2004年10月8日

(財)世界自然保護基金日本委員会 自然保護室 様
(財)日本自然保護協会 様
(財)日本野鳥の会 様

       瀬戸市上之山町三丁目町内会            会長 山本 照彦
       瀬戸市上之山町三丁目町内会ゴンドラ(環境)委員会委員長 岡田みどり

              質 問 状

 
日頃は日本の自然の保護保全へのお働き誠にご苦労様です。
 私たちは2005年日本国際博覧会の瀬戸会場と長久手会場の間に位置する町である瀬戸市上之山町3丁目に住まう者であります。愛知県が万博を瀬戸市で開催するとしてから年月は久しくすぎておりますが 当町住民は万博開催の必然性も 海上の森で開催する必然性も 現在の2会場に変更した必然性も何も説明されぬまま万博会場工事に伴う騒音増加 交通渋滞増加 空気汚染などの住環境悪化を余儀なくされております。
 しかし当町は「この博覧会は環境を守り世界平和のためになる」等の万博協会の言葉を信じ万博開催自体に対し中立を守るという犠牲を払うことにいたしました。しかし万博2会場間観客輸送ゴンドラ計画については下記の理由で町内総意で反対せざるを得ません。

1,当初の万博の計画にはなく唐突に浮上してきたものであり必要性がない。
 (当初はシャトルバスのみで行うと協会は明言していた。)
2,住民への説明義務が今だ果たされておらず アセスメントも不備である。
3,このゴンドラルートでなければならない根拠が不明である。
 (・このルートでは住宅に間近であるので治安を含むプライバシー侵害のおそれがある。
  ・このルートでは当町ただ一つの出入り口上空を通過するのでドライバーの前方不注意が予想され交通事故増加のおそれがある。
  ・このルートではゴンドラ支柱が町内の土砂災害危惧のある保安林に違法に建設されるため土砂災害に対し長期にわたりさらなる危惧を抱くことになる。
  そして
  ・
このルート近くに絶滅危惧種のオオタカが営巣している。)
 むしろこのルートであってはならないルート設定であります。

 万博会場を現在の2会場に変更するに当たり貴会が「承認」を与えたことは万博協会事業すべてに「お墨付き」を差し上げたと理解すべきでしょうか?協会は当町のオオタカの営巣地がゴンドラルート間近に存在すると知りながら「工事の時期をオオタカの営巣期からはずしたので問題はない」としましたが本当に問題はないのでしょうか?今年は三羽の雛が巣立ちました。当町の森の生態系が豊かで多様な証であると思います。つい先日もオオタカが当町上空を空高く旋回しておりました。が ヘリコプターによるゴンドラ支柱工事が始まった頃からめっきり姿を見せるのが減りました。来年の営巣期にはバードストライクもあり得る高さで1日5000回近くゴンドラの8人のりのキャビンがオオタカの嫌いな金属音等を伴って森を分断するようなルート上を通過します。このような環境でも万博協会は「オオタカにとって問題はない」としましたが貴会も同意なさるのでしょうか?貴会の後押しが万博二会場を実現させゴンドラ計画を生みました。しかしこのゴンドラ計画はオオタカにとっていかがなものでしょうか?このような開発計画から絶滅危惧種を助けるのは貴会の使命の一つではなかったのですか?日本国国民である当町住民は自分の立場を日本語で訴える場を持っています。しかし言葉なきオオタカたちの立場を誰が代弁し助けてあげられるのでしょうか?
(しかも この9月24日には第7支柱の万博協会による違法工事発覚により工事中断となっております。このような事実をどう思われますか?)

                 
質 問

1,この絶滅危惧種オオタカの営巣地直近を通る本ゴンドラ計画に対し貴会はどのような評価をお持ちでしょうか。
 又それは「自然の叡智」をテーマにするこのイベントにふさわしい施設とお考えになるでしょうか?

2,万博協会は終了後はゴンドラを撤去し森林に復活させるとしていますが絶滅危惧動植物のオオタカやシラタマホシクサ、カザグルマなどの傷ついた当町の自然環境復旧のためどのような活動をしたら良いのでしょうか?

 回答を文書で10月29日までに下記へいただきたく思います。


 
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