当初、私たちのチームではポールの識別方法として画像処理によるものと、超 音波によるものの2種類を考えました。それぞれの方法は夏休みに入るまで並 行して、超音波センサは実験を、画像処理はデバイス探しをしていました。実 際には超音波による方法は使われなかったのですが、画像処理のための良いデ バイスが見つからなかった時のための保険という位置付けで実験を行なってい ました。
画像処理のためのデバイスとして私たちは次のようなものを求めました。
IBMのSmart Capture Card (以下SCC)は私(中井)の持っていた2年ほど前の古 いパソコン雑誌に載っているのを見つけたのが最初でした。この雑誌の記事で はMSDOSとWindows3.1上で専用アプリケーションの利用が載っていたので、ひょっ としたらMSDOS上でプログラミング可能なのではないかと思い、Webを検索して みたところ、有志の方がFreeBSDなどのPC-UNIX上で、利用できるようにデバイ スドライバを用意していたことがわかりました。どうやらノートパソコンに搭 載するOSをFreeBSDにすれば画像の取り込みは比較的簡単に行なえそうでした。 しかし、もしFreeBSDを使うのであればサーボを制御したり、センサーのデータ を取り込むためにI/O制御の仕方を調べる必要があります。一方MSDOSで利用す るのであれば,MSDOS上で画像取り込みを行なうための情報が公開されていなかっ たので、FreeBSDのデバイスドライバのソースを解析してDOSに移植する必要が ありました。結局、FreeBSDでのI/O制御の仕方について興味があったため、 FreeBSDを搭載するOSにしました。
実際に手に入れるまで、SCCを入手することができるかどうかかなり不安でした。 と言うのも、SCCは結構古いデバイスな上PCUNIXで唯一利用できるPCカードタ イプのビデオキャプチャカードだったからです。実際つくばの電器街を回っ たり、Webや雑誌で調べてみましたが、置いてあるところはありませんでした。 ところが、夏休みに入ってから秋葉原の中古ショップを回ったところ、思った よりも出回っており比較的簡単に入手することができました。値段もかなり手 頃で、8000円程度で手に入れることができました。この時CCDカメラも一緒に購 入したのですが、これもたまたま8000円と安く売っていたので、キャプチャカー ドも合わせて2万円以内で済ませることができました。5万円くらいかかること を覚悟していたので嬉しい誤算でした。