(シナリオデモ)
セレイン(”戦う意味”の喪失、か。恐れているのは私自身だというのにな。ロームフェラ、いや、
OZという組織ならば、帝国を本当に排除できるかもしれん。だが、その中で私の戦いは、
私の戦う意味は、そして、私の生きる場所はどこにあるというのだろう……もう……昔には
戻れないというのに……)
レラ「どうしたのさ、そんな顔して」
セレイン「レラか。何か用か?」
レラ「え?ああ、別にそういうわけじゃないよ。ちょっと休憩」
セレイン「そうか……」
レラ「……」
セレイン「……」
レラ「…あのさ」
セレイン「ん?」
レラ「アンタは……この戦争が終わったら、ううん、戦う必要がなくなったら……どうするつもりなの?」
セレイン「なんだ、いきなり」
レラ「こないだの話聞いてからさ、アタシ、考えてみたんだ。でも……わかんなかった。自分が
どうしたいのか、どうすればいいのか。それで、アンタはどうなのかと思ってさ」
セレイン「……終わった後のことなど、考えたこともない。その前に死ぬだろうと思っていたからな」
レラ「やっぱり……そうなんだ」
セレイン「なにがだ?」
レラ「……なんかさ、セレインって、もしかしたらアタシと似てるんじゃないかって、
最近思うことがあるんだ」
セレイン「……そうか」
レラ「……聞いたことなかったけど……セレインは、いつから戦ってるの?」
セレイン「ムゲゾルバドスに、地球が占領された直後からだ。まだ……そう、まだたった3年と少し……
それでも、思い出せないほどの昔……」
レラ「セレイン……?」
セレイン「ずいぶん……ずいぶん長い間、戦い続けてきた気がするよ。戦って、戦って、そして、
いつかどこかで力尽きて倒れるだけだと、それでも構わないと、本気で思っていた」
レラ「…………」
セレイン「それが、この数年間の私のすべてだ。戦い続けること、抗い続けることが、私の命の証、
生きる意味だった」
レラ「……ねえ、どうしちゃったのさ!?アンタやっぱり変だよ。そんなによく話す奴じゃなかったのに、
OZに入ってから……セレイン……もしかして、こないだいってたことって……」
セレイン「そうさ……お前のことじゃない」
レラ「セレイン……」
セレイン「いまさら……どうしようもないことだ。後戻りは出来ない」
レラ「うん……わかる……気がする」
セレイン「レラ、お前は怖くはないか。私は……正直言って、怖い。戦う必要のなくなることが」
レラ「うん……どうしたらいいのかわからないから怖いけど……でもやっぱり戦争は終わって欲しいよ」
セレイン「そうか……私はもしかしたら、終わらせたいとすら、思っていないのかもしれない。いや……
終わるのなら、それは、私の命の方か……お前は、まだやり直せそうだな」
レラ「ねえ、しっかりしてよ、セレイン。まだ戦うべき敵は、たくさん残ってるんだよ!?まだまだ
終わったりなんかしない。まだ勝ったなんていえないんだよ!?今のアンタは、まるで……」
セレイン「ああ……そうだな。まだ戦いは続く。もしも……戦いがなくなるその日が来れば……
その時に考えることにしようか」
(感想) OZに入ったことで、「戦う意味」を見失い、更に、戦いが終わった後の事を考え、 悩み、恐れるセレイン。そして、それでも戦争は終わって欲しいと願うレラ。 …シリアスな展開です。 |