公共交通と市民生活を考えるシンポジウム
各報告者の最初の発言
 
開会挨拶奥田淳爾代表世話人(前洗足学園魚津短期大学教授)
 主催者を代表しまして一言開会の挨拶をします。
 現在、富山県の一世帯あたりの車の保有台数は1.7台でこれを一人当たりにすると、53%の人々が車を持っていることになります。
このように進んだ車社会は、私たちの生活を豊かにし、便利にしたことは間違いありません。しかし反面、影の部分も多くつくりだしました。電車やバスが廃止になったり、商店街が廃れ、ショッピングセンターや体育文化の施設が郊外に移る、車を運転できない人たちはその利用が大変困難になっています。
私は、今年古希を迎えます。かつて私たちを圧倒していた私のガールフレンドたちは最近その活力にかげりが見えるようになっています。日本のモータリーゼーションは私が30代の頃からはじまりましたが、私もどうにか車を運転するようになりましたが、ガールフレンドの多くは車の運転を知らないままに70代に入ろうとしています。私の同世代の女性たちは決して根性がないわけではありません。実は私は一昨日までニューヨークのツアーに出かけていました。テロ後のニューヨークのツアーはほとんど成立しません。しかし、私と同世代の女性の人たちがたくさん集まってくれたので始めてツアーが成立しました。一ヶ月前にある町で「ブッタの悟り」という話をしました。その町ではコミュニティーバスが会場まで運転していましたので、約200名の高齢者を中心に圧倒的多数が女性で参加されました。同じ話を隣の市でやることになり出かけていくと、その会場は新しいのですが、市街地からは約5キロ離れているため、参加されたのはわずか123名でした。私が講演したところにはあまり参加されませんでしたが、駐車場には車がいっぱいあって、若い人たちがそこでパソコンの講義を受けていました。
私は今日もJRでこの会場に参りました。私はJRに乗るときに、いつも苦労するのが車の置き場です。駅前の周辺には月ぎめの駐車場しかありません。本日、実は地鉄労働組合の方からパーキング&ライドという提案が予定されていたわけですが、今日参加いただけなかったので、この問題について会場の皆さんから意見を伺いたいと思います。
富山県内には「実業の富山」という雑誌があります。この雑誌に最近ある会社の社長さんが「北陸新幹線のまだらの着工は21世紀の怪談だ」と断言しています。本気で北陸新幹線を作るのであれば先ず飯山トンネルを掘り、そして糸魚川か直江津まで新幹線がくればJRは活力を持ってくる、ということも述べておられます。
本日はいろいろの方に参加していただきまして、マイカー社会の中での公共交通の問題を皆で考え、実りのあるシンポジウムにしたいと思っています。今日はよろしくお願いします。
 
シンポジウム司会奥村義雄代表世話人(富大教授)
早速シンポジウムに移りますが、このシンポジウムの司会にあたります奥村です。
皆さん方のお手元に資料集があるかと思います、はじめに今日のシンポジウムの概略について説明を行い、それから報告者のお話に入りたいと思います。
ここ23年各地で公共交通の問題が活発に議論されるようになっています。その一つのきっかけになったのが北陸新幹線の上越―富山間の建設が決定され、それに伴って並行在来線の経営がJRから分離される、第三セクター化されるという問題が出てきたことです。
 この第三セクター化というのは各地でいろんな問題を引き起こしています。またJRのダイヤ改正が行なわれるたびに、ローカル線を中心に列車の本数が削減されたり、駅の無人化が拡充されるとか、あるいは最終の列車が繰り上げられるなど経営の合理化が進められています。そしてもう一つは、鉄道事業法がすでに改正され施行されていますが、それに加えて道路運送法が改正され今年の2月から施行されました。このように公共交通をめぐる問題は、一方では経営の採算性を重視する合理化が進められ、他方では公共交通機関を利用する市民にとってはますます不便なものになってきているという現状があると思います。
 こうしたなかで、コミュニティーバスが市民の足を守る手段として、新湊市などいくつかの市町村で運行されるようになってきたり、計画されたり、調査が行なわれたりするようになってきています。こうした公共交通機関の現状を考える場合、市民の生活にとって便利なものであり、安全なものであること、地域社会の中での移動がもっと容易なもの便利なものであること、そして地域社会の活性化をはかっていくことなどが必要だろうと思います。
 つい先日、新聞で大きく取り上げられていましたが、県内の通勤、通学には7割以上の人が自動車に依存しているということです。電車、バスなど公共交通機関を利用している人は非常に少ないという数字が紹介されていました。同じようなことが、昨年の8月に、パーソントリップ調査でも報告されています。一方では公共交通機関がますます不便になってきている。モータリーゼーションは進んできています。
こうゆう状況のなかで市民生活にとって公共交通機関がどういう役割を果たしているのか、またどういう役割を果たすことが望まれるのか、という点について議論し、少しでも改善に向けて取り組んでいく必要がでてきているということが背景にあると思います。そうした状況のなかで今日シンポジウムを開くことになったわけです。
資料集にプログラムがありますが、「よくする会」として、公共交通機関の利用状況、あるいは今後の要望や課題についてアンケート調査を実施しました。その一つは高校生が通学に公共交通機関をどのように利用しているか、またどのようなことを望んでいるのか、それから、「よくする会」の会員の皆さんを中心にしながら一部街頭での調査も含め、一般の人を対象にしたアンケートも同様に行ないました。その調査の結果について富山商船高専の岡本勝規先生に報告をしていただきます。
その次に、公共交通機関の利用者という立場から見てそれがどうゆう現状でありどんな問題があるのかということを二人の方からお話をしていただきます。一人は広田秀俊さんです、広田さんはラッコハウスに通所されている障害者の方ですが、障害者から見てどういう現状なのか、どういう問題があるのかということを話していただきます。その際に柳原亮子さんにサポート役をしていただきます。
それからもう一人は宮島文子さんですが、高齢化が急速に進んできていますので、公共交通の問題について取り上げますと、高齢者や若年層、あるいは障害者にとっての問題点というように、それぞれの立場での検討が求められます。宮島さんは富山市長寿会の理事をされていますので、高齢者の立場からお話をしていただきます。
それから、山崎武司さんですが、新湊市のコミュニティーバスを企画し、その運営に直接タッチされています。山崎さんにはコミュニティーバスの現状、運行するにいたった経緯などについてお話をしていただきます。
それから最後に、高岡短期大学の武山良三先生に、基本的な報告とそれまでの報告者のまとめ的なお話を含めて、今後の問題点や課題などについてお話をしていただきます。特に交通権や環境問題を中心にして、地域の暮らしを考えるという内容でお話をしていただく予定です。
そのあと、少し休憩を取りますが、その際、質問用紙で質問を受け、再開後その質問に報告者から回答をしていただきます。また、会場からの質問も受けながら質疑を行なっていきます。そして、最後にそれぞれの報告者から感想やまとめ的なお話をしていただく、そういう内容ですすめていきたいと思っています。
それから、資料のなかに意見・感想を書いていただく用紙がありますので、お帰りの際、受付の方まで提出していただくようお願いします。
 それでは報告に入ります。先ずはじめに商船高専の岡本先生よろしくお願いします。
 
