青森、津軽へ夏の旅
考えたいと思います。バスガイドさんの説明では坂上田村麻呂が蝦夷征伐のときにここで戦 勝祈願をして八幡菩薩を祀ったことから、ということでした。他に前九年の役のとき八幡太郎と いわれる源義家が登ったから、というのもあるそうです。いずれもあくまで伝説ですが。
多いのは津軽藩の宗教政策による、という話もチラと耳にしました。……ということは田村麻呂 伝説というのは上から作られたもの? そんなことを考えていたら夢がなくなるでしょうか。 ご めんなさい。でも呉女は伝説が生まれる社会的、政治的背景に興味をもってしまうのです。 大湯環状列石 〜ミステリアス?!縄文後期の墓地〜
十和田湖 〜琅かんの玉をとかしていまだたらず〜 バスは少し標高を上げて、十和田湖の南の展望台、発荷峠(秋田県)へ。曇り。十和田湖の
八甲田山 〜意外にやさしかった夏の山〜 雨の奥入瀬に別れをつげて、白い雲の中を走る。次は八甲田ロープウェイに乗る予定だけ れどこんな天気では……と思った矢先にパーッと晴れてきた! 「ラッキーだったね〜」と言う と、オオアマさまが「違うよ。あれは太平洋側から日本海側に出たから天気が変化したんだ よ」。それで地図をよく見直してみると、なるほどバスは奥羽山脈の先端、北八甲田と南八甲 田の間(八甲田山は一つの山ではなく連峰)を東から西へ抜けていたのでした。北八甲田の 田茂萢 (たもやち)岳にロープウェイがあります。晴天の下、ロープウェイからの眺めに感動!
いました。ところが実際に接した八甲田は標高も1500mほどでものすごく高いわけでもなく、な だらかでやさしい山々。これが冬になると厳しくなるのですねえ……、きっと。 ねぶたの里 〜「ラッセラ〜、ラッセラ〜!」〜 八甲田の山をおり、青森市街に入る少し手前にで、バスは「ねぶたの里」に立ち寄りました。 青森といえば8月初旬のねぶた祭りが有名ですが、祭りで使われた本物のねぶたを数体展 示しています。昼食休憩も含めて60分という短い時間でしたし、施設自体ははなはだ簡素の施 設(失礼こて!?)なのですけれども、本物のねぶたの迫力と美しさに呉女は圧倒されました。
っていないようです。おそらく津軽弁で「眠い」を意味する「ネプたい」を語源とし、労働の妨げに なる睡魔を払う「眠り流し」の民間行事で、少なくとも300年くらい前から行われていた記録が あるとか。現在のような盛り上がりを見せるようになったのは戦後のことだそうです。 いわば「ハリボテ」でこれだけの芸術品をつくるのですから、スゴイ! 見るまではあまり興味 なかったのですけど、ねぶたの周りで跳ね踊る「ハネト」として一度お祭りに参加してみたくなり ました。「ラッセラ〜! ラッセラ〜!」って。ちなみにこの「ねぶたの里」では時間によっては
三内丸山遺跡 〜縄文のイメージを変えた大集落〜
があることは古くから知られていたのです。よく本に出ている発掘当時の写真に扇形の建物が 写っているのですが、それは建設中の球場のスタンドです。その野球場建設をやめ て遺跡保
です。集落の中でみんなで協力しあって生活していた、そんな活力のようなものが感じられる 遺跡でした。1500年も続いた集落にも衰えの時期はきました。このあと環状列石や翌日訪れ る亀ヶ岡遺跡の時代になるのですが、イメージとして宗教色が強くなるような……。環境が厳し く変化したのでしょうか? 最近は「縄文回帰」というか、日本人の原点として縄文時代を再評価する傾向があるのだそう です。そのきっかけとなった三内丸山遺跡。なぜかホッコリした気分になりました。 棟方志功と浅虫温泉 〜「わだばゴッホになる」〜
の入った作品……裏から色を塗る技を使うそうですが、これは正にねぶたの色です。志功は ねぶた祭りが大好きで、祭りには必ず帰郷して参加する「楽しいおじさん」だったようです。 もう一ヶ所、志功が帰郷して必ず立ち寄った場所。それが、この日のバスの終点であり宿泊 地。青森市の東端、浅虫温泉です。今はJR浅虫温泉駅に近い海岸線に旅館が並んでいます が、平安時代の開湯との伝説もある温泉は元は丘側が中心地。そこに今も残る「椿館」が志 功の常宿で、志功の作品も多く展示されているそうです。私たちが泊まったのは「椿館」の姉妹 館で駅に近い小さな宿「お宿つばき」でしたが、とても清潔感があって宿の人もあたたかくて、 いい宿でした。オオアマさまも「ここのお湯は合う!」とえらくお気に入りでした。
金木「斜陽館」 〜太宰治の生家〜 浅虫温泉で目覚めた日は、前日までの観光バスの旅と違って終日フリータイム。JRで青森 へ出て、レンタカーで津軽半島をまわります。
亀ヶ岡遺跡 〜遮光器土偶「しゃこちゃん」!〜
十三湊(とさみなと) 〜落日の中世港湾都市〜
そうですが、実際には復興して、14世紀から15世紀にかけてが最盛期だったようです。
青森市街 〜りんごの香りの港町〜
東北の旅でした
(2003年8月〜9月記)
|