「ぁっ、ぁっ、あァッ!!やっ父さまっっ…激しっっ…あっ、あゥッッンンッ!!!」
 びびっ、びッ!
 ピンと背を仰け反らせ、尻尾を堅くしこらせて、狐娘が声を上げる。
「ぁっ、ぁっぁっ…!」
 体の芯がびりびりと弾けて、腰が勝手にがくがくと震える。
 火照った肌には既に玉のような雫がいくつも浮かび、つうと滑ってはシーツの上に滴った。
 両手はかたくなにシーツを握りしめたまま小刻みに震え、そのシーツも、にじみ出る彼女の汗で僅かに湿り始めている。
「…なんだ、真央。…またイッたのか?」
 ふぅふぅと息を荒げながら、月彦は背後から意地悪く囁きかける。
 腰をしっかりと掴み、堅く猛ったままの剛直で愛娘の極上の膣の感触を味わいながら、さらにぐりっ、と狭い膣道の奥を小突く。
 どぷりっ、白い濁液の混じったものが溢れて、シーツを汚した。
「ふっぁ…ご、ごめんなさい…父さまぁ…。でもっ……」
「でも、何だ…?」
 月彦の手が、滑るようにして、腰から動く。
 背中を撫でるように通った後、真央の体とベッドのシーツの間で痛々しいまでに歪んでいる双乳をしっかりと掴み上げる。
「きゃぅんっ!」
 父親の、たったそれだけの行動で、真央は堅く勃った尻尾を跳ねさせて声を上げる。
「ほら、真央。でも…なんだ?」
 催促するように、真央の…先端、筒のように堅くしこった蕾を指の間でくりくりと刺激する。
 その都度、真央は可愛らしいほどに具に反応を示した。
 まるで胸の先から腰の奥まで神経がダイレクトにつながっているかのように、月彦に乳首を弄られるたびに、体内に深く突き刺さっている茎を痛烈に締め上げて戦慄く。
「はぁぁあっぁっ…んっ!も…っ、許してっぇ…父さまぁっ!…んっぁっ、そ、そこ…だめぇえっ!」
「胸はダメ、か…」
 態と、仕方なさそうな口調で、狐耳のすぐ側で呟く。
 そしてそのまま、真央の体を抱き起こし、自らはあぐらを掻いて座り直す。
「んんっっ…!!」
 真央は、くぐもった声を漏らした。
 当然といえば当然だ。真央の、まだ未成熟の体は月彦の茎を深々とくわえ込み、その先端に直接自らの自重がかかったのだから。
「じゃあ、ここなら良いのか?」
 と、囁きながら、真央の腹を優しく撫で、薄い恥毛をかき分けて自らの茎が深々と突き刺さっている部位を優しくなで回す。
「ぁっっ…やんっ!」
 真央が、悲鳴を上げる。―――も、構わず、月彦の指先は結合部の上、包皮の下で痛々しいまでに勃起している真央の淫核をやんわりと転がし始める。
「やッッと、父さまっっ…んっっくぅ!」
 途端に身を強ばらせ、恐怖の色すら示す狐娘。
 それでも、抵抗はできない。片手で、月彦の手首を掴み、制止するような素振りをみせただけでその実、握力などはほとんど無いに等しかった。
 コリコリと包皮の上から弄ぶ都度、真央は太股を震わせて痛烈に膣内を締め上げてくる。
 月彦は直接は直接は触らない。ここまで勃起している場合、包皮越しでなければこの敏感な狐娘はすぐに失神してしまうのを月彦は経験で知っていた。
「ぁっ、ぁっ…はぁぁっっ、と、父さまぁぁっ……やんっ! そこっ、コリコリってされたらっ…ぁっ、ぁっぁっ………!」
「コリコリされたら…どうなるんだ?」
 囁きながら、月彦は意地悪く、指の動きの一切を止めてしまう。
 代わりに優しく下腹を撫で、溢れる蜜ですっかり濡れてしまった恥毛を指に絡めるようにして弄り回す。
「やっ、やぁぁっ……」
「ほら、真央。ちゃんと言わないと―――」
 月彦は真央の太股を下から持ち上げ、自らの茎を引き抜くような素振りをする。
「ぁっっ…!やぁっ!…っ…こ、コリコリって…されたらっっ…また、………イッちゃう……のぉぉ……!」
「”また”か。…真央は気持ちよくなるとすぐ自分だけイッちゃう、自分勝手な牝狐なんだな」
 真央の太股を掴んだ手が、ゆっくりと下がる。と、再び、ずぷずぷと茎が、狐娘の狭い膣を押し広げていく。
「ぁっぁぁっ!そ、んなっ…ぁんっ!だって…き、気持ちいィ…んンぅっ!」
 体に芯を通されているように、真央は弓なりに背を仰け反らせていく。
 さらに、両足を持たれ、広げられたままガクガクと揺さぶられ、その都度全体重のかかった子宮口を堅い男根に押し上げられる。
(ぁっぁっ……んっ!…と、さま…いつもと、違…う…!)
