平成16年5月10日

愛知県知事 殿
愛知県尾張農林水産事務所長殿

                              上之山町3丁目町内会会長   山本照彦
             上之山町3丁目町内会ゴンドラ(環境)対策委員会委員長 岡田みどり

                    申入書

 日頃は御公務御精勤ご苦労様です。
 2005年日本国際博覧会会場間観客輸送ゴンドラ計画についてはご承知の事と存じます。すでに平成15年12月26日に国土交通省の事業認可もおりているこの計画は しかし当町内にある土砂流出防備保安林(地番2−1,237)内の改変を必要としております。万博協会はかねてより「保安林解除ではなく 一時作業許可で行う」と言って参りましたが 今まで許可のおりた主な保安林内一時作業は 主に枝払い、看板の設置が主であり、もっとも規模の大きな作業の一つとしての某大学の気象観測塔も 周辺の大規模な伐採は伴わず 土台も簡易なものであり ましてや1時間1800人もの人命にかかわるようなものではありません。
 そもそも 保安林解除がない以上 保安林内作業はまず保安林の保護育成のためのみの作業であるべきです。又、当町内の保安林は「土石流危険渓流」という土砂災害危惧地でもあります。本建設が当町に土砂災害をもたらすきっかけになりかねません。

 ゴンドラ支柱建設のような大規模な工事(協会は当初 資材運搬のため工事用道路を作るとしていました。)は本来「保安林解除」してからおこなうものであり もし本建設を「一時作業許可」で行うことをお許しになれば 保安林内で 大きな工事が簡単な審査で、短期間に許可がでる、しかも2年ごとの更新可能であるので恒久施設建設も不可能ではない という「ぬけみち」があることを示唆する事になります。
 これは「保安林制度」のあり方の根底を揺るがせかねません。宮崎県のシーガイア、岐阜県での産廃業者「善商」の例などを見ても 現在ですら保安林制度をないがしろにする傾向が官民共にあります。「環境博」と銘打った万博、その万博のゴンドラ建設をきっかけに 今まで環境を守ってきた「保安林制度」が骨抜きになるかもしれないとは皮肉な事です。

 ゴンドラ建設にあたっては「森林法」を厳しく遵守するべきです。
「一時作業許可」での建設はお許しにならないよう申し入れいたします。

 尚、回答は5月28日までに文書にてお願いします。

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