平成18年9月4日
愛知県知事 神田真秋 殿
石原産業株式会社 代表取締役 田村 藤夫 殿
抗 議 文
<申し入れ団体>
【愛知】ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク
瀬戸市にこれ以上産廃はいらない会
瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク
<1>北丘町のフェロシルト問題に関する抗議ならびに要望事項
1.愛知県ならびに石原産業の不誠実な対応と、突然のクリーン開発へのフェロシルト
搬出に抗議する。
2.当団体ならびに瀬戸市民に、納得のいく説明をするまで、クリーン開発への搬出を
中止するよう要望する。
<2>背景と経緯
1) 私たちは、行政ならび石原産業と懇談を持ちながら活動を進めてきた。
2) 根深い問題を紐解くのに、当団体は、愛知県に数々の情報提供を行ってきた。
3) 平成17年11月7日、愛知県知事は、「県内受入は考えられない」と定例記者会見で
述べ、三重県の責任も言及している。(別紙参照)
4) 5月15日、撤去期限12月中旬、搬出先「クリーン開発」とされた撤去計画書を石原
産業は提出したが、県は不受理とした。
5) 5月26日、撤去期限11月15日、搬出先「四日市工場仮置き場」とされた撤去計画書
を、愛知県は受理した。
6) 不法に瀬戸市に持ち込まれたフェロシルトを、瀬戸市内で処分することに多くのみ
なさんが反対しているのは、署名活動でも周知の通り。
このような背景がありながら、愛知県と石原産業は、市民に何ら説明をすることな
く、市民を無視してフェロシルトを瀬戸市内の最終処分場へ搬出した。
クリーン開発に搬入された前日の午後(8月31日)、県の廃棄物監視指導室室長と電話
で問題提起をし、後日、来庁を申し入れたにもかかわらず、クリーン開発への搬入の
説明はなかった。不誠実極まりない。愛知知事の言う「市民との協働」とは、一体何
なのか。
また、8月28日、私たちはクリーン開発の施設見学会に参加したが、フェロシルト搬
入についての説明はなかった。
(クリーン開発に関する説明について)
クリーン開発の操業と現状について、私たちは、クリーン開発、愛知県、瀬戸市か
ら、それぞれ説明を受けてきたが、それぞれがまちまちの内容であり、上記でも述べ
た通り「後日説明を求める」と8月31日の午後、愛知県廃棄物監視指導室に申し入れた
ところであった。
愛知県廃棄物処理施設審査会終了直後から、「クリーン開発新処分場への廃棄物搬
入は、平成19年4月からである」と、県からも瀬戸市からも聞いていた。しかし、今年
の4月以降、急に瀬戸市から「今年9月の稼働になった」と聞き、5月に石原産業から示
された「クリーン開発へのフェロシルト搬入計画」の影響かと推測してきた。
8月18日、県廃棄物監視指導室室長を訪れ、クリーン開発の今後の操業について尋ね
た。県は、「旧処分場の廃棄物を新処分場に移動してから、新たな廃棄物の搬入が始
まる。最終的に新処分場と高さを合わせるために旧処分場を削る。操業開始予定は、
当初から9月だった」と私たちに説明をした。
同様に、8月24日、再度瀬戸市も確認を行い、「9月稼働する。最初に拡張された部
分を、新処分場に旧処分場の廃棄物を移動してから、搬入が始まる。強度が十分でな
い問題がある。旧処分場の7〜8割を掘り起こす予定である。操業前に、説明があるだろ
う」とのことだった。
しかし、8月28日のクリーン開発施設見学会では、「先に新たな廃棄物を搬入し、途
中の段階で旧処分場の廃棄物を新処分場に崩す」とのことであった。「なぜ、旧処分
場を崩す必要があるのか」の質問に対しては、「新処分場と高さをなだらかにするた
め」と言いつつ、「最終的に、旧処分場の高さが現状より5mも高くなる」と言う。元
の高さより高くなるなら、旧処分場を崩す必要はないではないか。
また、8月18日、県廃棄物監視指導室室長から「アスベストは、処分場の隅に埋め立
てられているはずだから、飛散の心配はない」との説明を受けていたが、クリーン開
発によると「アスベストは、旧処分場の中心部分に縦に積み上げる形で、埋め立てら
れている」とのことであった。
以上のように、クリーン開発、愛知県、瀬戸市からの説明は、一貫性が無く、今後
どのような操業がされていくのか、私たちは、心配でならない。また、クリーン開発
は、特別管理廃棄物も扱っている。ガスの発生や有害物質の飛散、悪臭の問題の可能
性のある「処分場の掘り起こし」についても、上部のみ崩すとか、遮水シートまでと
か、ほとんどとか、まちまちの説明を受けているのが、現状である。
8月28日の見学会には、当団体だけではなく、瀬戸市民の方々も多数参加され、心配
を抱えて帰られている。また、北丘町にフェロシルトを違法に搬入された地主の方も
「不法に瀬戸市に持ち込まれたものを、近くの処分場に処分されるのは納得がいかな
い。普通に考えれば、瀬戸市から持って出るのが当然ではないか。石原産業は、一般
常識に欠けている。三重県に持ち帰って欲しい」とのご意見を頂いた。ここに申し添
える。
(別紙)
知事記者会見
平成17年11月7日(月) 午前11時
http://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2005/1107.html#1
1.フェロシルト問題について <抜粋>
【記者】フェロシルトの撤去について、愛知県内で受入れということは考えられない
ということでよいか。
【知事】現在、考えておりません。
全体的な将来の姿がどういう形になるのかはこれからのことですから、先々のこと
は別として、当然、まず石原産業がそれを確保すること。その確保の場所はいろいろ
あろうと思いますね。それから、三重県におかれましても、やはりこうした、愛知県
だけではなくて、岐阜県もそうでありますけれども、こういうものの受入れについて
は十分御配慮をいただきたいと、そのように思っております。
もちろん石原産業が自社工場内に一定の場所、容量を確保されることは当然だろう
と思います。しかし、それで足らなければ、またいろんな対応があろうと思いますね。
それは石原産業がどのような手だてをされるのか、まだつまびらかになっておりませ
んので、愛知県云々というようなことは、まだ私どもコメントする段階ではないと思
いますが、県が率先してというようなことは今考えておりません。
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