端な気がする,恋愛を書くなら恋愛,心理や自然について書くならそれをもっとメインに書いてくれた方が私としては良いのだが,どれもが中途半端な気が..


・斜陽 ★★★★★★★☆☆☆

しばらく,純文学を読んでみようと思って,最初に選んだ作品.太宰はひさしぶりに読んでみたがやはり圧倒的に暗く退廃的な作品.しかし,「走れメロス」なんかより,私にはあっているような気がする.「人間失格」も同じようなタイプなのでまた読んでみようかなと思いました.貴族が滅びていく様に恋愛を交えてえがいた作品.時代背景がみえてくるようです.もっと読みにくいと思ったが意外にすらすらと読めてしまいました,現実逃避なんですかね.


・夢幻戦記2 ★★★★★★★★☆☆

興味はあるのだけど,あんまり読んだ事はない新撰組(沖田総司)を主人公とする話.栗本さんだけに話がやおいに進みそうな所がちょっと恐いが今の所はまだ救われている.やんちゃで,良く喋る土方歳三が出て来たりする時代小説なのだが,化け物とかも出て来て時代SFってやつである.これも6巻まで出るそうなので買わなきゃ行けない.うれしいのか悲しいのか?


・今はもうない ★★★★★★★★☆☆

京極作品につづいて作品が出たら私が必ず買う作家,森博嗣さんの作品.一作目からだんだん,ミステリの他の部分(犀川先生の言葉等)以外の部分に私はひかれつつあるのだが,この作品は,だまされてしまった.うーん,途中で怪しいなとは思ったのだが,最後まで真相には気付かなかった.それも違う所で..これ以上書くとネタ張れになるので書けないが,なかなか良かったです.


・塗仏の宴 宴の支度 ★★★★★★★★☆☆

この世界ではかなり有名になってしまった京極さんの第6作.京極さんの作品は文体としてかなり読みにくい作品だと思うのだが,この作品は6つの短篇が納められてるせいもあってか,私的にはかなり読みやすい作品であった.その短篇一つ一つにいままでの作品で登場したレギュラーが登場し,懐かしさも覚える.しかもその短篇それぞれが関係があり,短篇集としてじゃなく,長編の6章だてとしても読めるお得な作品.下巻である宴の始末の発売が待たれる.


1月2月3月(17冊)・4月5月6月7月8月9月10月11月12月

旅の仲間(下) J.J.R.トールキン ★★★★★★★☆☆☆
あなたとワルツを踊りたい 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
6枚のとんかつ 蘇部健一 ★★★★★☆☆☆☆☆
玄い女神 篠田真由美 ★★★★★★★★☆☆
あきらめのよい相談者 剣持鷹士 ★★★★★★★☆☆☆
それは年齢のせいじゃないのよ 堀田あけみ ★★★★★★★☆☆☆
竹馬男の犯罪 井上雅彦 ★★★★★★★★☆☆
鬼面の塔 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
Jの神話 乾くるみ ★★★★★★☆☆☆☆
乱れからくり 泡坂妻夫 ★★★★★★★☆☆☆
ライク・ア・ローリングストーン 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
好き! 堀田あけみ ★★★★★★★★☆☆
人狼城の恐怖 第一部 二階堂黎人 ★★★★★★★★☆☆
星の数ほど愛想が尽きても 堀田あけみ ★★★★★★★☆☆☆
人狼城の恐怖 第二部 二階堂黎人 ★★★★★★★☆☆☆
人狼城の恐怖 第三部 二階堂黎人 ★★★★★★★★☆☆
真・天狼星3 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
1月2月(9冊)・3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

レフトハンド 中井拓志 ★★★★★★★★☆☆
ラブ&ポップ 村上龍 ★★★★★★★☆☆☆
甦る幻影城   ★★★★★★★☆☆☆
とり残されて 宮部みゆき ★★★★★★★☆☆☆
コミュニケーション不全症候群 中島梓 ★★★★★★★☆☆☆
旅の仲間(上) J.J.R.トールキン ★★★★★★★☆☆☆
真・天狼星2 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
OUT 桐野夏生 ★★★★★★★★☆☆
嗤う伊右衛門 京極夏彦 ★★★★★★★★★☆
1月(19冊)・2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

やさしい嘘が終わるまで 堀田あけみ ★★★★★★★☆☆☆
あなたがそこにいるだけで 堀田あけみ ★★★★★★★☆☆☆
声が聞きたい 堀田あけみ ★★★★★★★☆☆☆
栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
ぼくらの時代 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
夏のレプリカ 森博嗣 ★★★★★★★☆☆☆
BRAIN VALLEY(上) 瀬名秀明 ★★★★★★★★☆☆
ぼくらの世界 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
幻惑密室 西澤保彦 ★★★★★★★★☆☆
ぼくらの気持 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
占い師はお昼寝中 倉知淳 ★★★★★★★☆☆☆
BRAIN VALLEY(下) 瀬名秀明 ★★★★★★★★☆☆
大導寺竜介の青春 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
覇王の道 栗本薫 ★★★★★★★★☆☆
真・天狼星1 栗本薫 ★★★★★★★☆☆☆
プラスティック 井上夢人 ★★★★★★★★☆☆
フェアリーボーイ 堀田あけみ ★★★★★★★☆☆☆
ループ 鈴木光司 ★★★★★★★★☆☆
もの食う人びと 辺見庸 ★★★★★★★★☆☆


栗本薫 38冊
小野不由美 8冊
二階堂黎人 8冊
宮部みゆき 5冊