【There is nothing permanent except change.】 <2> 海堂は困っていた。 そもそもあんな約束を柳と交わしたのはいいが、一体柳は何の用があるのだろうか。 そう考えると授業にも身が入らず、海堂は授業で教師に指されて慌てたのであった。 「クシュッ!!」 乾、くしゃみしている場合ではない。
海堂が玄関先に向かうと、なにやら女子が騒がしい。 −ねえねえ、正門前に立海大付属の人がいるって?− 立海大の制服、涼しげ、若旦那か番頭・・・これらから繰り広げられる想像で海堂にはすっかり誰だか分かってしまった。 (何で、正門に居るんだ!?) 待ち合わせ場所など決めていなかったからだ、ということはすっかり想像の範囲外にある。海堂はとりあえず急いで靴を履くと正門までダッシュした。
海堂が正門に着くと、柳は数人の女子に囲まれていた。 「ああ、海堂君。失礼、待ち人が来たのでこれで」 柳は走ってくる海堂の姿を見ると、そう女子達に声を掛ける。 「すんません、待たせました」 その通りだ。 「あの・・・それじゃ何処にいくんですか?」 柳と連れ立って歩く海堂。
そんな2人の後姿を見ながら、たまたまその場にいた桃城と越前が不思議なものを見たかのように眺めていたのであった。
そして乾も、別な位置から2人を気にしていたのであった。 04/05/15up |