放射性汚泥を調査 土岐、瑞浪の山林で 市民団体 /岐阜
2005.02.06 名古屋地方版/岐阜 23頁 岐阜版 (全595字)   
 酸化チタンの製造過程で出た放射性物質を含む汚泥が土岐市や瑞浪市の山林に野積みされていることが分かり、市民グループのメンバーらが5日、現地を調査した。  
 調査をしたのは、「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」代表の兼松秀代さんら市民グループと両市の市議、愛知県瀬戸市の市議加藤徳太郎さんら十数人。瀬戸市でも山積みされているのが見つかり、加藤さんらが愛知県などに対策を要請しているという。  
 兼松さんらによると、汚泥は「フェロシルト」という物質。90年代初めごろ、国内の酸化チタンメーカーが排出した廃棄物の汚泥などから放射線が検出され、問題化した。が、科学技術庁、通産省など4省庁が合同でメーカーなどに新基準を盛り込んだ通達を出したうえで、「工場や処分場内などで1年間に浴びる放射線の線量が1ミリシーベルト以下なので、安全上問題がない」とする事実上の安全宣言をした経緯がある。  
 この日確認した野積み場所は、土岐市泉町定林寺の国道21号わきの斜面と瑞浪市稲津町小里の民家に隣接した斜面の2カ所。どちらも覆土されていたが、雨で流された赤い汚泥も確認された。市民グループによると、瑞浪の現場では、自然界を上回る放射線が検出され、国の規制値を超える所もあるという。  
 市民グループは調査結果をまとめ、7日にも東京に出かけ、管轄省庁に対し、放射性汚泥物質の扱いの改善と排出業者の指導を徹底するよう要請する予定だ。  
朝日新聞社              
 

 埋め立て用リサイクル土 フェロシルト野積み現場視察 瑞浪の市議ら 
『放射性物質含み 環境に影響心配』
2005.02.06 朝刊 18頁 東濃A版 (全461字)   
 【岐阜県】瑞浪市稲津町の私有地に放射性物質を含むリサイクル土「フェロシルト」が野積みされているとして、この問題に関心を持つ土岐市、瑞浪市の市議会議員や市民団体メンバー二十人が五日、現地を視察した。
   フェロシルトは、白色顔料として使われる酸化チタンを作る時に出た廃液を再利用したもので、三重県四日市市の化学メーカーが開発し、埋め立て用の土として販売。三重県がリサイクル推奨品として認定している。酸化チタンの原料に放射性物質が含まれているため、国の基準値以下ではあるが、フェロシルトも放射性物質を含んでおり、環境への影響を心配する声もある。
   瑞浪市稲津町の現場では二〇〇二年から、土地の所有者である名古屋市の男性が、宅地造成のためとしてフェロシルトを搬入。土砂災害の危険があるため県や同市が対策を取るように指導をしていた。
   この日は、瑞浪市の現場と、フェロシルトと思われる土が野積みされている土岐市内の現場を見学。参加者は「放射性物質を含み、環境に悪影響を及ぼす心配があるので、早急に対策をとる必要がある」と話していた。(小西数紀)
中日新聞社  

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