2006.6.7 瀬戸市議会 かとう徳太郎 一般質問 フェロシルト関連質疑

2.フェロシルトの早期全面撤去にどう取り組むのか

【1回目】

(1) 瀬戸市内のフェロシルト撤去状況はどのようになっているのか。
 撤去が完了した箇所も含めて、フェロシルトが埋められていたとされる市内4箇所の
現状はどのようになっているのか伺う。

<市民生活部長>フェロシルトが持ち込まれた北丘、幡中、広之田、南ヶ丘の4箇所のう
ち、広之田、南ヶ丘は関係者立会いの下、撤去を完了し、良質土で埋め戻しが終わっ
ている。
 北丘は、2月17日より撤去が開始され、5月31日現在、3万2120トン、を搬出、袋詰め
にして現地に置いてあるものが1328トン。幡中は、5月15日より袋詰めが開始され、5
月31日現在、現地保管が2789トン。以上が石原産業からの報告である。

(2) 品野・北丘地区フェロシルトが期間内に撤去されなかったことについて、市はど
のように受け止めているのか。
 本年5月にも、蛇ヶ洞川で赤い水が出たということを市は把握しているのか。また、
水田等への影響について、住民は不安を抱いているが、フェロシルトによる被害が出
た場合、市はどのような対応をするものと考えているのか伺う。

<市民生活部長>5月15日までに撤去できなかったことは遺憾である。県と共に、撤去を
求めて取り組んできたが、最終処分場を見つけられなかったことが期限内撤去ができ
なかったことの要因と考える。
 5月に蛇ヶ洞川で赤い水が出たということだが、市ではそのようなことがないように
注意を払っており、撤去開始以後、フェロシルトが流出したことは確認していない。
土壌、農業用水の検査を市と石原産業で行っているが、異常値は検出されていない。

(3) 幡山・幡中地区フェロシルト撤去に関し、石原産業が、撤去命令の取り消しを求
めて愛知県を提訴したが、市はこれをどのように受け止めているのか伺う。

<市民生活部長>市は4月15日に「幡中地区フェロシルト撤去方法等検討会」を立ち上げ、
石原産業も会議に入れ、撤去方法の研究をしていこうとする矢先、提訴されたのは全
く心外である。

(4) 幡山・幡中地区に日本最大規模のフェロシルトが搬入されたのは、砂防法に違反
した土砂採取が行われたためではないか。
 幡山・幡中地区では、フェロシルトが混入した土砂が百万トン以上あるといわれて
いるが、それが可能になったのは、当初の砂防地内工事申請と異なった土砂採取・埋
め戻しが行われたためではないかと考えるが、当初の土砂採取計画はどのようなもの
であったのか。また、石原産業が行い検討会に提出されたボーリング調査結果図面と
比較してどのような相違があるのか伺う。

<市民生活部長>砂防地内行為許可申請書には、約5ヘクタールで土砂採取を行い、掘削
の深さは10メートルと記載されている。石原産業のボーリング調査結果では、最大27
メートルまで掘削されていた。当初の申請計画との差異が生じている状況は確認して
いる。

(5) 市所有地に埋められているフェロシルトは、土壌汚染防止法に基づき、市は、前
地権者の「名鉄」に撤去を求めるべきと考えるが市の見解を伺う。
 
<市民生活部長>愛知県が産業廃棄物として措置命令を出しているので、土壌汚染防止
法の適用ではなく、廃棄物処理法に基づく措置と指導がされていると認識している。

(6) 幡中地区フェロシルト撤去方法等検討会について。
 「幡中地区フェロシルト撤去方法等検討会」を市は設置しているが、どのような経
過と経緯で設置したのか。また、検討方法について市主催で検討するのはなぜか伺う。
さらに、検討会開催に係る費用は1回につきどのくらいか(謝礼、交通費、手当等各々)
についても伺う。

<市民生活部長>幡中は、量が膨大、学校や住居も近くにある、周辺道路事情も良くな
い等、悪条件が揃っている。人体への影響を懸念する声も聞こえる。現況でのリスク
を評価した上、周辺の影響を最大限考慮した撤去方法の検討をする必要があると判断
した。学識経験者に報償費と交通費として、2人で1回開催ごとに約2万8千円を支払っ
ている。

(7) 5月23日の記者会見で、「フェロシルトを、市内の安定型処分場で処分してもやむ
を得ない」旨の市長の発言があったが、安定型処分場で処分できる根拠は何なのか伺
う。

<市民生活部長>安定型とは、安全で安定的に管理された処分場を意味するものであり、
フェロシルトは安定型処分場では処理できない。

(8) 市長は、石原産業に対し、製造者の責任を問い、フェロシルトの自社工場への撤
去をなぜ求めないのか伺う。

<市民生活部長>機会あるごとに早期全量撤去を要請している。四日市工場への搬出に
ついても、工場周辺住民と約束した車両台数制限の障害はあるが、処分先の確保など
の努力を続けるよう要請している。

