Second-opinionに関する正しい解釈




Second-Opinionという言葉は一般的なイメージとして『自分が現在受けている医療行為に何かしらの不満や疑問などの
“マイナス・イメージ”を持った場合、他の医師の意見を聞くこと』と思われているが、これは大きな勘違いであり、解釈の間違いである。


直訳は『第2の考え』であることは色々なところで言われたり、書かれたりしているのでここでは省略する。
ちなみに参考サイトや各種解説書等で『現在受けている医療行為に不満や疑問があった時に
他の医師の意見を聞くこと』と解説しているところは1つもない。
これも誤った解釈を招いている1つの要因であると思われる。

参考サイトにもある北條先生の言葉、すなわち「Second-Opinionの本来の目的は、診断と治療法が妥当なのかどうかと
幾つもの病院を渡り歩くことではなく、診療科の垣根を越えて患者さんにとって最も適切な医療を選択できるように異なる専門医同士が連携し
1人の患者さんについて意見を交し合うこと(複数の選択肢を準備すること)」ということになる。


参考文章1
参考文章2
参考文章3
参考文章4
参考サイト一覧
最後にもう1つ、ナースのおばちゃんのコラム

《参考文章1》
医療における情報の非対称性を改善する一つの手段として,インフォームド・コンセントの考え方が定着してきた。
厚生省研究班はさきごろ「医者にかかる10カ条」を作成した。
患者が医療を受ける際の心構えなどが示されており,患者自身が納得のいくまで医師に質問する助けになる。
だが,いくら医療側が情報を提供しても,患者個人がその内容を理解するには限界があることも忘れてはならない。
患者の得る情報は、専門家であり経験を積んだ医師のレベルには、やはり及ぱない。
ささえあい医療人権センタ一COML代表の辻本好子氏は「患者の知識は付け焼き刃でしかない。
自分に都合のいい情報だけを取り入れて間違った理解をしてしまうこともある」と指摘
する。
立場の弱い患者が医師を前に遠慮してしまうことも往々にしてあり対等なコミュニケーションを妨げている。
個々の患者が情報を得る上の限界を解決する方法として2つ考えられるだろう。
1つは患者が複数の専門医の意見を求める「セカンドオピニオン」だ。
米国では大きな手術など高額治療費の保険支払いの条件に組み込まれている場合も多く,日本よりも公明正大に広く行われている。
例えぱ,ニューョーク市のスローンケタリング記念癌センターではセカンドオピニオンの提供を1時間500ドル程度で行っている。
日本でもこうした取り組みは始まっている。主治医には聞けない質問や治療法の選択肢などについて第3者の専門家の意見を無料で聞く。

一方でセカンドオピニオンの意義を考える際、日本固有の課題も少なくない。
天本病院院長の天本宏氏は「日本では保険給付の範囲が不明確で医師の自由裁量権も大きく、治療行為が普遍性に欠ける」と指摘する。
同じ患者に対しても「検査や薬の違いなどから極端な例では1000円かかる場合と100円の場合がある」(同氏)。
診療そのものにばらつきがある中では,セカンドオピニオンを求めても客観的な答えが得られるとは限らない。
大学の同窓生などで同じ考え方を持つグループの医師にセカンドオピニオンを求めれぱ、最初の医師と同様の結論が出てくるだろう。
だが,違うグループの医師に聞けぱ違った方針が導かれるかもしれない。
セカンドオピニオンが機能する前提として、科学的な根拠に基づいた診療の標準化が欠かせない。
米国にはまた,患者が活用できる医師以外の専門家もいる。例えぱ「診療録管理士」は病院の図書室などで
患者のカルテを読み解く手助けをする。  (参考文献:平成10年9月号 日経メディカルP84〜85)

《参考文章2》
患者も勉強が必要ということです。
「かかる医者で命が決まる」といいますが、医者へのかかり方も大切です。
病気を治そうという時、最初にすべきは「敵」の正体を知ることです。
その病気がどんなもので、検査法、治療法にどういうものがあるかは「家庭の医学」等で勉強する必要があります。
そして、今受けている治療が、何を目的にしたものかを把握することも大切です。