公共交通に対する県民の意識
                 岡本勝則(国立富山商船高等学校教官)
 
 公共交通に対する県民の意識を探るために「富山の公共交通に関するアンケート調査」を5月下旬から6月上旬にかけて行いました。アンケートの一つは、富山市内の高校一年生と二年生各一クラスを対象に79人が回答しました。もう一つは県内の一般の不特定多数を対象に約800人にアンケートを渡し309人が回答しました。一般の方の約7割が中高年層でした。
 岡本氏はこの後、一般と高校生のアンケート結果のグラフを比較しながら報告しました。(アンケート結果・一般)(アンケート結果・高校生)をご覧下さい。 
 
司会 奥村
どうもありがとうございました。なにぶんにもかなり詳細にわたった調査ですので、かいつまんで問題点を報告していただきました。高校生と一般の人とで若干の差異はあるにしても、現状では公共交通機関が少ない、自家用車に依存しなければならない、しかし、自家用車に依存しなくてもよいように公共交通機関を充実していく必要があり、ただ単に交通手段としてだけではなく、街づくり、地域社会の活性化という点からも、公共交通機関の改善に向けて行政や事業者に望むことが多く出されていることが示されていると思います。
つぎに、広田秀俊さんに報告していただきます。広田さんは富山市にあります共同作業所ラッコハウスに魚津から電動の車イスを使ってJRやバスを利用しながら通っておられます。北日本新聞が今年の1月から2月にかけて、「揺らぐ公共交通」というテーマで特集されましたが、その中でも取り上げられていました。
柳原亮子さんには、サポートをお願いします。ではよろしくお願いします。
 
電動車イスでJRと地鉄バスを利用して
                 広田秀俊(ラッコハウス通所者)
現在僕は、富山市にあるラッコハウスに通うため魚津から富山まで水曜、金曜JRを利用しています。初めて利用したのは、96年の5月からで、それまで週3回母の送り迎えで通っていましたが、母が病気になって、しばらくラッコハウスに行けなくなり、それがきっかけで、一人で行く決断をしました。
当時魚津の駅長さんから、一人では危険といわれ、最初の一年ぐらい柳原さんが付き添ってくれました。その後、駅員の皆さんも慣れてきて一人で行くようになりました。やはり最初は、初めてで特に魚津の停車時間が短く緊張して何回もスロープから落ちそうになったこともあります。富山駅は最初、貨物用エレベーターを使ってましたが、2年前に国体の関係もあり、修理され人間用のエレベーターになりました。僕としては、貨物用の法が広くて乗りやすかった。3年前から時々富山から魚津までの帰りもJRを利用し、朝とはちがって、帰宅するいろんな人たちがいて結構面白く、時々声をかけてくれる人もいます。
 富山駅からラッコハウスまでは、駅前から元町まで低床バスを、運転手さんやお客さんに助けてもらい利用しています。過去、バス会社宛てにバス停の時刻表の高さを下げてほしことやラッコハウスの近くを走るバス路線にも低床バスを走らせてほしいことなどを5回手紙を書きました。結果時刻表だけ低くなり見やすくなりました。昨年10月駅前からバスに乗車しようとしたら運転手が無視して通りすぎたことが一度あり、そのときは、すごく腹が立ちました。すぐに抗議の手紙を出すと、バスに乗るとき、何かしてほしいと返事がきました。障害者の僕らに合図してくれと言われても難しことです。バス停に合図用のボタンなどを付けてあれば少しは助かると思います。
僕の友達で同じラッコハウスに通っている二人の電動車イスの人がいますが、二人とも富山市内で、家の近所にバス停があるのに、低床バスが使われていないため、タクシーとか親の送迎に頼るしかありません。
僕たちが社会参加し、自立するためには、電車、バス等の公共交通機関の充実が必要です。廃止されたり、削減されることは、僕たちにとって、地域社会に住むことが出来なくなることです。
今後の目標は、JRを使い、遠いところへ一人で出かけて見たいと考えています。
 
柳原亮子さん(ラッコハウス、ソーシャルワーカー)
お聞きになったように、広田君は言語障害がきついので、皆さんに正確に伝わるように原稿が資料集に入っていますので、参照してください。また、ラッコハウスのパンフレットが入っていますのでご存知でない方は資料を見ていただけたらありがたいと思います。 今、広田君の話をお聞きになったとおり、広田君はただただラッコハウスに通いたい一心でJRとバスを利用してきたのが現実です、そのうちだんだんと周りの人の対応だとか態度だとか接し方が少しずつ変わってきたとか、景色が少しずつ変わってきたりとかそういう変化を体験する中で、本人が自分の存在というのが社会に何らかの役に立っているのかと思うようになってきています。ラッコハウスに通いたいという広田君の行動が結果的に社会に大きな影響を及ぼしているとか、何らかの貢献をしているのではないかと私は認識しています。
ここで皆さんに言いたいのは、広田君がラッコハウスに通所する前どんな生活環境であったかと言いますと、あまり一般には知られていませんけれども、広田君のように生まれながらの肢体不自由の障害をお持ちのお子さんたちの多くは、富山県立古志養護学校に入学します。養護学校は小学部、中学部、高等部に6歳から18歳までの12年間を養護学校の隣にあります古志学園の入所施設で生活しなければならないと義務づけられています。 このことは日本のなかでとっても珍しいことですが、そして、自宅に帰れるのは土曜日の午後から日曜日の午後までです。自宅に帰る送迎の自動車のなかから見える景色などが彼の唯一社会を見れるチャンスであったわけです。普通のお子さんたちは家族とともに電車に乗って旅行に行ったり、友達と電車やバスに乗って遊びに行ったり、買い物に行ったりと、そういう経験を通して大人になっていきますが、広田君たちは障害があるというだけで、生活環境に制限があることを皆さんにわかっていただきたいと思います。
広田君は今では自由にどこへでも電動車イスで充電が続く限り動き回っていますが、ラッコハウスに来たころは、それまでは学校と施設だけの間を行動範囲としていましたので、一般道路に出たことがなかったので、緊張のあまりからだがこわばって、「出かけるよ」といったらラッコハウスの前で体がかたまってしまい動けなくなったこともありました。
その後、一般道を通るトレーニングを積み重ねて、たとえば横断歩道で立ち止まってしまい自動車を止めてしまいご迷惑をかけてしまうとか、それから段差のある所で車イスともひっくり返ったとか、それから車と接触したこともあります、そんな痛い思いをいっぱいしてきています。たまたまラッコハウスが大泉中学の近くで町の中にありますから、誰かがどこかで見てくれているので地域の方々に全部助けていただいていることもありがたいことです。そういう痛い思いをしながらも実社会で生活したいんだという強い思いの結果として、今現在こういう形で公共交通機関を利用するにいたったということを皆様にご理解いただければ幸いかと思います。以上です。
 
司会  奥村先生
どうもありがとうございました。今報告いただいた「電動車イスでJRと地鉄バスを利用して」という文書は資料集に入っています。共同作業所に通所になるまでのお話であり、障害者の立場から、移動するためだけでなく、地域社会の中で一人の人間として生活していくそのための条件を改善されたものにしていくという点からも、公共交通機関を重視してほしという要望も含まれていたと思います。
つぎに、宮島文子さんには「元気に出かけたい幸齢者」というテーマでお話をしていただきます。
 
 元気に出かけたい幸齢者(こうれいしゃ) 
