環森第09−235号
                                   平成17年1月17日

 ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク  様
 瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク  様

                           三重県知事 野呂 昭彦

三重県リサイクル製品利用推進条例の認定製品「フェロシルト」に関する公開質問書
  について(回答)
 平成16年12月17日付けでご質問のありましたこのことについて、別紙のとお
り回答します。

  事務担当:環境森林部資源循環室 砂田 TEL:059-224-2385  FAX:059-222-8136

T.リサイクル製品の開発について
@製品開発に、三重県はどのように関わったか。
(回答)フェロシルトの製品開発に三重県が関与した実績はありません。

U.フェロシルトの出荷量と利用先について
A三重県は、石原産業からの出荷量と行き先、地目や利用目的を把握しているか。
(回答)石原産業鰍ゥら販売実績として次の6件の実績を聴取しています。
1)発注者:セントラル興産株式会社
  施工場所:愛知県瀬戸市市場町
  工事件名:土砂採取跡地路盤整備
  施工量:約140,000t
  施工時期:平成13年11月〜平成15年3月
  跡地:植樹実施
2)発注者:諸岡建設株式会社
  施工場所:三重県いなべ市藤原町鼎
  工事件名:土採跡造成工事
  施工量:約38,000t
  施工時期:平成15年4月〜平成17年1月(予定)
  跡地:植樹実施
3)発注者:丸中建材
  施工場所:三重県四日市市垂坂町
  工事件名:土採跡埋戻し工事
  施工量:約75,000t
  施工時期:平成14年1月〜平成14年8月
  跡地:植樹実施
4)発注者:個人施工
  施工場所:三重県亀山市辺法寺町1882他
  工事件名:茶畑用造成工事
  施工量:約70,000t
  施工時期:平成13年12月〜平成15年1月
  跡地:茶畑
5)発注者:個人施工
  施工場所:岐阜県瑞浪市稲津町
  工事件名:土採跡埋戻し工事
  施工量:約1,000t
  施工時期:平成14年6月
  跡地:植樹実施
6)発注者:個人施工
  施工場所:愛知県瀬戸市北丘町100番地の1
  工事件名:土砂採取跡造成工事
  施工量:約73,300t
  施工時期:平成16年6月
  跡地:防災工事実施中

Bそのうち、愛知県に出荷された量はどれだけか。
 (回答)約21万3千tと推測されます。

C石原産業から「愛知県の公共事業にほとんど使ってもらっている」と直接2年前に
聞いているが、具体的な事業名は。
 (回答)把握していません。

V.フェロシルトは、廃棄物かリサイクル製品かについて
Dリサイクルの名を語った不法投棄まがいの事例が増えているが、
  リサイクル推奨品として認定した三重県は、フェロシルトが製品として適正に流通
しているかどうかの調査はしているのか。500円/tの単価で、製品としての適正
に流通するかの審議はされたか。

(回答)三重県の認定リサイクル製品は、県内で発生した再生資源を用い、県内で生
産されたリサイクル製品について、事業者の申請に基づき、その品質、安全性等が一
定の基準に適合している場合に認定を行うものです。このため、その製品の販売単価
が適正か否かの審査は行っていません。

E瀬戸市では、ケナフが枯れている。植物育成については、稲を30日育成した結果
のみで効果有りの評価がされているようであるが、他の植物を長期的に育成した事例、
100%フェロシルトで育成した事例はあるのか。

(回答)平成14年度から平成15年度に含鉄資材(MT酸化鉄等)の花壇苗、野菜
苗、菜園での農業用の利用技術に関して、共同研究を行いました。

F瀬戸市の野積みは、フェロシルトの適切な用途と考えるか。
(回答)今回の瀬戸市の事案は、施工業者が適切な施工方法をとらず、多量のフェロ
シルトを過剰に野積みしたために発生したものと考えています。

W.放射線測定と環境汚染
G放射線物質が含まれているという製品の性格上、むき出しで使うことに問題がある
ことは瀬戸市の事例で明らか。流通させる場合にどのような条件が付されているか。
(回答)当該リサイクル製品は、空間放射線量率等の測定を行い、規格に適合しない
場合は出荷しないこと等の石原産業鰍フフェロシルトに関する品質管理書を確認した
うえで、埋め戻し材としての用途で認定しています。

H瀬戸市では、野積みのフェロシルトから0.26μSv/hの放射線が測定されてい
るが、この数値への三重県としての評価は。
(回答)瀬戸市役所の調査結果で、0.26μSv/hが測定されましたが、当該施工場
所は、通常、人が長期間立ち入らない場所であること、愛知県が施工業者に対して、
覆土対策等改善を指導していることから、問題が生ずるものでないものと判断してい
ると聞いており、瀬戸市役所の判断は適切であるものと判断しています。

I平成14年には、瀬戸市のデジタルタワー建設地の埋め戻しに使われた経緯があり、
同年8月29日に、石原産業ならびに石原テクノより、「石膏等が若干溶け出すこと
があるので、使用する場所により判断が必要」と説明を受けたことがある。使用環境
や持ち込み量についての評価はされたか。
(回答)フェロシルトは、粘土質で粒子が細かく、又、粒径がそろっているシルト質
のため、盛土等の用途には適していません。このため、リサイクル認定としての用途
は埋め戻し材として認定しています。また、持ち込み量についての制約などは設けて
いません。

X.リサイクル製品として認定した根拠と流通後の三重県の指導について
J放射性廃棄物という特性から、「三重県リサイクル製品利用推進条例認定検討会」
での4名の委員(教授)のうち2名から放射線に対し、条件を付すよう意見が出てい
る。また平成15年9月12日の検討会では、「販売する際に、購入者に放射線のこ
とを十分説明するよう」事業者に対して事務局が指示することとなっている。その後、
石原産業にはどのように伝えられ、流通段階・納入先・関連自治体・住民等に対し、
放射性物質であることの告知の徹底は、どうなっているか。県はどのように確認して
いるのか。
(回答)平成15年9月12日の認定検討会の決定を受けて、石原産業?に対して直
ちに県庁内でフェロシルトの品質管理を徹底することと販売する際には、購入者に放
射線のことを十分説明するよう指示しました。
 更に、今回の事例を受けて、石原産業鰍ニ購入者との間でフェロシルトが放射線物
質を含むこととその取り扱いについて十分説明を行い、その旨書面で記載することと
必要に応じて放射線測定をするよう指導しています。


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