2007/1/16
海上の森通信NO 89より

万博協会
補助金30億円を不正請求か?


愛知県・経産省、万博協会へ補助金を過大交付!
 

政府万博事業費支出569億円を加えれば、「万博事業=国家事業」は、434億円の大赤字!

                                            加藤徳太郎

 昨年12月18日、万博協会は、理事会を開催し、万博協会解散に向けた報告を行いま
した。
 その中で、協会の残余財産が、約135億円になるとして全体資金の収支試算を明らか
にしています。(資料「全体資金収支試算について」裏面ご参照)
 万博協会のみの収支計算では、135億円の剰余金が残ることになっています。しかし、
国が直接負担した政府事業費569億円の支出を加算すると支出合計は、2,821億円とな
り、万博事業総収入2,387億円を434億円も支出が超過し、大赤字となる計算です。国
民全体の税金をつぎ込んだ国家事業として評価すれば、剰余金などなくなってしまう
のではないでしょうか。
 
<万博協会による補助金請求は適正なのか?
会計検査院は是正を勧告>


 万博を愛知県で開催するにあたり、万博会場建設費1,350億円については、国、県、
民間が各々1/3ずつを負担し、450億円の補助金を支出することにしていました。
 実績見込みは、国・地方自治体からの補助金は各々449億円とされています。
 しかし、支出された会場建設費の実績見込額1,453億円のうち、151億円分は民間企
業協賛費として現物寄付をされており、実際に会場建設費として支出された金額は、
1,302億円であり、この実費用の各々1/3が、国、地方自治体の補助金支出の対象額と
されなければなりません。
 ここでの適正な補助金額は、国、地方自治体各々434億円となり、各々15億円ずつ合
計30億円が過大に支払われていることになります。
 
 国の万博協会への補助金支出については、既に2005年度に国の会計検査院が会計検
査を行い、「予算計画に基づいた補助金支払いは不適正であり、建設工事の支払い実
績により精算し補助金を支払うこと」と是正勧告をしました。国へ約4.5億円の補助金
返還を命じています。
 会計検査院による「補助金は実績報告による精算に基づき支払うこと」という指摘
に従えば、万博協会は、1,302億円の実績を基に国、県に対して補助金受給請求を行う
べきです。
 450億円の補助金が当初予定されていたからと満額に近い449億円の補助金収入が受
け取られていたとしたら、それは根拠のない不正請求と言わなければなりません。
 また、国、県も巨額な財政赤字を抱える中で、万博協会への補助金を漫然と支払い、
大盤振る舞いをしたとしたなら、その責任は重大なものがあります。
 「135億円の余剰金(黒字)が残った」と言われていますが、このうちの30億円分は、
国、県(名古屋市)からの補助金(=税金)の過大支出が含まれているおそれがあり、金額
は見直されなければなりません。




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