                    宮島文子(富山市長寿会連合会理事)
 私は長寿会に属している宮島です。今日お話したいことは、高齢者としての公共交通への感謝とお願い等言うことですが、私の高齢者と思いますのは、私たちの70歳を過ぎた高齢者ですが、ですが、毎日が自由な時間が得られて、この自由な時間を痴呆に進んでいくような毎日ではもったいないと思います。そして、少子高齢化の時に、私たちは介護のお世話になったり、痴呆に進むのを遅れさせたりするのに、心を明るくもって公共交通にお世話になりながら、幸せに歳を重ねていきたいと思って毎日を過ごしています。
それで、一番の願いは生き生きと毎日出かけたり、勉強したり、いろいろなことに自分の心を注ぎながら、ちょっとだけ病気をして皆にお世話になってころりといけたら一番の幸せだと思いつつ、最近前の会長さんだった方が4月にお会いしたのに、病気になられ5月の末になくなられました。ほんとに高齢者としてはこうした人生を望みたいと思う反面、寂しいなと思います。
そこで、引きこもりをなくしたい、とくに、男性の方がお勤めを終わられたら、何かプライドを持っておられて、そんなところにいけるかいと言う顔をしている方が、どっちかと言いますと痴呆のほうに早く進んでいかれるのではないかと思います。ですから、皆さん方が社会的なお仕事とか、カルチャーとか、近くでは日本を調べるとかそういうところに皆さん誘い合って出かけられたらいいと思います。
私がただ一つ後悔していることは、夫をなくして3年目になります。夫はガンでありながらも痛いと思ったら医者に行くという手段を選びまして自分で車を運転して医者に行きました。私がもし車の免許を持っていたら、送ってあげることができたのにと、先ほど70代の女性の方が免許を持っていないという話がありましたが、私30代の時に女の人が初めて車の運転をしてきたのを見たら、皆で並んで見たのですが、家に帰ってから舅さんに「私も車の免許を取りたい」と言いました。「あんたシャー何ゆわれんがけ、女伊達らにシャー何ゆわれんがけ」といわれたので、私は女伊達らにだめなものかと思ってやめたのですが、今夫を送ってあげることが出来なかったことが一つの後悔と、もう一つは、私たちがグループを作り活動していますときに荷物をどこかに運ぶとか、そういう仲間の活動の時に車の運転が出来ないから人にお願いしなければならない、花を植えているときには花を市のところから取ってくるとときに仕方がないから所長さんにお願いして取りに行くとか、そんなところが車を運転できなくて残念だなーと思います。
私は射水線沿線で生まれまして、今日の日まで射水線と射水線のバスに育てられて、今日もこうして活動が出来ることをありがたく感謝しています。特に病院の看病をしているときは勤めが終わってから出かけなければなりませんので、疲れたときは病院に着くまでぐっすり眠らせてもらったり、仕事をもっているときは考え事をさせていただいたり、待ち時間の時には本を読ませてもらったり、運転手さんのおかげで今日の日が安らかに向かえることが出来たと思っています。ある日、17歳の時に読んだ本の中に「愛は尊敬より生まれる」という言葉を読みましてそれが私の生涯の指針になっています。
今も高齢者の方に、痴呆になった人を馬鹿にする人もいらっしゃいますが、高齢者の方には高齢者の人格があります。ですからその人にも愛情と尊敬を持って接しています。また、体の不自由な人にはいたわりの気持ちを持って生きて生きたいと思っています。
最近、引きこもりを防ぐためにゴールドパスが出来ましたが、なんといいものが出来たものかと感心していました。そこで利用している人に聞きますと、通院や看病のために利用する、体力づくりのために、このパスを利用するようになってから、12つ先の駅まで歩いてバスに乗る、また,遠くの駅まで行ってからそこで歩く、そういう体力づくりをする、というような病気と共存しながら体力づくりをしている人。それからカルチャーなどで水泳をしたりとか、皆さん元気です。そして、働いていた人たちが定年になられてからこれを利用することが出来るのでありがたいといっておられました。それから、友達を誘ってお茶を飲んだり話をしたり、また催し物に積極的に出かける、それから高齢になると料金がわかりません、調べたり、お金を出すのに手間取ったりと皆さんに迷惑をかけることがありますが、ゴールドパスを持っているとサット降りることが出来ますので便利です。それで、月5000円に満たない人もいますが、いろいろの使い方でだいたいトントンだと喜んでいましたら、一昨日締め切りが来て慌てて出しましたら、「ちょっと見られ、今日からゴールドパスが1000円値上げされている」と聞きまして、またある人が「これでちゃ、買う人減るがでないかね」といっていましたが、私は八町なので往復1000円ぐらいになります。月で見ますと大変助かっています。遠い人には大変便利ですが、近い人にはちょっと厳しいものですが、それはその人の心のもちようでもっと出かければいいとか、それぞれに考え方ひとつだと思います。
それから、コミュニティーバスに一度乗ってみたいと思っていましたが、今日の日までとうとう乗ることがなかったのですが、これは富山市内の人が大変喜んでおられました。料金は100円で20分ごとに出るので、お年寄りの人がスーパーの前で泊まったりするので買い物に行くのにも都合が良くて大変いいことをしていただいていると、それから「黄バス」は市民病院、日赤病院、済生会病院に行くのに大変便利だといっておられましたが、私たちみたいに近郊に住んでいるものにはその恩を受けることが出来ません。
それでつぎにお願いしたいことのなかに、まず、長寿会の会合にきますときに廃線になったり一日2,3本になったりして大変困っている、また、新幹線で数時間早くなることよりも、これからの子供たちや増加する高齢者のために身近な電車、バスの運行に新幹線以上の力を入れてほしいものだといっておられました。それから会合に参加するにもハイヤーに乗ってこないといけない、高額の料金だそうです。それから仲間に便乗させていただくのも気がひけるし、このような地区に行政の施策を望みます。
さらに電光板は大きいものが見やすい、特に知らないところに行くときはその電光板を見て次か次かなと見ていくのですが、その電光板が小さくて見ずらいときは大変困ります、改善には多額のお金がかかると思いますが何とかしてほしいと思います。
つぎにバスの運転手さんの横の一番前に転落防止の柵が施されたものと、施されていないものがあります。施されていると私は安堵します。というのは、急ブレーキをかけられたときに、事故にあったわけです。私は前から2番目に立っていたので、出入り口のところまで飛ばされ、その上に他の人が私の上にのしかかり折り重なっていたという事故にあいました。私はその事故で前歯を折ったわけですが、急ブレーキをかけたとき後ろの座席の人は前まで飛ばされることもあります。交通事故でのバス内の事故を防ぐために、転落防止の柵を施すことを望みます。
つぎに、私が利用しているバスは新港東口行ですが、2時間に1本、また早朝や夜はありません。そこで、夜新港に行く人たちは815分が最終でその後は四方からはタクシーを利用し帰らなければなりません。私は、いろいろの催し物があった場合、815分で帰らないと次だったら945分になってしまいます。この1時間半をどこで過ごすか、バス停の暗いところで待っているときは、だんだん不安になり怖くなってきます。ですから、この中間にもう1本は走らせていただきたいと思います。それと、皆さんの話のなかにバスの時刻表を下げてほしいというお話がありましたが、この頃はだんだん下げられた時刻表が増えてきていますので、改善されてきているのだなぁ〜と思います。
