プラグの状態(Part2)

●前ページのプラグでは、工場に入っている期間が長かったり、サーキット走行等でかなり酷使されたプラグの状態を紹介して、 その交換時期について検証してみました。

前回取り上げたプラグの使用状況は
       酷使バージョン ⇒ 走り:8   街乗り:1  その他:1
       入工バージョン ⇒ 走り:2   街乗り:1  その他:7
というかなり両極端に使用されたプラグでした。

しかし、考えて見るとほとんどの皆さんは、このような使い方はされないので、参考にならないのでは?と思いました。
そこで、今回はもう少し一般的に使用されたプラグの状態を参照して行きたいと思い、追加した次第です。

今回の画像も、前回同様に上段がトレーリング側、下段がリーディング側にしてあります。
尚、今回の使用状況は
       走り:2   街乗り:7  その他:1  という感じです。

プラグ慣熟走行

●上段画像について
・ 使用状況(123085〜125980キロ)

このプラグは、前回同様にNGKのレーシング10.5番です。
使用状況ですが、サーキットには行かず、街乗りと高速を走る程度でした。
大体街乗りでは1〜3速で、3000〜4000回転をメインに使用していました。
高速では、主に5000〜6000回転を多用して、「ちょっと飛ばしているかな?」という感じです。


・ 状態解説
最初に、画像では黒ずんで見えますが、実際にはもっと金属色っぽい色です。
いつものことですが、デジカメで撮ると、本当の色が出せません。
露出が足りないのでしょうか?皆さんはどのようにして撮っているんでしょうか?


●まとめ
このプラグはクリーニングして頂いたので、前ページの画像に見られるスラッジは除去されているので綺麗に見えます。
そこで焼け具合の判断を、電極中心に注目してみると、やはり今回のような使い方では、思った通りあまり燃焼状態が良くないみたい です。
前ページの画像は、電極部分がもう少し茶色っぽく焼けています。
正面からなので判りづらいですが、「芯」の部分を見ると減ってはいますが、前ページ中段ほどは磨耗していません。
同じ位の距離を走ったのに、その状況が「芯」の磨耗を抑えた のではないかと思われます。

この程度の磨耗なら、あと数百キロは問題無さそうです。
でも、ちょっと「焼け」が足りないので、そっちでNGカナ〜?

正直な話、前回と今回を比べても、プラグの状態がここまで明確に変化するとは思っていませんでした。
「焼け具合」や「芯」の磨耗がひと目で違うのが判ります。

今回改めて思ったのは、「プラグ」は以外とおざなりにされがちで、安易に交換されているパーツだけど、それではいけないと思い ました。
「プラグ」というパーツはチューニング(調律)パーツであり、その状態を見れば、「走り方」を如実に表現されるという ことです。
自分では、回して飛ばしていると思っていても、プラグは正直です。
一目瞭然で、エンジンの状態が判ってしまいます。
自分で交換している人は、プラグの状態で「愛車の状況」を判断できます。
きっと毎回(こまめに)見ていると、その違いに気がつくと思います。
完全に調子を崩す前に、きっと「プラグ」からその前兆が判るかもしれません。チェックが大切です!!


●新たなる疑問
そして、ここでひとつ疑問が湧きました。
それは、これまでNGKの10.5番を通して紹介してきましたが、これを10番とか11番にした場合、どんな焼け具合になるので しょうか?
この0.5にはどれだけの「差」(違い)が含まれているのでしょうか?
熱価が違うのは、予想できますが、消耗とかやっぱり差がでるのでしょうか?
う〜ん、疑問です。そして奥が深いです。


◎スラッジの蓄積について

プラグ交換したことがある皆さんは、いつも見ると思いますが、必ずそのプラグの電極部に「黒いスス」(スラッジ?)が付着している のをご覧になれると思います。
レシプロのプラグを見たことがありますが、それほど付いていません。

ロータリーエンジンは構造上燃焼効率が低いとか、オイルが燃える関係で、不燃物が残りやすいのは理解出来ますが、果たしてどれだけ 走ると蓄積されていくのでしょうか?
この疑問について、これまで最低でも1500キロは走らないとチェックすることが無かったので、判りませんでした。
それは自分の場合、上から突っ込んでの作業で、手が入りづらいし、狭い隙間で作業するので腕がキズだらけになってしまうから、 そんな頻繁にチェックしたいとは思えないからです。
ウマをかけて下からやっていれば、そうは思わないのでしょうが ・ ・ ・
まぁ、言い訳はこの辺にして、この度超短期間でプラグを交換する機会が得られたのでここで紹介します。

純正プラグ

●純正プラグ

・ トレーリング側 : BUR9EQ
・ リーディング側 : BUR7EQ

これはいわゆる純正プラグです。

このプラグをなぜ使用したかというと、車検があったためです。

純正プラグを使用した理由として、当たり前のことですが、レーシングプラグだと適正温度が高いがゆえに、車検での検査では熱せら れず、未燃焼ガスが発生する可能性があるためです。

細かい検査内容は判りませんが、レーシングだと、もしも冷間始動のガス検があれば、きっと厳しいのでしょう!






車検用プラグ
●プラグの状態について

使用状況としては、試験前になるべく未燃焼ガスを出さないよう、バンバン吹かして熱していたのではないか?と思われます。

しかも、ローダーで運んで車検場内しか走行していないので、おそらく1キロも走っていないでしょう。

これは外したままの状態です。

純正でありながら、それでもこれだけスラッジが付着しています。

勿論ふき取れば、綺麗になりますが、しかし距離の割には凄く発生しているとおもいませんか?

ここだけ見ても、純正に排気を浄化する(薄める?)のに、エア・ポンプが必須というのもうなずけます。

これから推定すると、スラッジというものは、エンジン始動した途端に付着していくようで、少しずつ、かなり蓄積するようですね!

このことから交換するまで、例えば3000キロをまったくクリーニングしないで使用続けるというのは、「?」ですね!

本来なら交換時期の半場で、一回はクリーニングした方が、プラグの性能を維持出来るのかもしれません!



プラグの状態(Part3)


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