<ゴンドラ支柱建設差し止め訴訟判決にあたってのコメント>

 万博協会の会場間観客輸送方法にゴンドラが採用され当町の真上を通過するルートを希望するという情報を得て、ゴンドラ白紙撤回運動を町内会満場一致で決定、その旨を県知事に提出してはや4年、その総意を支えにゴンドラ差し止め訴訟を始めてはや足掛け3年、多くの方々からご支援、ご協力を賜りまことにありがとうございました。
 そもそも私たちが裁判という手法をとらざるをえなくなったのは万博協会に交流の意志がないこと、特に地域住民との交流の意志がないことが原因であります。プライバシー問題などももちろんですが「この万博は環境博」とおっしゃりながらゴンドラの支柱のひとつを当町を取り囲む土砂流出防備保安林に建設する必然性を説明してほしいとのこの町の何十回もの要望に対し協会は「この問題は解決済み」と強行に計画を推し進めました。
 「自然の叡智」「世界大交流」と銘打った「環境博」のゴンドラ支柱が将来この町に土砂災害などの人格権侵害をもたらした時、この町のこの子供たちを助けるためにはどうしたらよいかとみなで考えた末の提訴であります。
 裁判を起こすどころか裁判所がどこにあるかも知らなかった一般市民の本人訴訟に対し、裁判官をはじめ裁判所のスタッフの方々は親切でありました。また未来を見据えたこの提訴は、現実の私たちの住環境をも助けました。大変な騒音など伴うヘリコプター使用の工事は土曜日はやめてほしいと何度も懇願しましたが「すでに決まったことなので変更できない」と万博協会に一蹴されましたので「準備書面に書いて裁判長にも考えていただきます」と申し上げたらその直後、ヘリコプターのフライトスケジュールが変更になり土曜日のヘリコプター飛行予定は以後一切なくなるということがありまして、この町の土曜日の住環境は守られました。又保安林内工事で万博協会が違法工事を行った時、県当局が厳しく対応してくださったのも係争中の賜物かもしれないと思っております。
 しかし、判決自体はわれわれ原告には厳しいものになりました。判決文を熟読玩味し、今後の行動を皆で考えて行きたいと思います。
                                      以 上  
   2005年3月22日  原告選定当事者 岡田みどり

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