#14 「破壊の右手」

いやー。
血まみれです今回。
冒頭から辛い。 「戦闘を停止してください」繰り返す事務的な声は冷たいです。そして振り下ろされる合図、一般市民に向けて発射される無数の銃弾。
「愚かね」とつぶやくウロボロス組はこの殺戮の仕掛け人です。エンヴィー初登場?
今回すごく印象に残ったのは、数年前のイシュヴァール内乱と現在今起こっているリオール内乱がダブらせてあることです。あー、これはうまいやり方だ。…という感心の仕方も違うのですが。
冒頭の「何度繰り返しても学ぶことを知らない…人間は愚かで悲しい生き物だわ」というラストの呟きがよみがえってきます。
そしてロゼ。ここで会えるとは思いませんでした。
「ぼくたち戦わなくていいの?」という問いにやさしく被りを振って、
「…誰と?」
強くなったねロゼ…!(私原作での彼女しか知りませんが)


ちょっと巻き戻しましょう(笑)。

ヒューズとロイ! まだ酒飲んでるのかよっていうかまだ飲んでてくれてありがとう。
やっぱこの二人はいいわー;
ロイ:「この田舎ならその殺人者も追って来ないと?」
ヒューイ:「お前がいるしな」
ロイ:「…俺も逃げ出したくなってきたよ」
ロイを誰よりも買っているヒューズ。それを軽くかわすロイ、あーかっこいいったらーー!

そしてマルコー宅訪問。
「殺されるものか…!」と言いながらエドたちに銃口を突きつけるマルコーさんは、殺されることと同じくらい「殺すこと」にもおびえています。それを感じ取った(のかどうか分かりませんが)アルは「大丈夫ですよ、僕は殺しても死にませんから」と、空洞の体をさらしてマルコーさんの懐に入ります。うーんアル…優しくて強い子や…
でもマルコーさんちに来てやったことといえば、家屋破損して「石」の強奪ですか(苦笑)。さすがに賢者の石関連に近づいているという自覚があるだけに、エドもなりふりかまいません。そんな兄をとがめようとするアルの方も、「石」を目の当たりにすると好奇心を押さえられません。うーんこの兄弟はどうしたって自分たちの欲望の根本には忠実なのです。やってることが出るとこに出たら犯罪だと言うことも覚悟してるでしょう。それでも今目の前に欲しい物があれば手を出さずにいられない。いや、リアル。

そしてグラン准将が…。回想シーン、力を増幅されて全身砲台になった准将は醜悪を通り越して滑稽です。あまりの滑稽さに恐怖を覚えます
准将に連れて行かれてしまうマルコーさん。
「俺は何も成長していない…! 心がチビのままじゃ、ダメだろ!」
車を追いかけながら一人呟くエド。ああ。がんばれエド。
スカーが登場し、グラン准将殉職…。軍隊格闘の名人だと言うから、「石」に頼ろうとせず組み手で戦おうとすれば多少手こずらせられたのではないか、と思えてなりません。「石」の味を知っているからこそ隙が生まれたのではないでしょうか。

エドVSスカー戦。
突然「いい目をしている…俺の兄もうんたらかんたら」と喋りはじめるスカー…
はいはいもう分かってますよあんたがブラコンだと言うのは。
そしてアルとエドのブラコンぶりもさりげなく披露しつつ(笑)。

スカー:「機械鎧…その右腕も破壊しか生み出せぬか」
エド:「一緒にするな…!俺のこの右腕は…!」

ここでアームストロング少佐が登場して場面が切り替わってしまうのですが、エドがなんと言うのか私は聞きたかったな…。実際エドの右腕は破壊じゃなく創造することもできる腕であるのかどうか? たとえば3年前のエドだったら同じセリフに反論できずショックを受けるのではないかと思えるのですが。そして3年後の今、自分の右手を(つまり罪を犯しても求めるものを手に入れるという自らの業を)彼がどう消化しているのか、私はぜひ知りたい。
今回のサブタイトルが「破壊の右手」だからもうちょっとなにかそれにまつわる思考があるのかと思ったのですが違うのかー… ああ、スカーの右腕が「破壊の右手」であるという話なのか?(そんなこと分かってます)

場面変わってリオール。
「この街は私たちの故郷よ。自分たちの力で、少しずつでも前に進むわ。私たちには、立派な足があるんだから!
血気だった軍人に頬を張られてなお気丈に叫ぶロゼ。エドは彼女をプラスに立ち直らせたのです。よーしよく言った!と思うのと、おとなしくしてて欲しいのと半々。だってこれ以上血を見たくない…あ、場面切り替わった、よかった(そういう問題か)。
そしてイーストシティ(郊外)。エドはマルコー氏も叱咤します。
マルコー:「逃げ切れるのか…?」
エド:「あんたにはまだ、足があるだろ!」
足がある。何をなくしても生きてさえいれば前に進める。否、前に進まなければならない。自分の力で。
…ほんとに名台詞です。二次元の世界を越えて私も叱咤されます

次回予告:イシュヴァール虐殺
イシュヴァール「内乱」じゃなく「虐殺」ていう表現にドキッとします。
・焔の錬金術師無能発言が出るか!?
・二人がスカーにやられるのかー(ドキドキ)
・そしてイシュヴァール「虐殺」時の回想がまたたくさん出てきそうです。また大佐のトラウマが見られるー!!(どうよその喜び)
(2004.01.12記)

←13話感想  15話感想→
BACK

素材提供:BEKAR