医者に任せきりにしたばかりに、ひどい目に遭ったケースは、驚くほどたくさんあります。
最近私が相談を受けた中に、開業医から「狭心症」と誤診され、その薬を数年間投与され、
その副作用と思われるパーキンソン症候群で苦しんでいる患者さんがいました。
狭心症と診断されたのは15年以上も前で、科学的な検査も受けていませんでした。
狭心症は、問診や補聴器だけでは診断がつきません。大きな病院の循環器科を受診し、負荷心電図などの検査を受けるべきでした。
この開業医のひどさは言うまでもありませんが患者さんももう少し勉強していれば、被害を受けずに済んだはずです。
医療内容の見極めが大切です。

「誤診」(講談社刊)の著者である大鐘稔彦医師は、その見極め方を次のように指摘してします。
まず、2.3日で症状の劇的な改善が見られれば、その医師の見立て、さじ加減は上等と判断してよい。
また、期待したほどの治療効果がない場合でも、患者の訴えに明快に答える医師ならよい。
「もう少し待ってください」とそのままの治療を漫然と2週間、3週間と続け、しかも症状の改善が見られないようならば、
他の医師の意見(セカンドオピニオン)を求める方がいい、とアドバイスしています。

このアドバイスを守っていたら、命を落とさずに済んだと思える例もたくさんあります。典型的なのは大腸がんを痔(じ)と誤診するケースです。
下血で近くの開業医にかかったところ「痔でしょう」と言われ、2年ほど通院したものの出血が止まらないため、
大きな病院の消化器科を受診したところ、大腸がんの末期だったという例を聞いたことがあります。
最初の下血の時に「大腸がんを疑って検査を受けていたら手術で治っていたことでしょう。

逆に、疑い過ぎるのも問題です。
46歳の子宮内膜症の患者さんが、医師から「そのぐらいなら手術をしなくていいでしょう」と言われたが5カ月過ぎても症状は変わらず、
不信感を抱いて病院を変わったという話を聞きました。しかし、子宮内膜症では1つの薬で半年ぐらい様子を見ることがあります。
医師の説明不足が問題ですが、患者さんももう少し積極的になって「今の薬は効かないのですが」といった質問をぶつけるべでした。
たくさんの患者をみている医師はどうしても説明不足になりがちです。それを補うのは患者からの質問です。
医師にしてみれば、質問されなければ理解してくれたと思いがち。
分からないことがあればまず質問をする。その時にきちんと説明してくれなかったり、嫌な顔をする医師なら、その時点で見切りをつけます。
今、医療に求められているのは患者の自己責任です。自分が受ける医療について、お任せではなく自らが決定する姿勢が大切です。

(医療ジャーナリスト・中村康生) 
(参考文献:平成10年11月20日 中日新聞・健康「医療ウオッチング」<11>)

《参考文章3》
最近流行りの言葉ですが、実態はかなりひどい状況であることがわかりました。
ただこれはあくまで医療機関サイドであって、患者サイドにとっては結構好ましい状況ではあります。
医療過誤が問題になり、普通の医療機関では患者から「これがベストの選択なのか?」と迫られた時「そうだ」と言い切った場合、
仮にその選択で死亡とか後遺症が残ったりしたら即訴訟というケースが増えているようです。
そのため、医療機関はよほど自信があるときを除けば「どうぞ他の医療機関に行って下さい」となるようです。
以前から比べれば患者の選択は増えて良いわけですが、問題はセカンドオピニオンとされた医療機関。
今の医療制度では「初診料」しか報酬として算定されません。
相談時間が1〜2時間は当たり前の状況なのに。下手すると時給は1000円を切ってしまう。
弁護士の相談料は30分5000円が決められていますが、それ以下とは。

それで、患者サイドから見た上手な立ち回り方。
1番最初の医療機関で調べた種々のデータ(血液検査、レントゲン、CT、MRIなど)をその医療機関から提出してもらいましょう。
そうするとセカンドオピニオンの医療機関では医療制度上「初診料しか」請求できません。
さらに紹介状まで付けてもらえば3割負担ですとたとえセカンドオピニオンの医療機関が大学病院でも1000円程度で済みます。
(こんな事書いていると医療機関からは怒られそうですが(^^ゞ)

医療ジャーナリスト Y.K氏より

《参考文章4》
ガン患者を対象に書いてあるレポートであるが、強調してある部分はそれ以外にも充分通じるものである。


セカンド・オピニオン(別の医師の意見)――たずねる理由、たずねる時期、たずねる相手
訳注:セカンド・オピニオンとは、今かかっている医師以外に治療方針などについての意見を聞くこと。
米国などではセカンド・オピニオンは広く普及している。日本でも拡がりはじめた

