【2006.6.7 瀬戸市議会 かとう徳太郎 一般質問 談合問題に関する質疑】
1回目の質問
1.市発注工事に関する談合事件について
(1) 市が発注した工事に関する談合事件で、瀬戸建設業協会会長・副会長が逮捕され
たが、このことに関し市はどのように考えているのか伺う。
<行政経営部長>極めて遺憾である。
(2) 平成18年3月定例会で総務部長は、「落札率高止まりは受注工事業者側の経済状況
が反映したもの」と発言しているが、その後の見解は変わっていないのか。また、現
時点においても「談合によるもの」という認識はないのか伺う。
<行政経営部長>落札率の高止まりは、業者の経済状況や様々な要因によるものと考え
る。高止まり一点を持って、談合という認識はない。
(3)市は、業者に対し、 談合により不当につり上げられた金額について損害賠償を求
める考えはないのか。「24件の郵便入札がすべて談合」と報道されているが、市は、
談合によってつり上げられた金額はどのくらいになると計算しているのか。談合等に
よる不正行為があったと認められた場合、その入札・工事請負契約はどのようになる
と契約書等でうたわれているのか。また、この場合、市はどのように対応するのか伺
う。
<行政経営部長>工事請負契約書では、談合等があった場合、契約金額の20%に相当する
額を賠償請求することとなっている。司法の判断を待って対応したい。つり上げられ
た額という計算はしていない。
(4) 「談合に協力しなければ、今後、瀬戸市の仕事は回さない」と森山会長らは圧力
をかけたといわれるが、市はこのような依頼を受けたり約束をしていたのか。
市の発注の工事において、なぜ、建設業協会の会長がこのような発言ができるのか。
入札工事に参加できなくするような合意を、市と建設業協会でしていたのではないか
とも受け止められるが、依頼があったり約束をしていたのか。また、市としても依頼
を受けて何らかの取り決めをしていたのではないか、伺いたい。新聞報道によれば、
市は、建設業協会会長らから入札制度についての要望を受けていたとされているが、
それはいつ頃何回受けたのか。また、その時、業者以外の同席はあったのか。さらに、
入札・発注工事に関して、市議会議員、県議会議員及び国会議員から依頼や要望を受
けたことはあるのか。市長は、建設業協会主催の会議等に出席したことはあるのか、
またそのような場合、どのような依頼・要望を受けたのか伺う。
<行政経営部長>依頼があったり約束をしたりはしていない。入札に関する要望は、平
成17年5月23日に提出されて、10月11日に再度同様の申し入れがあったが、業者以外の
同席はない。国会、県会、市会議員から、入札、工事遂行について問い合わせはある
が、依頼や要望はない。市長は、昨年1月、瀬戸建設業協会の新年名刺交換会に出席し
たが、依頼や要望は受けていない。
(5) 談合防止策について市はどのように取り組むのか。
入札適正化法、独占禁止法、官製談合防止法等に基づき、例えば、市は今後、入札
監視委員会の設置、落札率95%以上高値落札工事への再調査等、具体的な談合防止策を
構築していくのか伺う。
<行政経営部長>あらゆる観点から入札制度全般について検討を行う。入札監視委員会
の設置は今後の研究課題である。
2回目の質問
◇極めて遺憾と言いながら、高止まりだけでは談合ではない、入札監視委員会の設置も
今後の研究課題との矛盾する認識は理解し難い。市民にとって、市民が納めた税金に
よって発注される公共工事で談合がもたらすものは、どういうものか?
<行政経営部長>談合は悪であり、許されざる行為である。
◇高止まりだけを持って、談合とは認識しないと言うが、既に一件は起訴された。これ
を談合ではないと、検察の見解を否定するのか?
<行政経営部長>予定価格が公表されているので、高止まり一点のみで、談合とは考え
ない。
◇損害賠償請求について、工事請負契約書31条で談合その他不正行為にかかわる解除に
ついて定めており、ここでは、公正取引委員会の措置があった場合と刑法の刑が確定
したときとある。司法の判断を待つのではなく、こちらから、公取委に談合の報告を
し、判断を仰ぐことをするべきではないか。やる気があるのか?
<行政経営部長>司法の判断を待つという意味は31条1項第4号で刑法の刑が確定したの
ちに、損害賠償請求をするということである。談合情報があれば、瀬戸市談合情報マ
ニュアルに沿って、入札調査委員会を開いて、必要があれば公取委へ通報する。
◇建設業協会会長から要望、陳情はあったというが、どういう回答をしたのか。
<行政経営部長>文書による回答はしていない。
◇建設業協会会長が瀬戸市の公共工事を仕切っているかのような発言をしているが、市
として、そのようなことは認めないという積極的な措置をとるべきではないか?
<行政経営部長>そのような発言について、事実確認していないので、市としてはコメ
ントのしようがない。
◇議員からの問い合わせがあったというが、どのような問い合わせか?議員のあっせん
利得は禁じられている。担当課以外の上司などと電話や面談で行われたのか、どうい
う記録が残されているのか。
<行政経営部長>問い合わせは、通行止めの箇所や工事箇所などの内容で、その都度説
明している。記録はとっていない。
◇談合防止に向けて、あらゆる角度から検討すると言いながら、なぜ、入札監視委員会
設置が研究課題になるのか。あらゆる角度から検討とは、具体的にどういうことをや
るのか。庁内だけでなく、外部の専門家、法学者、オンブズマン、市民、事業者等を
入れて検討委員会をやるということがあらゆる観点からの検討ではないのか?
<行政経営部長>5/26に入札制度の検討委員会を持ち、郵便入札の改善について検討し
た。業者を集めない、特定させない、職員を会わせない、質問書や回答の方法を変え
る、入札参加者の拡大をはかる、事後公表にする、誓約書の提出、指名停止期間の拡
充について検討。外部から検討委員会に入ってもらうことは、現在、考えていない。
3回目の質問
◇市民団体からの要望で、瀬戸市はいつから“談合都市”になったんだと言われてしまう
ような状況で不信が渦巻いている。談合防止策として郵便入札を取り入れて談合があっ
たのに、外部委員を入れないままの検討で改善できるのか。「談合が悪」というなら、
市民の不信と憤りを解消するために、市長の談合問題に対する姿勢が問われている。
ぜひ市長のお考えを伺いたい。
<行政経営部長>議員の意見は高止まりが談合とのことだが、高止まりだけでは談合と
は捉えていない。
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*他の議員からも、「市長が最後に答弁するのは当然」と発言を促すも、藤井議長が閉
会を宣言。談合についても、フェロシルトについても、市長はひとことも答弁しなかっ
た。延会手続き確認も混乱したまま終わり、傍聴した市民からも、「市長、答えてく
ださい」との発言が多数上がった。
■なお、昨年5月23日の建設業界の要望は、市長室で行われ、市側からは、市長、建設
部長、秘書課長等が出席していることが確認されました。
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