温泉わんだらあ 源泉の宿・宿泊記

乳頭温泉 黒湯温泉黒湯温泉(★★★★☆)
萱葺き屋根の湯治棟を今なお残す秘湯の一軒宿

この宿を選んだ理由(わけ)

乳頭温泉郷だったら、本当は第一に鶴の湯、第二に妙乃湯に泊まりたかったのですが、どちらも予約開始日の開始時間から電話しても全くつながらず、やっとつながった時は既に満室。そのため、2年前の夏に宿泊して、秘湯の宿として好印象だった黒湯温泉に再訪(宿泊)しました。


●料金 1泊2食 11,700円〜
●所在地 秋田県田沢湖町生保内黒湯沢2−1
●電話 0187-46-2214
●交通 JR秋田新幹線田沢湖駅から乳頭温泉行きバスで終点下車(約1時間)、徒歩20分
●食事 夕食/和食、朝食/和食(いずれも食事処のお座敷大広間で)
●風呂 内湯(男女各2)、露天風呂(女1、混浴1)
●施設 全21室
●イン/アウト イン15:00/アウト9:00
●宿泊日 2006.5.4-5
●URL 前回宿泊記はこちら

■温泉 黒湯温泉は静粛なうちにも素朴な山の湯として秘湯ファンに愛されています。湯量の豊富なことでは乳頭温泉郷随一であり、四方を山に囲まれた渓流に今なお数軒の茅葺、杉皮葺きの黒い宿舎や湯小屋が寄り添うように軒を連ね、昔ながらの湯治場の風情が残っています。鄙びた秘湯マニアにはたまらない雰囲気でしょう。源泉は上の湯、下の湯と2つ。お風呂の構成は次のとおりです。
@ 男女別大浴場(源泉は下の湯、賽の河原側の別棟)
A 男女別内湯(旅館部内)
B 混浴露天風呂・内湯(事務所棟側)

@ について:下の湯と呼ばれる源泉には湯畑があり、白い硫黄成分が湯畑一面に沈殿していて、そのなかからブクブクと源泉が自然湧出している様子を垣間見ることができます。この湯畑は「賽(さい)の河原」と呼ばれています。この源泉から男女別の内湯と女性専用露天風呂のある温泉棟へいくつもの木の樋を渡して湯船へダイレクトに湯が注がれているようでした。写真(いちばん左)はその温泉棟です。ここに男女別の内湯と女性専用露天風呂があります。お湯はAに比べて色が薄いように思いました。源泉の違いのためと思われます。


A について:2m×3m程度の総木造りの内湯。大人が4人はゆうに入れる大きさ。源泉がかなり熱いため、加水ありですが、乳白色の湯がたっぷり掛け流しで湯船を満たし、窓からは青空とブナの原生林の生えた山肌(まだ雪が白く残っていた)を眺めることができました。硫黄というより土っぽいにおい。舐めると薄っすらすっぱみを感じました。源泉は上の湯から引いていると思われます。


B について:露天は@と同じ色。内湯はAと同じ色に感じました。混浴ですが、実際女性はなかなか入りづらいと思います。だいいち脱衣が男女別れてないし‥でも黒湯温泉はやっぱりこの混浴露天がなんともいえない雰囲気で良いですね。ずっとこのままで残っていて欲しいと思います。



■部屋 旅館部2階の23番という部屋に宿泊。以前宿泊したときは6畳一間の狭い空間でも過ごしやすく、こざっぱりした印象でしたが、今回は前泊が離れの宿であったせいか(つなぎ温泉/湖山荘に泊まっていた)、思った以上に狭く、やや圧迫感を感じました。ドアを開けると畳は5畳、そしてわずかにスリッパを脱ぐ板の間があるのみの大変狭い空間です。また、部屋にはテレビはもちろんのこと全くコンセントがありませんでした。この宿にはそうした意味での快適さを求めるべきではないでしょう。
■料理 (夕食):夕食は、大広間と広間に分かれて食べます(午後5時30分から)。ゴールデンウイークだったせいか、満室で隣との間隔も狭かったです。食事は既にテーブルに配膳されており、席につくとご飯と味噌汁を持ってきてくれます。料理は山菜と川魚中心できりたんぽ鍋もありました。少ないように見えますが、いざ食べてみると、結構満腹感はあります。川魚(イワナ?)の塩焼きに味噌ダレがかかっていましたが、この塩焼きと山菜の天ぷらが美味しかったです。


(朝食):朝食は7時から。山菜、焼鮭、温泉卵、シラスの大根おろし、味付け海苔、ハムのサラダといたってシンプルですが、山菜の油炒めも味付けが濃く、全般的には美味しく、量的にもちょうどよかったです。

■接客 秘湯の最低限の接客ですが、その応対は人間的な暖かみが感じられ、好感が持てました。


●総じて、この宿の評価は?

2度目の再訪ということで、1度目で秘湯の割りに良かったという良い思い出が逆にアダになり、思っていた以上ではなかった‥という面も何点か出てきてしまいました。また、今回は前泊で、つなぎ温泉・湖山荘の露天風呂付き離れというある意味贅沢な宿泊をしていたため、かえって黒湯のマイナス面がクローズアップされてしまった感じ。しかし、総評としては、萱葺き屋根の湯治棟を今なお残す秘湯の一軒宿ということで、混浴露天も含め、鄙びた秘湯マニアにはたまらない雰囲気があり、いつまでもこのままで残っていて欲しい、個人的には大好きな宿です。(お気に入り度=★★★★☆)

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