アクセル「う…ここは…? ネェル・アーガマ…じゃないな。
ナデシコでもない」
「何が起こっているんだ? 攻撃…か?」
レモン「ここは南米ジャブロー。…攻撃はロンド・ベルの
先行部隊のようよ」
アクセル「…レモン? そうか、俺とお前が生きていると
いうことは…ヴィンデルも?」
レモン「そ。…記憶喪失を装っているらしい、とは
W17から聞いていたけど…本当だったのね」
アクセル「ああ。ヴィンデルがツヴァイザーゲインで現れた時…
完全ではないが、元に戻った。今も記憶に若干の
欠落があるが…」
レモン「元に戻ったのに…あなたは作戦を無視…
それどころか、私たちもろとも消えようとした」
アクセル「…この世界に俺たちの居場所はなかった。
それがわかっただけだ」
レモン「今までのあなたの方が素敵だった。ねえ、
記憶も戻ったことだし、戻ってくる気はない?」
アクセル「…言うな。もう以前の俺には戻れん。レモン、
お前との関係も、な」
レモン「……」
アクセル「俺をどうする? 俺がお前なら、捕らえた直後に殺す。
それをしなかったということは…」
レモン「そう、説得しようとしたのよ。それも、たった今、
つっぱねられたけどね」
アクセル「…予想はできたはずだ。俺はここを出る」
レモン「ここから、いちばん離れた8番格納庫に、(主人公機体名)が
置いてあるわ。修理は完全、自爆装置は取り除いてあるわ」
アクセル「…どういう風の吹き回しだ?」
レモン「味方が寝返る…これも戦争の常よ。我々が
望んだ世界には、つきもの。…ただ、それがあなただったと
いうのは、予想もしなかった」
アクセル「…それが戦争だ。俺は行く」
レモン「次に会う時は容赦はしない。それから、おまけを
しておくわ。…次元転移装置…もうじき完成するわ」
アクセル「なに…!?」
レモン「設置は…おそらく、もっとも安全な場所」
アクセル「ツヴァイか」
レモン「そ。…じゃあね」
アクセル「ああ。…レモン、俺もひとつだけ教えておく」
レモン「…なあに?」
アクセル「この世界だけじゃない。俺たちのような者に…
どこにも居場所などはない」
レモン「どうかしらね。これからの戦いが…それを証明して
くれるでしょう」
(マップ開始。以下中略)
ラミア「無駄な抵抗はよせ。戦力差、見てわからん貴様らでも
あるまい」
カトル「…わかっていますよ。ですが、ここでやめるわけにはいかない」
ゼクス「みんな、撤退しろ。ロンド・ベル隊合流まで、
もうしばらくかかる。ネェル・アーガマとナデシコの合流時間を
考えれば、あと数時間はかかるはずだ」
カトル「撤退!?」
ゼクス「…お前たちはプリベンターの人間ではない。
火消しは…火消しに任せてもらう」
デュオ「へっ、まあそんなに気にするなよ。これでも、
負け続ける戦いは得意でね…!」
カトル「そして…だからこそ、ボクたちはボクたちでいられるんです…!」
トロワ「…そう、問題はない」
ラミア「意味がわからんな。ただわかるのは、貴様らの…」
アクセル「それがわからねえから、お前は人形なのさ」
ラミア「あなたは…アクセル隊長…? 極刑だと聞いていましたが?」
アクセル「ヴィンデルの野郎…そんなこと考えてたか。
ま、当然か…」
ヴィンデル「アクセル…なぜ、やつが(主人公機体名)に乗って出撃している!?」
レモン「さすが私の想い人…逃げられたみたいね」
ヴィンデル「レモン、貴様…」
デュオ「おい、アクセルさんよ! 生きてたのかよ!」
アクセル「見ての通りさ。ま、俺同様、シャドウミラーの幹部も
生きてるがな」
ラミア「…レモン様」
レモン「…その男は敵よ。始末…なさいな」
ラミア「よろしいのですか?」
レモン「…くどい」
ラミア「は。…アクセル隊長、お許しを」
アクセル「許せんな。…自我を持たない人形に、俺が倒せると
思うのか? ましてや、ここまで戦ってきたガンダム乗りの
連中に?」
デュオ「持ち上げてくれるねえ。で、あんたは味方ってことで
いいのか?」
アクセル「信じてくれるなら、な。なんといっても前科持ちだ」
トロワ「…この状況下で、無理に俺たちを陥れようというのも