もう一つお願いしたいのは、富山大学の前にバス停があります。これは新港から来た人だとか高岡から来た人たちが、医薬大やファミリーパークに行くときどうしてもここで乗り換えなければならないところです。それで、運が悪いときは1時間くらいバスを待たなければならないときがあります。ところがこのバス停は県道にあり車が多く走っているところです。歩道にひっこむように作ってあります。そうするとバス停で待っている人は椅子に腰掛けているとその狭いところを自転車などが、雨が降っているときは傘をさしてとうります。いつ自転車に接触するかはらはらしていなければならない状態です。さらに学校が終わる3時半過ぎから4時ごろは学生でいっぱいになります。さらに大学にきておられる外国人の方がおられて、これでは恥ずかしいなぁ〜と見ていたわけですが。つい先日そこで工事しておられました。バス停が広がってよかったなぁ〜と思ったらそうじゃなくて狭いまま柵を作られたわけです、柵を作ったのは子供が道路へ飛び出さないためにいいかもしれませんが、座ってまっている年寄りだとかは自転車に引っかかるか、なおさら危なくなったなぁ〜と思います。そこでお願いですが大学の垣根の分だけ広くし座席を下げてもらって、屋根も下げてもらえたら待つ人も安全でないかなぁ〜と思っているのですがどのようにしたらいいのでしょうか。
それから、いろんなところへ引きこもりをなくすため出かけましょう、出かけましょうといって文化施設など見てきたのですが、立山博物館や曼陀羅園に行きましたら大変すばらしい設備があって、こんなところへぜひ皆さんいかれたらいいと思うのですが、電車で、朝一番の7時の電車に乗って富山駅に行きますと8時台の電車しか乗れません。そして千垣駅ですか、無人駅で降りたのですが、連絡バスがあると聞いたのですが連絡バスがありませんでした。そして、電話をかければいいのかと思いましたが無人駅ですからどうにもならないし、何とか遠足だと歩くのですが、年寄りですので歩くことも出来ず、そこで車をひらって乗せてもらい助けていただきました。ですが、あういういい施設は何か考えていただいて日帰りで今日半分しか見れなかったら、次また行こうという気持ちで行かれたらすばらしいところだな−と思いました。富山県にはそういうすばらしい文化施設があちらにもこちらにもありますし、交流も盛んになってきましたのでそういうところは自家用車でなければいけません。ですが、何とかして公共交通を利用していけるようになったらありがたいなぁ〜と思います。それで私たちは一日でもこうやって頑張っていきたいと思いますのでお願いしたことをよろしくお願いします。
 
 
司会 奥村先生
どうもありがとうございました。宮島さんには高齢者の立場から、日々健康状態を見ながら日常生活を営んでいる、そのなかで公共交通機関がどういう現状にあるのか、またどういうところを改善していく必要があるのかという点を、細かく、特に利用したことがある人でないと具体的にはいえないようなところも、細かく提起していただきました。どうもありがとうございました。
つぎに、山崎武司さんに新湊市のコミュニティーバスの概要について報告していただきます。ご承知かと思いますが、コミュニティーバスは富山市や高岡市に次いで、新湊市では去年の10月に試験運行がされて今年の4月から本格運行が始まったのではないかと思います。それで山崎さんには、新湊市でコミュニティーバスの運行に直接携わってこられた立場から、運行にいたるまでの経緯とか背景、そして現在の利用状況等についてお話をしていただきます。それではお願いします。
 
コミュニティーバスの概要について
                山崎武司さん(新湊市企画情報課係長
新湊市企画情報課の山崎です。
お手元に資料をお配りしてあります。その資料に基づいてお話をさせていただきます。
今ほど奥村先生からお話がありましたが、新湊市のコミュニティーバスは昨年の1015日に試験運行を開始いたしました。それから本年の41日に本格的な運行ということになりました。現在のところ当初予定していました利用者数をはるかに上回る利用状況となっています。
まず、導入の背景について3つほど掲げてあります。大きな問題として市民福祉の向上、これは宮島さんから幸せ多い高齢者の立場からということでお話がありましたが、先ず高齢者の活動を支援しよう、新湊市は高齢者率は(65歳以上の方が市民に占める割合)22%を超えています。これは県内でもかなり高いところにいます、このために元気な高齢者をというのが一つです。つぎに二つ目として地球環境の保全、テーマとしてはかなり多きものです。昨今地球温暖化が叫ばれています。それで二酸化炭素を削減する必要があるのではないか、そのために一人一人が先ず、地球環境の意識の向上をはかる必要があるのではないか、そしてマイカーの利用を出来るだけ控え、公共交通を利用する機会を増やそう、これによって地球環境にとって新しい交通システムを作り上げていこうというのが二番目です。三番目としてちまづくりですが、何かは小物を作ったり道路を作ったりといったハード部分だけでなく、今後はまちづくりの原点は人づくりではないかという観点からコミュニティーバスを社会基盤の一つ、都市の最終的には商店街の活性化をはかったりいろんな高齢者の方々だけでなく、お子様から始まって市民活動をサポートしようという街づくり、この大きな3つを背景として整理しました。
つぎに、新湊市の公共交通の現状はどうであったか整理してみました。1番目、万葉線ですが新湊市の越ノ潟と高岡駅間の路線ですが、今年4月から第三セクターで運行しています。つぎに路線バス、当時6路線ありました。しかし、路線バスは利用者にとって利用しやすいダイヤ設定になっているかという点が当初から私殿も疑問の一つでした。3つ目にフェリーボートですが昭和42年富山新港を造成するために鉄道を切断しました。そのために越ノ潟と堀岡間を24時間体制で現在も運行しております。つぎに4番目に市民医療バス、現在運行しているコミュニティーバスの基本、原点になっているわけですが、市民医療バスとして5つの路線でほぼ新湊市内全域をカバーしていました。しかし、市民病院の通院バスのために利用者が通院する方だけに限定していました。病院に用事のない方はお断りする状況でした。5番目に福祉バスですが、新湊市の東部、富山市の境にある足洗老人福祉センターがありますが、そこへ福祉バスを走らせていました。あと6番目にスクールバスというのもあります。2ページ目を見ていただきますが、この様な背景、現状からコミュニティーバスの今セクトといいますか、そういう点が3番の表です。これらにつきましては調査の段階からアンケート調査を行ないました。あるいは地区別にこちらから出向いていって住民の皆さん方と懇談会を開催するなどしてなにを、どういった要望があるか、どういったことを望んでおられるかということを、意識の把握に努めました。そこで、いろいろな市民活動を支えるネットワーク、その核としてコミュニティーバスを位置付けようと考えました。そこに市民活動としてポランテア活動とかコミュニティー活動、消費行動等々書いてありますがそれらの市民活動を既存のバスでは対応しきれない地域の公共交通の空白の地域が存在するわけで、それを先ず解消しようと、それと、民間の会社で対応できないようなごくわずかな消費者ニーズ 利用量に出来るだけ細かく対応できる路線設定、これらを結んでネットワークとして構築しようとしました。
つぎに4番に移りますが、10月から走らせたコミュニティーバスはどういった特徴があるかということですが、一般的にコミュニティーバスについては2つあると考えています。一つは中心市街地活性化のコミュニティーバス、あと一つは市内を循環するようなバスであると思っています。新湊市のバスは循環型ですが部分的には中心市街地活性化も取り入れたバスでないかと思っています。