3.公正で透明性ある市政推進を図るために瀬戸市附属の委員会、協議会は運営されて
いるのか。

(2) 「幡中地区フェロシルト撤去方法等検討会」がこの運営指針に基づき設置・運営
されているのか、以下の点について伺う。
1.設置期限の明示について2.委員の公募3.会議の公開4.資料の事前配布5.会議記録の
作成と公表6.設置にあたっての行政課長への報告

<市民生活部長>8月15日を撤去期限とする一部地域の直接関係する方々を対象にした検
討会であり、瀬戸市の付属機関としての扱いをしていない。


【2回目】

◇ 蛇ヶ洞川で赤い水が出たことだが、下半田川では、5月7日に大雨が降って、赤い水
が流れたことはメディアでも報道された。市の監視体制が不備だということではない
のか。直ちに地元に聞き取りをして、確認し、不備を正すべき。

<市民生活部長>雨が降るたびに現地を見に行っているが、地元の人に聞いても、流出
はなかった。誤解があったと認識している。

◇ 異常値がないというが、耕作をしてみえるみなさんは、これまで水門が木だったの
を鉄板に替えたり、雨が終わったら、すぐ堰を止めるなど、細心の注意を払っている。
もし、被害が出たら、どう対応するのか。

<市民生活部長>被害が出たときのことより、フェロシルトを流さないよう指導する。

◇ 幡中の違法造成だが、名鉄から土地を借りた八坂鉱山が申請では10メートル、のち
に13メートルに変更の申請を出している。北丘と同じ、浅野氏が八坂鉱山の管理部長
の名刺を持って石原産業に交渉していたことがわかっている。計画との差異があるこ
とは確認されたとのことだが、砂防法違反について、市はどう考えるのか。埋め戻し
の規制について、条例制定への取り組みはどうなっているのか。議会答弁で、近隣市
町と調整すると言っていたので伺う。

<市民生活部長>砂防については、県が権限を持っている。市は立ち入っていない。埋
め戻しの規制条例についての近隣市町との調整は、現在も継続中。

◇ 幡中の検討会だが、リスクがあると再三言っているが、石原産業がどのような計画
を出したのか。影響が出るものだったのか。危険性のない計画を持って来させて、そ
の計画に危険がないかどうかを検討するのが検討会ではないのか。

<市民生活部長>車両の通行等でリスクがあるのではないかと考えられる。

◇ 安定型処分場については、言い間違えたというのなら、記者会見や広報などできち
んと訂正をしてほしい。

<市民生活部長>安定型処分場で処分できるのかと聞かれたので、出来ないと答えた。

◇石原産業四日市工場に搬入するトラックの量が制限されているというが、石原産業は、
資材搬入に1日1800台を確保しており、それに加えて、撤去されたフェロシルト200台
の搬入を塩浜地区の人に了承してもらったという状況である。資材搬入に確保してい
る1800台を減らすことはできるはずである。

(↑注:このことについて答弁はなかったように思います。)

◇ 幡中の検討会は、一部地域にかかわるものだから、市の付属機関の指針には関係な
いということか?

<市民生活部長>地元との勉強会的なものなので。


【3回目】

◇ フェロシルトの問題は、石原産業の不正、違法製造が根本にある。むらがった人た
ちはいるが、一番悪いのは石原産業である。瀬戸市民は被害者。石原産業に全面的に
持って帰ってもらうのが筋。市長の安定型処分場発言については、言い間違えたとの
ことだが、愛知県がいいと言ったら、管理型でも瀬戸市内でもいいよなどという、市
民感情を無視した対応ではいけない。万博大成功と盛んに言ったのに、このようなこ
とでは困る。さっさと持って帰れと強い立場を表明することが求めれている。市民の
安全な生活を守り、安全な住み良い瀬戸市を実現するためにも必要だが、市長、どう
ですか。

<市民生活部長>三重県がリサイクル品に認定して、このようなことになったのは大変
遺憾である。県と市で共に撤去に取り組む。県の撤去命令は続いているので、撤去は
強行に進めていただく。

※最後に市長に対し、質問し、市長の回答を求めたが、市長が答弁せず、部長まかせの
ままで終わってしまった。

*他の議員からも、「市長が最後に答弁するのは当然」と発言を促すも、藤井議長が閉
会を宣言。談合についても、フェロシルトについても、市長はひとことも答弁しなかっ
た。延会手続き確認も混乱したまま終わり、傍聴した市民からも、「市長、答えてく
ださい」との発言が多数上がった。


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