不自然だ。邪魔にさえならなければ、俺はなんでもかまわん」
カトル「ボクは信じます。アクセルさん、お願いします!」
ラミア「考えられん甘さだ。もし隊長がその気ならば…」
アクセル「…その甘さがいいのさ。お前にはわかるまい…。
味を感じることができないお前ではな」
デキム「ええい、なにをしておる! かかれっ!」
ヴィンデル「アクセル…まさか私と貴様が違う道を行くことに
なるとはな。残念だ」
アクセル「ああ、これが…俺の戦争だ」
勝平「ん!? おい、あれ!」
アクセル「久しぶり…でもないか」
リョウ「アクセルくん!?」
ハヤト「お前…生きていたのか!? 今度は何を企んでいる!」
デュオ「おお〜っと、待った。アクセルは俺たちのこと、
助けてくれたんだぜ」
ノイン「…だが、アクセルはシャドウミラーと呼ばれる組織の
スパイだ」
プロスペクター「ジャブローを含めた各基地の占拠…この手際の良さは、
かなり前から各地にスパイが送り込まれていたと考えるのが
妥当ですな」
アクセル「正解だ。…そして俺はシャドウミラーを抜けた」
マリア「兄さん…信用…できる?」
デューク「わからん。だが…」
アムロ「ここで僕たちをもう一度だまそうというのも、
おかしな話だ」
トロワ「同意見らしい。どうする?」
ユリカ「アクセルさん!」
アクセル「ミスマル艦長、俺は信じてくれとしか言えん」
ユリカ「じゃあ、信じます! 攻撃開始です!」
アキト「おいおい、ユリカ」
エリナ「ちょっと艦長ォ! そんなにあっさり! 何の根拠があって!?」
ユリカ「大丈夫ですよ。私、信じてますから!」
十三「こらあかんわ」
ちずる「ユリカ艦長がこうなったら、てこでも疑わないものね」
アクセル「すまん。ならば…証明するしかないようだな」
リリーナ「平和は、誰かから与えられるものではありません。
自分自身でつかみ取るものです」
ヴィンデル「そのために兵士は、軍は切り捨てられる。
…張五飛、彼らにしょせんは戦争の中でしか生きられない業というものを
教えてやったらどうだ?」
アクセル「やはり、お前はわかっていないな、ヴィンデル」
ヴィンデル「なんだと…?」
アクセル「戦いに他人を巻き込み、殺すことでしか己の存在を
見いだせない…そのあとに何が残る? 生まれるものと
失われるもの…それは等価値ではない。ロンド・ベル隊の
ひとりが言っていたはずだ…!」
ヴィンデル「貴様…!」
(アクセルVSラミア)
ラミア「なぜ寝返ったのです! ヴィンデル様の片腕と呼ばれ、
闘争の世界をあれほど望んだ男が!」
アクセル「闘争を非日常とする世界…それもいいのではないかと
思っただけだ!」
ラミア「そんな抽象的なもののために、すべてを裏切ろうと
いうのか…!」
アクセル「主義も主張も…ましてや自我も持たない人形には
わかるまい…」
(ラミア撤退)
ラミア「心変わりしたとはいえ、腕は落ちていないか。
…隊長、またお会いしましょう」
アクセル「俺は裏切り者だ。…隊長とは呼ぶな」
ラミア「了解」
アクセル「…ラミア、ヴィンデル…そしてレモン。
…決着をつけねばな」
アクセル「…ツヴァイにとりつけられていた次元転移装置を
はずしたか。しかし、空間転移だけは可能…そうだな?」
レモン「そ。…アクセル、こういう形でお別れになるとは、ね」
アクセル「…それも戦争ではよくある話だ。その覚悟もなく、
闘争を日常とする世界を望むのか? レモン」
ヴィンデル「アクセル、お前と進むべき道が違ってしまった…。
その結末がこれとはな。ようやく完成した次元転移装置…
仕方あるまい。邪魔が消えたところでゆっくりと
造ることにしよう」
アクセル「……」
デキム「ま、待て! わしらはどうなるのだ! ヴィンデル・マウザー!」
ヴィンデル「残念だ」
マリーメイア「あ…ああ…」
ヴィンデル「次元転移弾起動。…さらばだ、アクセル」
アクセル「だといいな、ヴィンデル」
(感想) シャドウミラーとの決別。 前半のレモンとの別れのシーンでのアクセルが、アダルティーで好きです。 そして、ユリカがあっさりアクセルの言う事を信じてしまう所がらしいですよね。 |