それで、特徴として1番目、市内全域を網羅する6つのルート、バス停は全部で118箇所これは200メートルから長くても300メートル間隔で設置してあります。6つの路線延長は72キロ、72キロは地方都市ではかなり大きなものではないかと聞いています。一番近い路線で5.8キロ、一番長くても18.4キロというコースになっています。
2番目に路線相互の乗換えが可能であるということです。たとえば、1号新湊、放生線というバスに乗っていただくと新湊市役所から乗って越の潟で降ります。越の潟ではフェリーが待っています。約11分の待ちでフェリーに乗って堀岡新港東口に行きます。新港東口に着いた時刻にはバスが待機しているということ、万葉線であるとかフェリーボートであるとか路線バスとの連携には充分注意しているところです。
3番目に公共鉄道の網羅、先ほど言いました事前に行ないましたアンケート調査にもとづきまして、市民病院をはじめとしてかなり公共施設へのアクセスの問題が指摘されました。そこで、できるだけコミュニティーバスを経由させることです。
4番目にパターンダイヤ、パターンダイヤといいますとたとえば中央文化会館ですが1時間に1本ですが10時代は1047分、11時代は1147分、12時が1247分、というようにすべて47分に統一してあります。これを原則にしてあります。
続きまして3ページ目ですが、低料金ということ、多くのコミュニティーバスが採用していますが1100円です。ただ特徴としては地域圏を採用しました。これはどの路線に一日何回乗っても、乗り降りしても一日200円という券も発行しています。
6番目にバス停に全体運行図を掲載ですが、イメージ的には東京に行きますと地下鉄のルート図がありますが、あれを想像していただければいいかと思います。コミュニティーバスで市内どこへでもいける、乗り継ぎながらですが、乗り継ぎの工夫としてバス停にはルート図を全部載せてあります。
このような特徴ですが、では、現在どのような状況になっているかです。現状についてまとめたのが5番です。乗客数の推移としてまとめてあります。昨年の1015日始まって以来4月待つまでの数字ですが、113877名の利用をいただいています。人口規模などいきなり比較は出来ませんが、人口1万人あたりで比較してみますと、全国でトップなのは東京都武蔵野市のムーバスであります。ムーバスにつきましては1万人あたりでは182人と言う数字があります。新湊市のコミュニティーバスは159人で全国第2位ではないかと思っています。
つぎに愛称名、デザインの募集とありますが、これはコミュニティーバスは行政が走らせているのですが最終的には利用者である市民の皆さん自身が作り上げていく必要があるのではないか、そのためにはどうしたら親しみをもっていただけるかと考え、まづ取り組んだのが愛称名の募集、デザインの募集です。愛称名につきましてはカモン号、カモンというのは4ページの一番下にシンボルマークがありますが、カモンチャンという名称で親しまれています。多分この名称をとられたのではないかと思います。デザインの募集につきましても、これは市内の小中学生を対象に募集しました。3篇を選んでいますがそのうちの1篇が4ページ目に載せてあるこれは実際ブルーを基調としたバックです。
5番ですが、今年の4月から回数券を発行しましたが、100円券11枚つづりで1000円とし1割お徳ですよとうたったわけです。つぎに定期券の発行ですが、これはあまり売れ行きが良くありません。何が原因かといいますと値段ではないかと思います。これは4000円として、当初2000円ないし3000円ぐらいと考えたのですが、市の財政当局と話し合い4000円に決めました。あまり購入数が多くありません。多くないのですがこの定期券の特徴は日付は抜きにして、6月券、7月券という定期券です。
つぎにまとめの方ですが、市民の声としてまとめてみました。私たちは運行を始める前にアンケート調査を行ないました。そして実証運行期間中に再度アンケート調査を行ないました。そのアンケートが@の部分です、それは利用者の方の生の声といたしまして、先ず、外出の機会が増えた、公共交通に対して関心が高まった、実際のところコミュニティーバスの利用と合わせて万葉線の利用も若干増加しているところです。さらに商店街や中心街に活気が生まれた、これは利用者の感覚的なものですが私どもにとって非常にうれしい意見です。つぎに、いろいろと新聞で取り上げていただきましたが、その中でいくつか私どもにとっては有り難いといえることを4点載せてあります。
参考までに、Aの下のほうに足洗老人福祉センターというのがあります。それはバスを走らせた昨年の10月と1年前平成12年度の推移です。いずれの月を見ましても10%から多い月は30%前後利用者が増えています。それは1週間毎日センターにいけるようにバスを運行する体制が取れたからだと思っています。
最後に今後の予定です。間もなく7月中には先ほど言いましたデザインを募集しましたがそのデザインを掲載したバスを走らせる予定にしています。こちらの方に3種類のバスがあります。取り合えづ今年はバスを3台購入しまして走らせる。来年度以降順次バスを購入し更新していく予定にしています。このバスにつきましては座席数が18、立ち席が20名まで、お客さんは38名乗車可能、それと車イスの乗車スペースは確保してあります。 それとルートの変更として、これまで実証運行期間中を含めましていろいろな問題点が出てきました。1月中をめどに若干のルート変更なりダイヤを変更し利用しやすいようなコミュニティーバスに作り上げていきたいと考えています。以上です
 
司会 奥村先生
どうもありがとうございました。新湊市の全体の交通網とその現状、その中でのコミュニティーバスの実験、そして現状などを詳しく報告していただきました。コミュニティーバスはいろいろの問題を抱えているわけですが、しかしひとつは市民の足としてそして地域社会を活性化する一つの方策としても大きな成果をあげているのではないかということを伺うことが出来ました。どうもありがとうございました。
それでは最後になりますが、「地域の暮らしを考える」というテーマで武山良三先生にお願いします。尚、皆さんの資料集の中に「パーク&ライドから」というB4の裏表の資料が入っていると思います。実は今日のシンポジウムを準備してきた当初は、富山地方鉄道の労働組合の方から「パーク&ライド」について報告していただくことを検討してきましたが、今日は日程等の都合で出席していただくことが出来ませんので資料だけ入れてあります。
それでは武山先生から報告をしていただきます。
 
 地域の暮らしを考える 
                武山良三代表世話人(国立高岡短大助教授
皆さんこんにちは、武山です。皆さんお疲れでしょう。少しストレッチしましょう。グゥーッとエネルギーをチャージしながらいきたいと思います。
時間もあまりありませんのですばやくいきたいと思います。レジメは今朝できたとこですのでもしどうしても必要だという人は係りの者に申し出ていただければ、今日のパワーポイントのコピーになりますが差し上げる資料がありますのでお持ちください。
早速いきたいと思います。地域交通の新体系ということで少し時間をいただきます。主に「市民生活と公共交通」。今日のタイトルは「市民生活と公共交通」になっていたんですが、あえて「市民生活」を前に出しました。やっぱり「市民生活」があって「公共交通」があるんだという形で考えたいと思うんです。
