2007/10/5(金)伊勢新聞
 石原産業 元副工場長らを告発 津地検受理
http://www.isenp.co.jp/news/20071005/news06.htm
 
 大手化学メーカーの石原産業(大阪市西区、織田健造社長)は四日、汚泥「フェロシルト」とは異なる産業廃棄物を愛知県瀬戸市に捨てていたとして、廃棄物処理法違反(不法投棄)の容疑で、同社四日市工場の元副工場長ら三人を津地検に告発し、受理された。津地検が明らかにした。
 
 津地検によると、告発されたのは、フェロシルト不法投棄事件で懲役二年の実刑判決を受けた同社四日市工場の元副工場長佐藤驍被告(70)=控訴中=と、関連会社の二人。同じ告発状の提出を受けた四日市南署は書類を確認中で、まだ受理していない。
 
 佐藤被告らは平成十六年十一―十二月、農薬原料を製造する過程で同社四日市工場から排出された産業廃棄物約二百五十七トンを、愛知県瀬戸市の広之田、余床地区に埋めて捨てた疑い。この産廃は有機物残さと、それを固める焼石こうの混合物で、環境基準を超える六価クロムやフッ素などが検出されている。
 
 石原産業の炭野泰男取締役の話 捜査を妨害する恐れがあるので、告発したか、していないか明言できない。(公表した九月二十一日の)会見の時点では(告発について)話すつもりだったが、捜査対象者が逃走するかもしれないので(告発)内容は話せない。
 
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 捜査関係者によると、三重、愛知、岐阜、京都の四府県に計七十二万トンのフェロシルトやアイアンクレーを捨て、うち十三万トン余りの不法投棄で起訴、事実認定された経緯からみて、今回の約二百五十トンの産廃投棄で佐藤被告が追起訴される可能性は低いとみられている。
 
 追起訴しても控訴審で検察側の求刑は変わらないとする見方が強いためで、「最終的には、起訴猶予になるのでは」と、捜査関係者はみる。ただ告発を受理した以上、事実上捜査を進める県警は、書類送検を余儀なくされる。
 
 不法投棄の報告を受けていた前社長らが約二年間にわたって事実を隠ぺいしていたこともあり、ある捜査関係者は今回の告発について「今さら何を。なぜ、フェロシルト事件の事情聴取時に言わなかったのか。単なる石原産業のパフォーマンスではないか」と、怒りをあらわにしている。
 

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