 下から突き上げられながら、白い霧のかかった頭で真央は漠然とそう思った。
 いつに無く荒々しく、精力的で、そして…意地悪だ、と。
 既に、幾度となく真央は絶頂に押し上げられ、クタクタだった。そしてその1/3くらい、月彦も絶頂を迎えている。
 それでも尚、真央に対する手を緩めない。
(薬、も…何も、使って……無い、のにっぃ…)
 真央には、不可解だった。
 月彦が何故このようになってしまったのか。その原因がわからない。
(やぁっ…だ、だめっ……もう、何もっ…考え、られ…ない!)
 思考を巡らそうとしても、その都度、下半身を巨大なものが突き上げてくる。
 電気のような快感は四肢を貫き、腰を跳ねさせ、背骨を痺れさせた。
 ぐぷぐぷと膣内でかき混ぜられる、精液と愛液のシェイクのぐぐもった音が部屋中に響き、真央の大きな耳をこれでもかと刺激した。
 必至に耳を伏せ、逃げようとしても逃げられるものではない。それどころか、耳を伏せようものならここぞとばかりに月彦がそこを愛撫してくるのだ。
 閉じようとしている耳の端を摘んで無理矢理開き、裏側を舐め、飛び出ている白い毛を指先で弄び、さらに湿った息を吹きかけてくる。
 それだけで、敏感な真央は軽く達してしまうのだ。
「ッ…真央っっ……!」
 月彦の息が一掃荒く、そして太股を揺さぶる動きが激しくなってくる。
「ッ…父さまっっっあふっ!んっっ!!ぁっぁっぁっ…!」
 真央もまた、すぐに絶頂間近へと押し上げられる。
 四肢の感覚がぼやけ、ただ結合部分の男根の感触と、室内に木霊する濁った音だけが、まだ意識があることを真央に自覚させていた。
「んぁぁあっぁッ!だ、だめっ…父さまぁっ……い、イクッ…イッちゃう…!!」
 耳から入ってくる、自らが貫かれる音と相まって、まるで直接脳髄を男根で犯され、かき回されているような錯覚さえ感じながら、敏感な狐娘は十何度目かの絶頂の嬌声をあげた。
「…くっ……!」
 月彦は一際深く、自らの男根を愛娘の膣内に埋めると、包容をするようにその体を抱きしめた。
「ぁっ……ンッ!!と、父さまっぁっ……ぁっぁっぁっあぁーーッ!」
 実父の精液を膣内に迎えて、はしたなく声を上げる、狐の娘。
 下腹が跳ねるほどに強烈に打ち出される濁液を膣壁で受け止めながら、絶頂の余韻に酔いしれるように全身の力を抜き、月彦にもたれかかる。
「……まだだ、真央」
 その余韻すら打ち消してしまう、月彦の言葉。
「えっ………?」
 意識も白濁として、ろくに抵抗もできないまま、真央は再びベッドに仰向けに寝かせられた。
 そこに、月彦が被さってくる。同時に、下腹を貫く、堅い男根。
「んぁぁあっあっ!!!」
 イッたばかりでさらに敏感になっているそこを貫かれ、真央は声を上げる。
(と、父さまっ…本当に…どう……したの?)
 月彦に抱かれ続ける喜びを噛みしめながらも、真央は困惑し続けていた。




























 ―――数日前の、夜のことだ。































「父さま、『こすぷれ』ってなに?」
「…は?」
 愛娘の、いきなりの質問に月彦はつい耳を疑った。
 風呂上がり、読んでいた雑誌のページをめくる手を止め、ベッドの上で神妙に正座している真央の方を見る。
「こすぷれ?」
「うん、こすぷれ」
「…………一体どこでそんな言葉を…」
 月彦はそう聞こうと思ったが、やめた。
 それを聞いたところで別に何がどうするということでもないであろう。
 それよりも、問題なのは―――
(……正直に、教えるべきか?)