障害もたれている方、車イスでも自由に歩けることなどが問題になろうかと思うのですが、こういったところで出されることが多いものに「ノーマライゼーション」という言葉があります。要するに、普通に生活することの権利、好きなものを食べ、好きなところに住み、好きな本を買う、というのと同じように、好きなところへ行けると言うことも、人権として守るべき権利であるということなんですね。ところが富山においては特に車を持っていないとその権利が守られない、ということが現実に起きているわけです。車の免許を持っている人は53%といいますが、免許を持たない人47%の人にはどないなのかということです。で、今日は宮島さんがすごくお話いただきましたけれど、たいがいは高齢者の方が我慢しはるんですね。バスがまた減ったと、我慢しょうとか。廃線になったら、私が我慢すればいいのよと、という感じでどんどん我慢して、声が小さくなっていく。だいたい議会とか動かしている人はいい車乗ってますからね。その他の人の声は議会に届かないという形にになっていくんですね。
とこらが、ここでポイントなのは、よくこういうふうに学生の問題だとか、またそういうふうにいわれますけれども、実際はわれわれの問題なんですね。で、一般市民とかいてはりますが、われわれも、たとえば雪が降ったとか、怪我をしたとか、体調が悪いとか、あるいは旅行に行かないかんとか、いろんな場面場面でやっぱり必要なわけですよ。あるいはお客さんこられたと、電車でこられたら、もうとにかく家にきてもらうだけでも一苦労と。あそこに行ってあそこに行って、ちょっと明日僕仕事で対応できへんけど、あそこ見られたらいいですよいうても、ぜんぜんどこへもいけない。ニッチもサッチもいかない状況です。それでは来てもらえないですよね。そういうふうに、ぜんぜん人ごとじゃないんです。人ごとじゃないのが、たとえば、石油危機であるとか、災害時であるということなんですね。
次ぎの写真お願いします。これは阪神大震災、私神戸の出身なんですけど,ドカーンとやられました。1995年、546分にああなったということで、幹線道路もズタズタになりました。このときにいち早くリカバリーしたのがJRさんだったんですね。在来の阪神とか阪急とかいっぱいあるんですけど、その中でJRは全国の助っ人を呼んできてですねバーット再開してしまった。もう、これによってどれだけ地域の生活が改善されたかわかりません。やっぱりこれ、大きなポイントになってると思います。
何が起きるかわからんのですからね。で、今アメリカの方なんかでもロスなんて言うとホント、車社会言われているんですけども、やっぱロスでも困っているんですね。なんかいざ起きたときに、全く市民生活できなくなるのは困るということで、90年からせっせ、せつせと地下鉄掘ったり路面電車を走らせたりしている。富山でも同じことが言えるんじゃないかと思います。
公共交通衰退の要因として「モータリゼーション」というのが挙げられるわけなんですけれども、その背景にあるのは郊外開発型都市計画であるということなんですね。町というものが、完全に駅中心型の町から変わってきているにもかかわらず、公共交通の実態というものは明治時代から変わらんような流れできていると。ここらでやっぱり新しい都市とか、そういったものに対応した公共交通体系に変えなけりゃいけないし、あるいは、都市計画そのものがどんどん郊外に行っていたものも、もう一回見直すという視点ということがポイントになってくるかと思います。
魅力の要因と書いてありますが、公共交通が良く利用されるためには、簡単です。「気軽で、便利で、お徳である」ということが先ず第一条件の3つなんですね。交通で言うと「近い」、バス停が近いということですが,コミュニティーバスなんかでも先ず言われるのが「バス停が近いですか」ということなんですね。本数があるかどうか、運賃が安いかどうかより、バス停が近いかが絶対条件ですね。いろんなイベントやったりとか、サービスもいろいろやったりとか、たとえば岡山であるとか、熊本であるとか、長崎とかいっぱいやったりしていますけれど、結局はこれなんですね。本数を増やしたら如実に利用者は増えます。で、同じことが商業にも言えるんですね。たとえば、駅前の商店街が活性化をしない、これも「近い、品揃え、価格」という面において、郊外店に負けてるんだと。全く同じ図式がそこにあるんですよ、ということです。
これを何とか変えていかなきゃいけないわけなんですけれども、その一つの例としてドイツの事例を見たいと思うんですね。ドイツは連携の良い地域交通を確立している。都市間交通と都市内交通を明確に区分している。これが非常にポイントなってくると思います。 冬になったら雪が降ってJRがなかなかカバーできなかったってえらい話題になりましたけど、先週福井で講演会がありまして行って来ましたら、電車故障で、朝ですね、大阪行きの各停が故障して、その影響で大阪からのサンダーバードが全部遅れて、一時間半結局遅れたということになってたりね。そういうようなことも都市間交通と都市内交通が混同してしまっているところに発生する要因があるんじゃないかと私は思っているんですね。結局、ドイツは中小の都市がうまくネットワークをつくっていると、その都市計画みたいなものとうまく交通が同調していると言うことがあるんだと思うんですね。
ドイツの公共交通、記号で書いてますけど、「DB」って言うのは「ドイチェ・バンデスマ−ン」というやつで、「ドイツ鉄道」みたいなもんですね。「ICE」って言うのは「インター・シテイ−・エキスプレス」で新幹線に相当するもの。「IC」が「インター・シテイ−」で特急電車ですね。それに加えて、「EC」って言うのは、ユーロ関係で国際間で走る電車であると。右の方に行きまして、「RE」というのは「リージョナル・エキスプレス」で、要するに地域の快速電車みたいなものですね。で、「S−bahn」「U−bahn」なんていうのがありまして、この「RE」っていうやつは「DR」、「ドイツ鉄道」が運営している快速電車なんですけど、地域で動いていると。それとは別に「S−bahn」っていう完全に地域に特化した電車。「U−bahn」っていう地下鉄。それから「ストラス・バーン」ていう路面電車に、「オムニバス」という体系なんですね。この右のやつは完璧に地域の分です。地域で全部コントロールしていると。だからたいがい、チケット持っていると「RE」・「リージョナル・エキスプレス」は本当は「ドイチェ・バーン」のもんですけど、地域のチケットで乗れるというところはかなりありますね。要するに共通券がどこでもいけると、というような形になっているわけです。
具体的にいいますと、「S」マークですね、これは「S−bahn」ですよと、ドイツのどの都市でもたいていこの体系が守られていますんで、旅行者にしたらものすごくわかりやすい。「あ、Sマークは近郊電車ね」「U―bahnは地下鉄ね」みたいに、どこの都市でも分かるっていう体系ですね。
で、これがいわゆる「インター・シテイ・エキスプレス」という、新幹線相当のものでこれは都市間の交通をまかなっているんですね。
これはベルリンですけど、向こうの方に「U−bahn」の地下鉄の駅が見えていますが、その手前に当然バスの駅がありますね。で、優れているのは本当に連携ですね。
先ほど、「カモン号」のルートマップの話がありましたが、ここは地下鉄の地図まで全部入っているんですね。要するに、地域のバス停に。こんなん富山にありますか。シェルターもあらへんし、そんな状態です。こういう地域で交通がこんだけ必要なんだということが見て取れるかと思うんですね。