著者 : Steve Dunn(スティーブ・ダン)
原題 : Second Opinions: Why, When, and Who
URL : http://cancerguide.org/second_opinion.html
訳者 : 撫子なんちゃん
英文翻訳監修 東海大学助教授・加藤俊一氏
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おことわり(免責条項)
1.なるべく言葉や意味を正確に翻訳することを心がけていますが、内容については保証するものではありません。
  海外と日本では治療法や使用される薬が異なるばかりではなく、社会的環境も異なります。
  あなたの主治医と話し合ったり、各種団体の相談窓口を利用するなどして、ご自身あるいはご家族に対してここにあげた情報が
  どのように適用できるかご判断ください。
2.原典の各発行元には、日本語への翻訳に関して了解を得ていますが、各発行元が日本語に翻訳された情報の保証をするものではない。
3.訳者、編集者、監修者などはこの翻訳内容と、それによって引き起こされたことに対して、いかなる責任も負いません。
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セカンド・オピニオンとは、今かかっている医師以外に治療方針などについての意見を聞くこと。
米国などではセカンド・オピニオンは広く普及している。日本でも拡がりはじめた)

たずねる理由
セカンドオピニオンを得ることで1番のメリットは、治療法についてこれまでとは違った希望をもてるということです。
保守的であったり革新的であったりいろいろな医師がいます。いろいろな可能性をもつことはいいことです。
セカンドオピニオンを得ることは、他にも可能性をいくつか聞くことができる良い方法です。
別の医師が、まったく別の、期待できる治療法を思いつくかもしれません。
それはあなたの最初の主治医が考えなかったり、知らなかったりしたものなのです。こうしたことが起こりうるのです。
どんな医師でも、なにもかも知っているわけではありませんし、いつでも正しい判断を下せるということではないからです。
セカンドオピニオンはまた、一般的な医療の水準チェックにも使えます。
あなたが本当に最新のもっとも効果的な治療法を受けているかどうかを調べることができます。

たずねる時期
以下に、セカンドオピニオンをたずねるべき理由を列挙しました。
これはあなたが自分の考えを絞り込む際の手助けとなるでしょうが、どの時期にあなたがセカンドオピニオンを必要とするのかについて
決まった解答はありません。
ですから、あなたは自分の状態を考慮して、セカンドオピニオンによって自分が利益を得られるかどうかを判断してください。

あなたに治癒の希望がまったくない場合
もはや治る希望がなく、さらに治療を続けても意味がないと伝えられるガン患者が多くいます。
この場合、セカンドオピニオンを得ることから失うことはなにもありません。
逆に、どんなに低い確率であれ、、とても大きな利益を得る可能性があるのです。というのは、あなたの主治医が間違っていれば、
セカンドオピニオンによってあなたの命が救われるかもしれないからです。
ある外科医にはもはや手術することができないと思われた腫瘍が、別の外科医にとっては手術できるものである場合があります。
ていねいに診察することによって、ガンの種類が治療できる別のタイプであると診断される場合もあります。
ときには、最初の主治医は知らなかったけれども、別の医師が期待できる治療法を知っているということもあります。
こうしたことはすべて実際に起きたことなのです。調べるまではどうなるかはわからないのです。

あなたの症状が「境界線」にある場合
あなたの腫瘍が手術できそうであるものの、それが明確ではない場合、あるいは逆に手術できそうにないけれども
それが明確ではない場合、セカンドオピニオンを聞きたくなるかもしれません。
これによって不必要な手術を避けられるかもしれませんし生命が助かるかもしれないのです。
同様に,あなたの腫瘍が補助的な化学療法を必要とするかどうかの境界にある場合にも
セカンドオピニオンを聞きたくなるかもしれません。

あなたが地方に住んでいる場合
あなたが地方に住んでいて、小さな病院で治療を受けている場合、大病院の診察を受けることで良い結果がもたらされるかもしれません。
地方の小さな病院では良質の治療を受けることができないと言っているわけではありません。
しかし私は実際に起こった恐ろしい話を聞いたことがあるのです。