 ということだ。無論、月彦が躊躇っているのには理由がある。
 コスプレ―――俗にいうコスチュームプレイ。
 実際の用途はどうなのかは解らないが、基本的にはそれは主に性行為の際の一種の興奮材料として行われることが多い。(と、月彦は決めつけている)
 そしてそのことを真央に教えれば、どうなるであろう。
 真央には『変化』という特殊技能がある。それをフルに使ってここぞとばかりに自分に対してコスチュームプレイを仕掛けてくるのではないだろうか。
(考え過ぎか…?―――いや、しかし…)
 そうならないとも限らない。
 無論、月彦自身も少し、そういうプレイに対して興味もあるし、特定のコスチュームやシチュエーションに対して興奮してしまうのも事実だ。
 が、真央にそういうことを教えると後々強烈に自分の首を絞めることになりそうな予感が―――いや、殆ど確信にもちかいものが月彦の中にはあった。
(と、なれば……)
 まるきり嘘を言えば、かえって怪しまれるであろう。
 月彦は少し思案して、
「コスプレっていうのは、コスチュームプレイの略なんだ」
「こすちゅーむぷれい?」
 真央は横文字に弱い。首を傾げて、即座に問い返してくる。
「まあ、つまり…男は女の、女は男の格好をして遊ぶことを言うんだ」
「遊ぶって…どんな風に…?」
 さらに、興味津々と突っ込んでくる狐娘。
「さ、さぁ……俺は、やったことないから…」
「ふぅん…」
 真央は納得するような、してないような顔で、しばらく考えるように首を捻り続けた。
「そうだ、姉さまなら…知ってるかな?」
 と、嬉々とした口調で言い出したから、月彦は当然慌てて止めた。
「ダメだ、真央。姉ちゃんには絶ッッッッッッッッッッッ対聞いちゃダメだ。解ったな?」
「えっ…、う、うん…父さまが、そう言うなら……」
「言っとくが、母さんにも聞いちゃだめだぞ?いいな?」
 月彦の、最後のこの一言は余計だったかもしれない。
 結果として、その一言は真央の好奇心を擽り、彼女が自発的に調べるきっかけになってしまった。


 数日かけて、真央は自力で情報を集めて、『コスプレ』について調べ上げた。
 もちろん月彦に言われたようにただ遊びとしてやるだけではなく、性行為の際の興奮材料としてそれらを用いる人々がいることも、だ。
 その結果、真央が出した結論は、
(…父さまは、男装した女の子が好きなんだ)
 というものだった。
 その根拠は真央らしくないといえばらしくない、が、狐としてはらしいと言えるだろう。
 とどのつまり、月彦が言った偽の説明(とも言えないかも知れないが)の中にこそ、実は真実が隠れていると狐特有の賢しい本能がかぎつけたわけだ。
 その推測が実際に合っているかどうかは問題ではなく、まだ幼く若い真央は純粋に自分のその直感を信じた。
 そしてすぐに、それを利用しようと考えた。
 雪乃と親しそうにしていたのを見て、嫉妬していた―――というのもあったかもしれない。
 とにかく真央にしてみれば、(現在の所)唯一の肉親の月彦を自分だけのものにしておきたいという強烈な欲求がある。
 月彦の意識を常に自分に向け、自分だけを見て、自分のことだけを考えてくれるようにしたいと、真央は思う。
 ならば、より月彦が自分に興味を示すように努力するのは当然のことだ、という計算が働く。
(男装、してみよう)
 と、真央は思った。
 

 

 そして、昨夜ついに、その計画を実行したのだ。
 何故昨夜かというと、翌日が土曜日で月彦は学校が休みであり、時間のことを気にせずじっくりたっぷりと月彦に抱いてもらえると、そういう思惑があったからだ。
 計画は月彦と一緒にベッドに入り、月彦が寝てから始めることにした。
 もちろん月彦は真央がそういうことをもくろんでいるということを知らない。
 あくまで真央が隠密のうちに用意し、月彦を驚かせるつもりだったからだ。
 着る服は学生服と決めた。
 一つには、真央自身月彦のそれを着てみたいという好奇心があったというのもあるかもしれない。
 深夜、月彦が寝息を立て始めると真央は静かに、月彦を起こさないようにベッドから降りた。
 今まで来ていたパジャマ(葛葉に買ってもらった)を脱ぎ、ブラも外してショーツ一枚になる。
 窓から入る微かな月明かりさえあれば、室内を移動するのに灯りはいらなかった。
