2006年6月21日
愛知県知事 神田 真秋 様
瀬戸市長 増岡 錦也 様
瀬戸市から産業廃棄物「フェロシルト」を
全量完全撤去させてください!
<提出団体>「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない」会
瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク
愛知県知事が、石原産業(株)による産業廃棄物「フェロシルト」の不法投棄に対し、
2005年11月21日、全量撤去の命令を出したにもかかわらず、2006年6月14日現在、瀬戸
市北丘地区(余床含む)で約13万3000トン(総埋設量17万1000トン)、同市幡中地区で総
量約13万7000トンのフェロシルトが、未だ撤去されずに残っています(幡中地区では、
ようやく「フェロシルト」の袋詰めが始まったものの、4100トンが袋詰めされて現地に
置かれたままです)。
しかも、石原産業(株)は、幡中町分については、撤去するどころか逆に、有害な六
価クロムやフッ素の値が低いとか量が膨大であるなどを理由に、知事の撤去命令の取
り消しを求めて提訴しました。
また、一方で、「フェロシルト」の処理については、幡中町現地に「封じ込め」る(置
き去りにする)案や瀬戸市内の産廃処分場への搬入案などが石原産業によって検討され
ています。
「フェロシルト」は、そもそもチタン産廃であり、ウランやトリウム(半減期141億
年)といった放射性物質を含み、国の指針でも管理を必要とする廃棄物である上に、六
価クロムやフッ素という有害物質が製造段階で生成することも判明、加えて、不正に
農薬や有害工場廃液を混入させていたことが明らかになっています。愛知、三重、岐
阜県はいずれも産廃と認定し、撤去命令を出しました。
この有害な「フェロシルト」が膨大に不法投棄された状態を放置することは、廃棄
物処理法に違反するのみならず、将来に渡って起こるであろう地下水汚染、農作物被
害、地域住民の健康被害等を考えると決して許されるものではありません。
石原産業により、不正かつ不法に生成、持ち込まれた産業廃棄物の処理が困難であ
るとして、持ち込まれた場所と同じ場所で処理されることは、産廃排出者、不法投棄
者のやり得を許すことであり、認められません。また、同じ瀬戸市内産廃処分場での
処理は単なる付け替えに過ぎず、将来に渡って健全な生活環境に負担を与えるおそれ
があります。処理費用を少しでも安くしようとする安直な計画ではないかとの疑念も
抱かせます。なぜ、不正、不法な産廃投棄のツケを瀬戸市民が負わなければならない
のか納得できません。
大量の「フェロシルト」不法投棄により、堪え難い被害を被り、産廃の不法投棄の助長
を懸念する瀬戸市住民として、撤去命令のこれ以上の遅滞ない実行を求めると共に、
瀬戸市現地「封じ込め」や市内処分場への搬入による処分には、強く反対いたします。
知事、市長は、市民の健康で健全な生活環境を守る立場に立って、厳正な措置を実
行してください。
【申し入れ事項】
一、産廃「フェロシルト」の現地「封じ込め」案を認めないこと。
一、産廃「フェロシルト」の瀬戸市内及び県内の産廃処分場への搬入を認めないこと。
一、産廃「フェロシルト」の排出元である石原産業(株)に対し、
「フェロシルト」の全量完全撤去を求めること。
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