平成17年1月26日

愛知博覧会問題対応・三団体事務局各担当 御中

 このたびは御回答をありがとうございました。拝読し県、市や博覧会協会とは異な
る意のある回答と捉えましてお礼を述べると共にオオタカ問題を主に貴事務局のお考
えを伺います。

 ゴンドラ7号支柱建設では大きな違法工事が行われてしまい、一時工事中止処分と
なりました。当地の植生は破壊され復旧は困難です。オオタカへの悪影響が現実のも
のとなってしまいました。杜撰な間違いだらけのアセスメントもあったように博覧会
協会はまず事業・工事ありきの姿勢で、非科学的調査と違法工事で事業を進めていま
す。

 回答には検討会全体の認識としては、調査結果を見る限り今のところ繁殖活動に直
接悪影響を与える情報はないと判断したとの内容がありました。平成16年も3羽の
オオタカの雛が巣立ったという結果から、この考えを正当化され保護策を棚上げさせ
たままにされるおつもりなのでしょうか。上之山町の山林はオオタカの営巣中心域を
含む高利用域である事が、今までの調査で明らかであり、この認識のもとにゴンドラ
計画の見直し保護策を講じる必要があると考えます。この区域ではゴンドラ支柱建設、
運行はオオタカ絶滅への道なのです。

                 質  問

@オオタカに関する諸情報や調査結果のオオタカへの影響の判断基準は何によってい
るのですか。(オオタカ保護マニュアルではないのか。)
A上之山町の山林の3本の営巣木のある区域をオオタカの営巣中心域高利用域と認識
されていますか。
B早急にオオタカ検討会等を開き、諸工事の見直し、新たな保護策を講ずる必要があ
りませんか?

 補足

 上記にあるように保安林内にて重大な違反が発覚し(資料1)本工事は2ヶ月とまり
ました。よって10月初旬に終了予定だったヘリコプター使用の第7支柱建設工事は
12月8日まで延びてしまいました。この日は朝の9時48分から午後4時近くまで
20回近く高度50メートルほどの低空での作業でしたので(資料2、3)当町住民
は終日落ち着けませんでした。しかしオオタカに対しても影響はないのでしょうか?
オオタカの営巣期は1月からとの事ですが12月だからといってこのような大変な爆
音と風圧を発生するヘリコプター低空飛行は、オオタカの中心営巣域にて基準値以内
なのでしょうか?花火も使うとの事ですが閃光は猛禽類には影響はないのでしょうか?
11月には同じ第7支柱建設現場にて軽油無届露天設置も発覚しました。(資料4)
協会は引火性液体である軽油を無届で大量に当町の山中に放置し、さらにブルドーザー
やユンボなどの重機に撚料として軽油を注入するとき土壌を含め周辺環境に対しなん
の保護策も行わなかったというものです。環境省自然環境局や大臣官房政策評価課の
方々も戸惑っておられました。

 これではあんまりです。私たち人間は言葉を使い抗議できますが、オオタカやこの
地に植生する絶滅危惧種たちの声なき声をどなたが代弁していただけるのだろうか?
そもそも、手付かずであったこの地に開発の手を許したことで傷口が広がりました。
瀬戸会場の入場者を制限すればゴンドラなど不必要です。現に「森の体験プログラム」
は1日500人というではありませんか。このゴンドラ建設は万博協会にとっては
「踏み絵」でした。真に環境博をなさるご決心ならどんな誘惑があったとしてもオオ
タカの中心営巣域であり、その他絶滅危惧種の生息域であり、土砂流出防備保安林で
あり、土石流危険渓流でもあるこのような森に手はつけなかったはずです。
(更に昨年度発表された国土地理院の都市圏活断層図で万博会場下の推定活断層がわ
かりましたが当町直下にも同活断層があり、更に当町全体が地すべり地域とされまし
た。ゴンドラ第8支柱は地すべり地域に隣接して建設されてしまったのです。)

 このような万博事業であっても環境三団体は参加なさるのですか?

 万博のにぎわしい足音が近づいて参ります。開会式には皇太子ご夫妻もいらっしゃ
るとの事。年末恒例の諸番組にも2人の(?)万博キャラクターが出ていました。1
2月に予定されながら違法工事等で遅れていたゴンドラの試運転も本格化してきまし
た。(資料5)しかし万博はただの通過点です。旧万博計画の真の目的が新住事業で
あったようにこのゴンドラ計画も次の大きな開発計画の布石ではないのかと疑わない
わけには参りません。(資料6)オオタカなどの声なき隣人である絶滅危惧動植物の
保全のためにも当町住民は今後もこの上之山の森を守る姿勢を貫きたいと思っており
ます。貴事務局にもご理解いただければと思います。

 「野生生物保護基本法」の早期の成立をお祈りいたします。

                              以上

               瀬戸市上之山町3丁目町内会ゴンドラ(環境)対策委員会
                              委員長 岡田みどり

(*文中の資料につきましては省略させていただきました。)

 
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