この辺も、近郊電車と地下鉄も全部網羅された地図が置かれています。A,B,Cって記号かかれてますが、これゾーン運賃です。ベルリンもかなり広い地域をサポートしているんで、A地域の料金。あの、マップの方も薄く色ついてますけど、あのクリーム色んところがAエリアになるわけですね。で、Aエリア枠である限りは、自由に動けるというチケットになっております。
で、これは便利ですよ。名刺大ぐらいの大きさなんですが、パカッと開くと、6面ぐらい、パ、パ、パ、パとマジックみたいにでてきまして、地図が見れるようなものが出されているものがあるということです。
これはミュンヘンの駅前ですけど、「S―bahn」「U―bahn」「DB」「バストラム」「地下道」。全部が乗り換えがある、集約されていると。非常に拠点では、それらの地域交通が網羅されているということですね。
これは日本でもお馴染みになってきました、「パーク・アンド・ライド」。それから、そういう地域の鉄道でネットワークをつくるというのが当たり前になってまして、さらに、実際に利用者がどういうふうな行動をとるんだ、って言うところまで、どんどん取り込んでいっているというポイントですね。これはハノーバーっていうところなんですが、特急電車が駅に着きました。駅のホームもかっこいいですね。ハノーバーって言うのはデザインセンターのあるところで有名なんですけど、世界的な「メッセ」ていうか見本市が開かれます。で、ここからメッセ会場までかなり距離あるんですが、駅を降りますとすっごいスケルトンの、これムービングウオークです。これでシューッと歩いていくと会場に到達する。ということなんですね。要するに鉄道と地域の施設っていうのを分離せずに、やっぱりお客さんこう来るんだと、だからそこを結びましょうと、これ当たり前のことなんですね。当たり前のことを当たり前にしているということだと思います。
で、ドイツの都市を路面電車ということでちょっと書いておりますが、ベルリンなんていうのは大きな都市でありまして、347万人おりまして、路線長173キロも走っておりますね。ミュンヘンが124万人で78キロ、ケルン96万人、ブレーメン55万、ハノーバー、先ほど見ていただいた52万人ぐらいおりまして、路線長100キロもあります。非常に都市内で路面電車が網羅されているということが見て取れると思います。
で、この辺左手はドイツではかなり大きな都市のほうでありまして、たいがい数万規模から20万とか30万という規模の都市が多いわけですね。で、アウグスブルグ26万で25キロ、フライブルグ、これも路面電車のバリアフリーで非常に有名になりました。19万都市、これは高岡と同じくらいですね。で、23キロ。マンハイムは32万人ですから富山と同じくらいですね。ここで47キロ走っています。バドシャンダーというところでは3万人しかおらんところでも8キロ持っている。ということになっています。
で、じゃ日本を見て見ますと、富山32万人で64、高岡17万人で128。大きいところに行きますと、たとえば岡山61万人で47、広島は110万人で18キロ、松山46万人で96。やっぱり、路面電車の発達率が非常に低いな、というのがここから見て取れるかと思います。
 富山公共交通の再編と書いてありますが、要するに北陸新幹線できるのはいいけれども、じゃあ、それによって地域の公共交通はちゃんと体系づけられるのは、今から準備しなきゃいけませんよと、言うことで、東部地区として富山核の地域、そして西部地区として高岡核の地域が設定されるのではないかと。これは当然支線がありまして、クロスを描きますんで、そのクロスをうまく活用して、路面電車なりあるいは路線バス、コミュニティーバス、そういうものを体系づけていく必要があるだろうと、いうことであります。
これは、万葉線のことでやっていることをまとめた絵ですけれども、縦軸に万葉線はもちろんのこと、JR氷見線、城端線も位置付けましょうと。横軸にJRの本線がありますよと。それを軸にしながら、町の中心部では、できるだけ歩いて暮らせるように、たとえばコミュニティーバスであったり、というような都市計画にしましょうと。車を利用したい場合には郊外にそういった拠点を作っていって、たとえば昭和町というところの上に車の絵がありますが、パークアンドライドの施設ですね、そういったものを都市のボーダー地域に設けていきましょうと、いうような構想を出しております。
結局とにかくネットワークというのが一番大事なことなんですが、キーワードとしては「連続性」ということであります。「連続性」にはいろいろ要素がありまして、時間、情報、手続き、サービス、というようなものが考えられるのではないかというふうに思います。
具体的に見たいと思うんですが、これは「空間的連続性」ということでドイツですが、電車がきましたよと、降りたすぐ横にバスが待っていますよと。要するにホームで共通化されていると言うのが一つですね。
それを手本にしまして、高岡でも万葉線が着いた横にバスが待っているというのをやりました。ここまではできたんですが、万葉線が第三セクターになって一年間はダイヤを変えたらいかんと、運賃も変えたらあかんよ、というお達しがございましてですね、万葉線は15分に1本、コミュニティーバスは20分に1本なんで、1時間に1本しか会えヘンのですね。せっかく「空間的連続性」ができたにもかかわらず、「時間的連続性」が保たれていない、そういう問題。さらに、「運賃の連続性」はどうかと言うと、今は共通券ありません。そういうところをどんどん解消していかないと、本当の連続性というのは生まれない、ということですね。
これはドイツの券売機になりますが、あそこで刻印するとですね、エリア内であれば自由にいけると。あるいは週末になると家族券みたいなものがあったりしてね、ワンちゃん1匹までつれていける、見たいなところがあります。ようやくその共通化という概念がでてきました。
左上ですけど、「スルッと関西」、関西地域で、関西私鉄各社を共通で使えるチケットをやろうということで、これ非常にヒットしまして、関東の方にいって「パスネット」というシステムに結びつきました。もともと関西の私鉄が、JRさんが非常に強大になってきたと。私鉄負けてるぞ、というようなことで「私鉄対JRみたいな話でね、企画されたものなんですね。ところが、私あえて言うのは、それ相手見誤っているよと、それはJRかってはライバルやったかもしれんけれど、今はもうどんどん同盟つくってやらないかん時代なんよということです。要するに敵はJRじゃなくってマイカーでっせ、ということです。
そういうことで、こういうのがJRも共通で使えると、ユーザー側からね、「あんたらもうそんなこと言っているばあいちゃうよ」というようなことを、プレッシャをかけていかなあかん。関東のほうでは「スイカ」というのが、ICカードができました。ポッと触れるだけで何回でも使えると。いいですね。
でも、これはJRだけですね、「パスネット」では使えない。そういうねじれ現象が今起こっているわけですね。
これは、電車内の中吊りですけど、「新春どこでもパス」。期間限定でいろんな交通施設も乗り継げる。あるいは、これもワンデーチケットとして、今までは交通局だけのワンデーチケットだったのが、関西私鉄どれもワンデーチケットよ、みたいなことがどんどんでてきています。富山ワンデ−チケットありますか。ありませんね。今ね、作ったらどうですか。富山一日ワンデーチケット。どこでも生きたい放題行けと。こういうものが、観光なんでいうのもどんどん促進するのではないか。