あなたの主治医に臨床治験を受けてほしいと頼まれた場合
あなたの主治医が研究者として参加している臨床治験を受けるようにあなたに勧めた場合、
承諾の署名をする前に、セカンドオピニオンを得るべきだと思います。医者にとって臨床治験をする際の最大の難関のひとつが、
その治験に参加してくれる患者を見つけ出すことなのです。それで医者は、あなたに最高の治療を受けさせるということよりも、
臨床治験を承諾する署名をさせることを重要視します。
ときには、患者を獲得するために金銭上の誘惑があったり、他の圧力があったりします。勘違いしないでください。
私は、臨床治験についての署名を求める医者のすべてがひとりでも多くの被験者を得ようとしていると言っているわけではありません。
ほとんどとは言わないまでも、大部分の医者は臨床治験によって利益を受けると期待される患者に声をかけています。
たいていの臨床治験は「多施設共同研究」です。つまり、同時期に国内の多くの病院で行なわれます。
あなたが頼まれた臨床治験がこの種類のものならば、おそらく、治験はもともとはあなたの主治医の発案ではないでしょう。
しかし、それがあなたの主治医自身が考えた治療法なら、その臨床治験にわくわくするのは当然なことです。
ですから、客観的なセカンドオピニオンが当然必要となるのです!
臨床治験がもたらしうるものはさまざまです。たまたまあなたの主治医がそれに参加しているという理由だけのために、
事実上ランダムに選ばれる臨床治験は、あなたにとってもっとも期待のもてるものではない可能性が高いでしょう。
この理由から、臨床治験に関してすべての可能性を調べてみるべきであり、
主治医がたまたま提供しようとしている治験を盲目的に承諾すべきではありません。このガンガイド情報のなかの、
「臨床治験を見つける」http://cancerguide.org/cis.htmlと
「臨床治験のしくみを理解する」 http://cancerguide.org/clinical_trials.html を参照してください。

あなたのガンがまれなものである場合
あなたのガンがまれなものである場合、セカンドオピニオンを求めるのは文句なく価値があります。
あなたに本当に必要なのは、そのまれなガンの専門医を見つけ出すことです。専門医があなたの住んでいる地域にいるのなら、
主治医をそちらに変えるべきですし、ありがちなことですが専門医が遠隔地にいるのならば、
あなたの主治医は電話での診察を通じてその専門医と協力することができるでしょう。
あなたが運よくすでに専門医のもとで治療を受けているのならば、もちろん専門医の助言を受けるために
セカンドオピニオンを得る必要はありません。あなたのガンがそれほどまれなものではなくても、
その種類のガンに特別な興味をもっている研究者を見出すことで、なんらかの利益を引き出すことができるかもしれません。
私のガンは腎臓ガンでしたが、それほどまれなものではありませんでした。しかしよくあるというものでもありません。
私の経験では、この種のガンをもっている患者の多くが、最新で最高の治療を受けているわけではありませんでした。
真の専門医を見つけるのは決して悪い考えではありませんよ!

あなたのガンの原発部位が不明である場合
場合によっては、医者は患者がどのような種類のガンであるのかがわからないことがあります。
この場合、転移性の腫瘍が発見されますが、細胞を調べてもどの種類か不明のままで、原発腫瘍もみつかりません。
あるいは、どこが原発部位であるのかがはっきりしません。ガンの治療はガンの種類によって大きく異なりますから、
診断が確定すればはるかに効果的な治療を受けることができるかもしれないのです。
この場合全ての適切な検査が行なわれたのかどうかをはっきりさせる為セカンドオピニオンを求めることは意味があります。
この状況では、病理学のセカンドオピニオンも考慮すべきでしょう。