 真央は瞳を猫のように爛々とさせて、まずはクローゼットを開けた。
 中のハンガーにかかっている、月彦のカッターシャツを手に取り、袖を通した。
(…大きい…。)
 と思う。普通に袖が余ってしまった。
 真央はとりあえず袖をまくり、ボタンを留めることにした。
 が、これがなかなか手こずった。
 男物のカッターシャツのボタンはパジャマのそれとちがい、小さく、生地も硬くて暗い室内では非常にやりづらかった。
 凄まじく時間をかけながら、真央はようやく、いくつかのボタンだけつけることに成功した。
 カッターシャツそのものは真央の体格より全然大きいのに、胸元だけは妙に苦しかった、が、それは我慢できた。
 それよりは残りのボタンだ。―――が、真央はそれらをつけることを諦めることにした。
 ボタン付けに恐ろしいほどの時間を要してしまうのには、室内が暗かったり、不慣れだったというそういう要因もあるのだが、それよりなにより決定的だったのが、他ならぬ真央自身が不器用だというのが一番の原因だった。
 いくつかでも、前がとまっていれば、それでいいと、不器用な狐娘は妥協して次に進むことにした。
 クローゼットの中、同じくハンガーに二つ折りになってかかっている黒の学生ズボンを取り出し、それを履く。
 当然といえば当然のことなのだが、裾が結構余ってしまった。真央はそれをまくって、ジッパーを上げ、シャツの裾を全部ズボンの中に入れる。
 最後にベルトを閉めて完成―――の筈が、困った事態になった。
 ベルトの穴が全然足りなかったのだ。予め明けられている穴ではウエストの締め付けが全然たりず、そのまますとんとズボンがおちてしまう。
(どうしよう……)
 と、闇の中で真央は考えた。
 他に、もっと適切なベルトはないかとクローゼットの中を見回してみるが、見あたらない。
 さすがに勝手に穴を開けるのは…まずいだろうとも思う。
「…………………」
 真央はしばし考えていたが、妙案が浮かばなかった。
 それよりも先に、眠気の方が到来した。壁掛け時計を見ると、既に2時を回っている。
 学生服の着替えだけで3時間以上かかってることになる。
「………うーん…」
 真央は自らの姿を見ながら、低く唸った。
 果たしてこれで月彦が興奮してくれるだろうか?―――と思案してみたが、そういう結果にはならないだろうと容易に予想がついた。
 シャツはだぶだぶ、ずぼんもだぶだぶ、その姿は小学生が背伸びして兄の学生服を無理矢理着たような滑稽さはあっても、ボーイッシュさが売りの雅な女の子…というふうにはとてもじゃないが見えなかった。
(……寝よう)
 と、真央はあくびをして、諦めることにした。
 ズボンを落ちるままにその場に放置して、もぞもぞとベッドの中に潜り込む。
 潜り込んで、月彦に寄り添い、眠りの縁に陥りながら、ふと思った。
(変化で…変身すれば…良かったんだ)
 肉体そのものは変化させず、衣類のみ変化させれば、そもそもこのような苦労はしなくてすんだのに―――そういうことを考えながら、真央は眠りに落ちた。
 
















「ん……」
 枕元の、目覚まし時計の鳴る音で月彦はいち早く目を覚ました。
 叩くような乱暴さでそれを止め、目を擦りながらむくりと上体を起こす。
「なんだ…まだ7時前じゃねーかよぉ…」
 休みの日であるのに、目覚ましのタイマーを切り損ねたのは我ながら失念だったと後悔しつつ、月彦は再びベッドに潜ろうとした。
 その時、だ。
(ん…?)
 と、違和感に一瞬体を強ばらせた。
 隣で真央が寝ているのは解っていたのだが、なにやら手触りにある種の違和感があるのだ。
 いつものパジャマの手触りではなかった。
「なっ…!」
 掛け布団をまくった途端、月彦は絶句した。ついでに、ベッドから三歩後ずさった。
「ん…父さま…?」
 瞼越しに感じる陽光と、今の今まで自らを暖かく包み込んでいた掛け布団の包容を失って、真央も目を覚ましたようだった。
 むくりと体を起こし、目を擦りながら月彦の姿を探す―――と、なにやらベッドから少し離れたところで固まっていた。
「父さま…?」
 真央は問いかけながら、ベッドの縁に腰をかける。―――が、月彦からの返答はない。
(…どうしたんだろう?)