それからこれはハイウエイカードですね。58000円券、これ5万円で買える。金券ショップなんか好くと95000円ぐらいで売っているんですね。それから、マイレージカードです。要するにたくさん乗ったらたくさんフィードバックがあるっていうかね、JRさんはなかなか今は回数券買っても、ちょっこりしか儲からないですね。もっともっと割引率が欲しい。公共交通使えば使うほど割り引いてもらえるというようなサービスを増やすべきだろう。ANAの場合なんかどうですか。飛行機乗る以外にもホテルで宿泊した、レストランで食べた、系列店であればどんどんマイレージたまりますね。同じようにしたらいいんです。要するに、系列のところで買い物するとマイレージがたまるよと。そういうことになれば地域のショッピングセンターなんかも絡みやすいわけですね。そういうような取り組みが必要ではないかと。
これもそうですね。JRさん、関東側に対してはパークアンドライドで、駐車場のスペース確保してもらったり、首都圏フリー切符なんて一生懸命やってもらってるんですけど、私関西なんですが、関西から言うとぜんぜん特典ないんですね。これは何でかと言うと、飛行機があるから関東に対してはJRは一生懸命なっている、ということですね。ところが関西を考えたら、飛行機はないけれどヨコ見たら車がどんどん走ってる、ライバルでおるんですね。そういうこともちゃんと考えていかなきゃいけない。で、最初に戻りますけど、こういうのは完全な都市間交通ですね。都市間交通と都市内交通はちょっと切り離して考えないと、飛行機の競争と地域のコミュニティーバスの問題を同じテーブルの上で議論していても、なかなか解決策はでてこないだろうと、いうふうに思います。
これはポートランドですけど、GPSですね。カーナビを利用するような技術を利用しまして、各バスが、どの位置にいるか、何分遅れているか、全部でます。それをユーザーもインターネットで今バスがどこにいてるか全部分かります。こういうことを開発していくこと。要するに、地域でいろんなJRさん、路面電車、コミュニティーバスコミニテイバス、こういったものがうまく体系して、ちょっと1分遅れていたら、1分遅れてるよと、そこで電車が待っててくれるぐらいの、そういったシステムをつくっていかなきゃいけない時代なんですね。これが新しい地域の公共交通だと思います。
で、もう一方の問題で、環境問題ちょこっとだけ言っておきます。皆さん、だいたい感覚的に環境問題が必要だということわかっているけど、まだまだ自分の実感にはないというのが現状だと思うんですね。
で、環境問題取り上げるときに、車の問題というのが出てくると思うんですが、車社会の問題点として、交通事故、環境汚染、交通権の侵害などいろいろ挙げていますが、私の指摘したいのは、「大量生産・大量消費」の体質をつくったことであるということなんですね。憧れの車をつくる事に、心血が注がれてきた。ま、これ産業基盤だったわけですから、20世紀はこれできたわけですね。
「T型フォード」なんて、大量生産ていうんで、どんどんできてきたわけですね。しかしですね、それもなかなかうまいこといかんかった。不況や不況やというけど、どうもその要因ていうのは、大量消費型の社会がちょっと行き詰まっているって言うことじゃないかと思うんですね。で、車に依存しない社会っていうことを考えるって言うことは、これからの経済を考えるときには、非常に大きなテーマだと私思うんですね。
これもファーストフードですけど、行ったらいろんなトレーが出てきたり、ナプキンが出てきたり、もうぼんぼん捨てます。もうちょこっとだけシロップでも捨てます。そういうのものすごい量やっていますけど、果たして本当にこのままで行っていいんでしょうかね。
これは部屋のなかですけど、もう部屋ん中もう物で溢れている。もう何も買えまへんでと、言うような状況で、なおかつ買え買えといわれる。それは無理でっせと。
で、郊外店がどんどんできてきてますね。富山の美しい、立山の特等席ですか。よう言っているんですけど、もう電線だらけで、郊外店の看板なんか出てくると、どこが立山綺麗なんですか。
そうやってつくっていく一方では、中心街では店がつぶれていくと。ちゃんとスペースあんのやから、ここでお店やってくれたら、あんな郊外の立山が見えるところに電線を立てることもないわけですね。私は、医者でもなんでもありませんけど、病名つけました。「大量消費生活型地域文化喪失症」。みなさん、これだけはメモって帰ってください。これね、私ね、これにいろんな全ての問題が含まれていると。自分たちの文化、もうズーンとどっかいってしまってると。そういうところに公共交通ということも、ものすごく関わっているんですよということを、考えていただきたいと思います。
冬歩いてます。バシャー水かけられます。もうこれ病気に侵されている証拠。歩行者のことなんかぜんぜん考えてない。横断歩道では停まるというのが絶対条件なんでしょ。止まりませんよ、車。もう忘れちゃうんですよ。
女性のドライバー出てきましたね。最近はいいミニカー増えてきましたからね、どんどん車乗るんですけど、一方では、「ダイエットせなあかんわー」。で、「寝ている間にフィットネス」そんなのあなたね、寝ている間にやせられるわけないですよね。もうこんなことを考え出したら、もう病気に侵されている証拠。さらに、「アブトロニック」。こんなんバーッと全身震わすだけでやせますってね。そんなんお前アホかってね。「大腿にも効きます」ってね、もうどうしょもないね。そういうことをね、正しいと、これがおしゃれやと思っているのが、もう病気に侵されている証拠ですね。
 またでてきました、立山。先ほどもいいました、綺麗に立山を一望できるところ減ってきましたよね。やっぱり富山を訪れた人に、立山の美しい風景を見せてあげるポイントをね、一つでも多く僕は確保すべきだと思うんですね。でね、立山がいかに侵されているかって言うのを、高岡短期大学の技術の枠を集めて、電子顕微鏡作りまして、検証して見たいと思います。
 何か怪しいの出てきました。何でしょうこれは。黄砂ですね。今年ひどかったですね。320日と4月の頭。もう黄砂だらけになった。これ他人事じゃないんですよ。何でかって言うと、いろんな要因が言われてますけど、やっぱり中国で環境汚染広がってるのが、モロにこっちに来てるわけですよ。もう立山真っ黄っきになったらどうするんですか。
 で、黄河の断流現象。断流っていうのは、水が要するに続かない。山からズーと水が流れて、あの大黄河が干しあがってるって言うことなんですね。その日数が、70年代にはほんのわずかだったのが、1998年には、220日です。1年の3分の2、黄河干しあがってるんですよ。あの大黄河が。だから、黄砂もどんどん来るんです。基本的に水が減ってるから。で、いろいろ調べてきると、資源の枯渇とか言われていますが、石油はなんとか大丈夫そうなんですよね。あるいは、天然ガスがあったりとか、日本の優秀な技術力で燃料電池とかいろいろやってるでしょう。ところがね一番心配なんが水なんです。さっきから言ってるように、大量消費で使っていくような感覚を続けていくうちに、絶対水も無くなっていくと。あるいは、日本は木が残っているけれど、自分の木は切らんと、アジアの木を切って、そこで水を消費させていると。そんなことはこれからもう通用しないんですね。
 要するに、21世紀の基本テーマとしては、「共存」であり、「持続」であると。自分たちがちょっと譲ると、いうことをしていかない限り、すべてがとまってしまうんではないかということなんですね。で、週末にはじゃあちょっと歩いていこうかとかね、たまにはバスや電車乗っていこうかとか、これやったら電車乗ってもいけるかな、ということだけでもね、ちょっとだけでもやっていくと。その気持ちから始めないと、全く始まらない。ということね。
 で、提案したいのが「暮らしの10%ダイエット」。アブトロニックを使うのではなく、自分で10%のダイエットする、ということを提案したいと思います。
 どうもありがとうございました。