病理学のセカンドオピニオン
たいていの人は、診断が下されたもととなった病理学報告書についてセカンドオピニオンを得る可能性など考えてないでしょう。
しかし、ガン治療の計画全体が、あなたがどのような種類のガンをもっており、どの程度広がったのかに基づいています。
これらの両方がふつうは、生検(バイオプシー=組織を少しだけ穿刺して取り、検査すること)や外科手術で得られた標本を
病理学者が解釈した結果に全体ないしその一部分を負っているのです。病理学的見解が変化すれば、
治療と診断が劇的に変化します。同時にたいていの患者は病理学のセカンドオピニオンは必要としないでしょう。
セカンドオピニオンを求めることが意味があるかどうかについては、一連の常識があります。
あなたのガンが本当にまれな種類であれば、必ず病理学のセカンドオピニオンを求めることをお勧めします。
その特定の種類のガンについて、あなたのガンを調べた病理医は経験がほとんどなく間違いを生じている可能性が高いからです。
あなたのガンの病理学報告が決定的な診断を下していなければ、おそらくセカンドオピニオンを求めるべきです。
同時に、病理報告書になにか異常なことが記述してあったり、あなたの病気の知識に照らしてそれが普通ではないと思ったら、
なんらかの誤りがある可能性が普通のときよりもずっと高いでしょう。
私は、腎臓ガンの手術を終わったばかりの患者と会ったことがあります。彼は私に腫瘍は「十分に分化していたよ」と語りましたが
その状態はありえないことではないものの、腎臓ガンの細胞では普通とはとても言えないものでした。
彼はまた、病理報告に腫瘍が「非定型性の腎ガン細胞」とあったと語ってくれました。彼は病理学のセカンドオピニオンを取り、
その結果、彼はまったく別の「腎ガン様体」と呼ばれる非常にまれなガンであったことがわかりました。
これによって彼の将来の治療法だけでなく、術後追跡調査のやり方や診断もすべて変わってしまいました。
第1歩として、主治医からあなたの病理学報告のコピーをもらうことです。病理学報告を理解する基礎については、
「エドワード・ユースマン博士の報告」 http://cancerguide.org/pathology.html を参照して下さい。
病理学で高い評価を得ている場所のひとつに、軍病理学研究所(AFIP)があります。
AFIPのウェブサイト(http://www.afip.mil/)を見ればほかの情報を知ることができます。

たずねる相手
まったく別の医師
あなたは現在の見解とは<独立な>セカンドオピニオンを望んでいるはずです。
ですから、あなたの主治医と密接な関係をもってはいない医者を選ぶべきです。
一緒に仕事をしている医者だと、似たような考えをしますし,仲間の見解に同意するかもしれません。
あなたに必要なのは、これまでとは違う新鮮な観点です。私はこれまで、
別の病院で治療している医師を見つけることを勧めてきました。
セカンドオピニオンを得るには、研究を主に行なっている病院や主要なガンセンターが普通はよいでしょう。
こうした場所には最新の治療と診断の情報があるはずだからです。
「先端医学研究所」(http://www.iasm.net/は無料できわめて独立性の高いセカンドオピニオンをするサービスを行なっています。
これはあなたが、HMO(注)のように外部のセカンドオピニオンにはお金を出さない医療保険の会員であったり、
もともと医療保険に入っていない場合に特に役に立ちます。

腫瘍委員会(院内腫瘍治療検討会)
かかっている病院と独立してはいないのですが、特別な種類のセカンドオピニオンが得られるところがありこれは検討に値します。
なぜなら、1度に広い範囲の意見を得ることができるからです。これは「腫瘍委員会」あるいは「腫瘍治療検討会」と呼ばれるものです。
たいていの病院には、医師団の定期的な会合である腫瘍委員会があり、委員によって示されたそれぞれのケースについて
最高の治療法は何かを考えます。典型的な例では外科学(外科)、腫瘍放射線照射学(放射線科)、
腫瘍薬物治療学(内科)といった分野の専門医が集まります。あなたの主治医が明確な治療方針をもっていないならば、
主治医から腫瘍委員会にあなたのケースを報告してもらえないか頼むという方法があります。

別の専門医
多くの種類のガンをいろいろな分野の専門医が治療しています。
たとえば、前立腺ガンを治療するのは、泌尿器科専門の外科医だったり、腫瘍放射線照射学の専門医だったり、
腫瘍薬物治療学の専門医だったりします。あなたのガンがどんな種類かについて基礎的な検査が済むと、
おそらくどんな専門医が治療することになるかを知るでしょう。
セカンドオピニオンを得るために、ほかの専門医のひとりに会ってみるというのは十分に価値があります。
たとえば、外科医は「この患者にはもうできるだけの治療をした」と確信して、もはやそれ以上の治療は必要ないと
判断するかもしれません。
ところが同じときに、腫瘍学の専門医なら化学療法や放射線照射のような補助的な治療法を行なうことで
快方に向かうことを示した研究について、もっと詳しい知識をもっているかもしれません。
逆に、腫瘍が手術可能かどうかについては、外科医の方が腫瘍学の専門医よりもよい考えをもっているかもしれません。
専門医は別の専門医による診察を頼むことがよくありますから、
このようなセカンドオピニオンを得るのになにもしなくてもよいこともあるでしょう。
しかし、必要とされた診察を受けることがなかったために、ひょっとしたら命を救えたかもしれない治療を
受けられなかったという患者もいます。