 そう思いながら、真央は首を傾げる。
 もちろん、月彦には月彦なりの、固まらざるを得ない理由があった。
(……なんちゅーエロい格好だ…ッ!)
 ただそのことのみ驚愕し続けていたのだ。
 自分のシャツを着た、愛娘、真央。
 ベッドの縁にきょとんと、寝ぼけ眼で座り込み、首を傾げている。
 長い袖をもてあますようにだぶつかせて、中央部一つだけとめられたボタンの上には幼い容姿には似つかわしくない双乳がむっちりと顔を覗かせ、しかも絶妙のところで蕾部は見えないという状態。
 いや、それだけではない、すっかり露わになってしまっている白い太股もまた凶悪なまでになまめかしかった。
 ゴクッ…。
 鈍い音を立てて、唾液の塊が月彦の喉を駆け下りていった。









 補足をすれば、真央のこの格好は月彦にとってクリティカルだった。
 にも関わらず、当の真央本人がそのことに気がついていないというのがこの状況の不可思議さだ。
 そしてその純粋さ故に、月彦は愛娘の異様な魅力に心奪われ、理性ががらがらと崩れていく音を聞きながらもなんの抵抗もしなかった。
「ま………」
 乾いた唇が、微かに震える。
「真央ぉぉぉおおおおおおおっっ!!!」
「えっっ、と、父さま……―――きゃん!!」
 瞬く間に、真央はベッドに押し倒された。
「ぉぉぉおおおおッ!!」
 月彦の咆哮は続いている。無理矢理、引きちぎるようにしてカッターシャツの袖を肩口から破り、露出した真央の白い肢体にしゃぶりつく。
「と、父さまっ…!?」
 真央はただ、驚くことしかできない。
 瞳を血走らせ、まさしく獣のように迫ってくる実父の迫力に完全に押され、されるがままだ。
「はぁっ……はぁっ……そんないやらしい格好で寝るような悪い娘には…オシオキが必要だな?」
「ぇっ……と、父さま…ホントに…どう…したの?」
 普段の月彦からは、どう考えても絶対に出てこないような言葉に、真央はただただ困惑した。
 月彦の豹変ぶりは凄まじかった。
 以前、薬を使って暴走させたときとは違う、別人ではないかと思うほどの変わりようだった。
 それは、『男物のカッターシャツだけを身につけた女の子』という本人すら知り得なかった属性攻撃によって引き起こされた一種のトランス状態であるのだが、当然そんな変態的な理屈まで幼い真央が知るはずはない。
「ご、ごめんなさい……真央が、勝手にシャツ着たこと…怒ってる…の?」
 真央は訳もわからず謝る。が、当然その的はずれな言葉で月彦が正気に戻る筈もなかった。

























 ―――そして、数時間後。




























「んぷっ、んっ、んっ……!」
 堅く膨れあがった男根を口いっぱいに頬張り、真央は眉を寄せながら口戯に没頭していた。
 跪き、カッターシャツの袖口から僅かに見えている指先で愛しそうに愛撫をしながら、小さな舌で丁寧に舐める。
 既にその秘裂からは白濁とした男汁がこぽこぽと溢れ、太股を伝っていた。
 何度も、何度も月彦によって突かれ、中出しをされた結果だ。
「はぁっぁ……真央、気持ちいい…ぞ……」
 月彦は真央の髪と、耳を優しく撫でながら、ベッドの縁に座り、愛娘の口戯に酔いしれる。
 目には、未だ鈍らぬ狂気の光を灯して、真央の舌使いに対して逐一指示をしては、ゾクゾクと背筋を駆け上ってくる快感にため息にも似た声を漏らし続けた。
 月彦は、真央には殆ど口戯を指示したことはなかった。が、今日だけは別のようだった。
 その膣内を幾度と無く犯し尽くし、その陵辱っぷりに真央がたまらず懇願したところで、尚快感を貪り足りない月彦は口での奉仕を指示したのだ。
 それも、一度自らが脱がしたカッターシャツを再び着て、といういかにも鬼畜な命令つきだ。
 真央は月彦の言葉を従順に守り、再びカッターシャツを羽織った上で、ベッドの側で跪き、月彦に奉仕を続けていた。
