フェロシルト:元副工場長が販売継続 津地裁公判で供述書
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070417k0000m040180000c.html
化学メーカー、石原産業(大阪市)の土壌埋め戻し材「フェロシルト」の不法投棄事
件で、廃棄物処理法違反(不法投棄)の罪に問われた同社四日市工場元副工場長、佐藤
驍(たけし)被告(69)らに対する第2回公判が16日、津地裁(山本哲一裁判長)であった。
検察側は佐藤被告の供述調書を読み上げ、有害と認識していたフェロシルトの販売を
継続したことについて「販売できなければ責任を問われ、解雇されるかもしれないと
考えた」と具体的な動機を指摘した。
供述調書によると、佐藤被告は01年、フェロシルトから環境基準以上の有害物質が
検出されたという報告を受けたが、既に販売目的で約30万トンを製造し同工場内に貯
蔵していたため、製造責任者として販売の継続を決意した。一方、販売せずに産業廃
棄物として処理するのは多額の費用がかかるため、「自分のせいで会社の経営が悪化
することはプライドが許さなかった」と供述した。
次回公判は5月2日に開かれ、佐藤被告に対する被告人質問などが行われる。【山口
知】
毎日新聞 2007年4月17日 2時22分
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2007/4/17(火)伊勢新聞
「実質40億円利益」指摘 石原産業事件公判で検察側
http://www.isenp.co.jp/news/20070417/news05.htm
化学メーカー石原産業(本社・大阪市)のフェロシルト事件で、産業廃棄物の汚泥を
土壌埋め戻し材と偽り販売、亀山市などに不法投棄したとして、廃棄物処理法違反の
罪に問われている同社四日市工場の元副工場長佐藤驍(69)、元同工場環境保安部長宮
崎俊(58)の両被告と、両罰規定による同社の第二回公判が十六日、津地裁(山本哲一裁
判長)であった。
検察側は、産廃汚泥のフェロシルトを土壌埋め戻し材として販売した結果、石原産
業は代金約一億五百万円を得る一方、約二十三億三千六百万円を支払ったことを提出
した証拠で明らかにした。一方で、産業廃棄物の処理コストが削減され、実質四十億
円の利益があったと指摘している。
フェロシルトは平成十三年八月に販売を開始し、十七年四月生産販売を中止した。
この間、三重、愛知、岐阜、京都の四府県に計約七十三万トンが販売されている。酸
化チタン製造では業界トップでありながら、製造過程で出る産廃の処理費が経営を圧
迫、平成四年ごろから悪化し、数年来の赤字決算が続いていた。
当時、高騰する廃棄物処理費の削減に向けた事務局長に就いた佐藤被告は「何もや
らないよりまし」との考えから、同じ産廃汚泥のアイアンクレー製造について一部変
更。検察側は「表向きは商品だが、実際は不十分極まりない」フェロシルトを“開発”
したと指摘した。運搬に携わった子会社幹部らも「商品との主張に、内心ではちゅう
ちょした」と述べていると明かした。
次回公判は五月二日、元副工場長佐藤被告への被告人質問などが予定されている。
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NHK名古屋放送局 2007年4月17日 7時40分更新
フェロシルト 偽装証拠提出
http://www.nhk.or.jp/nagoya/lnews/05.html
フェロシルトの不法投棄事件をめぐる裁判で、被告の石原産業側は、フェロシルトか
ら有害物質が検出された際に、検査機関に別の建築資材を提出し原因を偽装していた
という証拠が検察側から提出されました。津地方裁判所で開かれた16日の裁判で、検
察側は6年前、京都府加茂町のゴルフ場に埋めたフェロシルトから有害物質が検出され
た際に、フェロシルトとは別の建築資材を検査機関に提出していたという、石原産業
の担当者の供述調書を提出しました。検査機関に提出されたのは、有害物質を含んだ
コンクリートなどを細かく砕いたもので、原因がフェロシルトではないよう偽装して
いたということです。
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