<笹島連絡会のちらしより2005.1.25>
「おれたちはゴミではない、人間だ!」
という叫びが、聞こえますか?
−白川公園野宿者の強制排除に強く抗議します−
1月24日、名古屋市が職員やガードマン600人と警察官多数を使って、白川公園野宿
者7人のテント・小屋を強制的撤去し、話し合いによる解決を破壊したことに、ここ
に抗議・弾劾します。
野宿者と私たちが要求してきた主なことは、次のようなことです
1.立ち退きが必要とされる場合は、国際人権規約(誠実かつ十分な話し合いを行う
こと)、ホームレス特別措 置法(施策との連携が必要)、憲法・生活保護法(生存
権保障)などをよく説明し、実施すること、
2.緑政土木局による巡回はシェルターへの入所強要であり、自己決定権を否定する
ものなので、シェルターを経由しない居宅保護を含む諸選択肢を提示し、自己決定を
まつこと、
3.野宿の最大の原因は、失業・失職であるので、就労の場の創出を行うこと、など
です。
名古屋市のやり方に問題があることが確認され、話し合いによる解決は進みつつあ
りました
1.11月30日に初めての話し合いが持たれ、健康福祉局は野宿からシェルターなどを
経由しないで居宅保護と なる道もあることを認めました(緑政土木局はこのことを
野宿者に説明をしてこなかった)。
2.12月15日の話し合いでは、緑政土木局は今までのやり方に問題があると認め、シェ
ルターを経由しない居 宅保護も含む施策に関する説明リーフレットを、健康福祉局
と共同で1月中につくることを、確認しました。
3.1月11日の話し合いで、私たちからリーフレット案に対する問題点やその使用方
法について提起し、名古屋市は検討することを約束しました。
4回目の話し合い申し入れに、「1月24日に何とか回答する」としながら、行政代
執行を行った!
私たちは1月15日付で次回の話し合いを要請し、健康福祉局に何度か電話をしたと
ころ、「緑政土木局と連絡しておく」、「緑政土木局と連絡が取れていない」とし、
1月21日(金)には「まだ連絡が取れていない。来週(24日)には返事をする。緑政土
木局がよければ健康福祉局としては話し合いをしてもよい」ということでした。
その日緑政土木局に電話をして話し合いの件はどうなったかときくと、「別室で会
議中。用件は伝える」とするものの連絡がなく、10分か15分後に電話をすると「二人
とも退庁した」とのこと。
ところが24日になると、行政代執行だったのです。 こういうことが許されていい
のでしょうか。
「生活保障のためでなく、テント・小屋をつぶすためのシェルター」をどう思いま
すか?
名古屋市のシェルターは、テント・小屋をつぶすための受け皿といえます。なぜな
ら特定の公園でテント・小屋をもつ野宿者を入所対象にし、緊急援助を要する小屋を
持てない野宿者を入所させないのですから。
こんな位置づけのシェルターに入れと言われて、気持ちよく入れますか。誰でも反
発したくなるのではないでしょうか。圧倒的に多くの野宿者は、誰もが入れるシェル
ターにすべき、あるいはテントがない人を優先すべき、と思っているのです。これが
当たり前のことではないでしょうか。
日頃は公正な運用をせずに、テントの撤去のためには居宅保護を認める、というの
では問題!
野宿者に違法な生活保護運用を行い裁判でその誤りを指摘された行政は、通知上で
ある程度改善しますが、緑政土木局や福祉事務所は、施設を経由しない居宅保護も可
能であることを説明しようとしませんでした。その誤りを私たちに指摘された名古屋
市は、ここ1ヶ月くらいは居宅保護をかなり認めはじめたのです(万博開催を前にし
て白川公園のテントを一掃するためでしょうか)。
必要なことは、名古屋市が野宿者に今までの誤りを、きちんと公に認めることです
今まで野宿者を人間として尊重せずに退去を迫り、生活保護の公正な運用・説明も
せずにやってきた名古屋市が、何事もなかったかのように、1ヶ月前にやっと生活保
護の話をしても、不信感は拭えるものではありません。
野宿者の人間としての尊厳を認めること、個人の尊重(憲法13条)が、問題解決の
前提ではないですか。
話し合いによる解決を破壊し、不信感を増幅させる行政代執行は、最悪の「解決」
方法です
その上に24日の力ずくの追い出しですから、ますます行政に対する不信感は増幅さ
れ、問題の解決は困難になります。これは白川公園野宿者だけのことではないのです。
すべての野宿者に関わることです。
名古屋市の野宿者に対する姿勢を改めさせるために、私たちはたたかい続けます
みなさん。このままでは解決になりません。いまこそ、声を出してください。行政
代執行に対する抗議を名古屋市に行って下さい。私たちに対する意見もください。お
願いします。ありがとうございました。
(名古屋市への抗議先)緑政土木局緑地管理課指導係
電話:052−972−2473
(私たちの連絡先)名古屋市中村区則武2-8-13
笹島連絡会(この件に関するFAX:052-451-4585)
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