「んはっ…はぷっ…んっ、ちゅっ…んんっ!ぷっふぅ…んぷっ…んんっふッ!」
 真央が口を離すたびに、湿った、しかし熱い吐息が剛直の先端に吹きかかる。
 口戯は丁寧を極めていた。
 皺の一本一本を辿るように、真央の小さな舌が這い、浮き出た血管まで吸い上げるように薄い唇が吸い付いてきた。
「真央、銜えるんだ…」
 月彦が静かに言い放つと、真央はその小さな口をいっぱいに広げて、男根を迎えた。
 唇を割り開き、男根を突き刺していくその感触は丁度、狭い膣胴を無理矢理押し広げながら挿入する感覚に酷似していて、月彦を呻かせた。
「動かすぞ…」
 月彦は真央の頭を掴み、まるでその口腔内を使って自慰をするように前後させ始めた。
「んっっぷ……!!」
 真央は苦しげに呻きながらも、歯だけは絶対立てないように気をつけつつ、舌で男根のウラ筋を刺激するようにする。
 やがて、男根が震えるようにぴくぴくと小刻みに振動を始めて、
「ッ…真央、出す…ぞ…!」
「んんんっっ!!」
 どくっ…。と、一気に生臭い液体が口腔内に溢れた。
(苦…い…)
 と、思いながらも、当然真央はそれをはき出すようなコトはしない。
 剛直がはき出す最後の一滴まで口腔内で受け止めてから、ちゅぽ…と真央は静かに口を離した。
「ん…クッ…!」
 口腔内でたっぷりと転がして、唾液と絡め。飲み干す。
 不快感はなかった。月彦の、大好きな父親の精液を飲み干し、体の内側まで相手のものにされた―――そういう類の妙な満足感だけが、真央を包む。
「真央、口を離すのが…早いぞ?」
 月彦がそう言い、軽く竿を扱くとびゅるっ、と本当の最後の一射がはじけ飛んだ。
「きゃっ…!」
 真央は軽い悲鳴を上げて、それを受け止める。
 髪に少し、あと、鼻と頬の当たりにべっとりとした、白い液体が張り付いていた。
「ぁっ………」
 その”熱”を顔に感じながら、真央は上目遣いに月彦を見上げる。
「父さま、これで…満足してくれた…?」―――そう、真央が言うよりも早く、月彦の方が唇を動かした。
「真央、ベッドに上がって、四つんばいになるんだ」
 月彦が、口の端をほころばせる。
 もちろん真央はカッターシャツを来たまま、上目遣いに自分を見る女の子―――というシチュエーションによって、ますます月彦を興奮させてしまったことなど知るよしもない。
「え……そ、んな……と、さま…もう、無理………」
「無理?何が無理なんだ?」
 心底怯えたような顔で拒否を示す狐娘の尻を、月彦は撫でる。
 同様に、そこから生えている尻尾の付け根を優しく擦りあげた。
「やっ、と、父さまっ……尻尾………」
「最後に、真央の大好きな尻尾をいっぱい撫でてやろうと思ったのに…真央はもうシたくないのか?」
 悪魔のように優しく、狐耳の中にそっと囁きかける。
「ぁっっ……っっ……で、でも…………」
 真央は迷っているようだった。
 それでも、執拗に尻尾を付け根から先の方までなんども、毛並みをそろえるように撫でてやると、次第に―――
「………っ………これで、いい…の?」
 月彦に言われたとおり、ベッドに四つんばいになり、尻を差し出すように持ち上げる。
 尻尾をくねらせて高く上げると、口戯をしながらよほど興奮していたのか、すでに白濁汁は流れ落ちて芳香を放つ透明な蜜だけがぢゅるぢゅると溢れていた。
「っきゃッ!」
 月彦が、尻尾の付け根を強く掴む。
 そして、もう片方の手が―――指が、真央が全く意識していなかった場所に触れた。
「だ、だめっ…父さま、そこはっ……!」
「…思った通りだ。真央は…こっちでも気持ちいいんだろ?」
 秘裂から溢れる蜜を指先に絡め、蕾のようにぴっちりと閉じている菊座につぷりと、人差し指を埋める。
「ぁああぁっ!やっっ…と、さま……ぬ、抜いてっ…!」
 真央がカッターシャツの袖ごと、ベッドシーツを握りしめ、戦慄く。
