第20話 新しき道(OZルート)


(シナリオデモ、レラが艦から降りる場合

アムロ「どうかしたのか、セレイン?」

セレイン「いえ、別に。そういえばここしばらく、レラの姿を見かけないようですが」

アムロ「君は知らなかったのか?彼女なら数日前に出て行ったよ」

セレイン「出て行った?」

アムロ「ああ、俺たちがトリントンへ到着した次の日だったと思うが」

セレイン「そうですか。ならばいいんです。どうせたいして役に立っていたわけでもない」

アムロ「ずいぶんきついんだな」

セレイン「無駄に死ぬことはないと言いたかっただけです。状況は変わって、OZは、地球人は、
帝国を排除しつつある。もう力のない者が無理をする必要はないでしょう」

アムロ「それはそうだが……」

セレイン「この方が良かったと思いますよ、あの娘にとっては、戦場にしか生を見出せないのは、
不幸でしょう」

アムロ「セレイン……」


(レラが艦から降りない場合)

レラ「本当にこれでよかったのかな……」

セレイン「さあな、少なくとも現状では、最良の選択ではあったはずだ」

レラ「現状ではって、じゃあ、これから先はどうなるのさ!?」

セレイン「先の事がわかれば、誰も苦労はしない。無駄死にする奴も出ない」

レラ「アタシが言ってるのは、そんなことじゃないッ!!」

セレイン「ならば何が問題だ?あのスペシャルズの仲間になることか?いや、違うな……ロームフェラ
〜OZという組織に飲み込まれることか?」

レラ「な……なんでアタシがそんなこと気にしなくちゃいけないのさ。異星人に勝つためなんだ。
しかたないってことは、アタシだってわかってるよ!」

セレイン「これまでお前は、自分の身にふりかかったことが原因で、自ら戦うことを選び、自分自身の
戦いを戦ってきた。誰かのためでも、ましてや地球のためでもない、自分のための戦いを、だ。
我々に加わった時も、それは大して変わりはしなかった。なにしろ、我々もまた、それぞれに無数の
戦う理由を抱えていたからだ」

レラ「…………」

セレイン「が、今度は違う。OZは大きな組織だ。その中での戦いは、自分の戦いではありえない。
だから、怖くなる。戦うこと、ただそれだけが自らが選び取ることの出来た唯一の道であるがゆえに、
それだけが、自分自身の存在意義そのものであるがゆえに。お前は無意識のうちに恐れたんだ。
その”戦う意味”の喪失を」

レラ「戦う……意味……」

セレイン「……ああ」

レラ「そう……かもしれない。今の今までそんなこと考えなかったけど……聞いてるうちに、
ああ、そうだ、アタシはそう思ってたんだって、そんな気がしてきた……」

セレイン「……そうか」

レラ「でも……なんでそんなことがわかるの?それに、アンタも変だよ。いつになく、よくしゃべってるしさ。
アンタがそんな話し方するの、初めて見た」

セレイン「さあ、なぜだろうな……そう、お前を見ていると、昔よく知っていたはずの人間のことを
思い出すからかもしれんな」

レラ「へえ……?よくわかんないけど、そいつって今どこにいるの?」

セレイン「……死んだ。いや……いなくなったというべきか。3年前にな」

レラ「ッ!!ごめん……変なこと聞いた」

セレイン「いいさ、気にするな」


(マップ開始後、味方中立でリッシュ登場)

リッシュ「よう、セレイン。お前と一緒にやれるとは、うれしいぜ。こいつは運命ってやつだ。
そうは思わないか?」

(会話選択その1、どれを選んでも進行に影響なし)

セレイン「貴様のざれ言につきあっているヒマはない!」

リッシュ「はっはっはっ、照れるな照れるな」

セレイン「バ、バカか、貴様は!?」

(会話選択その2)

セレイン「誰が思うものか!ふざけるのもいいかげんにしろ!」

リッシュ「とんでもない。俺はいつだって大真面目だぜ。本気で喜んでるってのをわかってほしいねえ」

セレイン「貴様のことなど、知ったことか!」

(会話選択その3)

セレイン「黙れ!」

リッシュ「あいかわらず、つれないお言葉だぜ。俺はこんなにお前に惚れてるってのに」

セレイン「私は貴様の相手をしてやるほど、ヒマではない!」


リッシュ「やーれやれ、もう少しマシな言葉が返ってきてもいいと思うんだがな。ま、なんにせよ、
これからはお仲間ってことでな、よろしく頼むぜ、セレインちゃん」

セレイン「…………」


(敵全滅後)

ライラ「終わったようだね。こっちは引き上げさせてもらうよ、マーチウインド」

ブライト「ああ……協力に感謝する」

ライラ「なに、こっちも任務だからね。また敵にならないことを祈るよ」

ジェリド「……貴様ら、いつでも裏切って構わんぞ。その時は、俺がこの手で殺してやる」

カミーユ「ジェリド……」

リッシュ「そんじゃま、また会おうや。セレイン、愛してるぜ」

セレイン「なんて奴だ。まったく」


(感想)
艦から降りることになったレラは、セレインに挨拶もなく、去って行きます。
きつい言葉を吐くセレインに、アムロ氏も、引き気味です。
そして、艦から降りないレラは、OZに入ったことを悩んでいます。
それは、セレインも一緒で、「戦う意味」を見失いかけています。
一応レラに言った言葉ですが、自分自身に問うてる言葉でもあるのです。
OZに入るか入らないか、というのは、対極に位置する究極の2択ですよね。
敢えて敵軍に入った形のOZルート、独立軍ルートとはまた違う展開になっていきます。

最後に、仲間(?)となったセレインとリッシュの会話、3択なのですが、
私は3番目が好きですねえ。告ってますもの、リッシュ。
更に去り際に「愛してる」ですよ!ここまで言われたら、その気になっちゃいますよね!
もう一押し、頑張れ、リッシュ!

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