第30話 その名はエピオン(独立軍ルート)

(シナリオデモ)

セレイン「やけに騒がしいが、どうかしたのか?」

甲児「おっ!噂のヒロインがご登場だぜ」

セレイン「……甲児、私はそういう冗談がキライなんだ」

甲児「わりぃわりぃ、たださ、たぶん口にしないだけで、みんな思ってるぜ」

デュオ「ああ、そりゃそうだろうな」

セレイン「お前もかデュオ、どういうことだ?」

甲児「アレだよ、アレ」

セレイン「アレ……?」
「……ばかな!」

リッシュ「よお、我が愛しのセレインちゃん。わざわざ出迎えてくれるとは、涙が出るほど
うれしいねえ」

セレイン「な……何で貴様がここにいる!」

リッシュ「なんでって……お前が言ったんだぜ、マーチウインドに来いってよ」

セレイン「私が言っているのは、そんなことじゃない!貴様はあの時、死んだはずじゃなかったのか!?」

リッシュ「ひどいな、勝手に殺すなよ。とはいえ、さすがの俺も死にかけたのは事実だがな。お前が
誘ってくれたから、つきかけてた俺の運も戻ってきたとみえる」

セレイン「だいたい、しかもなんでここにいる!?」

リッシュ「俺の豪運のたまものだ。お前らのドック艦の連絡艇に拾われてな。艦長代理って女に
マーチウインドのもんだっていったら、運命だ、とかなんとかいって、えらい喜んでな、俺の機体を
修理した上に、ジャブローに降りる手はずまで整えてくれたってわけだ」

セレイン「……あの女、ブライト艦長がからむと、見境なしか」

リッシュ「ま、そういうわけだ。これからよろしく頼むぜ」

セレイン「…………」

クワトロ「ああセレイン、いたのか、ちょうどいい」

セレイン「なにか、クワトロ大尉?」

クワトロ「彼は、しばらく保護観察ということで同行を許可した。管理は君に任せる」

セレイン「は?大尉、私はパイロットです」

クワトロ「しかしな、自分の言葉には責任を持つべきだとは思わんか?」

セレイン「……はい」

クワトロ「リッシュ=グリスウェルくん、そういうことだ。我々としても優秀なパイロットは欲しい。
期待している」

リッシュ「そりゃどうも。ああ、それとひとつだけ。OZの動きなんですがね、気をつけていた方がいい。
連中は、示威の意味も含め、多分、大規模な降下作戦をやってきますよ」

クワトロ「わかった。情報の提供に感謝する。後日改めてOZのことについて聞きたいが?」

リッシュ「別に奴らに義理立てする理由もない。かまいませんよ」

クワトロ「そうか、助かる」


リッシュ「あのクワトロ大尉ってのは、ただ者じゃねえな。だいたい、この部隊ってのは、
よくよく見てみりゃ、すげえのばかりだ」

セレイン「…………」

リッシュ「俺もよくこんな連中と戦ってたもんだな。なあ、セレイン」

セレイン「……なれなれしいぞ、貴様!それに、少し黙っていろ」

リッシュ「こわいねえ。ま、いいさ。何しろこれからずーっと一緒だからな」

セレイン「…………」


(エンドデモ)

セレイン「ん?なんだ、見たことのない機体があるな。私の機体に似ているようだが……」

リッシュ「どれ……おいおい、ありゃ”TYPE33”じゃねえのか?」

セレイン「……”TYPE33”? おい言え、なんだそれは」

リッシュ「まだ帝国がいた頃に、月のZ&R社で開発していたヴァルキュリア・シリーズの新型だ」

セレイン「新型のヴァルキュリア……」

リッシュ「ああ、お前のが3機だけ作られた試作型の”TYPE27”、俺のがその正式型の”TYPE28”、
”TYPE33”は、”TYPE28”の再設計型をベースにした重装機だ。だが、”TYPE29”以降は、
設計段階でOZのクーデターが起きちまったから、作られてないはずなんだが」

アラン「その通り。あれは我々で製作した、いわば”TYPE33改”とでもいうべきものだ」

セレイン「アラン、どういうことだ」

アラン「解放戦線もカラバも、組織としての形は無くしてしまったが、それぞれの技術者集団は、逆に
合流することで、より強化されている。万丈とロス=イゴールの尽力のおかげでな。ゴッドとライジングも
そこから持ってきたのだよ」

セレイン「それでは、帝国の機体が存在する理由にならない」

アラン「それは簡単だ。OZが月面を制圧した時、OZに反対するZ&Rの技術者が設計データごと
我々の元へやってきたのだ」

セレイン「なるほどな。それで合点がいった。で、あれのパイロットはどこだ?」

アラン「パイロットは君だ、セレイン」

セレイン「私はスヴァンヒルドを降りるつもりはない。あれには、私の癖が記録されている。いまさら
他の機体になど移れない」

アストナージ「だからこそ、あれにはお前が乗ってくれないと困るんだよ」

セレイン「アストナージ?」

アストナージ「アランが改良型だといっただろう。あれは、お前の操縦データを元に」シミュレーションして、
開発されたんだ。お前の癖は全部知っているし、お前でなければ使いこなせないんだよ」

セレイン「いつの間にそんなことを……アストナージ、私に黙って、データをコピーしたな」

アラン「ははっ、まあいいじゃないか。それより、せっかく持ってきたんだ、乗ってくれるだろうな?」

セレイン「いいだろう、使わせてもらうとしよう。しかし、スヴァンヒルドはどうなるのだ?」

リッシュ「俺の機体の予備パーツだな」

セレイン「お前は黙ってろ!……といいたいところだが、それが常道か」

アラン「その辺はまかせる」

セレイン「ああ、で、あれの名前は?」

アラン「”TYPE33改”ラーズグリーズだ」


(感想)
ついに来たー!!…といったところでしょうか。
リッセレのやり取りもいいのですが、その前の、甲児とデュオがいい感じですねえ。
デュオは、誰とでも仲良くやっていけそうですからね。
そして何といっても、このシナリオでの最大の功労者は、やはりクワトロ大尉でしょう(笑)。
リッシュとセレインをくっ付けてくれて、ありがとう!!

その次は、いよいよ後継機登場の巻。独立軍ルートの方が、少し早く手に入るようです。
そして、セレインのノリつっこみ(笑)。ちょっとずつ、
リッシュのペースに巻き込まれていっているようですね。

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