 だがもちろん、当の月彦はそれを辞める気配などはない。それどころか―――
「ん…なんだ、結構簡単に…指二本……」
「んんぁぅ!」
 びんっ!と堅くそそり立つ、狐尻尾。
 そのすぐ側、菊座を優しく克つ丁寧に、解すように月彦は愛撫した。
「…ひょっとして真央、『母さま』にこっちを仕込まれたのか…?」
「えっっ………?」
 まるで肯定するように、括約筋がキュウと月彦の指を締め付けてくる。
 月彦は笑みを浮かべて、
「やっぱりか…。道理で簡単に…二本も指をくわえ込むわけだ」
 あっさりと指を引き抜く。
 代わりに、自らの剛直に真央の蜜を塗りつけ、宛った。
「ち、違っっ…そ、んなっっコト…やっっっ…!!」
「ほんと…母娘そろってどうしようもないくらい『淫乱』だな。」
 月彦は閉じられたままの狐耳をついと持ち上げ、態と『淫乱』の所を強調して吹き込んだ。
 そして同時に―――
「や、やんぅぅぅぅうッ!!!!」
 真央の菊座を、自らの男根で貫いた。
「ッ……さすがに、キツい…な」
 体重をかけて、ぐっ…ぐっ、と根本まで押し込んでいく。
 その都度、それを拒むように括約筋が痛烈に締まり、締め付けてくる。
「かっっ……はっっ…!と、父さまっ…やっ…ぬ、抜い…てぇ…!」
 真央は苦しげに呻きながら、シーツを掴んだまま身動きもしない。
 ただその狐尻尾だけをびんびんに勃起させて、菊座へ挿入された異物感にジッと堪えているようだった。
「大丈夫…。すぐに気持ちよくなる。なんたって…真央はあの淫乱な母さまの娘なんだから」
 意地悪く囁いて、抽送を開始するために月彦は体を起こした。
 真央の腰をしっかりと掴み、ゆっくりと前後させ始める。
「やっ、やんっ! 父さまっ…うごいちゃ…やぁぁっっ!」
 真央の言葉を、月彦は無視した。
 無視せざるを得ないほど、狐娘のアナルの感触は新鮮だった。
 締まりの良さだけなら膣とは比べものにならない。が、それ以上に後ろの穴を犯しているというやや異常なシチュエーションと、まくし上がったカッターシャツから覗く白い背中が月彦を興奮させた。
「んっっぁっあっ…ぁっ…やんっ…ぁっ…ぁっ、ぁっ……!」
 月彦が腰を早めていくと、真央も徐々になまめかしい声を出し始めた。
 頃合いを見計らって、時折尻尾を優しく撫でたり、強く擦ったりするとその度に真央の尻は痛烈に締まり、月彦を満足させた。
「んっっ、んっ!…あんっ、んっ…!んっ、ぁっ…ぁぁっ…父さまっ…父さまぁぁっ……!」
 真央が、陶酔したような声で喘ぎ始める。
 と、途端に月彦は抽送の一切を辞めて、腰の動きを止めてしまう。
「ぁっ…ぅ…?」
「どうだ、真央…後ろも…気持ちいいだろう?」
 ぐっ…ぐぐ…。真央にしっかりと剛直を感じさせるように、ゆっくりと腰を引き、ゆっくりと差し込む。
「あ…ンッ!……っ………」
 後ろで感じているというのが余程恥ずかしかったのか、真央は興奮による紅潮とは別に、羞恥によって真っ赤に染めた。
 そして、微かに頷いた。
「ちゃんと口で言うんだ。なんて言えばいいかは、解るな?」
 催促するように、ずんっ、と一突き。
「あンッ…!……っ…お、お尻…気持ちいい…の…。だから……だから、父さま…もっと……」
「もっと、何だ?」
 月彦は、意地悪く聞き返す。
 真央は少し、唇を噛むような仕草をした後、
「もっと…その……父さまの、で…真央のお尻…犯…して……!」
 湯気が出そうなほどに顔を赤らめて、消え入りそうな声で言った。
 くっ、と月彦は口元を歪めると同時に、再び真央に覆い被さり、狐耳をついと持ち上げた。
「やっぱり、真央は淫乱妖狐だな。…『母さま』と一緒だ」
「っっっ…そ、そんっ、な……あンッ!」
 真央が反論する前に、月彦は体を起こして抽送を再開した。
 ぱんぱんと柏手を打つような音を立てながら、何度も真央の尻を穿つ。
