15環政第321号
平成16年3月22日
財団法人2005年日本国際博覧会協会
会長 豊田章一郎 様
愛
知 県 知 事
「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)
報告書(その3)」について(通知)
このことについて、2005年日本国際博覧会環境影響評価要領(平成10年3月27日通商産業大臣官房商務流通審議官通達)T第1章第5節第22第4項の規定に基づき、別添1のとおり助言します。
なお、関係市町長の助言は別添2のとおりです。
担 当
環境部環境政策課
環境影響評価グループ
電 話 052-954-6211(ダイヤルイン)
ファックス 052-954-6914
別添1
2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その3)に対する助言
事業者は、以下の事項について十分に検討し、事業を実施すること。
1 共通事項
事業者は、事業の実施に際して、平成14年5月24日付けの評価書(案)に対する知事意見、平成15年4月25日付けの報告書(その1)に対する知事助言、平成15年10月27日付けの報告書(その2)等に対する知事助言を踏まえることはもとより、報告書(その3)に記載されている環境保全措置を徹底することで、環境保全について十分に配慮すること。
また、環境への影響に関して新たな事実が判明した場合などにおいては、必要に応じ適切な措置を講ずること。
2 大気質、騒音
(1)工事の実施に当たっては、近傍に住宅、学校等が立地しているところもあることから、建設機械の配置や作業時間に配慮するとともに、低公害型の建設機械を積極的に導入すること。
(2)工事の実施に当たっては、工事用車両の走行に係る浮遊粒子状物質や騒音の予測結果が環境基準値を上回るところもあることから、工事用車両に最新規制適合車などを積極的に導入すること。
(3)駐車場の供用に当たっては、近傍に住宅、学校等が立地しているところもあることから、騒音について昼夜を問わず十分に配慮すること。
(4)駐車場を利用する自家用車の誘導に当たっては、本報告書で想定している経路の道路状況などを勘案し、必要に応じ、より適切な経路の利用について関係機関と調整すること。
また、駐車場周辺での交通渋滞の発生、生活道路への進入等を防ぐために、適切な誘導方法、駐車場運営方法等について、十分に検討するとともに、関係機関と調整すること。
(5)シャトルバスの走行に係る浮遊粒子状物質や騒音の予測結果が環境基準値を上回るところもあることから、シャトルバスに低公害車や最新規制適合車を積極的に導入すること。
(6)工事中及び供用時の予測結果が、環境基準値を上回るところもあることなどからモニタリング調査を行い、必要に応じ適切な措置を講ずること。
3 水質
(1)工事中の降雨に伴う流出水については、沈砂池の維持管理を適正に行うとともに、濁りの状況を把握し、必要に応じ適切な措置を講ずること。
(2)供用時に浄化槽を設置する駐車場については、地域特性及び利用者数に見合った浄化槽を設置し、その維持管理を適正に行うとともに、放流先においてモニタリング調査を行い、必要に応じ適切な措置を講ずること。
4 動物
(1)尾張旭駐車場計画地で生息が確認されたダルマガエルの保護及び生息環境の保全について、基本設計の見直しも含め回避、低減策を検討すること。
また、ダルマガエルの移動や生息環境の創出を行う場合には、専門家の指導や助言を得て、適切に行うこと。
なお、博覧会終了後のダルマガエルの保全について、関係機関などと十分に調整すること。
(2)長久手インター駐車場計画地で確認されたカヤネズミのための保全措置の実施に当たっては、営巣を阻害しないよう、カヤ場の創出時期及び規模について、専門家の指導や助言を得て、適切に行うこと。
(3)長久手インター駐車場計画地で確認されたツマグロキチョウのための保全措置の実施に当たっては、産卵を阻害しないよう、産卵場所の創出時期及び規模について、専門家の指導や助言を得て、適切に行うこと。
5 その他
(1)駐車場の実施設計に当たっては、地域特性を勘案した緑化や施設整備を行うこと。
また、鋪装については、気温緩和機能を有する方法や地下水位への影響を緩和する方法を検討し、可能な範囲内で採用すること。
(2)関係市町長からの助言に対しては、適切な対応を図ること。
(3)住民などからの環境に関する要望などに対して、迅速かつ適切な対応を図ること。
(4)今後、事業者が公表する環境影響評価追跡調査報告書などについては、住民などにわかりやすい内容及び適切な表現となるよう務めること。 |