その分野の世界的権威
場合によっては,あなたの必要とするのは世界的権威です。
それはたいていの外科医が行わない特殊な手術を行なう外科医であったり、
あなたの症状にあてはまる新しく希望がもてる領域での最先端の研究を行なっている腫瘍学の専門医だったり、
あるいはまれなガンの専門家だったりします。
多くの場合,専門分野はきわめて狭いものです。たとえばX博士はある特定の脳腫瘍を切除するのに優れており、
Y博士は黒色腫(メラノーマ)の生物学的治療法の権威、という具合です。あなたにふさわしい専門家を見つけることは、
優れた医師としての名声を得ている医者を探すようには簡単にはいきません。
私はこれについては簡単な方法を知りません(あなたが知っていたら、ぜひ私に教えて下さい!)
あなたの主治医は誰が専門家なのか、知っていることもありますし、診察の紹介状を書いてくれるかもしれません。
医学関係の文献を調べて、誰の発表した論文があなたのもつ特定の問題に関係しているかを
見いだすことができる可能性があります。この方法はかなり有効です。


《参考サイト一覧》
ドクター北條コラム
http://www.tasukaru.ne.jp/tasukaru/saitama/home/medical/doctor9.htm

セカンド・オピニオンを推進させる会
http://mediazone.tcp-net.ad.jp/Life/index2.html

用語解説のサイト内
http://www.jp-brain.com/nurse-senka/care/care_50/yogo_info_sa_ha.htm#sec_

東京都衛生局
http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/kyukyu/sub1/byoukisoudan.html


最後にもう1つ、ナースのおばちゃんのコラム
自分の受けている医療に不満を感じて他の医師に相談をすること自体は必ずしも悪くないが、
むやみに他者に相談すればよいというものではないだろう。
読者投稿の中にもあるのだが、所謂doctor shoppingのような真似をしても、新しい受診先は始めから診察や検査をやり直す分、
患者にとっては2度手間になるだけでなく、医療費の無駄遣いにもなりかねないのだ。
医学知識が不十分な一般の方の場合、診療に疑問点・不満などがあれば、まずは通院先の医師にしっかりと訴えるのが良いのではないか?

医療関係者の説明不足という不満は患者側からよく聞かれるが、
実際には患者側も説明を求める努力を怠っているのではないだろうか?

多くの患者がしっかりした説明を外来診療の際に求めてきたら、医療者側もそれを無視するわけにはいかなくなる。
お客様である患者さんをいい加減に扱っていると、それこそ訴訟問題に発展しかねない。
そういう保身目的だけでなく、日々の診療・治療行為をスムーズに進行させていく為にも説明は必要不可欠なものなのだ。
ただし、相手がどれだけ理解しているかをわずか数分間の面談で察知するのは非常に困難であるため、
そこを責められると“身も蓋もない”ということだ。逆の立場で「あなたにそれが可能か?」と聞かれたらどう答えるのだろうか??


口頭での説明で覚えきれない時は医師にその旨を伝え、メモを頼むとか、可能であれば自分でメモするべきである。
多くの医療者は、患者さんが“医師の説明が1回で覚えきれない”ということは百も承知しているので、
何も恥ずかしがることはないのだ。そういう行為をしないでおいて、後になって説明不足と言われても困るのである。

一般のサービス業ではお客から苦情や注文がすぐに来るのに対し、医療ではそれがない為に
サービス提供側の医療機関もお客様への対応を勉強できずに来た・・・と言っている人もいる。
匿名希望とのことなので、あえてこの場で名前を書かないけど、これも一理あると考えている。
例えば診察料金や検査料金などの説明なしに、これらのサービスを提供して代金を請求するが、
あらかじめ金額を示さずにサービスを提供してその代価を請求するなどというのは、他のサービス業では考えられないことなのだ。

私自身の考えは冒頭の強調してある部分なので、そこを是非とも再度目を通して頂きたい。




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