「はァンっ!あんっ、やんっぅ!んんっっ!!ぁぁっ!と、父さま!そんっっ……は、激しっっ…ぃんんッ!」
 小尻を震わせ、尻尾を勃起させながら、真央はあっさりと絶頂を迎えた。
 『淫乱』―――そう囁かれたことで、一層興奮したというのもある。
 が、当然月彦としては、真央が一人でイッたからといってやめるわけはない。
「なんだ、真央。本当にお尻でイッたのか?」
 はしたない娘だ―――そう囁きかけながら、腰の動きは止めない。
「ご、ごめんなさい…でも、お尻…気持ちいィッ…気持ち、イイのッ…っきゃああッ!と、父さまっ…し、尻尾っっっ……!」
 尻穴を犯されながらも、絶頂の余韻に浸っていた真央を、さらに高みに上げるように、月彦は尻尾の付け根を擦りあげた。
「だ、だめっェ!父さまっ…そんなにっ、そんなにしたらっっ……!」
 尻尾を擦るたび、真央が声を荒げるたびに菊座が痛烈に収縮し、男根をちぎらんばかりに締め付けてくる。
「っ……―――ッ!」
 月彦も、限界が近かった。
 真央をベッドに押しつけるようにして、体重をかけて菊座を抉りながら、その腸内に思い切り精液をぶちまけた。
「あひぃいッ!!」
 尻尾の付け根をこれでもかと擦られて、素っ頓狂な声を上げる、狐娘。
 まるで精液を搾り取るように菊座を収縮させながら、真央は再び絶頂に押し上げられる。
 目の前で火花が散るような錯覚、意識が白い霧に包まれて霧散するように薄れていく。
(ぁっいっ…お尻、気持ち…いィ……)
 腸内に直接はき出される熱い濁液の感触に酔いしれながら、深海の谷間に落ち込んでいくように真央は意識を失った。
 
 


























 

 ―――夕方。




























「ん……?」
 窓から差し込んでくる西日で、月彦は徐に目を覚ました。
「あれ…?」
 上体を起こす―――が、体が鉛のように重く感じた。
(なんだ…?それに、裸……?)
 変だな―――と、月彦は首を捻る。
 そういえば朝一度起きたような気がした―――が、その後のことは何も思い出せなかった。
(…とてつもなくいいものを見たような、見てないような…)
 何か、心の奥底を激しく揺さぶるような衝撃的なものを目の当たりにしたような”気がする”という漠然とした記憶だけが、頭の中に残っていた。
 が、それが何かというところまでは思い出せない。否、まるで理性やらなにやらが総動員して思い出させまいとしているような錯覚すらあった。
(ま、いいか…。)
 と、月彦は楽天的に考えた。
 真央のような妖狐と一緒に共同生活をしていれば、毎日いろいろと不可思議なことが起きるものだ。
 自然、そういった”不思議”に対して抵抗がつく。
(そういえば、真央はどこだ…?)
 ふと気になって、部屋を見渡してみるも、見あたらない。
 ベッドの掛け布団をまくっても、居ない。
 と思ったら、ふいに、キィと静かな音を立てて、ドアノブが開いた。
 真央だった。
「あっ―――」
 月彦を見るなり、なにやら身構えるような仕草をして、そんな声を出した。
 パジャマを着ていて、シャワーでも浴びていたのか、髪が濡れていた。
「ああ、真央。おはよう」
「…?……父さま、元に戻ったの?」
 訝しそうに、ドアから顔半分だけ覗かせながら、真央は観察する。
「元…?」
 そう言って首を傾げる月彦は、どうやらいつもの月彦のようだった。
 漸く真央は安堵して、部屋の中に入るなり、甘えるように月彦に寄り添った。
「な、なんだ…?どうした…真央?」
「ん…なんでもないの。…ね、父さま、もっかい…一緒に寝よ?」
 月彦の腕に自らの腕をぎゅうと絡めながら、ベッドに横になる、狐娘。
 この日以降、真央は二度と月彦の前で男物のカッターシャツは着ることは無かったとさ。

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